親友の家に泊まるたびに気になってた三つ上の姉が、終電逃した俺を自分の部屋に匿ってくれた夜の話

これ読んでる人で、友達の姉ちゃんにドキッとしたことある人、正直に手挙げてほしい。

いや、俺だけじゃないと思うんだよ。だって友達んちに遊びに行くと、リビングにふらっと現れるお姉さんってなんかこう……家の中だから気が抜けてて、それがまたいいんだよな。わかるだろ?

俺、高橋って言います。24歳、都内の小さいIT企業でSEやってます。身長172、体重は聞かないでくれ。顔面偏差値は友達に「お前は雰囲気でなんとかしてるタイプ」って言われるレベル。つまりフツメン以下です。

で、親友の坂口——こいつとは中学からの付き合いで、大学は別だったけど社会人になってまた東京で再会して、月2くらいで飲んでた。坂口の家は中野坂上の駅から歩いて7分くらいのマンションで、2LDKに坂口と姉の二人暮らし。

その姉がやばかった。

名前は出せないけど、見た目の雰囲気で言うと今田美桜に似てる。ただもうちょっと背が高くて、たぶん163くらい。髪はいつも無造作にまとめてて、Tシャツにジーンズみたいなラフな格好が多いんだけど、それでもスタイルがいいからサマになる。推定Eカップ。坂口に「お前の姉ちゃんスタイルいいな」なんて死んでも言えなかったけど。

初めて坂口の家に行ったとき、リビングで鉢合わせした。

「あ、坂口の友達?いらっしゃい。麦茶でいい?」

「あ、はい、ありがとうございます」

それだけ。たったそれだけの会話だったのに、麦茶を持ってきてくれたときの横顔がなんか忘れられなくて。(いやいや友達の姉だぞ)って自分に言い聞かせたけど。

そっから坂口の家に行くたびに、姉ちゃんがいるかいないかをさりげなくチェックする自分がいた。いたらちょっと嬉しくて、いなかったらちょっとがっかりする。でも表には絶対出さなかった。ここ重要。友達の姉に手を出すとか、人としてアウトだろって思ってたから。

姉ちゃんは27歳で、新宿の出版社で編集やってた。帰りが遅いことが多くて、俺が坂口と飲んでるときにふらっと帰ってくるパターンが定番だった。

「あーただいま。あんたたちまた飲んでんの」

「お疲れ様です」

「高橋くんはいつも礼儀正しいね。うちの弟に爪の垢煎じて飲ませたいわ」

坂口が「うるせーな」って返すのがお決まりで、俺はヘラヘラ笑ってるだけ。でも「高橋くん」って呼ばれるたびに心臓がちょっと跳ねてた。(気持ち悪いなぁ俺)って毎回思ってた。

転機は去年の12月。坂口と新宿で飲んでて、二次会でカラオケ行って、気づいたら終電とっくに過ぎてた。

「やべ、終電ない」

坂口は笑って「うち泊まれよ」って言った。まぁいつものパターン。中野坂上まで歩いて、マンションに着いたのが2時前くらい。

リビングの電気がついてた。

「おかえり。……あ、高橋くんも?」

姉ちゃんがソファでノートPC開いて仕事してた。眼鏡かけてて、髪おろしてて、いつもと全然雰囲気が違った。(やばい、めちゃくちゃかわいい)って思った瞬間を、今でもはっきり覚えてる。

「すみません、終電逃しちゃって……」

「全然いいよ。ていうかこの子また潰れてない?」

見ると坂口、玄関で靴脱ぎながら半分寝てた。

「二次会でかなり飲んじゃって……」

「もー。高橋くん、ちょっと手伝って。この子の部屋まで運ぶから」

二人で坂口を引きずるように部屋まで連れてって、ベッドに転がした。坂口は着地した瞬間にいびきかき始めた。

「……で、高橋くんはどこで寝る?」

「あ、リビングのソファで大丈夫です」

「ソファ硬いよ?ていうかあたし今日まだ仕事残ってるからリビング使うし……うちの部屋でよければ寝てていいよ」

(え?)

「いや、そんな、申し訳ないですし……」

「気にしないで。あたしどうせ明け方まで仕事だから部屋使わないし」

断る理由が見つからなかった。いや、正直に言うと、断りたくなかった。

姉ちゃんの部屋に案内された。6畳くらいの洋室で、ベッドと本棚とデスクがあって、本棚にはぎっしり文庫本が詰まってた。部屋がほのかにいい匂いがして、(あ、これ姉ちゃんの匂いだ)って気づいた瞬間にもう頭がおかしくなりそうだった。

「布団ここね。枕カバーは昨日替えたばっかだから」

「ありがとうございます。ほんとすみません」

「いいって。おやすみ」

ドアが閉まって、一人になって、ベッドに横になった。天井見つめながら(寝れるわけねーだろ)って思った。好きな人の部屋で、好きな人のベッドで寝ろっていうのは拷問に近い。

……ていうかこのとき初めて、「好き」って自覚した。

それまでは「気になる」とか「ドキドキする」程度のふわっとした認識だったのが、この部屋の匂いで一気に確信に変わった。俺、姉ちゃんのこと好きだ。友達の姉なのに。(最悪だ……)

結局2時間くらいウダウダしてた。眠れない。喉も渇いた。水もらおうとそっとドアを開けて廊下に出ると、リビングからカタカタとキーボードの音が聞こえた。

リビングを覗くと、姉ちゃんがまだPC叩いてた。

「……まだ仕事してるんですか」

「あ、ごめん起こしちゃった?」

「いえ、なんか寝れなくて。水もらってもいいですか」

「冷蔵庫のペットボトル好きに飲んで。……ねえ、もしよかったらちょっと付き合ってくれない? あたしもちょっと休憩したいんだよね」

キッチンで水を取って、ソファに座った。姉ちゃんはPCを閉じて、眼鏡を外して目をこすった。

「はー、やっと一区切り。校了前っていつもこうなんだよね」

「大変ですね。何の本ですか?」

「ビジネス書。正直あんまり興味ない分野なんだけどね。本当は小説やりたいんだけど」

「へえ、小説好きなんですか」

「うん。高橋くんは?本読む?」

「全然読まないです。最後に読んだの……たぶん高校の教科書」

「ふふ、正直でいいね」

姉ちゃんが笑った。眼鏡外した顔を近くでちゃんと見たの初めてで、なんかもう直視できなかった。瞳がきれいで、睫毛が長くて。(あかん、これはあかん)

「ねえ、高橋くんさ」

「はい」

「彼女いるの?」

「いないです。もう2年くらい」

「え、なんで?普通にモテそうなのに」

「いや、それは絶対ないです。坂口のほうがよっぽどモテますよ」

「あいつがモテるのは顔じゃなくてノリでしょ。高橋くんは……なんだろ、ちゃんとしてるもんね。話聞いてくれる感じ?あたしけっこう好きだよ、そういうの」

(……え、今なんて?)

「好き」っていう単語に過剰反応する自分がいて、でも絶対そういう意味じゃないって頭ではわかってて。ただ心臓だけがバカみたいにドキドキしてた。

「あ、ありがとうございます……」

「てかさ、敬語やめない?あたしそんなに年上感出してるかな」

「いや、そういうわけじゃ……」

「じゃあタメ語で。ね?」

「わかっ……た」

「ふふ、ぎこちない」

なんかそこから堰を切ったみたいに喋った。仕事の愚痴とか、坂口の中学時代の話とか、最近ハマってるドラマの話とか。気づいたらもう4時近くて、外がうっすら明るくなり始めてた。

「やばい、こんな時間。高橋くんごめんね、付き合わせちゃって」

「いや、俺も楽しかったから」

「……ねえ、変なこと聞いていい?」

「うん」

「高橋くんがうちに来るとき、たまにあたしのこと見てるでしょ」

心臓が止まるかと思った。

「……え?」

「ごめん、自意識過剰だったら忘れて。でもなんかさ、目が合うんだよね、ちょいちょい」

(バレてた。完全にバレてた)

どうする。ここで否定するのが正解だってわかってた。坂口の姉だぞ。否定して、笑って流して、明日には何もなかったことにする。それが正解。

でも、深夜4時の変なテンションと、二人きりの空間と、姉ちゃんのまっすぐな目が、俺の理性を全部ぶっ壊した。

「……見てた。ごめん」

「……」

「坂口の姉ちゃんだってわかってるし、ダメだってのもわかってる。でもなんか……最初に麦茶もらったときからずっと気になってて」

言っちゃった。終わった。明日から坂口とも気まずくなるし、この家にも来れなくなる。そう思って俯いてたら、

「……あたしもね」

「え?」

「あたしも、高橋くんのこと気になってた。弟の友達だからダメだって思ってたけど」

嘘だろ。嘘だろ。嘘だろ。

頭の中でその3文字がぐるぐる回ってた。

「でもね、弟にバレたら絶対めんどくさいことになるし……」

「わかってる。俺もそれが怖い」

「……じゃあ、今日だけ。今日だけってことに、しない?」

姉ちゃんの目が潤んでた。泣きそう、とかじゃなくて、なんていうか……覚悟を決めた目。

ソファに並んで座ってた距離が、いつの間にか近くなってた。肩が触れてた。

「……いいの?」

「わかんない。でも、今逃したら多分もうないと思う」

俺から手を伸ばした。姉ちゃんの手を握った。指が冷たくて、でも握り返してくれた。

それからどっちからともなくキスした。唇が触れた瞬間、頭が真っ白になった。(ああ、もう戻れないな)って思った。

「ん……っ」

柔らかかった。唇も、キスの仕方も。ゆっくりで、確かめるみたいなキスだった。

離れたとき、姉ちゃんが小さく笑った。

「……へたくそ」

「うるさいな……」

「ふふ。もう一回」

今度はもうちょっと深くキスした。舌が触れて、姉ちゃんの息が荒くなってきたのがわかった。俺も正直もう限界だった。

「……部屋、行こ」

姉ちゃんに手を引かれて、さっきまで一人で悶々としてた部屋に戻った。ベッドに腰掛けると、姉ちゃんが俺の前に立った。

「電気、消すね」

部屋が暗くなった。カーテンの隙間から入る街灯の光だけ。

姉ちゃんが俺の膝の上に跨った。Tシャツ越しに体温が伝わってきて、もうその時点で理性なんかどっか行ってた。

キスしながら、俺の手が自然に姉ちゃんの腰に回った。

「ん……触って、いいよ」

Tシャツの裾から手を入れた。素肌がすべすべで、腰のくびれから脇腹をなぞると姉ちゃんがびくってなった。

「……脱がしていい?」

小さく頷いた。Tシャツを頭の上から抜くと、薄いグレーのブラだけになった。暗がりの中でも胸の大きさがわかった。

「……あんまり見ないで」

「無理」

「ばか……」

ブラのホックを外した。手が震えてた。こういうの慣れてるわけじゃないから。でも姉ちゃんのほうが震えてて、それが逆に俺を落ち着かせた。不思議なもんだよな。

胸に触れた。柔らかくて、手に収まりきらないくらいの大きさで。乳首に指が触れたとき、姉ちゃんが息を呑んだ。

「っ……ん、そこ……」

口に含んだ。舌先で転がすと、姉ちゃんが俺の頭を抱え込んできた。

「あ……だめ、声出ちゃう……」

「坂口起きるかな」

「あの子、一回寝たら地震でも起きないから……でも、怖い……」

(怖いって言いながら腰が動いてるんだよなぁ)って思ったけど言わなかった。

姉ちゃんのパンツの上から触った。もう濡れてた。

「ぁ……わかんないで……」

「もう濡れてる」

「言わないでよそういうの……っ」

パンツの中に手を入れた。指が触れた瞬間、姉ちゃんの体がびくんって跳ねた。ゆっくり指を動かすと、耳元で押し殺した声が聞こえた。

「ん……んっ……そこ、いい……」

クリを指の腹で小さく円を描くように触ると、姉ちゃんが俺の肩に顔を埋めた。吐息が首筋にかかって、それだけでどうにかなりそうだった。

「高橋……くん……」

「名前で呼んで」

「……っ、たかし……」

自分の名前がこんなに特別に聞こえたの、初めてだった。

「中、触ってもいい?」

「……うん」

指を入れると、きゅって締まった。ゆっくり動かしながら、親指でクリも刺激した。

「ぁっ……やば……っ」

「気持ちいい?」

「聞かないで……恥ずかしい……でも……っ、止めないで」

姉ちゃんの腰が小刻みに揺れ始めた。指に絡みつく感触が変わって、中がぎゅうぎゅう締まってきた。

「あっ……だめ……イっちゃう……」

「いいよ、イって」

「んんっ……!」

姉ちゃんが俺の肩に噛みつくようにして、体をびくびくさせた。声を殺してたけど、鼻にかかった甘い音が漏れてた。

しばらくそのまま動けなくて、二人で荒い息をついてた。

「……はぁ……っ」

「大丈夫?」

「……うん。ねえ……」

姉ちゃんが俺のズボンのベルトに手をかけた。

「あたしも……してあげる」

ズボンとパンツを下ろされて、もうガチガチになってたのを握られた。

「……おっきい」

「お世辞はいいから……」

「お世辞じゃないし。……ここ、気持ちいい?」

先っぽを親指でくるくる撫でられて、声が出そうになった。

「っ……うん、そこやばい」

姉ちゃんが手を動かし始めた。ゆっくりだけど、力加減が絶妙で、慣れてるのかなって一瞬思ったけど、手が緊張で微かに震えてるのがわかって、ああ頑張ってくれてるんだなって。

「こう?」

「うん……もうちょい速く……」

「ん……こう?」

ペースが上がって、ぬるぬるした先走りで手が滑る音がして、それが余計にエロかった。

「やば……出そう……」

「出していいよ……」

「あっ……ごめ、もう……っ」

姉ちゃんのTシャツにかかったらまずいとか一瞬考えたけど、もうそんな余裕なくて。姉ちゃんがとっさに両手で包み込むようにしてくれて、その中に全部出した。

「……はぁ……ごめん、手……」

「いいよ。……すごい量だね」

「やめてくれ恥ずかしい……」

姉ちゃんがティッシュで手を拭いて、俺の隣に横になった。暗い部屋で天井見つめながら、二人とも黙ってた。

「……ねえ」

「うん」

「このまま……最後まで、しない?」

心臓が跳ねた。

「いいの……?」

「今日だけって、決めたから。今日だけなら……全部したい」

その声が震えてて、泣いてるのかなって思って顔を覗き込んだら、泣いてはいなかったけど、目がすごく切なそうだった。

「ゴムないけど……」

「あたし持ってる。……ちょっと待って」

姉ちゃんがベッドから降りて、デスクの引き出しからコンビニの袋ごと出してきた。

「……笑わないでよ?用意してたわけじゃないから。たまたま前に買ったやつが残ってただけで」

「笑ってないよ」

「嘘、口元ちょっとニヤけてた」

「ニヤけてない。……ありがとう」

装着して、姉ちゃんの上に覆いかぶさった。暗闇の中で目が合った。

「……ゆっくりね」

「うん」

先端を当てて、ゆっくり入れていった。姉ちゃんが目をぎゅって閉じて、俺の背中に爪を立てた。

「ん……っ」

「痛い?」

「ううん……久しぶりだから……ちょっとだけ……」

奥まで入ったとき、二人で同時に息を吐いた。繋がってる実感がじわじわきて、(これ夢じゃないよな)って本気で思った。

ゆっくり動き始めた。姉ちゃんが俺の首に腕を回して、耳元で小さく声を漏らす。

「あ……ん……たかし……」

名前を呼ばれるたびに腰に力が入る。もっと気持ちよくしたいって思うのに、自分が気持ちよすぎてコントロールが効かない。

「中……すごい……」

「あたしも……気持ちいい……っ」

ペースが上がってきて、ベッドが軋む音がした。(やば、坂口に聞こえたらどうしよう)って一瞬頭をよぎったけど、もうそんなこと気にしてる余裕なかった。

「もっと……もっと奥……」

腰を深く押し込むと、姉ちゃんが声を殺すように唇を噛んだ。目の端に涙が浮いてた。

「泣いてる?」

「泣いてない……気持ちよすぎて……変になる……っ」

姉ちゃんの足が俺の腰に絡みついてきた。もう離れられない距離で、額をくっつけて、お互いの荒い息が混ざった。

「あっ……だめ……また……イく……っ」

中がぎゅうって締まって、姉ちゃんの体が弓なりに反った。その締め付けで俺も限界だった。

「俺もやばい……」

「いいよ……出して……ゴムしてるから……っ」

「っ……!」

腰を押し付けたまま、中で全部出した。ゴム越しでも、姉ちゃんの中の温かさがわかった。脳みそが溶けるような快感が全身を駆け抜けて、しばらく動けなかった。

「はぁ……はぁ……」

「……すごかった」

「うん……」

抜いて、ゴムを処理して、二人でベッドに横になった。

しばらく無言で、でも手だけは繋いでた。

「……ねえ」

「うん」

「今日だけって、さっき言ったけど」

「……うん」

「無理かも。あたし」

俺もだった。「今日だけ」なんて最初から無理だった。一回触れたら、もう忘れられるわけがない。

「……俺も無理」

「でも、弟には……」

「わかってる。すぐには言えない。でも、いつか絶対ちゃんと言う。だから」

「……うん」

姉ちゃんが俺の胸に頭を預けてきた。髪の匂いがした。さっきまでの部屋の匂いと同じやつ。

「あたしね、高橋くんが初めてうちに来たとき、麦茶渡したでしょ」

「覚えてるよ」

「あのとき『ありがとうございます』って、ちゃんと目見て言ってくれたの。弟の友達であんなにまっすぐ目見て話す子いなかったから、ちょっとドキッとした」

「……マジで?」

「マジで。そっからなんか、高橋くんが来るたびにちょっとそわそわしてた。帰り遅いのに早く帰ろうとしてる自分がいて、(あたし何やってんだろ)って」

(本人だけ気づいてなかったのは、お互い様だったんだな)

窓の外がだいぶ明るくなってきてた。時計を見たら5時半。

「そろそろ寝ないと……弟起きてきたらまずい」

「だな。俺、リビングで寝てるわ」

「うん……あ、ちょっと待って」

姉ちゃんがスマホを取り出した。

「LINE、交換しよ。弟のグループじゃなくて、二人で」

連絡先を交換して、リビングに移動した。ソファに横になったら、さっきまでの出来事が全部嘘みたいだった。でも背中の爪の跡がひりひりしてて、夢じゃないって教えてくれた。

あの日から半年。坂口にはまだ言えてない。姉ちゃんとは週に何回かLINEして、月に一回くらいふたりで会ってる。坂口には「残業」とか「先輩との飲み」って嘘ついて。罪悪感はある。めちゃくちゃある。でも姉ちゃんの顔見ると、全部どうでもよくなる。

先月、二人で下北沢を歩いてるとき、姉ちゃんが言った。

「あたし、そろそろ弟に言いたい」

「……うん。俺も、そう思ってた」

まだ言えてない。でも近いうちに言う。坂口がどう反応するかわからない。殴られるかもしれない。絶交されるかもしれない。でも、このままコソコソ続けるほうが坂口に対して不誠実だって、二人ともわかってる。

これを書いてる今日、坂口に「来週飲もう。ちょっと話がある」ってLINEした。既読はまだついてない。

どうなるかわからない。でも、あの夜、終電を逃してよかったと思ってる。


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