クラス中が敵同士だと思ってた俺と一軍女子が、夏期講習の帰りに二人きりになってから関係がバグり始めた話

高3の夏の話をする。

俺は都内の共学の普通の高校に通ってた、まあ量産型の男子高校生です。身長172、顔面偏差値は自己評価で48。友達はそこそこいるけど一軍ではない。完全に中間層。強いて言えば英語だけは得意だった。それだけ。

で、本題に入る前にひとり紹介しないといけない奴がいる。

水野。

俺の幼なじみで、同じマンションの3階と5階。小学校からずっと同じ学校で、高校もなぜか一緒。しかも3年間クラスまで同じ。呪いかよ。

水野は、顔だけで言えば今田美桜を少しだけキツくした感じ。身長160で、制服の上からでもわかるくらいスタイルがいい。たぶんEはある。クラスの一軍グループど真ん中にいて、男子の人気投票では毎年トップ3に入る。

そんな水野が、なぜか俺にだけやたら絡んでくる。

朝、教室に入ると俺の机の上に消しゴムのカスが山盛りになってる。犯人は確実に水野。俺が英語の小テストで満点取ると「はいはい英語だけね」って聞こえるように言う。廊下ですれ違うとわざと肩ぶつけてくる。体育で同じチームになると露骨にため息つく。

クラスメイトには完全に「あの二人マジで仲悪いよな」って思われてた。

俺もさ、最初は普通にムカついてたよ。小学校の頃は別に仲悪くなかったのに、中2くらいから急にこうなった。理由?知らん。聞いたこともない。聞く気もなかった。

まあ、水野がどれだけかわいくても、あの性格じゃ無理だわ、って自分に言い聞かせてた。

(...本当にそう思ってたかって言われると、ちょっと自信ないけど)

で、高3の夏。受験シーズン。

俺は英語以外が壊滅的だったので、駅前の河合塾の夏期講習に申し込んだ。現代文と数学。まあ普通だよね。

初日。教室に入って、空いてる席を探す。後ろの方の端っこに座って、テキスト出して待ってたら。

「は?なんでアンタがここにいんの」

振り向いたら水野がいた。

マジか。

「それはこっちのセリフだけど」

「うわ最悪。席変えよ」

って言いながら、なぜか俺の隣に座った。

(いや移動しろよ)

「...他空いてないし。仕方ないでしょ」

言い訳が早い。

まあそんな感じで、夏期講習が始まった。同じ現代文のクラス、隣の席。最悪の夏のスタート、だと思ってた。

ところがさ、塾だと水野は学校と少し違った。

一軍の取り巻きがいないからか、休憩時間にスマホいじってるだけで、あの威圧感がない。たまに俺のノート覗き込んできて「字きったな」とか言うけど、学校ほどトゲがない。

3日目の授業後、俺がファミマでアイスコーヒー買って外のベンチで飲んでたら、水野が出てきた。

「アンタまだいたの」

「コーヒー飲んでるだけだけど」

「...隣、座っていい?」

珍しく許可を求めてきた。

「どうぞ」

水野はブラックのアイスコーヒーを持ってた。甘いの飲むタイプだと思ってたから、ちょっと意外だった。

「今日の評論、全然わかんなかった」

「え、お前現代文苦手なの?」

「...悪い?」

「いや、意外だなって。国語できそうな顔してるから」

「国語できそうな顔ってなに」

ちょっと笑ってた。水野が俺の前で笑うの、たぶん中1以来だった。

それから、講習後にファミマ前で二人でコーヒー飲むのが日課みたいになった。誰に言われたわけでもなく、なんとなく。

水野は塾だと意外と普通に喋る。志望校の話とか、担任がウザいとか、そういう当たり前の高校生の会話。学校では絶対しないやつ。

(なんで学校だとあんなに突っかかってくるんだろ)

って何回も思ったけど、聞いたら絶対怒るからやめといた。

1週間くらい経った金曜日。講習が終わったのが21時前で、外に出たらゲリラ豪雨だった。7月の終わり、荻窪駅前が川みたいになってるやつ。

「うそ...傘持ってない」

「俺は折りたたみあるけど」

「...」

水野がこっちをジッと見てる。

「...入る?」

「別にアンタに頼んでないし」

って言いながら、もう俺の傘の下に入ってた。

折りたたみ傘に二人は無理がある。水野の左肩がびしょ濡れになってて、俺は右半身ずぶ濡れ。マンションまで歩いて15分の道を、二人で無言で歩いた。

水野の髪からシャンプーの匂いがした。なんか花みたいな甘い匂い。近すぎて、腕が何回も触れた。

マンションのエントランスに着いて、エレベーターに乗った。

「...ありがと」

小さい声だった。

「おう」

3階で水野が降りる。ドアが閉まる直前に振り返って、

「...アンタ、たまにはマシなことするじゃん」

ドアが閉まった。

その夜、人生で初めて水野からLINEが来た。番号は小学校の頃の連絡網で知ってたけど、メッセージなんて一回もなかった。

「今日の現代文の板書、写真撮った?」

勉強の質問。それだけ。でも、そこから毎晩LINEが来るようになった。

最初は勉強のことだけだったのが、だんだん脱線するようになって。深夜2時に「アンタって犬派?猫派?」とか送ってくる。俺が「猫」って返したら「うわ最悪。犬でしょ普通」って。

(お前な、人に聞いといてそれかよ)

でも、嫌じゃなかった。正直に言うと、LINEの通知が水野だとちょっと嬉しかった。

ただ、学校では何も変わらなかった。

月曜の朝、教室で水野とすれ違っても目も合わせない。むしろ前より冷たいまである。週末にLINEで二時間くらいダラダラやりとりしたのに、学校だと「どけ」の一言。

(意味わかんねえ...)

8月の第2週。講習も後半戦に入った頃、事件が起きた。

その日の講習後、俺は同じクラスの佐々木さんにノートを貸してた。佐々木さんは大人しい子で、現代文の板書が追いつかないから見せてくれって言われて。ファミマの前で立ち話しながらノート渡してただけ。

それを、水野が見てた。

次の日の講習。水野は俺の隣に座らなかった。一番前の端っこの席。

休憩時間に話しかけようとしたら、

「なに。用ないんだけど」

目が完全に死んでた。

「いや、今日なんか機嫌悪くない?」

「別に。アンタに関係ないでしょ」

「え、なんかした俺?」

「だから関係ないって言ってんの。ノート貸してあげなよ、あの子に」

あ。

「佐々木さんのこと?あれはただ...」

「知らない。興味ない。てか話しかけないで」

それから3日間、完全無視された。LINEも既読つかない。

俺はその3日間でようやく気づいた。いや、気づいてたけど認めてなかったことを、認めざるを得なくなった。

水野のことが気になってる。たぶん、かなり前から。

あいつに無視されるのがこんなにキツいってことは、もう好きなんだよ。ケンカしてても、悪口言われても、あいつと何かしら関わってる日常が俺の中で当たり前になってた。

4日目。講習が終わった後、水野がひとりで駅に向かうのを追いかけた。

「水野、ちょっと待って」

「...」

「無視すんなって。話聞けよ」

「なんで私があんたの話聞かなきゃいけないの」

「佐々木さんとは何もない。ノート貸しただけ」

「だから関係ないって...」

「じゃあなんでそんな怒ってんだよ。関係ないなら怒る理由ないだろ」

水野が立ち止まった。荻窪駅の南口のロータリー、街灯の下。セミがうるさかった。8月の夜で、でも水野の横顔がちょっと青白く見えた。

「...うるさい」

「なあ、ずっと聞きたかったんだけど。なんで俺にだけあんな態度なの。中学からずっと」

「...」

「俺なんかしたか?嫌いならもうケンカ売ってくんなよ。こっちだってしんどいんだよ」

「...嫌いじゃない」

「は?」

「嫌いじゃないの。嫌いだったらわざわざ絡まないでしょ、バカ」

水野の声が震えてた。

「中2のとき、アンタが田中さんと仲良くしてるの見て...頭おかしくなりそうで...でもアンタにとって私はただの幼なじみでしょ。だから...ケンカ売るしかなかった。話す口実が、それしかなかった」

俺は完全にフリーズしてた。

「塾で隣になれて嬉しかったのに、またあの子と...もういい。全部言っちゃったし。忘れて」

歩き出そうとする水野の腕を掴んだ。

「待てって」

「離して」

「お前のことが好きだ」

自分で言って驚いた。でも嘘じゃなかった。

「...は?」

「俺もたぶんずっと気づかないフリしてた。お前に消しゴムのカス山盛りにされてもムカつくより先に、今日も絡んできたなって安心してた。病気だよな」

「...なにそれ」

水野が泣いてた。街灯の下で、今田美桜みたいな顔をくしゃくしゃにして、泣いてた。

「帰ろ。一緒に」

「...うん」

マンションまでの帰り道、手を繋いで歩いた。水野の手は小さくて、少し汗ばんでた。

エレベーターに乗って、3階のボタンと5階のボタンを押した。いつもなら3階で水野が降りて終わり。

ドアが開いた。

「...今日、うち誰もいないんだけど」

「うちも」

「...5階、行っていい?」

心臓がうるさかった。

「...おう」

5階。俺の部屋。

玄関に入って、リビングの電気つけて、とりあえずエアコンつけた。手が震えてた。

「...なんか緊張する」

「お前ん家は何回も来てるのにな」

「小学校以来でしょ...全然違うよ」

ソファに隣同士で座った。テレビをつけたけど、何やってるか全然入ってこない。

「...ねえ」

「ん?」

水野がこっちを見てた。目が潤んでて、さっき泣いたせいでまつげが濡れてた。

「キス...していい?」

(こいつこんな顔するんだ)

三年間ケンカしてきた相手の唇が近づいてきて、触れた。柔らかくて、かすかにリップの甘い味がした。

「ん...」

最初は軽いキスだった。でもすぐに水野の手が俺のTシャツの裾を掴んで、離さなくなった。

「もっと...」

舌が触れた瞬間、頭の中が真っ白になった。三年分の何かが一気に溢れた感じだった。

水野の腰に手を回したら、思ったより細くて、でも触れた場所が柔らかくて、頭がおかしくなりそうだった。

「ん...っ、待って...」

「ごめん、嫌だった?」

「違う...嫌じゃないけど...ソファじゃなくて...」

水野が俺の部屋のドアを見た。

(マジで...いいのか、これ)

俺の部屋に入って、ベッドの端に二人で座った。エアコンの風がカーテンを揺らしてた。

「...ずっとこうしたかった。ほんとはずっと」

そう言って、自分からキスしてきた。今度は最初から深くて、水野の舌が俺の口の中で絡みついてきた。

呼吸の仕方がわかんなくなって、でも離したくなくて。キスしながら水野を押し倒したら、抵抗されなかった。

水野のキャミソールの肩紐が片方ずれてた。鎖骨が綺麗で、そこに唇を落としたら、小さく声が漏れた。

「あ...っ」

「脱がしていい?」

「...自分で脱ぐ」

水野がキャミソールを脱いだ。白いブラが見えて、制服の上からなんとなくデカいなと思ってたけど、想像以上だった。形が綺麗で、ブラから溢れそうになってる。

「...すげえ」

「変な感想やめて」

でも顔は真っ赤だった。

ブラのホックに手をかけたら、水野が自分で外した。

(プライド高いのはこういう時もかよ...)

でもそれが水野らしくて、なんか笑いそうになった。

胸に触れた。柔らかくて、手のひらに収まりきらない。乳首はもう硬くなってて、親指で触れたら水野がビクってした。

「んっ...」

「感じてる?」

「...うるさい」

いつもの「うるさい」なのに、声が全然違った。甘くて、震えてた。

乳首を舌で転がしたら、水野が俺の頭を両手で抱えてきた。

「あ...んん...っ」

「感じやすいんだな」

「黙って...」

水野のスカートの中に手を入れた。太ももの内側が熱くて、少し汗ばんでた。ショーツの上から触れたら、もう濡れてた。

「...っ、そこ...」

「濡れてんじゃん」

「言わないで...バカ...」

ショーツをずらして直接触れた。指が滑るくらい濡れてて、クリに触れた瞬間、水野の腰が跳ねた。

「やっ...そこダメ...っ」

「ダメって言いながら腰動いてるけど」

「うるさいうるさいうるさい...あっ...んんっ...」

指を一本入れたら、中がきゅって締まった。水野が目をぎゅっと閉じて、シーツを掴んだ。

「あっ...怖い...でも止めないで...」

その言葉で完全にスイッチ入った。ゆっくり動かしながら、親指でクリを触り続けた。

「やば...なにこれ...こんなの...っ」

水野の体がどんどん熱くなって、呼吸が浅くなって、太ももが震え始めた。

「あっ、あっ、ダメ...もう...っ」

びくんって大きく体が跳ねて、俺の手をぎゅって挟むみたいに脚を閉じた。

「はぁ...はぁ...っ」

「...イった?」

「...たぶん...初めて...人にされて...」

目が潤んでて、まつげに涙が溜まってた。こいつにこんな顔させてるの俺なんだ、っていう実感が遅れてやってきて、頭がクラクラした。

「...ねえ。して」

「...いいの?」

「アンタ以外に、こんなことさせるわけないでしょ」

その言い方が完全に水野で、ケンカ売ってくるときと同じ目の強さなのに声が甘くて、もう無理だった。

コンドームは部屋の引き出しにあった。(童貞じゃないです。高2のとき一回だけ経験があった。でもあれとは全然違う感覚だった)

水野が仰向けで脚を開いて、顔を背けた。耳まで赤くなってる。

ゆっくり先端を当てた。水野が息を止めた。

「入れるよ...」

「...うん」

少しずつ入れていった。水野の中は熱くて、きつくて、途中で水野が痛そうに顔を歪めた。

「痛い?止める?」

「止めないで...大丈夫...動いて」

ゆっくり腰を動かした。水野が俺のTシャツを掴んでて、その手が白くなるくらい力入ってた。

「あ...っ、ん...っ」

「水野...っ」

「名前で呼んで...」

「...美咲」

「...っ、もっかい」

「美咲...」

名前呼んだ瞬間、中がぎゅって締まって、俺も声出そうになった。

三年間「水野」って苗字でしか呼んでなかった。ケンカしてる相手を名前で呼ぶわけない。でも今こうやって繋がりながら名前を呼んだら、三年間の距離が全部溶けたみたいだった。

「もっと速く...して...」

腰の動きを速めた。ベッドが軋む音と、水野の声が混ざった。

「あん...っ、あっ、いい...そこ...っ」

「ここ?」

「うん...そこやばい...っ」

水野が両腕を俺の首に回してきた。密着して、息が耳にかかる距離で、水野のシャンプーの匂いがまた鼻を掠めた。あの雨の日と同じ匂い。

「好き...ずっと好きだった...ごめん...素直になれなくて...っ」

「謝んなよ...俺も...好きだから...」

水野の中が波打つみたいに締まって、俺ももう限界だった。

「やば...出そう...」

「...いいよ」

「いいよって...ゴムしてるけど...」

「いいから...出して...全部...」

水野が脚を俺の腰に絡めてきた。密着して、額同士がくっつくくらい近い距離で、水野の目を見た。泣いてた。でも笑ってた。

「出る...っ」

全身に電気が走るみたいな感覚がして、腰が勝手に押し付けられた。水野が同時にびくってなって、俺の背中に爪を立てた。

「あ...っ...」

「はぁ...っ...」

しばらく動けなかった。水野の上に倒れ込んで、二人とも息が荒くて、心臓の音がお互いに聞こえてた。

「...重い」

「あ、ごめん」

体をずらそうとしたら、水野が離さなかった。

「まだいい...もうちょっとこのまま」

(お前ほんとに意味わかんねえな...)

でも嫌じゃなかった。水野の心臓がドクドク鳴ってるのが、自分の胸に伝わってくる感覚が、なんか泣きそうになるくらい良かった。

しばらく経って、俺が離れてゴムを外してる間に、水野がシーツに包まって丸まってた。

「...大丈夫?」

「...大丈夫。てかさ」

「ん?」

「これって...付き合ってるってことでいいんだよね?」

「逆に付き合ってなかったら何なのって話だけど」

「ちゃんと言って」

「...付き合ってください」

「...はい」

シーツから水野の顔が出てきた。今田美桜みたいな顔が真っ赤で、でも嬉しそうで。

三年間ケンカしてた幼なじみが、俺の彼女になった。

「ねえ。学校でもケンカしていい?」

「は?なんで?」

「だって、いきなり仲良くしたらみんなびっくりするし...それに」

「それに?」

「...ケンカしてる時のアンタの顔、けっこう好きだから」

(こいつマジでやばい)

結局さ、2学期が始まっても俺と水野は学校では相変わらずケンカしてた。クラスの連中は「あの二人いつまで犬猿の仲なんだよ」って呆れてた。

でも放課後、マンションのエレベーターで二人きりになると、3階のボタンは押さなかった。

気づいてたのはたぶん、水野の親友の片桐だけだった。あいつだけ、俺と水野がケンカしてるの見てニヤニヤしてたから。

いまだに俺と水野のことを犬猿の仲だと思ってる同窓会のグループLINEを見るたびに、二人で笑ってます。


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