これ書くかどうか正直めちゃくちゃ迷ったんだけど、もう時効だと思うので書きます。
俺、埼玉の川越に住んでて、隣の家に小学校からの幼馴染がいたんですよ。名前は伏せるけど、ここでは「ひな」とします。
ひなは――顔で言うと橋本環奈を少し大人っぽくした感じ。目がでかくて、まつ毛が異常に長い。身長は155くらいで、高校入ってから急に胸が大きくなって、たぶんEかFくらいあったと思う。本人は気にしてたけど。
で、俺はといえば身長172の普通体型、顔面偏差値は48くらいの量産型。サッカー部でもレギュラーじゃないし、クラスでは「いい奴だけど恋愛対象ではない」ポジション。自分でわかってた。
なんでそんな俺とひなが仲良かったかって、単純に家が隣だから。小学校の頃は毎日一緒に帰ってたし、中学入ってからも夏休みになると互いの家を行き来してた。親同士も仲良くて、「あんたたち付き合っちゃえば」ってうちの母親に言われるたびに俺は(勘弁してくれ)って思ってた。いや、嫌なんじゃなくて、意識しちゃうからやめてほしかったんだけど。
で、問題はひなの「性に関する無知さ」だった。
最初に異変に気づいたのは中3の夏。ひなが俺の部屋でアイス食いながら急に聞いてきた。
「ねえ、男子ってさ、朝起きたらアレが大きくなってるって本当?」
「は?」
「保健の授業でやったんだけど、いまいちわからなくて。実際どうなの?」
いや聞くなよそれを俺に。
「…まあ、なるけど」
「えー!毎朝?大変じゃん」
大変だよ。お前の隣で寝てた小6の林間学校のとき死ぬほど大変だったよ。
このときは笑ってごまかしたんだけど、ひなの質問攻めは毎年夏になるとエスカレートしていった。
高1の夏。場所は同じく俺の部屋。エアコンがぶっ壊れてて扇風機だけで凌いでた日。ひなはキャミソール一枚で来やがった。谷間が見えてたけど本人まったく気にしてない。
「ねえ、AVって見たことある?」
「…なんでそういうこと聞くわけ?」
「クラスの子がさ、彼氏に見せられたって言ってて。私見たことないから気になって」
「友達に聞けよ」
「やだ、恥ずかしい。ていうか友達に聞くほうが恥ずかしくない?」
(いや俺に聞くほうが問題だろ)
「で、見たことあるの?」
「…あるけど」
「やっぱり!どんなの?」
「どんなのって…普通のやつだよ」
「普通ってなに?」
この会話が地獄だった。目の前の女の谷間がちらちら見えてる状態で、AVの内容を説明しろと。しかもひなは純粋な好奇心で聞いてるから、こっちが意識すればするほど罪悪感がすごい。
結局テキトーにごまかして終わったんだけど、ひなが帰った後、俺はひなのことを考えながら自分を慰めてしまった。最悪だった。幼馴染を性的な目で見てる自分が、本当に嫌だった。
高2の夏はさらにやばかった。
きっかけは、ひなが彼氏に告白されたって話だった。サッカー部のエース、田中(仮名)。顔は竹内涼真系のイケメンで、女子人気えぐかった。
「田中くんに告白されたんだけど、どうしよう」
俺の心臓が一瞬止まった。嫉妬、だったと思う。でも当時の俺はそれを認められなかった。
「いいじゃん、付き合えば。モテるじゃん田中」
「うーん…でもなんかピンとこないんだよね」
「贅沢だな」
「だって、好きな人と付き合いたいもん」
「じゃあ好きな人いるんだ?」
「…いるけど、言わない」
この会話のあと、ひなはしばらく俺の部屋に来なくなった。理由はわからなかった。2週間くらい。俺は俺で、ひながいない夏休みがこんなにつまらないのかと思い知らされた。
で、8月の終わり頃、突然ひなが来た。目が少し赤かった。
「田中くん、断った」
「そっか」
「…ねえ、私のこと女として見てる?」
心臓がうるさかった。(見てるに決まってんだろ)と思ったけど、口から出た言葉は――
「幼馴染だからなぁ…」
最悪の回答だった。ひなは「だよね」って笑って、その日は何事もなく帰っていった。
あの瞬間、ひなの目から光が消えたのを俺は見逃さなかった。でも、どうすることもできなかった。怖かったんだと思う。関係が変わるのが。
で、高3の夏。受験生だから遊んでる場合じゃないはずなんだけど、8月の頭に川越の花火大会があった。
「花火、一緒に行かない?」
久しぶりの誘い。高2の夏以降、ひなの例の質問攻めはぱったり止まっていた。距離も少し開いた気がしてた。
「いいよ、行こう」
当日、ひなは白地に紺の朝顔柄の浴衣で来た。髪をアップにしてて、うなじが見えてた。
(やばい。かわいすぎる)
花火は伊佐沼のあたりから見た。人混みがすごくて、はぐれないようにひなが俺の袖を掴んできた。
「はぐれちゃうから、つかまってていい?」
「いいけど…手のほうがよくない?」
自分で言っておいて(なに言ってんだ俺)ってなった。ひなは一瞬固まって、それから小さく笑って手を繋いできた。ひなの手、小さくて少し汗ばんでて、ちゃんと生きてる温度がした。
花火が上がり始めて、二人並んで見てた。横顔が花火の光で赤くなったり青くなったりしてて、俺はもう花火よりひなの横顔ばっかり見てた。
「ねえ、今年で最後かもね。こうやって二人で花火見るの」
「なんで?」
「だって来年は別々の大学でしょ。私、東京行くかもだし」
「…そっか」
「そっか、じゃないよ。もうちょっとなんか言ってよ」
花火の音で周りには聞こえてないけど、ひなの声はちょっと震えてた。
「俺もたぶん東京だよ」
「…ほんと?」
「まだわかんないけど、早稲田が第一志望」
「私、明治…近いじゃん」
ひなが笑った。その笑顔がなんか泣きそうにも見えて、俺はもうだめだった。
花火大会が終わって帰り道。ひなの家の前で別れるはずだった。
「ね、うち誰もいないんだけど…上がってかない?」
「…今から?」
「お母さん、おばあちゃんち行ってて明日まで帰ってこない。一人だとちょっとさみしくて」
(一人の家に上がるのはまずいだろ)と頭ではわかってた。でも断れなかった。断りたくなかった。
ひなの家のリビングで麦茶を飲みながら、花火の話とか受験の話をしてた。ひなは浴衣のまま。エアコンが効いてて、少し寒そうにしてた。
「着替えてくるね」
戻ってきたひなは、オーバーサイズのTシャツにショートパンツだった。太ももが眩しかった。正直、浴衣のときより破壊力があった。
で、ソファに並んで座って、なんかの動画を見てたんだけど、急にひなが言った。
「ねえ、覚えてる?中3のとき、朝のアレについて聞いたこと」
「…覚えてるよ」
「高1のときAVのこと聞いたのも」
「覚えてる」
「恥ずかしいこといっぱい聞いてたよね、私」
「まあ…うん」
「あれさ、本当に知りたかったわけじゃないんだよね」
「え?」
「…そういう話をすれば、少しは私のこと女として意識してくれるかなって」
時間が止まった気がした。
あの質問が全部、俺に自分を意識させるためだったって?中3から?3年間?
「え、ちょっと待って…」
「去年、幼馴染だからって言ったでしょ。あれ、すごい傷ついた」
「…ごめん」
「だから質問するのやめたの。もう無理なんだって思って」
ひなの目が潤んでた。テレビの光がひなの涙に反射してて、俺は自分がどれだけバカだったか思い知った。
「ひな、俺――」
「いいよ、無理に答えなくて」
「違う。聞けよ」
ひながこっちを見た。
「俺、お前のことずっと好きだった。中学のときから。でも俺じゃ釣り合わないと思ってたし、友達のままのほうがいいって自分に言い聞かせてた」
「…うそ」
「嘘じゃない。田中に告白されたって聞いたとき、マジで死にそうだった。でも応援するフリしかできなかった」
「バカ…っ」
ひなが泣きながら俺に抱きついてきた。Tシャツ越しに胸の柔らかさが伝わってきて、ひなの匂い――シャンプーと、かすかに火薬の残り香――が鼻を突いた。
「泣くなよ…」
「泣くに決まってるじゃん…3年だよ?3年もこっち見てくれなかったんだよ?」
「見てたよ。見すぎて怖かっただけ」
ひなが顔を上げた。目が赤くて、鼻も赤くて、でもそれが信じられないくらいかわいかった。
「…キス、していい?」
俺が頷く前に、ひなの唇が触れた。ぎこちなくて、唇の角度もちょっとズレてて、でもそれが逆にリアルだった。ドラマみたいに綺麗なキスじゃなかった。少し歯が当たった。
「…下手だな」
「初めてなんだから当たり前でしょ…っ」
「俺も初めてだけど」
「え、うそ。彼女いたことないの?」
「いない。お前がいるせいで他の女に興味持てなかった」
「…もう一回して」
今度はもう少しうまくいった。唇を重ねて、俺からそっと舌を入れた。ひなが少し驚いて体を強張らせたけど、すぐに受け入れてくれた。
ひなの舌がぎこちなく動いて、俺の舌に絡んできた。麦茶の味がした。呼吸が荒くなって、気づいたらソファの上でひなを押し倒す形になってた。
「…ちょっと待って」
「ごめん、嫌だった?」
「ちがう。…部屋、行こ。ここだとお母さん帰ってきたとき丸見えだから」
(帰ってこないって言ったのはお前だろ)と思ったけど、黙ってひなについていった。
ひなの部屋は何回も入ったことがある。勉強机、本棚、ベッドの位置も知ってる。でもこの状況で入ると全然違う空間に見えた。加湿器の横に置いてあるぬいぐるみが、なんか気まずそうにこっち見てる気がした。
ベッドに腰かけたひなの隣に座った。二人とも黙ってた。
「…ねえ、もう一個だけ質問していい?」
「いいよ」
「男の人って…初めてのとき、どうすればいいの?」
中3の夏から続いてきた、ひなの質問シリーズの最終回だった。
「俺も初めてだから、わかんない」
「…じゃあ、一緒に覚えよ?」
俺は頷いて、ひなにキスした。今度は立ち上がって、ひなの正面に立って。手をTシャツの裾にかけると、ひなが両腕を上げてくれた。
脱がすと、淡いピンクのブラだった。Eカップはあった。普段制服の上からでもわかってたけど、こうして目の前にあると迫力が全然違う。
「…でかいな」
「やめてよ、コンプレックスなんだから…」
「褒めてんだよ」
ブラを外すとき、手が震えた。ホックの外し方がわからなくて3回くらい失敗した。
「…前ホックだよ」
「言ってくれよ」
「あはは、ごめん」
笑いながら自分で外してくれた。その自然さに逆に(あ、こいつ俺のこと本気で信頼してるんだ)って実感が湧いた。
胸に触れた。柔らかくて、手のひらに収まりきらなくて、指が沈んでいく感覚。乳首はうっすらピンクで、触ると少し硬くなった。
「ん…っ」
「痛い?」
「ううん…なんか、変な感じ…」
舌で舐めると、ひなの手が俺の頭を掴んだ。力加減がわからないのか、ちょっと痛かったけど、それが逆に興奮した。
「あっ…そこ、くすぐった…あっ…ちが、くすぐったいんじゃなくて…」
語彙が追いつかなくてパニックになってるのがわかった。(このリアクションの一つ一つが、俺が初めてなんだっていう証拠だよな)と思うと、大事にしなきゃって気持ちと、もっと触りたいって欲が同時に来て、頭がおかしくなりそうだった。
ひなのショートパンツを脱がした。下着は白の、飾りのないやつだった。そこが少し濡れてた。
「…見ないで」
「見るに決まってんだろ」
「ばか…」
下着をずらして、指で触れた。AVで見た知識しかないから、正直どこがどうなってるのか手探りだった。クリを見つけて触ると、ひなの体がびくってなった。
「やっ…そこ…っ」
「気持ちいい?」
「わかんない…でも、止めないで…」
ゆっくり円を描くように触り続けた。ひなの呼吸がどんどん荒くなって、腰が小さく動き出した。
「あ…っ、なんか…やばい…お腹のあたりが…っ」
「力抜いていいよ」
「む、むり…っ、あっ、あっ…っ!」
ひなの体がぐっと強張って、俺の腕を両手で掴んで、そのまま小さく震えた。目をぎゅっと閉じて、唇を噛んでた。
「…っ…はぁ…はぁ…」
「大丈夫?」
「…いま、イったの…?私…」
「たぶん」
「これが…そうなんだ…」
(この子ほんとに何も知らないんだな)と思った。それがたまらなく愛おしかった。
ひなが体を起こして、俺のズボンに手を伸ばしてきた。
「ね、私も…触りたい」
「…いいけど、見て引かないでよ」
ズボンと下着を下ろすと、もうとっくに限界で、ひなが息を呑んだ。
「え…こんなに大きくなるの…?」
「お前のせいだよ」
おそるおそる指先で触れてきた。力加減がわからないのか、最初はつんつんしてた。
「握っていいよ」
「こ、こう…?」
握られた瞬間、声が出た。ひなの手は小さくて柔らかくて、自分の手とは全然違った。
「うっ…上下に、動かして…」
「こうかな…?強くない?」
「ちょうどいい…っ」
ぎこちない手つきだった。リズムもバラバラだった。でもそれが逆によかった。(ひなが、俺のを握ってる。触ってる)っていう事実だけで頭がぐるぐるした。
「あ、先っぽから透明なの出てきた…」
「それ我慢汁…やばい、もう…」
「え、出ちゃうの?どうすればいいの?」
「そのまま…っ」
ひなの手の中に出した。量がすごかった。3年分の感情ごと全部出た気がした。
「うわ…すごい量…あったかい…」
ティッシュで手を拭きながら、ひなが不思議そうな顔で自分の手を見てた。
「ねえ、これ…私がしたから出たんだよね?」
「当たり前だろ…」
「えへへ…」
嬉しそうに笑うのがまたやばかった。罪悪感と幸福感がぐちゃぐちゃに混ざってた。
「ひな…したい?」
「…うん」
「ゴムないんだけど…」
「…あるよ」
「は?」
「薬局で買った…今日のために…」
引き出しからコンドームの箱を出してきた。未開封。
(こいつ、今日こうなるの見越してたのか?)
「だって…もし、こうなったらって…ずっと考えてたから」
恥ずかしそうに俯くひなを見て、俺のなかで何かが完全に決壊した。
ゴムをつけるのも初めてだった。3回失敗した。ひなが「ちょっと貸して」って言って、保健の教科書レベルの知識で丁寧につけてくれた。なんだこの状況。
正常位で、ゆっくり入れた。
「っ…痛い…」
「やめる?」
「やめない。…もうちょっと、ゆっくり…」
ひなの目から涙が一筋こぼれた。俺はその涙を親指で拭って、額にキスした。
少しずつ奥まで入れた。きつくて、温かくて、こんなの一生忘れられないと思った。
「全部入った…大丈夫?」
「うん…動いて…いいよ…」
ゆっくり動いた。ぎこちなかった。角度も速さも全然わからなくて、AVの知識は何の役にも立たなかった。でも、ひなの表情を見ながら少しずつ調整していった。痛そうな顔をしたら止まって、大丈夫そうなら少し速くして。
「あ…ん…っ、さっきより…いい…」
「ほんと?」
「うん…気持ちいいかも…っ」
ひなが俺の背中に手を回してきた。爪が少し食い込んだ。
「キス…して…」
キスしながら動き続けた。ひなの声が漏れて、それが俺の口の中に入ってきて、もうまともに考えられなかった。
「やばい…もう出そう…」
「ゴムしてるから…大丈夫…出して…っ」
ひなの中で、果てた。体が痺れて、声が出て、ひなの体にしがみついた。ひなも俺を強く抱きしめてた。
「はぁ…はぁ…」
「…出た?」
「…出た」
「私の中で出したんだね」
「ゴムの中だけどな」
「あはは…そうだけど」
引き抜いてゴムを外した。ひなはそれをじっと見てた。
「こんなに出るんだ…すごいね」
「観察すんなよ…」
並んでベッドに寝転がった。エアコンの風が汗ばんだ体に冷たくて気持ちよかった。ひなが俺の腕を枕にして横を向いた。
「ねえ」
「ん?」
「中3の夏からさ、毎年エッチな質問してたじゃん」
「うん」
「あれ聞くたびにさ、家帰ってから一人で悶えてたんだよ。恥ずかしいこと聞いちゃったって」
「知らなかった」
「でもやめられなかったの。だってあの時間だけ、二人きりで、ちょっとだけ特別な空気になれるから」
「…俺もさ」
「うん?」
「ひなが帰った後、毎回お前のこと考えてた。色んな意味で」
「色んな意味って…もしかして」
「察しろよ」
「…お互いバカだね」
笑い合った。窓の外から、まだ遠くで花火の音がしてた。
少し休んでから、ひなが「もう一回したい」って言ってきた。
2回目は、さっきより余裕があった。ひなの体のどこが敏感か、もう少しわかってた。胸を舐めると背中が反ること、耳元で名前を呼ぶと力が抜けること。
今度は騎乗位を試した。ひなが上になって、おっかなびっくり腰を動かした。
「これ…んっ…自分で動くと…全然違う…っ」
「急がなくていいよ。好きに動いて」
ひなが目を閉じて、ゆっくり上下した。1回目よりずっと濡れてて、ゴム越しでもわかるくらい熱かった。
「あっ…なにこれ…奥に当たって…っ」
胸が目の前で揺れてて、俺は下から胸を持ち上げるように触った。
「んっ…あ…やば…さっきの感じ…来る…っ」
「いっていいよ」
「あ、あっ…っ!」
ひなが体を震わせて、そのまま俺の胸に倒れ込んできた。中がきゅっと締まって、俺も限界だった。
「俺も出る…っ」
抱きしめたまま、中で果てた。さっきより長く、深く、体の奥から搾り出されるみたいだった。
ひなが俺の胸に顔を埋めたまま、小さく言った。
「好き」
「俺も」
「付き合って」
「…順番おかしくない?」
「いいじゃん別に」
「いいよ。付き合おう」
「やった…3年かかった…」
ひなが泣き笑いしてた。俺も少し泣きそうだった。
朝の5時くらいまで話してた。中学の頃の思い出とか、受験の話とか、大学に入ったらどこでデートするかとか。くだらない話ばっかりだったけど、全部が宝物みたいだった。
結局そのまま二人で寝落ちして、昼前に起きた。ひなが先に起きてて、俺が目を覚ますと顔を覗き込んでた。
「おはよ。…夢じゃないよね?」
「夢じゃないよ」
「よかった」
その日の午後、俺は自分の家に帰って、机に向かった。ひなと同じ東京に行くために、死ぬ気で勉強しなきゃいけないと思った。人生で初めて、受験に本気のモチベーションが生まれた瞬間だった。
あれから何年か経って、俺たちはまだ付き合ってる。ひなは相変わらず性の知識に関しては俺が教える係で、最近は「ねえ、このおもちゃって何に使うの?」とか聞いてくる。
お前、それぐらいもうわかるだろ。
…わかってて聞いてるのか。
ああそうか。あの夏からずっと、こいつのやり方は変わってないんだな。