転職先の総務課で一番下っ端の俺が、送別会の二次会で年上の先輩に泣かれてからおかしくなった

こんにちは。28歳、去年の秋に転職した男です。

いきなりですけど、転職先の総務課で起きたことを書きます。たぶん誰にも言えないまま墓まで持っていくつもりだったんですが、最近ふと思い出すことが多くて、整理したくなりました。

俺のスペックから言うと、身長171cm、体重64kg、顔面偏差値は48くらい。前職は横浜の小さい商社で営業をやってて、まあ可もなく不可もなくというか、はっきり言って地味な男です。合コンに呼ばれても「聞き役」のポジション。彼女は2年いなかった。

転職先は品川の、従業員200人くらいの医療機器メーカー。総務課に配属されたんだけど、ここがまあ、女性比率がえぐい。課長の田所さん(50代男性)以外、全員女性。7人中6人が女。しかも俺が一番年下で、一番の下っ端。

最初の1ヶ月は本当にきつかった。コピー用紙の補充、来客対応、備品の発注、給茶機の掃除。前職では一応「営業」って肩書きがあったのに、ここでは完全に雑用係。しかも周りは全員年上の女性で、俺のことを「新人くん」としか呼ばない。名前で呼ばれたの、最初の自己紹介のときだけだったんじゃないかってくらい。

(28歳で新人くんって…まあ事実だけどさ…)

そんな中で、唯一まともに話しかけてくれたのが里見さんだった。

里見さん、33歳。身長163cmくらいで、髪はいつもひとつ結びにしてた。顔立ちは、うーん、石原さとみをもうちょっと庶民的にした感じ。目がぱっちりしてて、笑うと目尻にちょっとシワができるのが色っぽかった。スーツの上からでもわかるくらい胸があって、たぶんEかFくらい。同僚の女性陣の中では一番話しやすい人で、俺が何かミスしても「大丈夫大丈夫、私も最初そうだったから」って言ってくれた。

「新人くん、お昼まだ?一緒に行かない?」

入社3日目に声をかけられた時は正直びっくりした。

「あ、はい。ありがとうございます」

「ていうか新人くんって呼ぶのやめるね。えっと…瀬川くん、だっけ」

「はい、瀬川です」

「瀬川くんね。私は里見。よろしく」

品川駅の港南口側にある定食屋に連れてってもらった。ランチ780円の焼き魚定食を二人で食べながら、里見さんはいろいろ教えてくれた。田所課長は昼過ぎに機嫌が悪くなること、経理の山本さんには絶対に書類を午前中に出すこと、給湯室の流し台は右側だけ水の出が悪いこと。

「あとね、うちの課で今月末に辞める人が二人いるの」

「え、二人もですか」

「うん。中西さんと柴田さん。中西さんは結婚で、柴田さんは実家の介護。だからまあ、瀬川くんが入ったのはそのタイミングなんだよね」

なるほど、そういうことか。欠員補充で俺が採用されたわけだ。

中西さんは40代前半のベテランで、柴田さんは36歳。二人とも俺には丁寧だったけど、どこかよそよそしくて、「もうすぐいなくなる職場の新人にエネルギー使いたくない」って空気をなんとなく感じてた。

で、里見さんだけが違った。

昼休みに一緒にご飯に行く回数が増えて、たまにコンビニのコーヒーを買ってきてくれたり、残業で遅くなった日には「お疲れ」ってLINEが来るようになった。

(いや、これは普通に先輩が後輩の面倒見てくれてるだけだろ。勘違いすんな俺)

そう思ってた。本気でそう思ってた。

転職して3週間が経った金曜日。中西さんと柴田さんの送別会が、品川のダイニングバーであった。

課のメンバー全員と、他部署から仲のいい人が数人。合計12人くらい。俺は一番端の席で、ひたすらビールを注いで回る係だった。まあ下っ端だし、当然と言えば当然なんだけど。

中西さんが泣きながら挨拶して、柴田さんも泣いて、もらい泣きする人がいて、俺はまだ3週間しかいないから泣く要素がなくて、ちょっと居心地が悪かった。

一次会が終わって、半分くらいが帰った。残ったのは6人。カラオケに行こうって話になって、品川駅前のカラオケ館に入った。

里見さんはかなり酔ってた。頬がピンクで、いつもはきちんと結んでる髪がほどけかけてて、ブラウスの第二ボタンが開いてた。

「瀬川くーん、なんか歌ってよ」

「いや、俺あんまり歌うまくないっすよ」

「いいのいいの。ていうか瀬川くんってさー、いっつも遠慮してるよね」

「え、そうですか」

「そうだよ。もっとグイグイ来てよ。つまんないよ」

酔ってる里見さんは、いつもよりちょっと攻撃的だった。

そのうち一人、また一人と抜けていって、気づいたら部屋に残ってるのは俺と里見さんと、もう一人の同僚の高橋さんだけになってた。

高橋さんは30歳で、ショートカットが似合う、広瀬すずをちょっとキリッとさせた感じの人。普段は里見さんと仲がよくて、俺にはあんまり話しかけてこないタイプだった。

「里見、もう終電やばくない?」

「んー…帰りたくない」

「はいはい。じゃあ私は帰るね。瀬川くん、里見のこと頼んだ」

「え、あ、はい」

高橋さんがウインクして出ていった。あのウインクの意味、今思い返すと完全にわかってたんだろうな、高橋さんは。俺だけが気づいてなかった。

二人きりになったカラオケの部屋で、里見さんはソファに横になってた。

「ねー瀬川くん」

「はい」

「私さ、中西さんのことすごい好きだったんだよね」

「あ、そうなんですね。仲良さそうでしたもんね」

「入社したときからずっと面倒見てくれて。柴田さんもそう。二人いなくなったらさ、私が一番上になっちゃうんだよ」

「それは…大変ですね」

「大変っていうかさ…怖いの。私、そんなしっかりしてないし。みんなは私のこと頼りにしてくれてるけど、本当は全然ダメなんだよ」

里見さんの目が赤くなってた。さっきの送別会では泣いてなかったのに、ここで来たか、と思った。

「ごめんね、こんな話。瀬川くんに言ってもしょうがないのにね」

「いや、全然。聞きますよ」

「ほんと?」

「はい。俺、里見さんにはお世話になってるし」

里見さんが起き上がって、俺の隣に座った。距離が近い。肩が触れるくらい。柔軟剤と、少しだけ汗の匂いがした。

「瀬川くんってさ、彼女いるの」

「いないです。2年くらい」

「えー、なんで。優しいのに」

「優しいだけじゃモテないっすよ」

「そっか…私もいないんだよね。3年」

「里見さんがですか。意外です」

「意外って何」

「いや、里見さんきれいだし、モテそうだなって」

言ってから(やべ、酔ってるとはいえ直接的すぎたか)って思ったけど、里見さんは笑った。

「ありがと。でもね、仕事ばっかりしてたら気づいたら33だよ。笑えないでしょ」

「いや、33なんて全然若いじゃないですか」

「瀬川くんは28でしょ。5個下の男の子にそう言われても…」

そう言いながら、里見さんが俺の肩に頭を乗せてきた。

心臓がバクバクした。いや、マジで。こういう展開、漫画でしか見たことなかったから、脳が処理しきれなかった。

「…里見さん」

「ん」

「大丈夫ですか」

「大丈夫じゃない」

里見さんが顔を上げた。目が潤んでて、鼻の頭が赤くて、なんかもう、ずるいくらいかわいかった。

「瀬川くん、今日だけ…甘えていい?」

俺は何も言えなかった。何か言おうとしたけど、言葉が出てこなくて、ただ頷いた。

里見さんが俺の胸に顔をうずめて、泣き始めた。声を殺して泣いてた。俺はどうしていいかわからなくて、とりあえず背中に手を回した。

背中が思ったより細くて、肩甲骨が手のひらに当たって、こんな華奢な体で毎日がんばってたんだなって思ったら、なんか俺まで泣きそうになった。

5分くらいそうしてたと思う。里見さんが顔を上げて、俺と目が合った。

距離が近すぎた。息がかかるくらい。里見さんの唇が少し開いてて、その瞬間、俺の中の何かがプツンと切れた。

(いいのか、これ。先輩だぞ。職場の人だぞ。でも…)

里見さんの方から唇を寄せてきた。触れるか触れないかの距離で止まって、俺を見てる。

俺は自分からキスした。軽く、唇を合わせるだけのキス。

里見さんが目を閉じた。

「ん…」

もう一度キスした。今度はちょっと長く。里見さんの唇が柔らかくて、ほんのり甘いお酒の味がした。

「…瀬川くん」

「はい」

「ここ出よう」

「…はい」

カラオケの精算をして、外に出た。11月の夜で、風が冷たかった。里見さんがコートの前を合わせながら、俺の腕をつかんだ。

「ホテル…行ってもいい?」

俺は頷いた。声に出したら震えそうだったから。

品川駅の高輪口から歩いて5分くらいのビジネスホテル。フロントでツインを取った。里見さんが「ダブルでいいよ」って言ったけど、なんかそこは変に気を遣ってしまった。

部屋に入って、ドアが閉まった瞬間、里見さんが俺に抱きついてきた。

「ごめんね…酔った勢いで…」

「里見さんがいいなら、俺は…」

「いいの。いいから」

里見さんの声が震えてた。酔いと、緊張と、たぶん寂しさが全部混ざった声。

キスした。さっきよりも深く。里見さんの舌が俺の舌に触れた時、全身に電気が走った感じがした。

コートを脱がせて、ブラウスのボタンを一つずつ外していく。指が震えてた。情けないけど震えてた。3つ目のボタンで里見さんが笑った。

「緊張してる?」

「…めちゃくちゃしてます」

「私も」

ブラウスを脱がせると、ベージュのブラから胸がこぼれそうになってた。やっぱりでかい。Fだった。

「…きれいですね」

「やめてよ、恥ずかしい…」

里見さんが自分でブラのホックを外した。目のやり場に困る、とかそういう次元じゃなくて、見惚れた。柔らかそうで、形がきれいで、乳首が少しだけ上を向いてた。

「触っていいですか」って言おうとしたら、里見さんが俺の手を取って自分の胸に当てた。

柔らかかった。指が沈み込む感触。里見さんが小さく息を吐いた。

「ん…」

乳首を親指で撫でると、里見さんがびくっとした。

「あ…そこ、弱いの…」

俺のシャツを里見さんが脱がせて、ベルトを外してくれた。ズボンを下ろされる時、もう完全に勃起してて、里見さんがそれを見て少し笑った。

「瀬川くん…大きいね」

「いや、普通だと思いますけど…」

「そう?」

里見さんがベッドに座って、俺のものを手で握った。温かい手だった。ゆっくり動かしながら、上目遣いで俺を見てくる。

(これ、夢じゃないよな…)

3週間前まで他人だった人の手が、今、俺のそこを握ってる。しかもその人は5つ年上の、職場の先輩で、石原さとみ似の美人で。脳がバグってた。

「気持ちいい?」

「…はい」

「よかった」

里見さんが先端に唇をつけた。舌で舐めてから、ゆっくり咥えた。

「っ…」

温かくて、柔らかくて、吸い付かれる感覚で、一瞬意識が飛びそうになった。里見さんの頭が上下に動いて、時々チラッと俺の顔を見上げてくる。その目がやばかった。

「里見さん、やばい…そろそろ…」

「ん…いいよ。でもその前に…」

里見さんが口を離して、自分のスカートとタイツを脱いだ。ベージュの下着が揃いで、なんかそれが妙に生々しかった。こういう日を予想してたのか、それともいつもこうなのか。

「里見さん、その…ゴム、持ってないんですけど」

「…私、持ってる」

里見さんがバッグからコンドームを取り出した。

(持ってるんだ…ってことは…いや、考えるな)

「笑わないでね。一応いつもバッグに入れてるだけだから」

「笑わないですよ」

「…3年ぶりだから、ちょっと緊張してる」

里見さんが俺にゴムをつけてくれた。その指が震えてたのが、なんかすごく愛おしかった。

ベッドに横になった里見さんの脚を開いて、ゆっくり入れていった。

「あ…ん…」

「痛くないですか」

「大丈夫…ゆっくりね…」

奥まで入った時、里見さんが俺の背中に手を回してきた。爪が少し食い込んで、それが逆に興奮した。

(先輩の中に入ってる。俺が。あの里見さんの中に)

現実感がなかった。でも体は正直で、里見さんの中が熱くて、きつくて、動くたびに里見さんが声を漏らすのが、全部リアルだった。

「あ…ん…瀬川くん…」

「里見さん…」

「もうちょっと…速く…して」

言われるまま腰を動かすスピードを上げた。里見さんの声が大きくなって、ベッドが軋んだ。

「あっ…そこ…いい…」

「ここですか」

「うん…そこ…やばい…」

里見さんの体が弓なりに反って、中がきゅっと締まった。

「あああ…っ…イッ…ちゃ…」

里見さんが俺にしがみついて、全身を震わせた。爪が背中に食い込んで、たぶん跡がついたと思う。

その締め付けで俺も限界だった。

「俺も…もう…」

「いいよ…出して…」

腰を押し付けて、中で出した。ゴム越しだったけど、今までで一番気持ちよかった。体の芯が溶けるような感覚で、しばらく動けなかった。

里見さんの上に倒れ込んで、二人とも息が荒かった。

「…重い」

「あ、すみません」

横にどいて、天井を見つめた。隣で里見さんも天井を見てた。

しばらく無言が続いて、里見さんが先に口を開いた。

「…後悔してる?」

「してないです」

「ほんとに?」

「はい。里見さんは?」

「…してない。でも、明日からどうしよう」

「どうしようって」

「職場で顔合わせるの、気まずくない?」

「俺は平気ですけど。里見さんが嫌じゃなければ」

里見さんが横を向いて、俺の顔を見た。

「瀬川くんって、ほんとに鈍いよね」

「え?」

「私がなんで瀬川くんにだけ優しくしてたか、わかってないでしょ」

(…え?)

「入社初日に、瀬川くんがすっごい緊張した顔で自己紹介してたの覚えてる?あの時ね、声が裏返ってたの」

「…覚えてます。死ぬほど恥ずかしかった」

「あれ見て、なんか放っておけないなって思ったの。…で、一緒にお昼行くようになって、瀬川くんが私の話を全部ちゃんと聞いてくれるなーって気づいて」

「そりゃ先輩の話は聞きますよ」

「そういうことじゃなくて。…もういい、鈍感」

里見さんが俺の胸に顔をうずめた。

(え、それって…)

やっと俺の鈍い脳みそが追いついた。里見さんは、俺のことを「先輩として面倒見てた」んじゃなくて、最初から好きだったのか。

高橋さんのウインクの意味も、カラオケで二人きりにされたのも、全部つながった。

「里見さん」

「…なに」

「俺、鈍くてすみません」

「知ってる」

「でも今は、ちゃんとわかってます」

里見さんが顔を上げた。さっき泣いたせいで目が腫れてて、化粧も落ちかけてて、それでもきれいだった。

「里見さんのこと、好きです」

我ながらタイミングが最悪だと思った。裸でベッドの上で、事後に言う台詞じゃない。でも嘘じゃなかった。3週間しか一緒にいないのに、もう好きだった。たぶん最初の昼飯の時から。

里見さんが泣き笑いの顔をした。

「…ばか。先に言ってよ」

「先にって、入社3週間の下っ端が先輩に告白とか無理でしょ」

「それは…そうだけど」

「でも今言いました」

「うん…聞こえた」

里見さんがまたキスしてきた。さっきとは違う、柔らかいキス。

「…もう一回、したい」

二回目は、さっきより全然違った。里見さんが上に乗って、俺の顔を見ながらゆっくり動いた。

「ん…あ…」

さっきは勢いとか緊張でよくわからなかったけど、二回目は里見さんの表情がちゃんと見えた。眉をひそめて、唇を噛んで、時々目を開けて俺と目が合うと、恥ずかしそうに笑う。

「里見さん、きれいです」

「そういうの…今言わないで…集中できない…」

でも嬉しそうだった。腰の動きが速くなって、里見さんの胸が揺れた。俺は手を伸ばしてその胸を掴んだ。柔らかくて、手のひらからこぼれるくらいの大きさで、つい強く握ってしまった。

「あっ…強い…」

「すみません」

「…いい。もっと触って」

里見さんが俺の手の上から自分の手を重ねた。一緒に胸を揉みながら、腰を動かし続ける里見さんの顔がどんどん紅潮していった。

「瀬川くん…好き…」

「俺も…好きです…」

「あ…もう…だめ…」

里見さんが前のめりに倒れてきて、俺の胸に顔を押し付けた。中が痙攣するみたいに締まって、里見さんが声にならない声を出した。

そのまま俺も二回目を出した。里見さんの中で、ゴムの中に。さっきより全然気持ちよかった。たぶん、好きだって言った後だったからだと思う。

二人で絡まったまま、しばらく動けなかった。

「…ねぇ」

「はい」

「月曜日、会社でどうする?」

「普通にしますよ。急に態度変えたらバレるでしょ」

「…そうだね」

「でも、お昼は一緒に行きましょう。それはいつも通りだし」

里見さんが笑った。本当に嬉しそうに笑った。

「瀬川くんって、そういうとこだよね」

「どういうとこですか」

「鈍いくせに、大事なとこだけ鋭い」

意味がわかんなかったけど、褒められてる気がしたからそのまま受け取った。

朝の5時くらいにカーテンの隙間から光が差し込んできて、里見さんが先にシャワーを浴びた。俺はベッドで天井を見ながら、昨夜のことを反芻してた。

(本当にあったのか、これ。酔いが覚めたら「なかったことにして」って言われるんじゃないか)

シャワーから出てきた里見さんは、バスタオルを巻いた姿で俺の隣に座って言った。

「ねぇ、確認なんだけど」

「はい」

「昨日の告白、シラフでも有効?」

「有効です」

「じゃあ、付き合ってるってことでいい?」

「…はい」

里見さんが「よし」って小さく言って、ガッツポーズした。33歳の、濡れた髪の、バスタオル一枚の先輩のガッツポーズ。かわいすぎて笑った。

「笑うなー」

「いや、かわいいなって思って」

「…ばか」

月曜日、会社に行ったら高橋さんが俺の顔を見るなり、にやっと笑った。

「おはよう、瀬川くん。週末どうだった?」

「普通です」

「ふーん」

絶対バレてる。でもまあ、いいかって思った。

中西さんと柴田さんがいなくなった総務課は、やっぱりちょっと寂しくなった。でも里見さんが先頭に立って、俺に仕事を教えながら、一緒に回していく毎日が始まった。

昼休みに二人で品川の定食屋に行くのは変わらなかった。ただ、帰り道に里見さんが俺の小指に自分の小指を絡めてくることが増えた。それだけで心臓がうるさくなるんだから、俺も大概だなと思う。

あれから8ヶ月くらい経ちます。里見さんとはまだ続いてる。職場ではバレてないと思ってるけど、高橋さんだけは完全に知ってる。

先日、高橋さんにこう言われた。

「里見がさ、最近めちゃくちゃ楽しそうなんだけど。瀬川くんのおかげだよね」

「いや、俺はなにもしてないですよ」

「あーあ、また鈍感。里見がかわいそう」

…鈍感って、みんなに言われるの、なんなんだろう。

でもまあ、鈍感な俺でも一つだけわかることがある。あの送別会の夜、里見さんが泣いてくれなかったら、俺はたぶん今もまだ「新人くん」のままだった。

里見さん、泣いてくれてありがとう。

…なんかキモい終わり方になったけど、これが本音です。読んでくれてありがとうございました。


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