大学3年の春の話です。
俺は都内の私大に通っていて、フットサルサークルに入っていた。週2で駒沢の体育館を借りて活動するような、そこそこ真面目なサークル。メンバーは男女合わせて30人ぐらい。
俺のスペックは身長172センチ、体重63キロ。顔は友達に言わせると「雰囲気イケメン」らしいけど、要は雰囲気だけってことだろ。大学に入ってから彼女はいない。高校の時に付き合ってた子とは遠距離が無理で自然消滅した。
で、本題に入るんだけど、俺にはサークルに一個下の後輩がいた。
名前はここでは出せないので、仮にユキとする。
ユキは2年の春に入ってきた子で、第一印象は「なんでフットサルサークルにこんなのがいるんだ」だった。顔は今田美桜をもうちょっとだけ丸くしたような感じで、つまり普通にめちゃくちゃ可愛い。身長は160ぐらい。で、何よりすごかったのが胸で、Fカップはあった。フットサルのユニフォーム着ると、もう隠しようがないぐらいに揺れるんだよ。
ユキは高校までバレーボールやってたらしくて、運動神経は抜群だった。走り方がまず違う。素人のそれじゃなくて、体幹がしっかりしてるから動きにブレがない。でもフットサルは未経験で、ボールの扱いだけはまだぎこちなかった。
「先輩、私ボール全然蹴れないんですけど、どうしたらいいですか」
入部して1ヶ月ぐらいの時に、練習後にそう聞いてきたのが最初だった。
俺はサークルの中ではそこそこ上手い方で、高校までサッカー部だったからフットサルの基本は一通り教えられる。でも正直、後輩の面倒を見るのはめんどくさかった。
「YouTubeで動画見ろよ」って言おうとしたんだけど、ユキがこっちを見上げる目がやたらと真剣で、なんか断りづらかった。
「じゃあ金曜の練習終わった後、30分だけな」
「ほんとですか!ありがとうございます!」
こうして、毎週金曜の自主練が始まった。
最初はインサイドキックの蹴り方とか、トラップの足の置き方とか、本当に基礎の基礎を教えてた。ユキは飲み込みが早くて、教えたことを次の週にはちゃんとできるようになってくる。
(こいつ、真面目にやるんだな)
正直、最初は「可愛い先輩に教わりたいだけだろ」ぐらいに思ってた。いや、俺が可愛い先輩かどうかは知らんけど。でもユキは本気でうまくなりたかったみたいで、練習中の顔は完全にアスリートのそれだった。
ただ、問題があった。
ユキには彼氏がいた。
同じサークルの4年、キャプテンのタケだ。タケは身長180超えの正統派イケメンで、サークル内では一番モテてた。ユキが入部してすぐに付き合い始めたらしい。
だから俺は最初から「後輩の彼女」としてユキを見てたし、変な気を起こすつもりは一切なかった。
一切なかった、はずだった。
自主練が始まって2ヶ月ぐらい経った頃、ユキの様子がおかしくなった。
練習中にぼーっとすることが増えたし、いつもは「先輩先輩」ってうるさいぐらいに話しかけてくるのに、急に黙り込む時間が長くなった。
「おい、集中しろよ。今のトラップ全然ダメだぞ」
「あ、すみません……」
その日の練習後、駒沢公園のベンチでスポドリ飲んでたら、ユキが隣に座ってきた。
「先輩って、彼女いないんですよね」
「いねーよ。なんだよ急に」
「紹介しましょうか?友達に可愛い子いっぱいいますよ」
「いらん」
「えー、なんでですか」
「めんどくさいから」
ユキは少し笑って、それからしばらく黙った。6月の風が生ぬるくて、公園のランニングコースを走ってる人たちの足音だけが聞こえていた。
「先輩、相談があるんですけど」
「ん?」
「タケさんと最近、あんまりうまくいってなくて」
(来たよ……)
正直、こういう相談は一番困る。彼氏も知り合いだし、何を言っても地雷を踏む可能性がある。
「何があったんだよ」
「なんか……最近冷たいっていうか。LINEも既読無視多いし、会ってても全然話聞いてくれないし」
「4年は就活で忙しいからじゃないの」
「それはわかってるんですけど……。でも、この前サークルの飲み会で、他の女の子とずっと話してて。私が隣にいるのに」
「誰と?」
「……3年のマイさん」
マイは同級生で、確かに可愛い。タケがマイに気があるという噂は俺も聞いたことがあった。でもそれをユキに言うわけにはいかない。
「気にしすぎだろ。タケはそういうやつだよ、誰にでもフレンドリーなだけだ」
我ながら苦しい言い訳だと思った。
「そうですかね……」
ユキは納得してない顔で、ペットボトルのキャップをカチカチ回してた。
「先輩は優しいですね」
「は?」
「毎週こうやって練習付き合ってくれて、話も聞いてくれて。タケさんは最近、こういう時間作ってくれないから」
(いや、それ俺に言うなよ……)
ユキが俺の目を見てきた。夕日が横顔に当たってて、睫毛の影が頬に落ちてた。今田美桜に似てると思ったけど、この角度だと橋本環奈っぽい気もする。どっちにしろ反則だ。
「ま、練習は練習だから。変に考えんな」
「はーい」
ユキはいつもの笑顔に戻って、「じゃ、来週もよろしくお願いします!」と言って帰っていった。
その週末、サークルの飲み会があった。
下北沢の居酒屋で、20人ぐらいが集まってた。俺は端の方で同期と適当に飲んでたんだけど、タケとマイが二人で盛り上がってるのが嫌でも目に入った。
ユキはその反対側で、同期の女子たちと話してたけど、時々タケの方をチラッと見てるのがわかった。
(あーこれ、ダメなやつだ)
飲み会の帰り、駅に向かう途中でユキに呼び止められた。
「先輩、ちょっと待ってください」
「ん?」
「タケさんとマイさん、二人で二次会行きましたよね」
「……ああ、他のやつらも一緒だったと思うけど」
「私、誘われなかったんですよ」
ユキの声が震えてた。
「……酔ってるだろ。送ってくから、帰ろう」
「酔ってないです。……ちょっとだけ、ここにいていいですか」
下北沢の駅前のベンチで、ユキは泣いた。声を出さないように、肩だけ震わせて。
俺はどうしていいかわからなくて、ただ隣に座ってた。
「すみません、先輩の前で泣いちゃって」
「いいよ別に。ティッシュいる?」
「……ありがとうございます」
この時、俺はまだ自分の気持ちに気づいてなかった。ユキのことが心配なのは「後輩だから」だと本気で思ってた。
(本人だけが気づいてないって、こういうことなんだろうな。後から思えば)
翌週の金曜、いつも通り自主練をした。
ユキは何事もなかったかのように明るく振る舞ってたけど、時々ボールを蹴る力が強すぎて、体育館の壁にバコンと当たった。
「おい、壁壊す気か」
「あはは、すみません」
練習後、ユキが「先輩、今日ご飯行きません?」と言ってきた。
「二人で?」
「ダメですか?」
「いや、別にいいけど」
駒沢の近くにある定食屋に入った。サバの味噌煮定食を食いながら、ユキと適当に話してた。
「先輩って料理するんですか?」
「しないよ。コンビニ弁当か吉野家だよ」
「えー、ダメですよそれ。栄養偏りますよ」
「うるせーな、お前は俺の母親か」
「作りに行ってあげましょうか」
「は?」
「冗談ですよ」
冗談に聞こえなかったのは俺だけだろうか。
その翌週、事件が起きた。
サークルのグループLINEで、タケが「キャプテン辞めます。個人的な理由です」とだけ投稿した。同時に、ユキが個別にLINEしてきた。
「先輩、タケさんと別れました」
「え、マジで?大丈夫か」
「大丈夫です。というか、振られたんですけどね」
「……」
「マイさんと付き合うみたいです」
やっぱりか、と思った。同時に、自分の中で何かが動いたのを感じた。
それが何なのか、その時はまだわからなかった。いや、わかりたくなかったのかもしれない。タケは一応友達だし、振られたばかりのユキに手を出すなんて、どう考えてもクソ野郎のやることだ。
でも、金曜の自主練は続いた。
むしろ、ユキは前より真剣に練習するようになった。シュートの精度が明らかに上がってたし、守備の時の体の入れ方も様になってきた。
「先輩、私うまくなりましたか?」
「まあ、最初に比べたらな」
「もうちょっと褒めてくださいよー」
「素直に褒めたら調子乗るだろ」
「乗りませんよー」
(絶対乗るだろ)
練習後に二人でご飯を食べるのも恒例になった。駒沢周辺のラーメン屋とかカレー屋とか、安い店を開拓するのが地味に楽しかった。
7月に入って、梅雨が本格的になった。
その日の金曜、天気予報では「夕方から雷雨」と出てた。練習どうする、とLINEしたら、ユキから「行きます!降る前に終わらせましょう!」と返ってきた。
体育館についたのは17時。窓の外はまだ曇りだったけど、空気が湿って重かった。
いつも通り、基礎練から始めて、1対1をやった。ユキの動きがやたらキレてて、何回か抜かれそうになった。
「おい、うまくなりすぎだろ」
「えへへ、先輩のおかげです」
ユキが笑うと、胸が揺れる。ユニフォームの下にスポブラつけてるはずなのに、Fカップの存在感はそんなもんじゃ抑えられない。走るたびにぶるんぶるん揺れるのが視界に入って、何度も集中が切れそうになった。
(見るな、見るな……)
18時過ぎに、外が急に暗くなった。
バリバリッという雷の音がして、次の瞬間、ものすごい勢いで雨が降り始めた。体育館の屋根を叩く音がうるさくて、会話が聞こえないぐらいだった。
「やべ、帰れなくなるぞ」
「うわ、すごい降ってきましたね……」
スマホで雨雲レーダーを見たら、真っ赤な塊がこっちに向かってきてた。少なくとも2時間は止みそうにない。
「先輩の家って、ここから近いですよね?」
「まあ、歩いて10分ぐらいだけど」
「雨やむまで避難させてもらっていいですか?」
「……まあ、いいけど」
断る理由がなかった。いや、あったかもしれないけど、思いつかなかった。もしくは、思いつきたくなかった。
体育館を出て、二人で走った。俺の折りたたみ傘は一本しかなくて、ユキと相合傘になった。ユキの肩が俺の腕に当たって、濡れたユニフォーム越しに体温が伝わってきた。
アパートに着いた時、二人ともびしょ濡れだった。
「タオル出すから、とりあえず入れよ」
「お邪魔します……うわ、めっちゃ濡れちゃった」
ユキが玄関で立ってた。白いユニフォームが雨で体に張り付いてて、スポブラの形がくっきり見えてた。視線のやり場に困って、慌ててバスタオルを取りに行った。
「これ使え。あと、着替えないと風邪ひくから……」
Tシャツとハーフパンツを貸した。俺のやつだからサイズが合わないだろうけど、濡れたままよりマシだ。
「先輩、着替えどこで……」
「風呂場使っていいよ」
ユキが風呂場に入ってる間、俺は自分も着替えて、キッチンでお湯を沸かした。インスタントのコーンスープしかなかったけど、まあないよりマシだろう。
「先輩、お借りしまーす」
ユキが出てきた。
俺のTシャツはユキにはオーバーサイズで、肩から少しずり落ちてた。でも胸の部分だけはぱつぱつに張ってて、ブラつけてないのが一目でわかった。
(おい、ノーブラかよ……)
「あ、コーンスープ。ありがとうございます」
「濡れた服、洗濯機に入れとけよ」
「はい。……先輩の部屋、思ったより片付いてますね」
「思ったよりって何だよ」
「もっと汚いのかと思ってました」
「失礼だな」
ユキは俺のベッドの端に座って、コーンスープを両手で持ってふーふーしてた。その姿があまりにも自然で、まるで前からそこにいたみたいだった。
外の雨は全然止む気配がない。窓を叩く雨音と、時々光る稲妻。エアコンのリモコンを探したけど見つからなくて、扇風機をつけた。
「先輩」
「ん?」
「私のこと、どう思ってますか?」
「は?」
「後輩としてしか見てないですよね。わかってます」
ユキの目がまっすぐこっちを向いてた。コーンスープのマグカップを膝の上に置いて、少し前かがみになってる。Tシャツの襟ぐりから鎖骨が見えて、その先は見ないようにした。
「いきなり何だよ」
「タケさんと別れてから、ずっと考えてたんです。なんで毎週金曜日が楽しみなのか」
「フットサルが好きだからだろ」
「違いますよ。先輩に会えるからです」
「先輩と練習してる時間が、一番楽しいんです。タケさんと付き合ってた時より、ずっと」
俺の心臓がバクバクしてた。でも頭の中では「ダメだ」と繰り返してた。振られたばかりで寂しいだけだ、俺はリバウンドの受け皿じゃない、タケに悪い、色々と理由をつけて。
「ユキ、お前それ……別れたばっかで気が動転してるだけだろ」
「してないです」
「いや、してるって。冷静になれよ」
「冷静ですよ。むしろ、ずっと我慢してたのが、やっと言えただけです」
「先輩が鈍いから、こっちからこうやって言わないとわかんないでしょ」
「鈍い……?」
「毎週金曜に自主練お願いしてたの、フットサル上手くなりたいだけだと思ってたんですか?」
(……え?)
「最初はそうでしたけど。途中から、先輩と二人きりになれる口実にしてました」
マジかよ。
俺は頭が追いつかなくて、コーンスープをぐっと飲んだ。熱くて舌をやけどした。
「い、いつからだよ」
「入部してすぐぐらいです。自主練お願いした時には、もう好きでした」
「え、でもタケと……」
「タケさんのことは好きでしたよ、最初は。でも付き合ってるうちに、本当に好きなのは先輩だって気づいちゃったんです。最悪ですよね、私」
ユキが自虐的に笑った。
「タケさんに冷たくされるたびに、先輩の優しさと比べちゃって。そのたびに罪悪感で死にそうになって。でも金曜の練習だけはやめられなかった」
雷が光った。一瞬、部屋が真っ白になって、ユキの顔が照らされた。泣いてはいなかったけど、目の奥が赤くなってた。
「……俺も」
気づいたら声が出てた。
「俺も、金曜が一番楽しみだった。お前と練習してる時間が」
「後輩だからとか、タケの彼女だからとか、色々理由つけて気づかないフリしてたけど」
「先輩……」
「お前のこと、好きだわ。たぶん、結構前から」
言ってしまった。言ったらもう取り消せない。
ユキの目から涙がこぼれた。さっきとは違う、安心したみたいな涙だった。
「ずるい……。先輩がそれ言ったら、もう我慢できないじゃないですか」
ユキがマグカップをサイドテーブルに置いて、こっちに身を乗り出してきた。
キスは自然だった。どっちからともなく唇が重なって、お互いの息が混ざった。コーンスープの味がした。
唇を離した瞬間、ユキが俺の首に腕を回してきた。
「先輩、もう一回……」
今度のキスは深かった。ユキの舌が入ってきて、俺もそれに応えた。柔らかくて、少し震えてる舌。ユキの体が近づいてきて、胸が俺の体に押し付けられた。Tシャツ越しに、ブラをしてない柔らかさがダイレクトに伝わってきた。
(やばい……)
頭の中で警報が鳴ってたけど、体は全然言うことを聞かなかった。
「ん……先輩、手……」
気づいたら、ユキの腰に手を回してた。Tシャツの裾から指が入り込んで、素肌に触れた。バレー出身だけあって、腰回りの筋肉がしっかりしてるのに、肌は驚くほど柔らかかった。
「ごめん、嫌だったら……」
「嫌じゃないです。……もっと触ってください」
ユキが俺の手を掴んで、自分のお腹の方に持っていった。
(これ、本当にいいのか。いいんだよな……?)
俺はユキを押し倒すように、ベッドに寝かせた。上から見下ろすと、俺のTシャツを着たユキが、頬を赤くしてこっちを見上げてた。
Tシャツの裾をゆっくりたくし上げた。お腹が見えて、その上に、何も支えるもののないFカップが現れた。
「……でかいな、やっぱ」
「もう、そういう言い方……」
「いや、ずっと見てたから。練習中」
「知ってましたよ。先輩、すぐ目線そらすからバレバレでした」
「マジかよ……」
「嬉しかったんですよ、それ」
ユキが恥ずかしそうに笑った。
バレーで鍛えた引き締まった体に、不釣り合いなぐらいのボリュームがある胸。形がきれいで、仰向けになっても横に流れないで、ちゃんと上を向いてた。乳首はうっすらピンクで、少し硬くなってた。
手を伸ばして、右胸に触れた。指が沈み込むような柔らかさと、その奥にある弾力。ずっしりとした重みが掌に伝わってきた。
「ん……っ」
ユキが小さく声を漏らした。
揉むと形が変わって、指の間からむにゅっとはみ出る。左手で反対側も掴んで、両手で揉みしだいた。
「先輩……気持ちいい……」
「感じるの?胸で」
「うん……。タケさんはあんまり触ってくれなかったから……」
「嘘だろ。この胸を?」
「デカすぎるのは好きじゃないって言われて……」
何を言ってるんだタケは。この胸を前にしてそんなことが言えるとか、正気じゃない。
俺は顔を埋めて、乳首を口に含んだ。舌でゆっくり転がすと、ユキの体がびくっと跳ねた。
「あっ……先輩、そこ……っ」
吸いながら、反対側の乳首を指で摘まむ。ユキの手が俺の頭を掴んで、引き寄せてきた。
「ん、んっ……やば……こんなの、初めて……」
(タケ、お前マジで何やってたんだよ……)
胸を堪能しながら、手を下に滑らせた。ハーフパンツの上から触ると、ユキの太ももがぴくっと閉じた。
「……大丈夫。ゆっくりやるから」
「……うん」
ハーフパンツを脱がせると、借り物の俺のボクサーパンツの上から、もう湿ってるのがわかった。
「え、俺のボクサーパンツ履いてんの」
「だって他にないじゃないですか……恥ずかしいからあんまり見ないでください」
「いや、なんかエロいな……」
「もう!」
ユキが顔を覆ったけど、体は逃げなかった。
ボクサーパンツの上からゆっくり指を這わせると、ユキの腰が小さく動いた。布越しに指を沈めると、もう十分に濡れてて、指の感触がダイレクトに伝わってきた。
「あ……っ、先輩……」
パンツをずらして、直接触れた。指先がぬるっと滑って、ユキの体がぶるっと震えた。
「ここ?」
「う……ん……そこ、気持ちいい……」
クリを人差し指で円を描くように触ると、ユキの呼吸が荒くなった。太ももが開いて、もっとと言わんばかりに腰を押し付けてくる。
「先輩……指、入れて……」
中指をゆっくり入れた。中は熱くて、きゅっと締まった。バレーで鍛えた内転筋のせいか、挟む力が強い。
「っ……あ、深い……」
「痛い?」
「痛くない……。もっと奥……お願い……」
指を奥まで入れて、少し曲げて上の壁を探った。ざらっとした感触に当たった瞬間、ユキが声を上げた。
「あっ!そ、そこ……!なに、それ……っ!」
「ここか?」
「やばっ……なにこれ……こんなの知らない……っ」
ユキの中がぎゅうっと指を締め付けてきた。同時に胸を吸い続けると、ユキの声がどんどん大きくなっていった。
「せ、先輩っ……やば、なんか、来る……っ!」
「いっていいよ」
「あっ、あっ、あぁっ……!」
ユキの体がぐっと反って、太ももで俺の手を挟みこんだ。内側がびくびく痙攣してるのが指で伝わってきた。
「……っはぁ……はぁ……」
「大丈夫?」
「……いま、イッた……のかな……。こんなの初めて……」
ユキが信じられないって顔でこっちを見てた。目が潤んでて、頬が真っ赤で、唇が半開きになってた。
「タケさんとしてる時、一回もイけたことなかったんです……」
「マジかよ」
「マジです……。先輩、すごい……」
その目で見ないでくれ。理性が持たない。
「先輩……入れて、ほしい……」
ユキが俺のハーフパンツの上から、もう限界まで硬くなってるところに手を伸ばしてきた。
「ゴムあるか?」
「……先輩の部屋にないんですか?」
「あるよ、一応」
引き出しの奥からコンドームを出した。使う予定なんてなかったのに買ってあったのが、今この瞬間のためだったのかもしれない。いや、それはさすがにキモいか。
ゴムを着けて、ユキの上に覆いかぶさった。
「入れるぞ」
「うん……来て」
先端を当てて、ゆっくり押し込んだ。ユキの中はさっき指を入れた時より、もっと熱くて、もっときつかった。
「んっ……!あ……大きい……」
「きつかったら言えよ」
「大丈夫……全部、入れて……」
根元まで入れた瞬間、ユキが俺の背中に爪を立てた。内壁が竿全体を包み込むように締め付けてきて、頭が真っ白になりそうだった。
「やば……ユキ、中すごい……」
「先輩も……大きくて……奥まで来てる……」
ゆっくり動き始めた。引いて、押して。そのたびにユキの胸が揺れた。Fカップが俺の動きに合わせて上下に波打つのを見ながら、腰を使った。
「あっ、あっ……先輩……きもちいい……っ」
ユキが両手を俺の首に回してきた。密着すると、汗ばんだ肌と柔らかい胸が直接当たって、全身がぞくっとした。
「先輩……好き……。ずっと好きでした……」
「俺も……。もっと早く気づけばよかった」
「んっ……もっと、強くしてもいい……?」
「……ああ」
腰の動きを強くした。ぱちゅっ、ぱちゅっと湿った音が部屋に響いた。外の雷雨の音に混ざって、なんだか現実感がなかった。
(本当にこれ、起きてるのか?夢じゃないよな?)
「あぁっ!そこ……!さっきと同じとこ……!」
奥の壁に当たる角度を見つけた。そこを重点的に突くと、ユキの声が一段高くなった。
「やだ……また来る……先輩、先輩……!」
「一緒にイこう」
「うん……っ、先輩と一緒に……っ!」
ユキの中がぎゅうっと締まって、俺も限界だった。
最後に深く突き入れて、二人同時に果てた。ゴム越しだったけど、ユキの中の痙攣が伝わってきて、意識が飛びそうだった。
「はぁ……はぁ……」
「……すごかった……」
しばらく二人で動けなかった。ユキが俺の胸に顔を埋めて、肩で息をしてた。
汗だくの体を扇風機の風が撫でていく。外の雨はまだ降り続けてたけど、雷は遠くなってた。
「先輩」
「ん」
「もう一回……したい」
「マジで?」
「だって……こんなに気持ちいいの、初めてなんですよ?もったいないじゃないですか」
ユキが起き上がって、今度は俺の上に跨ってきた。新しいゴムを着けて、ユキが自分から腰を下ろした。
「ん……っ、あ……この体勢、もっと深い……」
上から見下ろすユキは、練習中のアスリートの顔とは全然違ってた。唇を噛んで、眉を寄せて、でも気持ちよさそうに腰を揺らしてる。
一回目と違ったのは、余裕が出てきたこと。さっきは必死で、夢中で、何も考えられなかった。でも二回目は、ユキの表情をちゃんと見れたし、声を聞いて角度を変えたりできた。
「先輩……見ないでよ、恥ずかしい……」
「見るに決まってんだろ。可愛いんだから」
「ば、ばか……っ」
ユキが照れて俺の胸に倒れ込んできた。そのまま後ろから腰を抱えて、下から突き上げた。
「あっ!ちょ、先輩……んっ、すごい……っ」
Fカップが俺の胸の上で潰れて、形を変えながら揺れてた。ユキの喘ぎ声が耳元で直接聞こえて、それだけで射精しそうになった。
「先輩、先輩……好き……もう、先輩のじゃなきゃ嫌……」
「俺のだよ。ユキは、もう俺のだから」
自分で言ってて恥ずかしかったけど、本心だった。
「あっ、イク……っ、先輩……一緒に……!」
二人でまた一緒にイった。さっきより長くて、深い快感が体の芯まで広がっていった。
終わった後、ユキは俺の腕の中で動かなくなった。寝たのかと思ったら、小さい声で言った。
「先輩」
「ん」
「雨、止んでますよ」
窓の外を見たら、本当に雨が止んでた。雲の切れ間から月が見えてた。スマホを見たら23時過ぎだった。
「……帰る?」
「帰りたくないです」
「そっか」
「このまま泊まっていいですか?」
「いいよ」
ユキが俺の腕にぎゅっとしがみついてきた。
「来週の金曜も、自主練しますか?」
「するよ。毎週だろ」
「じゃあ、自主練の後は毎回ここに泊まりに来ます」
「おい、毎回は……」
「ダメですか?」
ユキが上目遣いで見てきた。今田美桜の顔でそれやるの反則なんだって。
「……いいよ。好きにしろ」
「やった」
ユキが笑って、俺の胸に顔を埋めた。
あの夜から、金曜日は俺にとって特別な曜日になった。駒沢でフットサルして、汗かいて、二人でご飯食べて、俺の部屋に帰る。そういう生活が始まった。
サークルのやつらにバレたのは翌月だった。「お前ら付き合ってんの?」って聞かれて、ユキが「はい!」って即答した時の、周りの「やっぱりな」って顔は忘れられない。
俺だけが気づいてなかったらしい。ユキが俺のことを好きだってこと、サークルのほぼ全員が知ってたって。
……マジかよ。