これ、書いていいのかどうか正直まだ迷ってる。
でも誰かに吐き出さないと頭おかしくなりそうなんで、書きます。匿名だし。
俺、28歳。都内の中堅メーカーで営業やってる。妻とは大学のサークルで知り合って、25のときに結婚した。子どもはまだいない。住んでるのは武蔵小杉のマンション、駅から徒歩12分の1LDK。
容姿は……まあ、よく言えば普通。168センチで、体重は最近ちょっと増えて67キロ。髪型はツーブロックにしてるけど、妻からは「美容院行く前と後で変わらないよね」って言われるレベル。
妻は1つ上の29歳で、アパレルの企画職。月に1回くらい大阪出張がある。3泊4日とか。今回もそれだった。
で、妻の妹。名前は伏せるけど、妻より4つ下の25歳。今年から都内の病院で看護師として働き始めた。
この義妹がさ。
困ったことに、めちゃくちゃかわいいんだよ。
顔で言うと、今田美桜に似てる。目がくりっとしてて、鼻筋が通ってて、口元がちょっとだけ笑ってるみたいな感じ。身長は160センチくらいで、看護師のくせにネイルはいつもちゃんとしてる(休みの日だけらしいけど)。
で、胸。Gカップ。
いや、別に聞いたわけじゃない。妻が酔ったときに「うちの妹Gあるんだよ、ほんとムカつく」って言ってたのを覚えてただけで。
普段はそこまで意識してなかった。年に数回、正月とか盆に顔合わせるくらいだったし。義妹も俺に対しては「お義兄さん」って、ちゃんと距離取ってた。
話が動いたのは、6月の半ば。
妻が大阪出張の前日に、「ちょっとお願いがあるんだけど」って切り出してきた。
「なに?」
「あ、違う違う。妹のことなんだけどね」
妻が言うには、義妹のマンションが水漏れ事故で大規模修繕に入るらしい。1週間くらい住めないから、うちに泊めてやってほしいと。
「いいけど、俺ひとりの時に泊まるの?」
「私が出張の3日間だけ被るけど、大丈夫でしょ。妹だよ?」
まあ、そうだよな。義理とはいえ妹だし。俺だって大人だし。
「大丈夫大丈夫」って軽く返した。
(このときの俺、ほんとにバカだったと思う)
妻が出張に出た翌日の土曜日、義妹がキャリーケースひとつでやってきた。
玄関で「お義兄さん、お世話になります!」って深々とお辞儀されて、「いやそんな他人行儀にしなくていいから」って笑った。
問題は、その格好だった。
白いTシャツに薄いカーディガン。下はデニムのショートパンツ。6月で気温28度だから、まあ当然の格好なんだけど。
Tシャツから覗く谷間の存在感が、率直に言ってヤバかった。
(見るな見るな見るな)
俺は視線を必死に泳がせながら、リビングに案内した。
「わー、きれいにしてますね。お姉ちゃんが掃除したんですか?」
「いや、俺。昨日の夜に慌てて」
「えー、お義兄さん偉い!うちの部屋とか見せられないですもん」
笑いながらリビングを見回す義妹の横顔が、まあ、かわいいんだわ。
荷物を置いた義妹は、「せっかくなんで晩ご飯作りますね!」と言い出した。
「いいよ、出前でも取ろうよ」
「いえ、居候のお礼です。何が食べたいですか?」
「じゃあ……カレー?」
「了解です!買い物行ってきますね」
近所のライフに行く義妹を見送りながら、俺はソファに座って天井を見た。
(3日間。たった3日間だ。大丈夫だろ)
義妹が作ったカレーは、めちゃくちゃ美味かった。
妻のカレーはルーを2種類混ぜる本格派なんだけど、義妹のはバーモントカレーの甘口にリンゴのすりおろしを入れたやつで、なんか懐かしい味がした。実家の味に近いっていうか。
「これうまいな」
「ほんとですか? 看護学校のとき毎週作ってたんで、もう目つぶってても作れます」
「目つぶったら危ないだろ」
「あはは、たしかに」
2人でダイニングテーブルに向かい合って食べてるこの状況、冷静に考えるとかなりまずい。妻がいないのに、妻の妹と食卓を囲んでる。
でも義妹はまったく気にしてない様子で、職場の愚痴を楽しそうに話してた。
「夜勤明けにさー、先輩に『今日カンファ出て』って言われて。死ぬかと思いました」
「看護師って大変だよな……」
「でも患者さんに『ありがとう』って言われると、まあいっかってなるんですよね」
そういう話を聞いてると、ちゃんと仕事頑張ってるんだなって思う。妻の妹って立場じゃなくて、ひとりの人間として。
(いや待て、なんでそんな感想が出てくるんだ俺)
食後、義妹は皿洗いまでしてくれた。
キッチンに立つ後ろ姿を見るともなく見てしまう。腰のくびれからショートパンツのラインにかけて、目が吸い寄せられる。
振り返った義妹と目が合って、慌ててスマホに視線を落とした。
「お義兄さん、お風呂先どうぞ」
「あ、うん。じゃあ先入るわ」
風呂の中で冷水を顔にかけた。落ち着け。ほんとに落ち着け。
風呂から上がると、義妹がリビングでテレビを見てた。Tシャツとショートパンツのまま、ソファに体育座りしてる。カーディガンは脱いでいて、Tシャツ一枚。
(ノーブラ…?いや、見るな。見るなって)
胸元が明らかにさっきと違う。布地の下のシルエットがはっきりしすぎてる。
「あ、お風呂上がりました?じゃあ私も入りますね」
すれ違いざまに、シャンプーとは違う甘い匂いがした。たぶんボディクリームか何か。
義妹が風呂に入ってる間、俺はリビングで缶ビールを開けた。アサヒスーパードライ。こういうときは酒の力を借りていいだろ。
テレビでは土曜の夜のバラエティがやってた。ぼーっと見ながら2本目を開ける。
風呂上がりの義妹が戻ってきた。髪を下ろして、薄いピンクのパジャマ。
これがまた。
パジャマのボタンの間から、鎖骨から下のラインが見えてる。濡れた髪が肩に張りついてて。顔は風呂上がりでほんのり赤くて。
今田美桜が風呂上がりにパジャマ姿で隣に座ってきたら、お前らどうする?
俺は3本目のビールを開けた。
「あ、私もいいですか?」
「え、飲むの?」
「お酒好きなんですよ、実は」
義妹はレモンサワーを冷蔵庫から取り出して(いつの間に買ってたんだ)、ソファに座った。
2人並んでテレビを見ながら飲む。なんだこの状況。新婚夫婦かよ。
「お義兄さんって、お姉ちゃんのどこが好きで結婚したんですか?」
急に来たな。
「どこって……うーん、一緒にいて楽だったからかな。無理しなくていいっていうか」
「へー。じゃあ顔とかスタイルじゃないんですね」
「いや、それもあるけどさ」
「お姉ちゃん、お義兄さんのことすごい好きですよね。電話でもずっと『翔くんが翔くんが』って」
「マジで? 本人の前ではそんな言わないけど」
「身内にはデレデレですよ」
そう言って笑う義妹の目が、一瞬だけ寂しそうに見えた。気のせいかもしれないけど。
「そういえば、彼氏は? いないの?」
「……いません。3ヶ月前に別れました」
「あー……ごめん、聞いちゃって」
「いいですよ。向こうが浮気してたんで。看護学校の同期の子と」
「最悪じゃん」
「ですよね。3年付き合ってたのに」
レモンサワーを一口飲んで、義妹が小さく笑った。
「だから今ちょっと、男の人全般に対して拗ねてるんです。お義兄さんは別ですけど」
(別って何だ。家族だから別ってこと? それとも……いやいや)
テレビでお笑い芸人がコントやってるのを2人で見てたんだけど、義妹のレモンサワーのペースが妙に早い。3本目をぷしゅっと開けてた。
「飲みすぎじゃない?」
「大丈夫です、ザルなんで」
全然大丈夫じゃなかった。
30分後、義妹はソファの端でうとうとし始めた。
「おい、寝るなら布団敷いてからにしろよ」
「んー……あと5分……」
パジャマの胸元が開いて、谷間がはっきり見えてる。左の胸の上にほくろがあるのが見えた。
(見てしまった。いや今のは不可抗力だろ。そうだろ?)
俺は義妹に毛布をかけて、自分は寝室に行こうとした。
そのとき。
「……お義兄さん」
振り返ると、義妹が毛布から顔だけ出してこっちを見てた。
「もうちょっとだけ、ここにいてくれませんか」
「え?」
「知らない家で一人で寝るの、ちょっと怖くて……」
25歳がそれ言うか? とは思ったけど、たしかに実家でも病院の寮でもない場所で寝るのは心細いのかもしれない。
「……わかった。じゃあもう少しだけ」
ソファの反対側に座った。テレビは消して、間接照明だけにした。
しばらく無言が続いた。
義妹の寝息が聞こえてきて、俺も眠くなってきた。ビール3本はちょっと飲みすぎたかもしれない。
気づいたら、寝落ちしてた。
目が覚めたのは、左腕に温かいものが触れてたから。
ソファの上で寝てた義妹が、いつの間にか俺の方に寄ってきてて、腕に頭を乗せてた。毛布は足元に落ちてて、パジャマの前が2つほどボタンが外れてる。
時計を見ると午前2時。
(まずい。これはまずい)
起こそうか迷った。でも動いたら起きちゃうし、起きたら気まずいし。
そう思ってたら、義妹がむにゃむにゃ言いながらさらに寄ってきた。
俺の腕が、胸に挟まれた。
Gカップの柔らかさが、Tシャツ越しに直接伝わってくる。
心臓が一気にバクバクし始めた。
(落ち着け。寝てるだけだ。寝てる人間に欲情するな。お前は人間だ)
でも身体は正直で、下半身がどうしようもなく反応してた。
そのとき、義妹が目を開けた。
寝ぼけた目で俺を見て、一瞬固まって、状況を理解したらしく顔が赤くなった。
「あ……すみません、私……」
「いや、いい。寝ぼけてただけだろ」
義妹が身体を離そうとして、俺の腕を掴んだまま止まった。
「……お義兄さん」
「ん?」
「……起きてたんですか?」
「今、起きた」
嘘。5分くらいはあの状態のまま固まってた。
義妹が俺の腕を見て、そこに自分の胸の跡みたいなのが残ってるのに気づいたのか、慌ててパジャマのボタンを留めようとした。
でも手が震えてて、うまくいってない。
「ごめんなさい、私、ほんとに寝ぼけてて……」
「大丈夫、気にすんな」
「……」
「……」
間接照明の薄暗い光の中で、2人とも黙った。
エアコンの音だけが聞こえてた。
義妹が、ゆっくりこっちを向いた。
「お義兄さんって、ずるいですよね」
「……は?」
「優しくて、ちゃんと仕事して、カレーおいしいって言ってくれて。お姉ちゃんが惚気てる理由、わかっちゃいました」
「いや、カレー作ったのお前だろ」
「……そういうとこですよ」
義妹の目が潤んでた。
酔ってるからなのか、寂しいからなのか、それとも別の理由なのか。
俺はこのとき立ち上がって寝室に行くべきだった。100人中99人がそう言うと思う。
でも俺は立ち上がれなかった。
義妹が、そっと俺の手を握った。
「……だめって、わかってます」
「……」
「お姉ちゃんの旦那さんだって、わかってます」
「……うん」
「でも今だけ……今夜だけ……」
義妹の手が震えてた。握ってる俺の手も。
何秒くらい、そうしてたんだろう。
気づいたら、義妹の唇が俺の唇に触れてた。
どっちからだったのか、正直わからない。たぶん同時だったと思う。
柔らかくて、レモンサワーの味が少しした。
すぐ離れて、お互いの顔を見た。
「……もう一回、していいですか」
俺は何も言わなかった。何も言わないことが答えだった。
2回目のキスは長かった。舌が触れて、義妹が小さく声を漏らした。パジャマ越しに背中に手を回すと、義妹が身体を預けてきた。
(俺は何をしてるんだ)
頭では分かってる。これは絶対にやっちゃいけないことだ。妻の妹だぞ。妻が信頼して、自分の留守を任せた相手だぞ。
でも止まらなかった。
義妹のパジャマのボタンを一つ外すと、義妹が息を呑んだ。
「……明るいの、消してほしいです」
間接照明を消した。カーテンの隙間から入る外の明かりだけになった。
暗闇の中で、義妹のパジャマを開いた。
ブラはしてなかった。
手のひらに収まりきらない柔らかさが、両手に伝わってきた。
「んっ……」
「すげえな……」
「……お姉ちゃんには言わないでくださいね、このサイズのこと」
「サイズのことかよ。言わないよ、全部」
義妹が小さく笑った。その笑い方が、普段の「お義兄さん」って呼ぶときの距離感じゃなくて、もっとずっと近い場所の笑い方だった。
胸を揉むと、義妹が俺の肩に顔を埋めた。指先が先端に触れると、びくっと震える。
「あ……そこ、弱いです……」
「ここ?」
「んんっ……やだ、声出ちゃう……」
マンションだから壁薄いんだよな、うち。でもそんなこと気にしてる余裕はもうなかった。
義妹のショートパンツに手を入れると、下着越しに湿ってるのが分かった。
「っ……恥ずかしい……」
「もう遅いだろ、今さら」
「……それもそうですね」
義妹が自分でショートパンツを脱いだ。暗くてよく見えないけど、淡い色の下着だった。
下着の上から触ると、義妹が腰をぴくぴく動かした。
「お義兄さん……指……入れて……」
下着をずらして、中に指を滑り込ませた。ぬるっとした感触。思ってたよりずっと濡れてた。
「あぁっ……」
一本入れると、中がきゅっと締まった。
「大丈夫?」
「うん……もっと……奥……」
2本目を入れて、ゆっくり動かした。義妹が俺のTシャツの裾を握って、声を殺そうとしてる。
「やっ……あ、だめ……気持ちいい……っ」
太ももが震え始めて、急に義妹が俺の手首を掴んだ。
「待って……このままだと……先にイっちゃう……」
「え、いいんじゃないの」
「……違う。お義兄さんので、イきたい」
暗闇の中で、義妹が俺のスウェットに手をかけた。
触られた瞬間、自分がどれだけ硬くなってるか自覚した。情けないくらいガチガチだった。
「……すごい大きくなってる……」
「……当たり前だろ、この状況で」
義妹が少し笑って、それから真剣な顔になった。
「ゴム……ありますか?」
「……寝室に」
(あるのかよ、って自分でもツッコみたい。妻との用のやつがあるんだよ)
寝室まで取りに行く数秒間、冷静になるチャンスだった。引き返せるとしたらここが最後だった。
でも俺は引き出しからゴムを一つ取って、リビングに戻った。
ソファの上で、義妹がパジャマを全部脱いで待ってた。カーテン越しの薄明かりに、白い肌が浮かんでる。
(なんでこんなことになってるんだ)
ゴムを着けて、義妹の上にのしかかった。
「……ほんとにいいのか」
「……今さら何言ってるんですか」
「いや、後悔しないかって」
義妹が俺の頬に手を当てた。
「たぶんする。でも今は、してほしい」
ゆっくり入れた。
義妹が息を呑んで、俺の背中に爪を立てた。
「ぁっ……大きい……」
「痛い?」
「ちょっと……ゆっくり……」
久しぶりだったんだと思う。3ヶ月前に彼氏と別れたって言ってたから。中はすごく狭くて、でも濡れてたからじわじわと入っていった。
奥まで入ったとき、義妹が長い息を吐いた。
「……動いて、いいです」
ゆっくり動き始めると、義妹が声を漏らした。
「あっ……ん……あぁ……」
Gカップの胸が、動くたびに揺れる。暗くてもその動きだけははっきり見えた。
義妹の手が俺の手を探して、指を絡めてきた。恋人繋ぎ。
(違う。これは恋人じゃない。妻の、妹だぞ)
でも繋がれた手を振りほどけるわけがなかった。
ペースを上げると、義妹の声が大きくなった。
「やっ……あ、だめ……そこ……」
「ここ?」
「そこ当たる……っ、気持ちいい……っ」
義妹が身体を反らして、俺にしがみついてきた。柔らかい胸が胸板に押しつけられて、乳首の硬さが伝わる。
「お義兄さん……っ……もっと……」
この呼び方を聞くと、背筋にぞわっと罪悪感と興奮が同時に走る。
「お義兄さん」って呼ばれながら、その妹を抱いてる。最低だ。最低だってわかってるのに、快感が罪悪感を塗りつぶしていく。
義妹が急に身体を強張らせた。
「あっ、やばっ……イく……イっちゃう……っ」
中がぎゅうっと締まって、義妹が声を殺しながら震えた。
「んんっ……っ!」
その締まりに耐えきれなくて、俺もすぐに限界が来た。
「俺も……出る……っ」
最後まで腰を押しつけて、ゴムの中に全部出した。
「っ……ぁ……」
頭が真っ白になった。数秒、何も考えられなかった。
義妹の上に崩れ落ちて、荒い息のまましばらくそうしてた。
汗で肌がくっついてる。義妹の心臓の音が、自分のと混ざって聞こえた。
「……はぁ……はぁ……」
「……大丈夫?」
「……はい」
数秒の沈黙のあと、義妹がぽつりと言った。
「……すごく、よかったです」
「……うん」
身体を離して、隣に座った。2人ともしばらく何も言えなかった。
エアコンの風が、汗ばんだ肌に冷たかった。
「……お義兄さん」
「ん」
「これ、一回だけですからね」
「……だな」
「お姉ちゃんには絶対言わない。私も忘れます」
「……忘れられんのか」
「……努力します」
義妹は服を拾って着て、洗面所に行った。
俺はソファに座ったまま、天井を見てた。さっきまでの時間が嘘みたいに、リビングは静かだった。
戻ってきた義妹は「おやすみなさい」とだけ言って、客間にしてた部屋に入っていった。
俺は寝室のベッドに横になって、3時間くらい眠れなかった。
翌朝。
起きたら8時過ぎで、リビングに行くと義妹がキッチンに立ってた。
「おはようございます。トースト焼きました」
昨夜のことがまるでなかったみたいに、普通の「義妹」の顔をしてた。
「……おはよう。ありがとう」
朝食を一緒に食べた。義妹は天気予報の話をして、俺は相槌を打った。
でもお互い、目を合わせなかった。
昼過ぎ、義妹は「友達と約束があるので」と言って出かけた。
俺は一人でマンションに残って、妻からのLINEに返信した。「元気? 妹ちゃんちゃんと来た?」「来たよ、カレー作ってくれた」。
嘘は書いてない。カレーを作ってくれたのは事実だ。
夜になって義妹が帰ってきた。なぜか紙袋を持ってた。
「お義兄さん、これ。友達にもらったんですけど、甘いの苦手で」
バウムクーヘンだった。治一郎の。武蔵小杉の近くに売ってないから、わざわざどこかで買ってきたんだろう。
「ありがと」
「晩ご飯、今日は出前でいいですか? ちょっと疲れちゃって」
「うん、俺が頼むよ」
UberEatsで中華を頼んだ。回鍋肉と麻婆豆腐。
2人で食べながら、義妹がぽろっと言った。
「昨日のこと、ずっと考えてました」
箸が止まった。
「……俺も」
「一回だけって言ったのに、忘れられそうにないです」
「……」
「ごめんなさい。こんなこと言っちゃいけないのわかってるんですけど」
義妹が麻婆豆腐をぐちゃぐちゃに混ぜてた。食べる気ないだろそれ。
「……お前さ」
「はい」
「俺のこと好きなの? それとも寂しかっただけ?」
ストレートに聞いた。自分でも驚いた。
義妹が箸を置いて、しばらく黙ってた。
「……わかんないです。でも、お姉ちゃんが羨ましいって思ったのは、結構前からです」
(まじかよ……)
「結婚式のスピーチで泣いてたでしょ、お義兄さん。あのとき、お姉ちゃんじゃなくて私だったらなって。一瞬だけ」
「……」
「最低ですよね、私」
「俺のほうが最低だよ」
「……そうかもしれないですね」
お互い苦笑いした。地獄みたいな会話だった。
その夜。
一回だけって約束は、当然のように破られた。
今度は義妹から来た。寝室のドアがノックされて、開けたら涙目の義妹が立ってた。
「……明日の夜にはお姉ちゃん帰ってきますよね」
「……うん」
「最後に、もう一回だけ」
今度はベッドの上だった。妻と寝てるベッドの上で、妻の妹を抱いた。
書いてて自分でも吐きそうになるけど、事実だから書く。
2回目は最初よりずっと激しかった。
義妹が自分から動いて、騎乗位で腰を振った。Gカップが目の前で揺れるのを見ながら、俺はその腰を掴んで突き上げた。
「あっ……んっ……深い……っ」
「大丈夫か」
「大丈夫じゃない……っ、でも止めないで……っ」
前の夜より遠慮がなくなってた。お互いに。
たぶん「最後」だってわかってたから、歯止めが効かなかったんだと思う。
義妹が俺の首に腕を回して、耳元でささやいた。
「ねえ……今日だけ……名前で呼んでいいですか」
「……好きにしろ」
「翔さん……っ」
その呼び方をされた瞬間、理性のタガが完全に外れた。
義妹を下にして、今までで一番深く突いた。
「あぁっ……そこっ……やばっ……」
シーツを掴む義妹の手を取って、指を絡めた。
「イく……っ、翔さん……っ、イっちゃう……っ!」
義妹が身体を震わせて、俺の名前を呼びながらイった。
その直後、俺も限界だった。ゴム越しに全部出して、そのまま崩れた。
2人とも汗だくで、しばらく動けなかった。
「……もう、ほんとに最後ですからね」
「……うん」
「明日からまた、お義兄さんって呼びます」
「……そうしてくれ」
義妹は客間に戻っていった。
翌日の夕方、妻が出張から帰ってきた。
「お姉ちゃん、おかえり!」
義妹が満面の笑顔で妻に抱きついた。完璧な「妹」の顔だった。
妻が「2人とも大丈夫だった?」って聞いて、義妹が「お義兄さんにいっぱいお世話になりました!」って答えた。
俺は台所で麦茶を注ぎながら、手が震えてるのをごまかした。
それから1週間後、義妹はマンションの修繕が終わって帰っていった。
玄関で妻と3人で立って、義妹が「ありがとうございました!」ってお辞儀した。
妻が先にリビングに戻ったあと、義妹が振り返って、小さな声で言った。
「お義兄さん。お元気で」
それだけだった。
それからもう3ヶ月経つ。
盆に妻の実家で義妹と顔を合わせた。義妹は「お義兄さん、お久しぶりです」って笑ってた。新しい彼氏ができたらしい。病院の先輩の医者だって。
妻が「よかったじゃん、今度紹介してよ」って言ってて、義妹が「えー、まだ早いよ」って笑ってた。
俺は焼き鳥の串を持ったまま、ぼーっとしてた。
あの夜のことは、たぶん一生誰にも言わない。義妹ももう忘れたふりをしてる。
でも時々、仕事帰りの南武線の中で、レモンサワーの匂いがすると思い出す。
あの夜のソファ。あの夜の暗闇。あの夜の、「翔さん」。
これが正しいことだったなんて、死んでも思わない。
でも後悔してるかって聞かれたら、それも嘘になる。
最低だよな、俺。