42歳、独身、荻窪のワンルーム住み。これが俺のスペックです。
身長172、体重は78。学生のころはサッカーやってたけど、今はただの中年太り。顔は…まあ、よく言えば安田顕に似てるって言われる。悪く言えばただのおじさん。会社では経理をやってて、趣味は競馬と自炊。金曜の夜に一人で馬券の検討しながらハイボール飲んでる、そういう人間です。
なんでマッチングアプリなんかやってたかっていうと、会社の後輩に「やらないと一生独りっすよ」って半ば脅されて入れたのがきっかけ。正直、42のおっさんにいいねなんか来るわけないだろと思ってた。
実際、3ヶ月やって、まともにやりとりが続いたのは2人だけ。1人は会う約束した当日にブロックされた。もう1人は会ってみたら明らかに業者だった。
(もう消すか…)
と思ってた5月の連休明け、通知が来た。
「はじめまして!プロフ読んで気になりました」
プロフィールを見に行く。20歳、フリーター、東京。写真は後ろ姿だけで顔は分からない。でも華奢な感じで、髪がめちゃくちゃ長い。腰ぐらいまである黒髪ストレート。
(20歳? 22歳差? いや絶対なんかの間違いだろ)
返信するか迷った。でもまあ、どうせ業者だろうし、暇つぶしに返してみた。
「はじめまして。プロフ見てくれてありがとう。でも俺42なんだけど大丈夫?」
「知ってますよ!年上の人のほうが話しやすいので」
「年上っていうか…父親ぐらいの歳だよ」
「お父さんいないので比較できないです笑」
…なんだろう、この返し。軽いのに、一瞬どきっとする重さがある。
それから毎晩のようにメッセージが来た。たわいもない話ばっかり。「今日バイト先でお客さんに怒鳴られた」「コンビニのからあげ棒が値上がりしてた」「雨降ってきたけど傘持ってない」。日記みたいな報告を、俺に送ってくる。
2週間ぐらい経ったころ、向こうから会いたいと言ってきた。
「今週の土曜、会えませんか?」
「いいけど、どこがいい?」
「荻窪って言ってましたよね。そっちの近くでいいです」
荻窪駅の北口、ルミネの前で待ち合わせた。
5分前に着いて、スマホをいじりながら待ってた。
(来ないだろうな…)
と思った瞬間、目の前に立ったのは――小柄で、写真通りの長い黒髪で、川口春奈を幼くしたような顔の女の子だった。身長は155ぐらい。白いTシャツにデニムのスカート。化粧はほとんどしてない。肌がめちゃくちゃ綺麗で、それだけで年齢が違うんだなって思い知らされた。
「あ、写真と同じだ。よかった」
「…え、マジで来たの」
「なんですかそれ笑。失礼じゃないですか」
思わず笑ってしまった。この子、写真からは分からなかったけど、笑うと八重歯がちょっと見えて、それがすごく…いい。
(落ち着け。お前42だぞ)
近くのドトールに入った。本当はもうちょっと気の利いた店に連れていきたかったけど、相手は20歳だし、気合い入れすぎるとキモいかなって。
「ここのミルクレープ好きなんです」
「へえ、甘いもの好き?」
「好きっていうか…甘いもので生きてるみたいなところあります」
話してみると、この子――仮にユキとする(本名は伏せる)――は新潟から去年の春に上京してきたらしい。高校を出て、東京でなにかやりたくて来たけど、特にやりたいことが見つからないまま、居酒屋でバイトしてる、と。
「家族は?」
「お母さんだけ。でもあんまり連絡とってないです」
「お父さんは?」
「小さいときにいなくなりました。覚えてないです」
さらっと言うけど、目が笑ってなかった。俺はそれ以上聞けなかった。
2時間ぐらい話した。ユキは意外と話が面白くて、居酒屋の常連客の愚痴とか、バイト先の店長が毎日違う競馬予想サイトに金突っ込んでる話とか、ずっと喋ってた。
「あ、もうこんな時間」
「そうだな。今日は楽しかった、ありがとう」
「…あの」
「ん?」
「今日…泊まるとこ、ないんですけど」
「は?」
聞けば、住んでたシェアハウスでトラブルがあって、先週から出てきたらしい。今はネカフェを転々としてる、と。
「いや、それ先に言えよ」
「言ったら会ってくれないかなって」
「…」
正直に言う。断るべきだった。42のおっさんが20歳の女の子を家に泊める。どう考えてもヤバい。犯罪とまでは言わないけど、世間的にはアウト寄りのグレーだ。
でもユキは俺の返事を待ちながら、デニムスカートの裾をずっといじってた。爪が短くて、マニキュアとか塗ってなくて、指先がちょっとガサガサしてて。
(この子、本当に行くとこないんだな)
「…1日だけだぞ」
「ありがとうございます!」
荻窪の駅から歩いて8分のワンルーム。9畳にキッチンとユニットバス。独り暮らしのおっさんの部屋にしては、まあ片付いてるほうだと思う。自炊するから最低限は。
「わ、きれい。料理する人の部屋だ」
「まあな。腹減ってない?なんか作るけど」
「え、いいんですか」
冷蔵庫にあった鶏もも肉で親子丼を作った。卵が3つしかなかったから、ちょっと卵少なめの親子丼。
ユキはそれをものすごい勢いで食べた。
「おいしい……」
「そんな泣きそうな顔で食うなよ」
「だって…ちゃんとしたご飯、久しぶりで」
その夜、俺はベッドをユキに譲って、自分は床に寝袋を敷いた。5月だからまだ寒くはない。
「おやすみなさい」って言われて、電気を消した。
しばらく暗闇の中で天井を見てた。
(1日だけ、って言ったよな俺)
翌朝、目が覚めると、キッチンからいい匂いがした。
ユキが、俺の冷蔵庫にあった味噌と豆腐で味噌汁を作ってた。
「あ、起きた。ご飯と味噌汁しかないけど」
「いや…充分すぎるだろ」
俺がいつも朝飯を食わないことは知らなかったはずだ。ていうか、知ってても知らなくても関係ない。この子は朝起きて、人の家で、勝手に味噌汁を作った。
(なんだこの状況)
「1日だけ」は3日になり、3日は1週間になった。
ユキが出ていく気配はなかった。俺も、追い出す気になれなかった。
バイトには通ってた。でも稼ぎはほとんどネカフェ代に消えてたらしくて、貯金はゼロ。シェアハウスのトラブルっていうのは、同居人の彼氏に迫られて怖くなって逃げた、ということだった。
「警察に相談しろよ」
「言ったんですけど、被害がないから動けないって」
「被害がないって…」
「触られたわけじゃないので。怖かっただけで」
ユキはそう言って、またさらっと笑った。
2週間が過ぎたころ、俺は自分でもよく分からない感情に気づき始めてた。
仕事から帰ると、部屋に明かりが点いてる。ユキが「おかえりなさい」って言う。俺が「ただいま」って返す。夕飯を二人で食べる。テレビ見ながらだらだら過ごして、風呂入って寝る。
これが、こんなにも安心するものだとは知らなかった。
20年近く一人で暮らしてきた。別に寂しいとは思ってなかった。でも、「寂しくなかった」のか「寂しさに慣れてただけ」なのか、分からなくなってきた。
(いや、ダメだろ。この子、22歳下だぞ。娘みたいなもんだ。それに、俺は善意で泊めてるだけで…)
そう自分に言い聞かせてた。
変わったのは、3週目の金曜日だった。
その日は会社の飲み会で、珍しく11時過ぎに帰った。酔ってた。結構飲んだ。
部屋の鍵を開けると、電気が消えてて、テレビだけ点いてた。ユキがソファで毛布にくるまって寝てた。
(待ってたのか…)
テレビを消そうとしたら、ユキが目を開けた。
「…おかえりなさい」
「ごめん、起こした?」
「ううん、起きてた。…お酒くさい」
「あー、ごめん」
「ごめんじゃなくて…」
ユキが毛布から手を出して、俺のワイシャツの袖を掴んだ。
「遅いと、心配するんですよ」
その言い方が、なんか…ずるかった。
「…心配?」
「だって。私がここにいられるの、あなたがいるからなので」
「それは…そうだけど」
「それだけじゃなくて」
ユキが起き上がって、俺の顔を見た。テレビの青白い光で、目がやけに大きく見えた。
「好きになっちゃったかもしれない」
酔いが一気に覚めた。
「…それは、泊めてもらってるからそう思ってるだけだよ」
「違います」
「違わないだろ。俺がいなかったら路頭に迷うから、それを好きだと勘違いしてるだけだ」
自分で言っててきつかった。でも、言わなきゃいけないと思った。42の男が20の子の感情につけ込んだら、それはもう人間として終わりだ。
「…」
ユキは何も言わなかった。しばらくして、「おやすみなさい」とだけ言って、ベッドに潜り込んだ。
俺は床の寝袋に入って、全然眠れなかった。
翌朝、ユキはいつも通り味噌汁を作ってた。何事もなかったみたいに「おはよう」って言われた。
(なかったことにしてくれるのか…助かった…)
と思ったのは3日ぐらいだった。
ユキの態度が、微妙に変わった。
距離が近くなった。ソファで隣に座るとき、肩が触れるぐらいの距離。洗い物してるときに後ろを通るとき、背中にそっと手を添えてくる。風呂上がりに「はい、タオル」って渡してくるとき、指が触れる。
全部、意図的なのか無意識なのか分からない、ぎりぎりのライン。
俺は気づいてないふりをしてた。でも、気づいてた。気づいてないふりをしてる自分にも気づいてた。
(やめろ、42歳。お前はこの子の保護者だ。保護者のくせに、夜中にこの子の寝顔を見て心臓バクバクさせてるのは、保護者じゃなくてただの変態だ)
6月に入って、梅雨の走りで雨が続いた日のこと。
ユキがバイトから帰ってきて、ずぶ濡れだった。
「傘、持ってかなかったのかよ」
「忘れました…」
「風邪引くぞ。早く風呂入れ」
ユキが風呂に入ってる間に、洗濯機を回そうと思って脱衣所に行ったら、ユキが脱いだ服がそのまま置いてあった。Tシャツとスカートと、下着。
見ちゃいけないと思いながら、洗濯カゴに入れた。手に触れた布の柔らかさが、ずっと指に残った。
「あがりました」
ユキが俺のTシャツを着て出てきた。俺のだから当然でかくて、太ももの半分ぐらいまでしかない。
「…短パンも貸すから履けよ」
「暑いからいいです」
(いいですじゃねえよ)
とか思いながら、目のやり場に困って競馬新聞を読むふりをした。6月の東京開催、安田記念の週。でも全然頭に入ってこない。
「ねえ」
「ん?」
「まだ、好きって言ったの勘違いだと思ってますか」
新聞を持つ手が止まった。
「…ユキ」
「私、もう1ヶ月ここにいます。出ていこうと思えば出ていけた。バイト先の先輩が部屋探し手伝ってくれるって言ってくれた。でも私はここにいたかった」
「それは…」
「あなたの作る親子丼が好き。一緒に競馬見てるのが好き。おかえりって言うのが好き。おはようって返してくれるのが好き。全部、好き」
「俺は42だぞ」
「知ってます」
「お前の父親ぐらいの歳だ」
「お父さんいないって言ったでしょ。だから比べられない」
「屁理屈言うな」
「屁理屈じゃないです。好きなものは好きなんです」
ユキの目が赤くなってた。泣きそうなのを我慢してるのが分かった。
俺は…どうすればよかったんだろう。正解なんか分からなかった。でも、一つだけ分かったことがある。
この子を抱きしめたい、と思ってる自分がいる。それは嘘じゃない。
「…俺も、ユキがいない部屋に帰るの、もう無理かもしれない」
それが精一杯だった。告白ってほどかっこいいもんじゃない。ただ、正直に言っただけ。
ユキが、泣いた。声を出さずに、ぼろぼろ泣いた。
「ずるい…そういう言い方…」
気づいたら、抱きしめてた。華奢な身体が腕の中で震えてた。シャンプーの匂いがした。俺のシャンプーなのに、この子がつけるとぜんぜん違う匂いになる。
「キス…していいですか」
「…いいよ」
ユキが背伸びして、俺の唇に触れた。柔らかくて、ちょっと震えてた。
(ああ、もう戻れないな、これは)
最初は本当に、唇が触れるだけのキスだった。でもユキが目を閉じたまま、もう一回、って小さく言って、今度は舌が入ってきた。ぎこちなくて、歯がちょっと当たって、でもそれがたまらなかった。
「…ユキ」
「ん…」
「これ以上したら、止まれなくなる」
「止まらなくていいです」
ユキが俺のTシャツの裾を引っ張った。自分が着てるやつじゃなくて、俺が着てるほう。
「脱いで」とは言わなかった。ただ、裾を掴んで、じっと俺を見てた。
ベッドに移動した。ユキを寝かせて、上から見下ろした。俺のTシャツから覗く鎖骨が細くて、なんか壊れそうで怖かった。
「本当にいいのか」
「しつこい笑。いいって言ってるでしょ」
Tシャツをめくった。下着をつけてなかった。風呂上がりだったからだと思う。Bカップぐらいの、小さいけど形のいい胸。薄いピンクの先端が、もう硬くなってた。
(この子、こんな身体してたのか…)
1ヶ月一緒にいて、見ないように気をつけてた。でも今は見ていいんだ、という事実が頭の中でうまく処理できなくて、しばらくぼうっと見てた。
「…そんなに見ないで。恥ずかしい」
「ごめん。綺麗だなって」
「おじさんのくせにそういうこと言うの…ずるい」
おじさん呼ばわりされてるのに、不思議と嫌じゃなかった。
胸に唇をつけた。ユキの身体がびくって跳ねた。乳首を舌で転がすと、小さい声が漏れた。
「あ……っ」
左手で反対の胸を触りながら、右手を下に滑らせた。太ももの内側。柔らかくて、ちょっと冷たい。
指先が下着に触れた。風呂上がりに替えたやつだろう。でも、もう濡れてた。
「…っ、あ…」
「もう濡れてんな」
「言わないで…」
下着をずらして、直接触った。ぬるっとした感触。指を這わせると、ユキが腰を浮かせた。
「んっ…あ、そこ…」
クリトリスに触れたら、ユキの太ももがきゅっと閉じた。俺の手を挟むみたいに。
「気持ちいい?」
「…うん。でも、恥ずかしい…人にされるの初めてで…」
(初めて…?)
「経験は?」
「1回だけ。でもちゃんと気持ちよくなったことない…」
その言葉を聞いて、なんだろう、責任感みたいなものが湧いた。変な話だけど。この子を気持ちよくしなきゃいけない、みたいな。
ゆっくり、丁寧に触った。焦らさないように、でも足りなくならないように。ユキの反応を見ながら、強さと速さを調整した。42年生きてきた経験が、こういうところで活きるのかもしれない。
「あ…っ、あっ、やば…っ」
ユキの呼吸が荒くなってきた。腰が小刻みに動いてる。
「なに、これ…こんなの、初めて…っ」
「いっていいよ」
「あっ…あああ…っ!」
ユキの身体がぐっと反って、太ももが震えた。しばらく痙攣するみたいにびくびくして、そのあと力が抜けた。
「はぁ…はぁ…なに今の…」
「イったんだと思うけど」
「こんなの…全然違う…自分でするのと…」
ユキが目を潤ませて俺を見た。
「…入れて。ほしい」
ゴムを取りに行こうとしたら、ユキが腕を掴んだ。
「なくていい」
「いや、それは――」
「大丈夫。時期的に。それに…あなたとなら」
迷った。本当に迷った。でも、ユキの目が真っ直ぐすぎて、逸らせなかった。
ゆっくり入れた。ユキの中は狭くて、熱くて、生で入れてるからか全部がダイレクトに伝わってきた。
「あ…っ、おっきい…」
「痛くない?」
「ちょっとだけ…でも、大丈夫…動いて」
ゆっくり動いた。ユキが俺の背中に手を回して、爪を立てた。
「あん…っ、あ…気持ちいい…」
「…俺も」
本当のことを言うと、この状況が信じられなくて、半分夢の中にいるみたいだった。1ヶ月前まで一人でハイボール飲んでたおっさんが、22歳下の女の子と裸で抱き合ってる。現実感がない。でも、ユキの爪が背中に食い込む痛みと、中の熱さは紛れもなくリアルだった。
「もっと…奥まで…っ」
腰を深く押し込むと、ユキが声を詰まらせた。
「そこ…っ、すごい…っ」
奥に当たるたびにユキの身体が跳ねる。俺は両手でユキの腰を掴んで、リズムを作った。
「ユキ…もう…限界…」
「いいよ…中に出して…」
「っ…!」
奥に押し当てたまま、出した。長い射精だった。頭が真っ白になって、しばらく何も考えられなかった。
「あっ…あつい…出てる…」
ユキが俺の背中を撫でた。まだ中に入れたまま、二人で荒い息をしてた。
抜いたあと、ユキが俺の胸に顔を埋めた。
「…気持ちよかった」
「…俺も」
「もう1回、したい」
「…42歳を舐めるな。ちょっと待て」
「笑。じゃあ待ちます」
結局、20分ぐらいで復活した。2回目はユキが上に乗りたいと言った。
「こうすると…自分で調整できるから…」
「お前、意外と知識あるな」
「ネットで調べました。笑」
2回目は、1回目より大胆だった。ユキが自分から腰を動かして、気持ちいいところを探してた。さっきまで恥ずかしがってた子が、夢中になってる。その変化がえらくきた。
「あ…ここ…ここがいい…っ」
ユキの長い髪が俺の顔にかかった。汗の匂いとシャンプーが混ざってる。
「好き…好きです…っ」
2回目はユキが先にイった。中がぎゅうって締まって、俺も引きずられるみたいにイった。
「っ…!」
ユキがそのまま俺の上に崩れてきた。汗だくで、息が荒くて、でもすごく満足そうな顔してた。
「…出ていけって言われたらどうしようって、ずっと思ってた」
「…言わねえよ。もう」
朝の4時だった。6月の空がうっすら明るくなり始めてた。
ユキが俺の腕を枕にして、ほとんど眠りかけてた。
「ねえ」
「ん?」
「明日…っていうか今日か。一緒にスーパー行っていいですか」
「スーパー?」
「卵、3つしかないでしょ。親子丼つくるなら足りない」
俺は、声を出して笑った。こんなに笑ったの、久しぶりだった。
「…分かった。行こう」
あれから1ヶ月経った。ユキはまだ俺の部屋にいる。
もう寝袋で寝てる日はない。二人でベッドに入って、くっついて寝てる。
世間がどう思うかは知らない。親子ほど歳が離れてるのも分かってる。でも、帰ったら「おかえり」って言ってくれる人がいて、一緒にご飯を食べて、くだらない話をして笑って、夜は同じ布団で寝る。
42年間ずっと「別に寂しくない」って思ってたのは、嘘だったんだろうな。
今、ユキは隣で寝てる。小さい寝息を立てて、俺のTシャツを着て、俺の腕を抱きしめて。
こんな話、誰にもできない。だからここに書いた。
おっさんでも、人生が変わることってあるんだな。