古民家シェアハウスで毎朝4時に出かける美人パン職人と、梅雨の明け方のキッチンで少しずつ距離が縮まって結ばれた話

俺、高梨透、26歳。フリーランスのWebエンジニア。 住んでいるのは、下町の古い二階建てを改装したシェアハウスだ。元は呉服屋だったらしく、梁が太くて天井が高い。男女合わせて五人で暮らしている。

職業柄、俺の生活は完全に夜型だった。 クライアントとのやり取りが落ち着く深夜から本番。気づけば窓の外が白んでいる、なんてのもしょっちゅうだ。

だから、同じ家に住んでいるのに、ほとんど顔を合わせない住人がいた。

朝倉すずさん、25歳。 駅前の小さなベーカリーで働く、パン職人。

すずさんの朝は、信じられないくらい早い。 仕込みのために、毎朝4時には家を出る。俺がちょうど作業を終えて、コーヒーを淹れに共用キッチンへ降りてくる時間だ。

つまり俺たちは、一日のうちでたった数分だけ、キッチンですれ違う。 彼女にとっては一日の始まり、俺にとっては一日の終わり。生活時間が、きれいに真逆だった。

「おはようございます、高梨さん」

「……おはようございます。って、俺はこれから寝るんですけど」

「ふふ、知ってます。じゃあ、おやすみなさい、ですね」

エプロンを抱えて玄関へ向かうすずさんは、いつもこの数分で、太陽みたいに笑う。 寝起きでぼさぼさの俺とは大違いだった。

肩で切り揃えた髪に、化粧っ気のない顔。それでも、目がきらきらしていて、見ているこっちまで少し元気になる。 夜型の俺の生活で、唯一「朝」を感じさせてくれるのが、すずさんだった。

その距離が変わり始めたのは、梅雨に入ったばかりの、ある明け方だった。

しとしとと雨の降る、午前4時前。 その日、俺は厄介なバグと格闘していて、いつもより遅くまでパソコンに張りついていた。 頭を冷やそうとキッチンに降りると、すずさんがいた。いつもより、少し早い。

「あ、高梨さん。今日も、お仕事?」

「ええ。バグが取れなくて。すずさんは、今日は早いんですね」

「うん……ちょっと、練習したくて」

見ると、キッチンの作業台に、小麦粉やボウルが広げてあった。 オーブンからは、香ばしい匂いが漂っている。

「練習?」

「新しいパンの試作。お店じゃ時間ないから、家で焼いてみてたんです」

すずさんがオーブンを開けると、こんがり焼けたはずの丸いパンが——見事に、ぺしゃんこに潰れていた。

「……はぁ。今日も失敗」

「あー……膨らまなかったんですね」

「発酵の見極め、難しくて。三回目なのに、まだこれ」

しょんぼりと肩を落とすすずさん。 いつも太陽みたいに笑っている人の、初めて見る顔だった。

「俺、食べていいですか。それ」

「えっ、失敗作ですよ?」

「徹夜明けは何でも美味いんで」

潰れたパンをちぎって口に運ぶ。 形は最悪だったけど、味は——

「……うっま。何ですかこれ、めちゃくちゃ美味しいじゃないですか」

「えっ、ほんとに?」

「ほんとです。膨らんでないだけで、味は完璧ですよ、これ」

すずさんの顔が、ぱっと明るくなった。 さっきまでのしょんぼりが嘘みたいに。

「……高梨さんに食べてもらえてよかった。捨てるとこだった」

「もったいない。俺、毎朝でも味見しますよ」

「ほんと?じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」

冗談半分のつもりだった。 でも、その一言が、俺たちの明け方を変えていくことになる。

その日から、すずさんは時々、試作のパンを早めに焼くようになった。 俺が作業を終える明け方に合わせて、わざと。

「高梨さん、今日のは自信作です。食べてみて」

「お、今日はちゃんと膨らんでますね」

「でしょ?発酵、やっと掴めてきたかも」

雨の降る明け方のキッチンで、焼きたてのパンを二人でちぎる。 湯気の立つそれは、バターの匂いがして、外はぱりっと、中はふわふわだった。

「これは文句なしですね。店に出せますよ」

「まだまだ。プロの世界、甘くないんです」

そう言いながらも、すずさんは嬉しそうだった。 俺は俺で、いつの間にか、この数分のために徹夜を頑張るようになっていた。

バグが取れなくても、明け方にすずさんのパンが待っていると思うと、不思議と粘れた。 キッチンの椅子に並んで座って、コーヒーとパンを分け合う。 彼女の一日の始まりと、俺の一日の終わりが、その数分だけ重なる。

「高梨さんって、ずっと夜起きてて、平気なんですか?」

「慣れですね。すずさんこそ、毎朝4時とか、よく起きられますね」

「パンが好きだから。焼きたてのいい匂いを、朝一番に作る人になりたかったの」

語るすずさんの横顔は、本当に楽しそうだった。 俺はその横顔を、もっと見ていたいと思い始めていた。

ある日曜の明け方。 その日はすずさんの定休日で、店の仕込みはなかった。 それなのに、彼女はキッチンにいた。

「あれ、今日休みじゃ?」

「うん。でも、高梨さんに食べてほしいのがあって、つい」

「俺のために、休みの日に焼いたんですか」

「……っ。べ、別に、練習ついでだから!」

慌てて顔を背けるすずさん。耳が、ほんのり赤い。 その反応が可愛くて、俺は思わず笑ってしまった。

「じゃあ、お礼に。今日、すずさん休みなら、どっか出かけません?」

「えっ」

「俺もちょうど仕事一段落したんで。たまには昼に活動するのも、悪くないかなって」

すずさんが、目を丸くした。 それから、ふわっと、いつもの太陽みたいな笑顔になる。

「行きたい!行きます!」

「即答ですね」

「だって、高梨さんが昼間に外出るの、貴重だもん」

その日、俺たちは少しだけ眠って、昼前に待ち合わせた。 雨が上がって、梅雨の晴れ間が覗いていた。

すずさんが連れて行ってくれたのは、隣町の小さなパン屋巡りだった。 あちこちの店を回って、ガラス越しに職人の手元を見て、彼女は子供みたいに目を輝かせる。

「見て、あの成形!すごい、無駄がない」

「すずさん、パンの話してるときが一番楽しそうですね」

「あ……ごめん、つまんないよね、こういう話」

「全然。むしろ、もっと聞きたいです」

ベンチに並んで、買ったパンを分け合いながら、すずさんが少しだけ声のトーンを落とした。

「私ね、いつか自分のお店、持ちたいんです」

「お店?」

「うん。小さくていいから、朝早くから焼きたてが買える、街のパン屋さん」

遠くを見るすずさんの目には、迷いと、希望が混じっていた。

「でも、怖くて。今のお店で一人前って認めてもらうのも、まだ全然で。夢なんて、語る資格あるのかなって」

「ありますよ。毎朝4時に起きて、休みの日まで練習してる人が、語れないわけない」

「……高梨さん」

「俺、すずさんのパンなら、毎朝買いに行きますよ。一番乗りで」

すずさんが、こちらをまっすぐ見た。 それから、照れたように笑って、目を伏せた。

「……ずるいな、高梨さん。そういうこと、さらっと言うの」

その横顔に、梅雨の晴れ間の光が差していた。 俺はこの人のことを、もうとっくに好きになっているんだと、はっきり自覚した。

それからの明け方は、ただの味見の時間じゃなくなっていた。 パンを分け合いながら、お互いの話をするようになった。 俺の仕事のこと、すずさんの夢のこと。意識し始めると、距離はどんどん近くなる。

七月に入ろうかという、雨の激しい夜。 その日は朝から大雨で、すずさんの店も早じまいになったらしい。 深夜、俺がキッチンに降りると、珍しくこんな時間にすずさんがいた。

「あ……高梨さん」

「すずさん?こんな夜中に珍しい」

「眠れなくて。明日の試作のこと、考えてたら」

窓の外で、雨が屋根を激しく叩いている。 他の住人はみんな寝静まっていて、家の中は、雨音だけが響いていた。

すずさんが、小皿を差し出してきた。 新作だという、小さなクリームパン。

「これ、お店の新メニューに提案しようと思ってて。一番に、高梨さんに食べてほしくて」

一口食べる。 ふわっとした生地の中から、優しい甘さのカスタードが溢れた。 彼女がどれだけこれに時間をかけたか、味から伝わってくる。

「……美味い。これ、すごく美味いです。すずさん、すごいですよ」

その瞬間、すずさんの目に、みるみる涙が盛り上がった。

「……っ、よかった」

「すずさん?」

「最近、ずっと不安で。私なんかが職人名乗っていいのかなって。でも、高梨さんが美味しいって言ってくれると……すごく、安心しちゃう」

ぽろっと、一粒こぼれた。 いつも太陽みたいに笑っている人が、雨の夜に、子供みたいに泣いていた。

俺は思わず、彼女の頬を伝う涙を指で拭った。 触れた瞬間、すずさんがびくっとして、でも逃げなかった。

至近距離で、見つめ合う。 深夜のキッチン。雨音だけが、二人を包んでいる。 彼女の濡れた瞳が、揺れていた。

「……高梨さん」

「はい」

「私、毎朝のあの数分が……ずっと、楽しみだったんです」

「……俺もです。すずさんに会うために、徹夜してたようなもんで」

すずさんが、息を呑んだ。 俺は彼女の頬に手を添えて、ゆっくり顔を近づけた。 すずさんは、目を閉じた。

唇が、触れた。

ちゅ……

柔らかくて、あたたかい。クリームパンの、ほのかな甘い味がした。 触れるだけのキスで、一度離れる。 すずさんが、薄目を開けて俺を見上げた。頬が、真っ赤に染まっている。

「……夜更かしの、せいにしていい?」

「……いいですよ」

今度は、彼女のほうから唇を寄せてきた。 ちゅっ……んっ…… さっきより深く。俺はすずさんの後頭部に手を回して、もっと深く重ねる。

舌で唇をなぞると、彼女の口がそっと開いた。 れろ……ちゅるっ……

「ん……っ♡」

おずおずと、すずさんの舌が絡んでくる。 いつも元気な彼女が、俺の腕の中で、小さく震えていた。

「すずさん、好きです。ずっと前から」

「……私も。高梨さんのこと、ずっと」

ちゅるるっ……ちゅぷっ……

雨の降る深夜のキッチンで、何度も唇を重ねた。 小麦粉とバターの匂いと、彼女の匂い。

「……ここじゃ、誰か起きてきちゃうかも」

「……」

「私の部屋、来ますか……?」

俺は黙って頷いた。 すずさんが俺の手を取って、二階の自室へと歩き出す。 その手が、少しだけ震えていた。

すずさんの部屋に入るのは、初めてだった。 小さな本棚にパンの専門書がぎっしり並んで、窓辺には小麦色のドライフラワー。彼女らしい、あたたかい部屋だった。

ドアを閉めた瞬間、俺はすずさんを抱き寄せた。

「あっ……♡」

もう一度キスをして、ゆっくりベッドに座らせる。 間接照明に照らされたすずさんは、いつもより無防備で、色っぽかった。

「すずさん、めちゃくちゃ綺麗です」

「……からかわないでください」

「本気ですよ」

「……もう♡」

部屋着のボタンに手をかける。 一つ、二つと外していくと、白い肌と、淡い色の下着が覗いた。

「あんまり……見ないで♡ 恥ずかしい」

「無理です。綺麗すぎて」

部屋着を脱がせると、彼女の身体が露わになった。 柔らかそうな胸、くびれた腰。 いつもエプロンの下に隠れていた身体が、こんなに女性らしいなんて。

ブラのホックを外す。ぷつん。 形のいい胸がこぼれ落ちた。先端が、すでにつんと尖っている。

「やっ……見つめないでってば♡」

「綺麗だから無理です」

「もう……♡」

そっと両手で胸を包む。 ふにっ……

「んっ……♡」

手のひらに、柔らかい弾力が伝わる。 ゆっくり揉みながら、先端を指でつまんだ。 こりっ……こりこりっ……

「ひゃっ……♡♡ そこっ……♡」

びくんと、すずさんの身体が跳ねた。 左の乳首を指で転がしながら、右に口を寄せる。 ちゅっ……れろ……ちゅぱっ……

「んあっ♡♡ だめっ……♡ 声、出ちゃう……♡♡」

すずさんが手の甲で口を押さえた。 いつも明るい声が、甘く裏返っていく。

左右交互に吸いながら、空いた手でもう片方を揉みしだく。 じゅるっ……ちゅぱっ……

「はぁっ♡ あっ♡ 高梨さんっ……♡♡」

「透、でいいです」

「……透さん♡」

名前を呼ばれただけで、全身に電気が走った。 俺の手が、彼女のショーツの腰のラインに触れる。

「下も、いいですか」

「……うん♡」

ショーツに指をかけて、ゆっくり引き下ろす。 内ももが、すでにじっとりと濡れていた。

「もう濡れてますね」

「言わないで……♡ 恥ずかしいんだから……♡」

膝をそっと開かせる。 薄い茂みの下で、花弁が蜜にてらてらと光っていた。

「あんまり……見ないで♡」

「綺麗ですよ、すごく」

花弁にそっと指を這わせる。くちゅ……

「ひあっ♡♡」

すじに沿って上下になぞると、蜜があふれてくる。 くちゅ……くちゅ……

「あっ♡ んっ♡ そこ……♡♡」

小さな突起を探り当てて、指先で転がした。 くりっ……くりくりっ……

「んんっ♡♡♡ それっ……♡♡ だめっ……♡」

腰がびくびくと跳ねる。 クリを刺激しながら、中指をゆっくり沈めていく。 ずぷっ……

「んああっ♡♡♡」

中は熱くて、ぬるぬるで、きゅうっと指を締め付けてきた。 ぐちゅ……ぐちゅぐちゅ……

「あっ♡ 指っ♡ 入ってる……♡♡」

指を曲げて、上の壁のざらついた場所をこする。 ぐりぐりっ……

「ひぃっ♡♡♡ そこっ♡♡ すごいっ……♡♡♡」

Gスポットをこすりながら、親指でクリも同時に弄る。

「あっ♡♡ 両方はっ♡♡♡ おかしくなるっ……♡♡」

すずさんの身体が、がくがくと震え始めた。 お腹がぴくぴくと痙攣する。

「いくっ♡♡♡ 透さんっ♡♡♡ いっちゃうっ……♡♡♡♡」

びくんっ♡♡♡♡

きゅうぅぅっと指を締め付け、蜜がじゅわっと溢れて俺の手を濡らした。 すずさんが、力が抜けたようにベッドに沈み込む。

「はぁ……♡ はぁ……♡♡」

「気持ちよかったですか」

「……うん♡♡ すごかった……♡」

息を整えたすずさんが、ゆっくり身体を起こした。 そして、潤んだ瞳で俺を見上げる。

「透さんも……気持ちよくなって♡」

彼女の細い指が、俺のベルトに伸びた。 パンツを下ろすと、限界まで張り詰めたものが飛び出した。

「わっ……♡♡ 大きい……♡」

細い指が、根元からそっと握る。きゅっ。

「すごく硬い……♡」

「すずさんがエロすぎるんで」

「もう……♡」

ゆっくり上下に手を動かす。しゅっ……しゅっ…… すずさんが顔を近づけて、先端にちゅっとキスを落とした。

「ぴくって動いた♡ 可愛い」

舌を出して、ぺろぺろと舐め始める。 れろ……ちゅるっ…… カリの部分を重点的に、裏筋を下から上へ。

「……やばい、気持ちいいです」

口を大きく開けて、ぱくっと咥え込んだ。 ずぷっ……ちゅぱっ……じゅるっ……

「んっ♡ んむっ♡ んぷっ……♡」

頭をゆっくり上下に動かす。 いつもパン生地をこねる手で俺のものを支えて、夢中で咥えている。 その光景だけで、頭が焼き切れそうだった。

「すずさん、待って。このままだと出ちゃう」

口を離したすずさんが、唾液の糸を引いて、上目遣いで見上げる。

「……透さんが欲しい♡」

「俺もです」

すずさんをベッドに横たえて、脚の間に身を置いた。 先端が、入り口にぬるりと触れる。 たっぷりの蜜で、もうぬるぬるだった。

「ゴム、持ってきます?」

「……今日は大丈夫な日だから♡ このまま……来て♡」

(こんなに誰かを求めるの、初めてだ)

俺はゆっくり、腰を進めた。

ずぷっ……

「ぁあああっ♡♡♡♡」

熱い。 きゅうぅっと、彼女の中が締め付けてくる。

「すずさん、中、すごい……」

「おっきい……♡♡ 奥まで来てる……♡♡♡」

ずず……ずずずっ…… ゆっくり、最奥まで押し込んでいく。

「んんっ♡♡♡ いっぱい……♡♡♡ 届いてる……♡♡」

隙間なく、彼女に包み込まれた。 しばらくそのまま、二人で呼吸を整える。

「動きますね」

「うん……♡ ゆっくり……♡」

ずちゅっ♡ ずちゅっ♡♡

「あっ♡♡ あっ♡♡ んっ♡♡♡」

ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんぱんっ♡♡ リズムを作って、腰を打ちつける。

「透さんっ♡♡ 気持ちいいっ……♡♡♡」

「すずさんの中も、めちゃくちゃ気持ちいいです」

ぱんぱんぱんっ♡♡♡ だんだん速くなっていく。 ぐちゅっ♡ ぬちゅっ♡ ぱんっ♡♡

「あんっ♡♡ 奥っ♡♡ 奥に当たるっ……♡♡♡」

いつも凛と仕事をしているすずさんが、俺の下でどんどん乱れていく。 眉を寄せて、口を半開きにして、俺にしがみついてくる。

「やだっ……♡♡ 私、こんな……♡♡♡」

「可愛いです、すずさん」

「言わないでっ♡♡♡ 恥ずかしいのに止まんないっ……♡♡♡♡」

すずさんの脚が、俺の腰に巻きついた。 もっと奥へ、と求めるように。

「もっとっ♡♡ もっと強くしてっ……♡♡♡」

ぱんっぱんっぱんっぱんっ♡♡♡♡ ベッドがぎしぎしと軋む。 深夜の部屋に、雨音と、肌のぶつかる音と、彼女の甘い声が満ちていく。

「声っ♡♡♡ 出ちゃうっ……♡♡ みんなに聞こえちゃうっ……♡♡♡♡」

「雨の音で大丈夫ですよ」

「やだっ♡♡♡ でも止まらないっ……♡♡♡♡」

ぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡♡♡

「いくっ♡♡♡♡ もうっ♡♡♡♡ いっちゃうっ……♡♡♡♡♡」

「俺も……っ、すずさん、中に出していいですか」

「出してっ♡♡♡♡ 中にっ♡♡♡♡ 全部っ……♡♡♡♡♡」

ずんっずんっずんっ♡♡♡

「イクッ♡♡♡♡♡」

「出ます……っ!」

びゅるっ♡♡ びゅるるっ♡♡♡ どくどくっ♡♡♡♡

「んんんっ♡♡♡♡♡♡」

彼女の最奥に、熱いものがどくどくと注ぎ込まれる。 すずさんの身体がびくびくと痙攣して、きゅうぅぅっと締め付けてきた。

「はぁ……♡♡ あったかい……♡♡♡♡」

虚ろな目で、すずさんが幸せそうに微笑む。 俺はそっと、その唇にキスを落とした。

ちゅっ♡

「すずさん、最高でした」

「……私も♡♡ すごく、よかった……♡♡♡」

繋がったまま、しばらくキスを交わす。 だけど俺の熱は、まだ収まっていなかった。 彼女の中で、もう一度硬くなっていく。

「……え♡ まだ、元気なの?♡」

「すずさんが可愛すぎるんで」

「……もう♡♡♡」

すずさんが、いたずらっぽく笑った。 さっきまでの乱れた表情から、少しだけ余裕が戻ってくる。

「じゃあ……今度は私が動いてみる♡」

俺を押し返して、繋がったまま馬乗りになる。 ずるっ……ずぷっ♡♡

「んっ♡♡♡ この体勢……奥まで入る……♡♡♡♡」

背筋を伸ばして、すずさんが俺を見下ろした。 肩で切り揃えた髪が揺れて、間接照明にシルエットが浮かび上がる。

(綺麗すぎる……)

腰を、ゆっくり上下に動かし始める。 ずちゅっ♡♡ ずちゅっ♡♡

「あっ♡♡ 自分で動くと……♡♡ すごいっ……♡♡♡」

動きに合わせて、胸がたゆんたゆんと揺れた。 俺は手を伸ばして、揺れる胸を下から掴む。 もにゅっ♡♡

「ひゃっ♡♡♡ 揉みながらっ♡♡♡ ずるいっ……♡♡♡♡」

すずさんの腰の動きが、だんだん激しくなる。 気持ちいいポイントを探すように、ぐりぐりと腰を回した。

「あっ♡♡♡ ここっ♡♡♡ ここ当たるっ……♡♡♡♡」

見つけたらしい。 そこを擦りつけるように、前後に腰を振る。 ずちゅっずちゅっずちゅっ♡♡♡♡

「気持ちいいっ♡♡♡♡ 透さんのっ♡♡♡♡ 奥に届くのっ……♡♡♡♡♡」

俺の胸に両手をついて、激しく腰を打ちつける。 ぱんっぱんっぱんっぱんっ♡♡♡♡♡

「また来るっ♡♡♡♡ いっちゃうっ……♡♡♡♡♡」

「俺ももう……っ」

「一緒にっ♡♡♡♡♡ 一緒にいこっ……♡♡♡♡♡♡」

ぱんぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡♡♡♡

「いくっ♡♡♡♡♡♡ いくいくいくっ……♡♡♡♡♡♡♡」

「すずさん……っ、また中に出します……!」

俺は彼女の腰をがっしり掴んで、下から深く突き上げた。 ずんっ♡♡♡♡

びゅるるっ♡♡♡♡ どくどくどくっ♡♡♡♡♡♡

「んんんんっ♡♡♡♡♡♡♡♡」

二回目を、さっきよりもっと奥に注ぎ込む。 すずさんがぶるぶる震えて、がくんと俺の上に倒れ込んできた。

「はぁ……♡♡♡ すごかった……♡♡♡♡♡」

汗ばんだ肌が触れ合って、心臓の鼓動が伝わってくる。 すずさんが、俺の胸に顔を埋めた。

「透さん……♡」

「はい」

「……幸せ♡♡」

ぎゅっと抱きついてくるすずさんを、俺も強く抱きしめ返した。 しばらく、二人とも動けなかった。

気がつくと、雨はいつの間にか止んでいた。 窓の外がうっすら白み始めている。明け方の四時。 いつもなら、彼女が仕込みに出る時間だ。

「……今日は、定休日の前の日でよかった」

「明日、仕込みなくて?」

「うん。だから、もう少しだけ……こうしてたい」

毛布にくるまって、二人で寄り添う。 いつも数分ですれ違っていた俺たちが、初めて、同じ時間をゆっくり過ごしていた。

「ねえ、透さん。夜型の人を好きになるなんて、思ってなかったな」

「迷惑でしたか」

「……まさか。すごく、嬉しい♡」

ちゅ、と軽く唇を重ねて、俺たちはもう一度笑い合った。

それから、俺たちの生活は少しずつ変わった。 すずさんが店に出る日は、俺が明け方まで起きて見送るようになった。 すずさんの休みの前夜は、二人で遅くまで起きて、新作の試作をする。

「透さん、これ味見して。お店の夏の新作」

「お、レモンの匂いがしますね」

「当たり。爽やかでしょ?夏向けにしたくて」

ある明け方、試作のパンを分け合っていると、早番の住人がキッチンに下りてきた。

「あれ、高梨くんと朝倉さん、最近やたら仲良くない?」

「えっ。べ、別に、いつも通りですけど」

「いやいや。朝倉さんが焼くパン、最近やたら高梨くんの分だけ多いよね」

「……っ」

すずさんが、わかりやすく固まって、耳まで赤くなった。

「あ、図星だ」

「……まあ、隠すことでもないんで。俺たち、付き合ってます」

きっぱり言うと、すずさんが「えっ」と俺を見上げた。 それから、観念したように、こくんと頷く。

「えーっ!まじで!?夜型と朝型のカップルとか、すれ違わない?」

「すれ違う数分が、俺たちの始まりだったんで」

「……っ、透さん、それ恥ずかしいから言わないで♡」

顔を覆うすずさんを見て、住人が笑いながら去っていった。

夏の終わり。 すずさんは、勤め先のベーカリーで、新作のクリームパンが正式メニューに採用された。 あの雨の夜、俺が一番に味見した、あのパンだ。

「採用、決まったよ!透さんが美味しいって言ってくれたやつ!」

「おめでとうございます。ほら、言ったでしょ。絶対いけるって」

「全部、透さんのおかげ。一番に食べて、応援してくれたから」

「パンを焼いたのはすずさんですよ。俺はただ、食べて美味いって言っただけです」

「ううん。透さんがいなかったら、私、自信なくして辞めてたかもしれない」

すずさんが、まっすぐ俺を見た。 あの雨の夜の、不安げな顔じゃない。 夢に向かって進む、強い目だった。

「ねえ、透さん。いつか私がお店を持ったらさ」

「うん」

「毎朝、一番乗りで買いに来てくれる?約束したよね」

「もちろん。徹夜明けでも、絶対行きますよ」

「ふふ、じゃあ、それまでに夜型、ちょっとは直してもらわないと♡」

くすくす笑うすずさんが、可愛くて仕方なかった。

毎朝4時に出かける、太陽みたいなパン職人。 夜の終わりにしか彼女と会えなかった俺は、いつの間にか、彼女の朝の一番の理解者になっていた。

「ねえ、透さん。今日の明け方、新作焼くから、味見係、お願いね♡」

「了解です。じゃあ、それまで仕事頑張ります」

「うん。……待ってるね、キッチンで」

すれ違うだけだった、明け方の数分。 その数分が、今では、一日で一番幸せな時間になった。

夜型の俺と、朝型の彼女。 真逆だった二人の時間は、焼きたてのパンの匂いの中で、ちゃんと一つに重なっている。

― 終 ―


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