俺、真田亮介、28歳。都内のWeb制作会社でディレクターをやってる。
地元は北部九州の、ちょっとした地方都市だ。高校を出て上京して、それからもう10年。帰省は——正直、ほとんどしてなかった。
最後に地元の土を踏んだのは、20歳の成人式。それ以降は「仕事が忙しくて」を言い訳に、盆も正月も東京で過ごしてきた。 親には「たまには帰ってこい」って毎年言われてたけど、なんだかんだで8年。
そんな俺が、今さら新幹線に揺られている。理由は一通のメッセージだった。
【高校同窓会のお知らせ】 卒業10周年記念。11月◯日、駅前「いろは亭」にて。
幹事は当時のクラス委員長だった奴で、グループLINEに一斉送信されてきた。最初は「行かねえよ」と思って既読スルーしてた。 でも、参加者リストが流れてきて——その中にひとつ、見覚えのある名前があった。
宮原小春。
(……小春、来るのか)
それを見た瞬間、指が勝手に「参加」を押していた。
新幹線が地元の駅に着いたのは、夕方の4時過ぎ。ホームに降りた瞬間、冷たい風と、潮の匂いの混じった空気。ああ、この匂いだ。11月の地元の匂い。
改札を抜けると、見慣れたはずの駅前がやけに新しくなっていた。8年って、こんなに変わるのか。
(懐かしい……けど、ちょっと気まずいな)
8年も音信不通だった奴が、何を話せばいいんだ。それでも足は、会場の「いろは亭」へ向かっていた。
居酒屋の二階、座敷を貸し切った会場。受付を済ませて襖を開けると、もう半分くらい埋まっていた。
「うわ、真田じゃん! マジで来たんだ!」
声をかけてきたのは、サッカー部で一緒だった山口だった。坊主が伸びただけで、昔と全然変わってない。
「久しぶり。なんとかな」
「東京いんだろ? 帰ってこねえって聞いてたぞ」
「まあ、いろいろあって」
「とりあえず座れよ。もうすぐ乾杯だから」
席に着くと、店員がビールを配っていく。幹事がマイクを握って、ありきたりな挨拶をして。
「それでは——10年ぶりの再会に、乾杯!」
「乾杯!」
ジョッキを合わせる音と、わっと上がる歓声。ぬるくなりかけたビールを一口飲んで、俺はなんとなく会場を見渡した。
その瞬間だった。座敷の、ちょうど反対側の隅。こっちを見ていた誰かと、真っ先に目が合った。
小春だった。
黒髪のボブ。昔より少し短くなってる。ベージュのニットワンピース。驚いたように見開かれた目が、俺を捉えて——そのまま、ふっと細くなった。 笑うと目がなくなる。あの笑い方は、8年経っても全然変わってなかった。
(変わってない。いや——)
変わってないのは笑い方だけだ。高校のときの小春は、まだどこか少女みたいだった。でも、今そこにいるのは——明らかに大人の女だった。 ニットの下のライン、首筋、座り方。8年分、ちゃんと年を重ねた女の色気があった。
小春が、テーブルの下で小さく手を振った。俺も、つられて軽く手を上げる。それだけで、心臓がやけにうるさかった。
宮原小春、28歳。俺の、元カノだ。
付き合ってたのは高校3年のとき。俺から告白して、卒業まで1年弱。初めての彼女で、初めて手を繋いだ相手で、初めてキスした相手だった。
別れた理由は——別れてないんだ、正確には。俺が上京して、小春は地元で保育士の専門学校に進んで。最初はマメに連絡してたのが、だんだん間が空いて。 俺は大学とバイトに追われて、小春も実習が始まって。気づいたら半年、連絡を取らなくなってた。 そのまま、なんとなく終わった。別れ話も、喧嘩も、何もなく。自然消滅、ってやつだ。
(……あれから、8年か)
宴会が進んで座が崩れてくると、みんな席を立って動き始める。俺もビール片手にうろうろしてたら、いつの間にか会場の隅に追いやられていた。 そのとき、隣に人の気配がした。
「……久しぶりやね、真田くん」
振り向くと、小春が立っていた。近くで見ると、もっとドキッとした。少し下がった目尻。薄く引かれた口紅。ふわっと甘い香り。
「……おう。久しぶり」
「ほんと久しぶりよ。何年ぶり?」
「成人式、来てなかったろ。だから……8年か」
「あー、うちあのとき実習でね。来れんかったと」
「〜と?」の語尾。そうだ、小春はこういう喋り方だった。 北部九州の方言が、ところどころ柔らかく混じる。
「真田くん、東京におるって聞いたよ。何しよると?」
「Webの仕事。サイト作ったりする会社」
「えー、かっこいい。なんかそれっぽいもん、真田くん」
「それっぽいって何だよ」
「うふふっ」
笑うと、やっぱり目がなくなる。ひとしきり笑ったあと、小春は「あー、おかしい」と口元を押さえた。
(……その癖も、変わってないのかよ)
ちょうどそのとき、会場の真ん中でビンゴ大会が始まった。幹事が数字を読み上げるたびに、わっと歓声が上がる。 その喧騒の隅っこで、俺たちふたりだけが取り残されたみたいに昔話をしていた。
「真田くん、ビンゴカード持っとると?」
「いや、もらいそびれた」
「うちも。じゃあ二人で、はぐれもんやね」
「はぐれもん同士、こっちで飲んでるか」
「うふふ、そうしよ」
壁際に並んで座って、ぬるいビールを舐める。読み上げられる数字をBGMに、ぽつぽつと話した。 小春が担任してる5歳児クラスの話。俺の東京での暮らしと、満員電車の地獄。
楽しかった。8年も会ってなかったのに、空白なんてなかったみたいに話せた。 ただ——お互い、肝心なことには触れなかった。なんで連絡が途絶えたのか。8年間、どう思ってたのか。 その話題だけは、お互い上手によけて通った。近づきすぎないように、探り合うみたいに。
(……訊けないよな、こんなとこじゃ)
ビンゴ大会が終わって、一次会がお開きになった。
「二次会、カラオケ行く奴〜! 駅前のジャンカラ集合な!」
山口が大声で仕切ってる。半分くらいは帰って、半分くらいが「行く行く」と手を上げた。俺は、どうしようか迷った。帰っても実家には親しかいない。 それに——隣をちらっと見たら、小春が俺を見ていた。
「真田くん、二次会は?」
「……お前は?」
「うち、行こうかな。久しぶりやけん」
「じゃあ、行くわ」
「うふふ、決まりね」
ぞろぞろと夜の街を歩いて、カラオケに移動する。誰かがマイクを握って熱唱して、ピッチャーのビールが回って、みんなどんどん出来上がっていく。 俺は部屋のソファの端っこに座っていた。すると、当たり前みたいに、小春が隣に座ってきた。
「真田くん、歌わんと?」
「俺、昔から下手だったろ」
「知っとる。文化祭でめっちゃ音外しよったもん」
「言うなよそれ」
「うふふっ、ごめんごめん」
そのまま、何曲か聞き流していた。誰かのバラードが流れて、部屋の照明が少し落ちる。 そのとき、小春が、ふっと俺のほうに体を寄せてきた。肩が触れる距離。耳元に、髪が揺れる。
「……ねえ、真田くん」
声が、さっきまでと違った。方言が抜けて、少しだけ、低くて。
「……ちょっと、抜けん?」
耳元で、囁くみたいに。吐息が、耳にかかった。心臓が、ばくんと跳ねた。
「……抜けるって、ここを?」
「うん。なんか……二人で話したくて」
小春の目は、笑っていなかった。さっきまでのにこにこした顔じゃなく、まっすぐな目で俺を見ていた。
「……いいぞ。行こう」
俺たちは、誰にも気づかれないように席を立った。マイクの歌声と歓声に紛れて、こっそり部屋を出る。 会計を山口に押し付ける形で、店を出た。
11月の夜の街は、しんと冷えていた。吐く息が、白い。
「ふー、寒いね」
「コート、薄くないか?」
「だって、こんな寒くなると思わんかったもん」
歩きながら、なんとなく目的地もなく駅前を流す。酔いと、夜風と、8年ぶりの距離感。
「どっか入るか? 暖かいとこ」
「んー……コンビニ寄って、河川敷、行かん?」
「……河川敷?」
「うん。あそこ。覚えとるやろ?」
覚えてるに決まってる。高校3年の、あの場所だ。俺が、小春に告白した場所。
「……寒いぞ、今から行ったら」
「いいやん。缶ビール買って、ちょっとだけ。真田くんが温めてくれたらいいやん」
そう言って、小春は「あ」と口を押さえた。自分の言葉に、自分で照れたみたいに。
「……今の、なし」
「ふは、何だよそれ」
「もう! 行くよ!」
コンビニで缶ビールを2本と、なぜかホットスナックを買って。俺たちは、夜道を歩いて河川敷へ向かった。
川沿いの土手は、街灯がぽつぽつあるだけで暗かった。川の音が、低く流れている。対岸の街明かりが、水面に滲んで揺れていた。
(……変わってないな、ここは)
8年前と、ほとんど同じ景色だった。あの頃と同じベンチに、二人で座る。ぷしゅっ、と缶を開けて、軽く合わせた。
「再会に、乾杯」
「乾杯」
冷えたビールを一口。冷たい風の中で飲むビールは、不思議とうまかった。 しばらく、二人とも黙って川を見ていた。言いたいことが、たぶん、お互いにあった。先に口を開いたのは、小春だった。
「……ねえ、真田くん。うちら、別れ話もしてないんよね」
ぴたっと、空気が止まった。ついに、その話か。
「なんとなく連絡せんくなって……気づいたら、終わっとった。
うち、ずっと気になっとったと。あれ、結局なんやったんやろって」 小春が、缶を両手で包んで、川を見たまま続けた。
「真田くんが東京行って、最初はちゃんと連絡しよったやん。
でも、うち、専門の実習でいっぱいいっぱいで……だんだん返すの遅くなって」
「俺も、大学とバイトでバタバタしてて。連絡、減らしちゃってた」
「お互い様やね」
小春が、ちょっと笑って、すぐに真顔に戻った。
「でもね。うち、ずっと引きずっとった」
(……え)
「真田くんと、ちゃんと別れたわけじゃないのに。
新しい彼氏できても、なんか……いつも比べてた。 心のどっかで、ずっと真田くんのこと、引っかかっとった」
夜風が、小春の前髪を揺らした。
「……俺もだよ」
気づいたら、口から出ていた。
「東京で何人か付き合ったけど、長続きしなくて。理由、自分でも分かんなかった。
でも今分かった。ずっと、お前と比べてた。最初の彼女が、お前だったから」
小春が、ゆっくりこっちを向いた。街灯の薄明かりの中で、その目が潤んで見えた。
「……ずるい。そういうこと、今さら言うの」
「お前が先に言ったんだろ」
「うふふ……そうやった」
小春が、ふっと笑って——「あー、おかしい」と言いかけて。でも、今度は最後まで言えなかった。代わりに、ぽつんと言った。
「……手、冷たい?」
「冷えてるな」
「うちも」
そっと、小春の手が俺の手に重なった。本当に、氷みたいに冷たかった。俺は、その手をぎゅっと握り返した。 小春の指が、こわばって、それから少しずつほどけていく。
「……このまま、ここにいたら、二人とも風邪ひくな。どっか、暖かいとこ、行くか」
言ってから、自分の言葉の意味に気づいた。小春も、それに気づいて、ちょっと俯いた。でも、握った手は、離れなかった。
「……うん。行こ」
声が、小さくて、はっきりしていた。
俺たちは手を繋いだまま、土手を上がって駅前へ戻った。駅前のビジネスホテル。フロントで部屋を取るとき、小春は俺の背中に隠れるみたいにしていた。
エレベーターの中、二人きりになると、急に静かになった。鏡に映る俺たちは、なんだか落ち着かない顔をしていた。
「……緊張すんな」
「真田くんも、顔こわばっとるよ」
「ふは、バレたか」
「うふふ」
部屋に入って、ドアが閉まる。暖房のスイッチを入れると、ごおっと温風が回り始めた。 小春が、ベッドの端にちょこんと座った。コートを脱いだ肩が、少し丸まってる。俺は、その隣に座った。 川の音はもう聞こえなくて、暖房の音だけが部屋を満たしてる。
「……小春」
8年ぶりに、名前で呼んだ。小春が、びくっと肩を震わせて、俺を見た。
「……8年分、確かめてもいいか」
小春の頬が、部屋の明かりではっきり赤くなった。それでも、目はそらさなかった。
「……うん。確かめて」
俺は、小春の頬にそっと手を添えた。冷えてた手が、もう温まってる。 ゆっくりと、顔を近づけた。小春が、まぶたを閉じる。長いまつ毛が、かすかに震えてた。 ちゅ…… 軽く、唇を重ねた。柔らかくて、ビールの味が、少しした。
「ん……」
小春の体が、ぴくっと震えた。8年前、初めてキスしたときも、こうだった。あのときは二人とも、もっとぎこちなかったけど。 もう一度。今度は、少しだけ深く。 ちゅっ……ちゅ……
「……っ、ん……」
小春の手が、俺のシャツの裾を、きゅっと掴んだ。唇を少し開いて、舌先で、おずおずと触れてくる。そこから先は、もう8年前の二人じゃなかった。 ちゅぷ……れろ……ちゅる…… 舌を絡めると、小春も応えてくる。高校のときは、こんなふうにできなかった。お互い、ちゃんと大人になってた。
「は……っ、ん……♡」
唇を離すと、二人の間に、透明な糸が引いた。小春の目が、とろんと潤んでる。
「……小春、キス、上手くなったな」
「……真田くんもやん。ばか」
「ふは」
笑い合って、また唇を重ねる。今度は最初から深く。小春のほうから、舌を絡めてきた。 ちゅぷ……じゅる……れろれろ……
「ん……っ、ふ……♡」
キスしながら、俺の手が小春の腰に回る。ニットワンピース越しの、柔らかい体のライン。8年前より、確かに女らしくなってた。 手を少し上にずらすと—— ふにっ。
「ひゃっ……♡」
小春が、びくっと跳ねた。俺の手が、ニットの上から胸に触れていた。高校のときの小春からは想像できないくらいの、柔らかさとボリューム。
「……でかくなったな」
「言わんでよ、もう……っ♡」
恥ずかしそうにしながらも、小春は嫌がらなかった。むしろ、自分から少し体を押し付けてくる。 むにゅ……ふにふに……
「あっ……ん……♡」
ニットの上から、両手で包むように揉む。手のひらに収まりきらない。指が沈んで、押し返してくる弾力。
「脱がしていいか」
「……うん♡」
ニットワンピースの裾に手をかけて、ゆっくりとめくり上げる。白い肌が、現れる。淡いグレーのブラに包まれた、たっぷりとした胸。 ワンピースを頭から抜くと、小春が腕で体を隠そうとした。
「やだ……明るいの、恥ずかしい……」
「隠すなよ。めちゃくちゃキレイだぞ」
「っ……♡ もう……」
ブラのホックに手を回す。 パチンッ。 ぷるんっ♡ 外れた瞬間、押さえられていた胸が、弾けるように溢れ出した。
「……すげえ」
「そんな見ないで……っ♡」
形のいい、たっぷりとした胸。薄いピンクの乳首が、もう少し硬くなりかけてる。白い肌に、淡い色の乳輪が映えてた。
「触るぞ」
「うん……♡」
むにゅっ♡
「ひゃあっ……♡」
直接触れた感触は、服越しとは比べ物にならなかった。吸い付くような柔らかさ。指が沈み込んで、離すとぷるんと戻ってくる。
「あっ……ん……♡ 真田くんの手、おっきい……♡」
「昔は、こんなふうに触れなかったよな」
「……っ、当たり前やん。高校生やったもん♡」
両手でゆっくり揉んで、時々、指で乳首をかすめると——
「ひあっ♡ そこ……っ♡」
「ここ、弱い?」
「弱い……っ♡ あんっ……♡」
指の腹で、乳首を転がす。 くりっ♡ くりくりっ♡
「あっ♡ あっ♡ やぁ……♡ それ、感じるぅ……♡」
小春の声が、どんどん甘くなっていく。体がもじもじして、太ももを擦り合わせてる。 片方の乳首を弄りながら、もう片方の胸に顔を埋めた。 ちゅぷっ♡
「ひゃぁんっ♡♡ 吸うの、だめぇ……っ♡」
乳首を口に含んで、舌先で転がす。 れろっ♡ ちゅるっ♡ ちゅーっ♡
「あっあっあっ♡ 真田くんっ♡ それ、きもちいい……っ♡」
片方を口で、片方を手で。交互に攻めると、小春の体がぴくぴく震える。
「下も、見ていいか」
「……っ、うん♡」
小春の太ももに手を滑らせて、グレーのショーツに手をかける。 ゆっくり下ろしていくと—— つぅっ……♡ 糸を引いた。
「やだ……っ♡ こんなに濡れてるの、見んで……♡」
「キスのときから、こうなってたのか」
「言わんでって……っ♡」
小春の秘所は、とろとろに濡れていた。指を一本、そっと割れ目に沿わせる。 くちゅっ♡
「ひぁっ♡♡」
ぬるぬるで、指が滑る。小さな突起を見つけて、指の腹で、くるくると撫でた。 くちゅくちゅ……くりくり……
「あっ♡ あっ♡ そこっ……♡ クリ、弱いのぉ……っ♡♡」
クリを刺激しながら、中指を、ゆっくりと入口へ。 ずぷっ……♡
「あああっ♡♡♡」
熱い。きゅうっと、指を締め付けてくる。中の、ざらっとした場所を見つけて、こりこりと擦る。 くちゅくちゅくちゅっ♡
「そこっ♡♡ そこ、やばいっ……♡♡」
二本目の指を追加して、かき回しながら、親指でクリを同時に。 ぐちゅっ♡ ぐちゅっ♡ ぐちゅっ♡
「あっ♡あっ♡あっ♡♡ だめっ♡ それ、いっぺんにっ……♡♡」
小春の腰が、浮き上がる。シーツを、ぎゅっと握りしめてる。
「真田くんっ♡♡ うち、もう……っ♡♡ イきそうっ……♡♡」
「いいぞ、イけよ」
「あっ♡♡ あっ♡♡——っっ♡♡♡」
びくびくびくっ♡♡♡ 小春の体が、弓なりに反った。じゅわっと、温かいものが指に溢れてくる。
「はぁっ♡♡……はぁっ♡♡……イっちゃった……♡ 指だけで……っ♡」
とろんとした目で、小春が俺を見上げる。それから、ゆっくり体を起こした。
「……今度は、うちの番♡」
小春が、俺のシャツのボタンに手をかけた。脱がせながら、俺の胸板に手を当てる。
「真田くん……ちょっと、ガッチリした?」
「ジム、たまに行ってるからな」
「ふうん♡ なんか、大人になったって感じ……♡」
ベルトを外して、ジッパーを下ろす。ボクサーパンツの中で、もうパンパンに膨らんでるのが、丸わかりだった。
「わっ……♡ もう、こんなに……♡」
「お前がエロすぎるからだろ」
「えっちなこと言わんで……っ♡ でも、うれしい♡」
小春が、ゴムに指をかけて、ゆっくり下ろす。 ぼろんっ♡
「……っ♡ おっきい……♡」
8年前、初めて見たときは、二人とも真っ赤になって。でも今は、小春の目に、はっきりした欲がにじんでた。 小春が、ベッドの上で、俺の前にしゃがみ込んだ。両手で、そっと包み込む。 にぎっ……しゅっ……しゅっ……
「ん……♡ 熱い……♡ すごく硬い……♡」
「小春の手、気持ちいい……」
「ほんと?♡ じゃあ……お口でも、する♡」
ちゅっ♡ 先端に、軽くキス。 ちゅっ♡ ちゅぷっ♡ 小さなキスを繰り返してから、ぱくっと咥え込んだ。 ずぶ……ちゅぷ……♡
「……っ、小春……」
温かくて、濡れてて。舌が、うねうねと絡みついてくる。小春が、ゆっくり頭を上下させ始めた。 じゅぶっ♡ ちゅぷっ♡ じゅるるっ♡
「んぷっ……ちゅるっ……れろれろ……♡」
「くっ……うまいな……」
唇でしっかり締め付けながら、舌先で裏筋をなぞってくる。先端に来るたびに、ちゅるんと舌で転がす。 じゅぷっ♡ ちゅぱっ♡ じゅるるるっ♡
「んっ♡ 真田くんの、おいしい……♡」
上目遣いで、そう言いながら。小春が、さらにペースを上げた。 ずぶっ♡ ずぶっ♡ じゅぷぷぷっ♡ 奥まで咥えて、喉の奥が当たる。
「んぐっ……♡ んぷっ……♡」
「っ……小春、一回止めろ。このままだとイく」
「んっ……ぷはっ♡」
小春が、口を離した。唾液の糸が、つーっと光る。
「ダメ。まだ、イかんで♡」
とろんとした目で、小春が俺を見上げる。
「……うちの中で、イってほしいと♡」
その一言で、理性が飛びそうになった。
「……いいのか」
「うん♡ 今日は、ピル飲んどるから……♡ そのまま、して♡」
「……マジか」
「うふふ♡ ダメ?」
「いや、ダメなわけないだろ」
小春が、ベッドに横たわった。両膝を立てて、少しだけ脚を開く。
「……来て、真田くん♡」
俺は、小春の脚の間に体を入れた。先端を、入り口に当てる。とろっとした熱が、伝わってくる。
「いくぞ、小春」
「うん……♡ 優しくしてね……♡」
ずぷっ……♡
「んあぁっ♡♡♡」
先端が入った瞬間、小春が甲高い声を上げた。きつい。めちゃくちゃきつい。なのに、とろとろに濡れてるから、吸い込まれるように奥へ進む。 ずず……ずぷぷっ……♡
「あぁっ……♡ おっきい……♡ 奥まで、来てるぅ……♡」
「くっ……小春の中、すげえ気持ちいい……」
「ほんと?♡ うれしい……♡」
奥まで入りきった。小春の中が、ぎゅうぎゅうと、俺を締め付けてくる。
「動くぞ」
「うん……♡」
ずちゅっ♡ ぱんっ♡
「ひぁっ♡」
ずちゅっ♡ ずちゅっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ 真田くんっ♡」
正常位で、ゆっくり腰を動かす。引くときに、きゅっと締まって。入れるときに、とろっと受け入れてくれる。 その繰り返しが、信じられないくらい気持ちいい。 ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡
「あぁっ♡ やっ♡ そこっ♡ そこ、気持ちいいぃっ♡♡」
「ここか?」
ぐちゅっ♡♡
「ひあぁぁっ♡♡♡ そこぉっ♡♡」
奥のほうを突くと、小春が大きく体を跳ねさせた。
「そこ当たると、すごいのっ……♡♡」
「じゃあ、ここ重点的にな」
ぱんっ♡ ぱんっ♡ ずちゅっ♡ ぱんっ♡
「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ だめっ♡ そこばっかりっ♡♡ おかしくなるぅっ♡♡」
突くたびに、小春の胸が、ぶるんぶるんと揺れる。その光景が、エロすぎて。腰の動きが、どんどん速くなっていく。
「真田くんっ♡♡ 高校のときと、全然ちがうっ♡♡」
「俺もだよ。あの頃より……っ、気持ちいい」
「うちもっ♡♡ ずっと……っ♡ こうしたかったぁ……っ♡♡」
ぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡
「あああっ♡♡ 真田くんっ♡ きもちいいっ♡♡ すごいのっ♡♡」
「小春……っ、中に出すぞ」
「うんっ♡♡ 出してっ♡ 中にっ♡♡ 真田くんので、いっぱいにしてっ♡♡」
ぱんぱんぱんっ♡♡ ずちゅっ♡♡ ずぷぷぷっ——♡♡♡
「きたっ♡♡ あぁぁっ♡♡♡ 中に出てるっ♡♡♡ あったかいのっ♡♡♡」
「くっ……はぁ……っ」
奥深くで、全部出した。小春の中が、びくびくと収縮して、搾り取るように締め付けてくる。
「はぁっ♡……はぁっ♡……すごかった……♡ 中に、出された……♡」
「大丈夫か」
「大丈夫♡ ……むしろ、最高♡」
小春が、とろんとした目で笑った。それから、「あー」と言いかけて。
「……ねえ、真田くん。まだ、元気よね♡」
視線の先を見る。確かに——まだ、全然萎えてなかった。
「……お前、意外とえっちだよな」
「真田くん限定やもん♡」
小春の中から引き抜くと、白いものが、とろりと溢れてくる。
「今度は……うちが上で、いい?♡」
「……自分から?」
「うん♡ 8年も、ずっと……したかったから♡ 今日は、いっぱいしたい♡」
俺が仰向けになると、小春が腰の上にまたがった。上から見下ろしてくる小春は——汗で、しっとり湿った黒髪。 上気して、紅潮した頬。重力で、ゆさっと揺れる、たわわな胸。
「……すげえ景色だな」
「えっち♡」
小春が、俺のモノを手で掴んで、自分の入り口に当てた。 ずぷっ♡♡
「んあぁっ♡♡ 自分で入れるの……すごい、感じるぅ……♡♡」
ずずず……と、ゆっくり腰を落としていく。 ずぷぷっ♡♡
「あっ……♡ 全部、入った……♡ お腹の中、いっぱい……♡♡」
「小春、上から見ると、エロすぎる」
「見ててね♡ 真田くんのために、腰振るけん……♡」
ぐちゅっ♡ ぐちゅっ♡ 小春が、ゆっくりと腰を前後に動かし始めた。
「んっ♡ あっ♡ これ、奥に当たるぅ♡♡」
ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぐちゅっ♡
「きもちいいっ♡ 自分で動くの、すごいのっ♡♡」
小春の胸が、腰の動きに合わせて、ぶるんぶるんと揺れる。その光景が、視界いっぱいに広がって——理性が溶けそうだ。
「小春、もっと激しくしていいぞ」
「うんっ♡ こう?♡」
ぱんぱんぱんっ♡♡ 小春が、腰を打ちつけるように、激しく動き始めた。 ぐちゅぐちゅぐちゅっ♡♡♡
「あああっ♡♡ すごっ♡ 自分で振ると、奥ガンガン当たるっ♡♡♡」
「くっ……小春……っ」
下から、腰を突き上げる。 ぱんっ♡♡♡
「ひあぁっ♡♡♡ 下からもっ♡♡ 真田くんので、ぐちゃぐちゃにされてるぅっ♡♡♡」
俺は体を起こして、小春を抱きしめた。対面座位みたいな形になって、お互いの体が密着する。 小春の胸が、俺の胸板に押し付けられて、ぷにゅっと潰れた。
「あっ♡♡ 密着してるっ♡ 真田くんの心臓、聞こえる……♡」
「小春……好きだ」
「っ♡♡ うちも……♡ 好き♡ ずっと、好きやったっ♡♡」
ずちゅっ♡ ぱんっ♡ ぐちゅっ♡
「あっ♡あっ♡あっ♡ イクっ♡ 真田くんっ♡ 一緒に、イこっ♡♡」
「ああ……俺も、もう……っ」
「中にっ♡ 全部、中に出してっ♡♡ うちのお腹、いっぱいにしてっ♡♡♡」
ぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡♡ ずぷぷぷぷっ——♡♡♡♡♡
「あぁぁぁっ♡♡♡♡ イクっ♡ イクイクイクっ♡♡♡♡ 中にっ♡♡♡♡♡」
「っ……! 小春っ……!」
二回目。奥の奥に、全部注ぎ込んだ。小春の全身が、びくびくびくっと痙攣して、ぎゅっと俺にしがみついてくる。
「はぁっ♡♡……はぁっ♡♡……すごかった……♡♡」
「はぁ……はぁ……最高だった……」
しばらく、抱き合ったまま、動けなかった。小春の中が、まだびくびくと収縮していて、余韻が終わらない。 やがて、小春がゆっくり腰を上げた。 ずるっ♡
「んっ……♡ こんなに、いっぱい……♡ 二回も、中に出された♡」
「ごめん。気持ちよすぎて、加減できなかった」
「謝らんで♡ ……うちも、受け止めたかったから♡」
小春が、俺の隣に倒れ込んで、胸に顔を埋めた。汗が引いて、心拍が落ち着いてきた頃。小春が、ふっと笑った。
「……ねえ、真田くん。うち、めっちゃ幸せ。
……あー、おかしい。なんで今、これ言うとっちゃろ」
「ふは。何それ」
「うふふっ」
ようやく、最後まで「あー、おかしい」が言えた。笑うと、やっぱり、目がなくなる。その顔が可愛すぎて、思わずキスした。 ちゅっ♡
「……もう、不意打ちはずるい♡」
「お前が可愛いのが悪い」
「……っ♡ ばか」
二人で、しばらくベッドでだらだらしていた。窓の外が、だんだん白んでくる。朝が、来ていた。
「……何時の新幹線だっけ、俺」
「知らんよ。真田くんのやろ」
「あー……午前中のやつ取ってたんだよな」
スマホで時間を確認する。このままだと、ぎりぎりだ。でも——隣で、小春が俺の腕にしがみついてる。 枕に頬を押し付けて、まだ眠そうな顔で。
「……行っちゃうと?」
「……いや」
俺は、スマホをいじって、新幹線の予約を、一本、後ろにずらした。
「え、いいと?」
「一本くらい、ずらしてもバレない」
「うふふっ、不良やん」
「お前のせいだぞ」
それから、もう一本ずらして。もう一本ずらして。ベッドで、だらだらと過ごした。他愛もない話をして、たまにキスして、ぼーっと天井を見て。 8年間の空白が、嘘みたいだった。こんな時間が、ずっと欲しかったんだと思う。
「……ねえ、真田くん。これ、今日だけ?」
小春が、俺の胸に頬を乗せたまま、訊いた。声が、少し不安そうだった。俺は、しばらく天井を見て。それから、はっきり言った。
「今日だけにする気、ないけど」
「……っ」
「また、自然消滅とか、絶対しない。今度は、ちゃんとやる」
小春が、顔を上げた。目が、潤んでる。
「俺、毎月帰ってくる。地元に。
遠距離、今度はちゃんとやろう。8年前の続き、やり直したい」
「……毎月?」
「ああ。新幹線代くらい、なんとかする」
小春の目から、ぽろっと涙がこぼれた。
「……ほんとに?」
「ほんとだよ」
「うち、また……真田くんの彼女になっていいと?」
「お前以外、考えてない」
小春が、声を上げて泣き出した。それから、ぐしゃぐしゃの顔で、笑った。
「……うん。なる。なるけん」
結局、新幹線は午後の便まで遅らせた。チェックアウトして、駅前まで歩く。 朝の街は、まだひんやりしてたけど、もう昨日みたいな気まずさはなかった。ずっと、手を繋いでた。
改札の前で、立ち止まる。
「じゃあ、行くわ」
「うん……」
小春が、名残惜しそうに俺の袖を掴んでる。
「来月、また帰ってくるから」
「……ほんとに来てよ? すっぽかしたら、許さんよ」
「すっぽかさねえって」
「うふふ。……約束ね」
小指を、絡める。高校生みたいだなって、二人で笑った。
「……真田くん。うち、ずっと待っとったとよ。8年も」
「……待たせて悪かったな」
「いいと。……これから、いっぱい埋めてもらうけん♡」
最後に、改札の前で、軽くキスをした。 ちゅっ♡ 周りの目なんて、気にならなかった。
「いってくる」
「うん。いってらっしゃい♡」
改札を抜けて、振り返る。小春が、手を振っていた。笑うと、目がなくなる、あの顔で。
ホームに上がって、新幹線に乗り込む。窓の外を見ると、地元の街が、ゆっくり流れていく。8年ぶりの帰省は、まさかこんなことになるとは思わなかった。 同窓会に行こうって決めたのは、たぶん、無意識に小春に会いたかったからだ。
スマホが鳴った。小春からのLINE。
【小春】 気をつけてね♡ 来月、待っとるけん♡
俺は、にやけそうになる顔をなんとか抑えて、返信を打った。
そして、半年後。
俺は、約束通り、毎月地元に帰っている。金曜の夜に新幹線に乗って、月曜の朝に東京へ戻る生活。新幹線代は地味に痛いけど、不思議と苦じゃなかった。 小春の保育園の話を聞いて、近所の店で飯を食って、あの河川敷をまた二人で歩いて。8年で空いた距離を、ひとつずつ埋めていってる。
この前、地元に帰ったとき、小春が言った。
「ねえ、真田くん。うち、東京に行ってもいいかなって、考えとると」
「え」
「保育士、東京でもできるやろ? ……毎月帰ってきてもらうの、悪いし」
「……マジで言ってんのか」
「マジ。うち、今度こそ、ずっと真田くんのそばにおりたいと♡」
俺は、何も言えなくて。ただ、小春をぎゅっと抱きしめた。
「……うふふ。あー、おかしい。なんでうち、こんな大事なこと、河川敷で言うとっちゃろ」
「お前、いつもここで大事なこと言うよな」
「だって、ここ、思い出の場所やもん♡」
8年前に別れて。8年越しに、やり直して。今度こそ、ちゃんと続いている。 成人式以来の同窓会で再会した元カノと、二次会を抜け出して朝まで過ごした、あの夜から。俺たちは、ようやく前に進み始めた。
地元に感謝。同窓会を企画してくれた幹事に、感謝。そして何より——8年も、俺のことを待っててくれた小春に。
― 終 ―