俺、桐生颯太、27歳。銀行員。 2年間の名古屋転勤を終えて、先月ようやく東京に戻ってきたばかりだ。 単身赴任のワンルームから、また実家のある町に戻る生活。 正直、名古屋でやり残したことは何もない——そう思い込もうとしていた。 今日は妹の結婚式だ。 3つ下の妹、桐生かな、24歳が、いよいよ嫁ぐ。
会場は都内のホテルウェディング。 5月の青空が窓の外に広がっていて、新緑が気持ちいい。 親族控室でモーニングの蝶ネクタイと格闘していると、母親が「颯太、曲がってるわよ」と直してくれた。
(まさか妹の方が先に結婚するとはなぁ)
そんなことを思いながら、俺は受付に向かった。 親族とはいえ、芳名帳には名前を書かないといけない。 ロビーには、もう何人かゲストが並んでいた。 受付テーブルには、白いブラウスに淡いベージュのスーツを着た女性が二人立っている。 一人はかなの友人だろう。 そしてもう一人—— 俺は芳名帳に名前を書こうとして、ペンを持つ手が止まった。
(……え)
長い黒髪をハーフアップにまとめ、上品なパールのイヤリングをつけた女性。 おっとりとした目元。柔らかそうな唇。 2年——いや、もっと前から見覚えのある顔。
「……颯太、さん?」
その声を聞いた瞬間、心臓が跳ねた。 間違えるはずがない。 おっとりとした、少し語尾の上がる、あの声。
「……芽衣?」
早瀬芽衣、26歳。 大学時代の、俺の元カノだ。 芽衣は妹かなの大学の先輩で、親友。 かなの紹介で出会って、付き合って、2年。 そして俺の名古屋転勤を機に——別れた。
「うそ……颯太さん、本当に颯太さんだ……」
「久しぶり。っていうか、なんで芽衣が受付に……」 「かなちゃんに頼まれて。私、新婦側の受付なんです」 「あー……そっか。芽衣、かなの親友だもんな」
そうだ。そういえばそうだった。 別れてからは連絡を絶っていたから、すっかり頭から抜けていた。 かなと芽衣の交友が続いていれば、結婚式で顔を合わせるのは、当たり前のことだったのに。
「芳名帳……書いてくださいね? 颯太さんもお客様、ですから」
「あ、ああ。ごめん」
ペンを握り直して、名前を書く。 手が、ほんの少し震えていた。 芽衣の前に立つと、あの2年間の記憶が一気に押し寄せてくる。
「ふふ。手、震えてますよ?」
「うるさいな。芽衣だって声裏返ってたぞ」 「……それは、内緒です」
芽衣が小さく笑った。 おっとりとして、でも芯のある、あの笑い方。 昔とまったく変わっていなかった。 席札を受け取って、俺は親族席へ向かう。 背中に芽衣の視線を感じた気がして、振り返りたくなったけど、我慢した。
(まさか、結婚式でこんな再会するとはな……)
挙式は、チャペルで厳かに行われた。 ヴァージンロードを父親と歩くかなを見て、母親が早くも泣いていた。 正直、俺も少しだけ目頭が熱くなった。 あの泣き虫だった妹が、こんなに綺麗な花嫁になるなんて。
そして披露宴。
会場は円卓がいくつも並んだ大広間。 俺は親族席、芽衣は新婦友人席。 斜め向かいくらいの距離だ。 乾杯が終わって、料理が運ばれてくる。 ふと顔を上げると——芽衣と目が合った。
(……っ)
慌てて目をそらす。 でも、また少しして顔を上げると、やっぱり芽衣がこっちを見ていて、目が合った。 今度は芽衣の方が、ふっと頬を緩めて、グラスを少しだけ持ち上げてみせた。
(なんだよ、それ……)
何度も視線が絡む。 そのたびに、心臓がうるさくなる。 別れて2年も経つのに、こんなに動揺するのか、俺は。 宴もたけなわというところで、新婦——かなのスピーチが始まった。
「えー、本日はお越しいただき、ありがとうございます。新婦のかなです」
マイクを握ったかなが、両親への手紙を読み始める。 育ててくれた感謝、迷惑をかけたこと、これからのこと。 そして——
「お兄ちゃん。颯太お兄ちゃん」
突然名前を呼ばれて、俺は背筋を伸ばした。
「お兄ちゃんは、いつも私のこと、さりげなく助けてくれたよね。私が失恋して泣いてた時も、何も言わずにコンビニのプリン買ってきてくれた」
「……っ」 「お兄ちゃんが名古屋に行っちゃって、寂しかった。でも、戻ってきてくれて、今日こうして一緒にいてくれて、本当に嬉しい。ありがとう」
不意打ちだった。 こらえていたものが、ぐっと込み上げてくる。 斜め向かいの芽衣を見ると、芽衣も目を潤ませて、こっちを見ていた。 かなのスピーチを聞きながら、二人とも、きっと同じことを思い出していた。 名古屋に行く前の——あの2年間のことを。 俺が大学を卒業して銀行に入って、芽衣がインテリアの会社に就職して。 休みのたびに会って、安いワインで乾杯して、芽衣の作った料理を食べて。 あのまま続くと思っていた。 名古屋への転勤辞令が出る、あの日までは。 スピーチが終わって、大きな拍手が起こる。 俺は目尻を拭って、もう一度芽衣を見た。 芽衣は、泣き笑いのような顔で、小さく頷いた。
披露宴のクライマックス。 ブーケトス——ではなく、最近流行りの「ブロッコリートス」が始まった。 新郎が、ブーケの代わりに大きなブロッコリーを独身男性陣に向かって投げる、というアレだ。
「独身の男性のみなさーん、前に出てきてくださーい!」
司会に促されて、新郎の友人たちが集まってくる。 俺は親族だし、と後ろで眺めていたら——
「お兄ちゃんも! お兄ちゃんも独身でしょ!」
かなが、わざわざマイクで名指ししてきた。 会場がどっと沸く。
「いや、俺は……」
「いいから出る!」
新郎の悪友たちに背中をぐいぐい押されて、気づけば最前列に押し出されていた。
「では、いきまーす! せーのっ!」
新郎が振りかぶって、ブロッコリーを高く放り投げる。 緑の塊が、ふわりと宙を舞って—— なぜか、まっすぐ俺の方に飛んできた。
(え、こっち!?)
反射的に手が出た。 ぽすっ。 両手で、しっかりキャッチしてしまった。 会場が、爆発したように沸いた。 拍手と歓声。 「次はあなたですね!」という司会の声。
俺はブロッコリーを抱えたまま、呆然と立ち尽くす。 顔を上げると、新婦友人席の芽衣が、口元を手で押さえて、肩を震わせて笑っていた。 その目が、やっぱり少しだけ潤んでいて—— 俺は、なぜか目をそらせなかった。
(次は俺、か……)
ブロッコリーの茎を握りしめながら、俺は柄にもなく、そんな未来を一瞬だけ想像してしまった。
披露宴がお開きになり、夕方からは二次会だ。 会場は同じホテルの中の、おしゃれなパーティスペース。 立食形式で、もっとカジュアルな雰囲気になる。 幹事は、新婦側——つまり妹のかな……ではなく、かなの指示を受けた友人たちだった。 受付で席次表を渡されて、自分の名前を探す。
(えーっと、俺の席は……)
指定された丸テーブルに着くと、目の前にはもう一枚の席札が置かれていた。 そこに書かれていた名前は——
「早瀬芽衣」
(……かな、お前)
完全に確信犯の席配置だった。 遅れてやってきた芽衣も、自分の席を見て、一瞬固まった。
「……これ、かなちゃんの仕業ですよね」
「だろうな」 「もう……あの子ったら」
そう言いながらも、芽衣は嫌そうな顔をしなかった。 むしろ、少しほっとしたように、俺の隣に腰を下ろした。 披露宴のドレスから着替えたのか、今は淡いローズピンクのワンピース姿だった。 鎖骨のラインが綺麗で、思わず目を奪われる。 そのタイミングで、ドレスをお色直しした新婦のかなが、ふらっとテーブルにやってきた。
「お兄ちゃん、芽衣さん。楽しんでる?」
「お前な、この席は……」 「ふふっ。いいでしょ別に。久しぶりの再会なんだから」
かなが、にやりと笑った。 そして、俺の耳元にだけ聞こえるように、囁いた。
「……お兄ちゃん。芽衣さん、まだ独身だよ」
「っ……」 「2年間、ずーっと。誰とも付き合ってないんだから」
そう言い残して、かなは新郎のもとへ戻っていった。 完全な、確信犯。 妹の置き土産は、俺の心臓を盛大に乱していった。 横を見ると、芽衣が不思議そうに首をかしげている。
「かなちゃん、何て言ってたんですか?」
「……いや。なんでもない」 「怪しい。絶対なんか言われてましたよね?」 「ほんとに、なんでもないって」
芽衣がじっとこっちを見てくる。 その視線が照れくさくて、俺はビールを一気に飲み干した。
二次会は、ゲーム大会あり、新郎新婦への質問コーナーありで、賑やかに進んでいった。 芽衣とは、当たり障りのない話をした。 仕事のこと、最近のこと、共通の友人のこと。 肝心なことには、お互い触れなかった。
やがて、お開きの時間。 新郎新婦の挨拶が終わると、人々はぞろぞろとロビーへ流れていく。 「三次会行く人ー!」という声があちこちで上がる。 流れ解散の、あの独特の人混みだ。 俺は、その人混みの中で芽衣の姿を探した。 別れの挨拶くらいは、ちゃんとしておきたかった。 ロビーの隅に、芽衣が一人で立っていた。 スマホを見るでもなく、ただぼんやりと、窓の外の夜景を眺めている。
「芽衣」
「あ……颯太さん」 「三次会、行くのか?」 「ううん。私は……帰ろうかなって。颯太さんは?」 「俺も。明日仕事だし」
少しの沈黙。 人混みの喧騒が、二人の周りだけ遠く感じる。
「……なあ、芽衣」
「はい?」 「もしよかったら、もう一杯だけ、飲んでかないか」
言ってしまってから、心臓がばくばくした。 芽衣は少し驚いたように目を見開いて——それから、ふっと表情を緩めた。
「……ふふ。実は私も、誘おうかなって思ってたんですよ?」
「マジか」 「このホテルの上の階に、夜景の綺麗なバーがあるんです。仕事で内装、担当したことがあって」 「じゃあ、決まりだな」
人混みから抜けて、二人でエレベーターに乗り込む。 最上階のボタンを押す。 扉が閉まると、急に二人きりになった気がして、変に意識してしまう。
「……颯太さん、名古屋、どうでした?」
「ん? まあ、普通だよ。仕事して、寝て、ってだけの2年」 「彼女とか、いなかったんですか?」 「……いきなりだな」
芽衣が、いたずらっぽく笑った。 でも、その目の奥は、少しだけ真剣だった。
「いなかったよ。一人も」
「……そうですか」 「芽衣は」 「私も……いません。ずっと」
エレベーターが、軽い音を立てて止まった。
最上階のバーは、ガラス張りで、東京の夜景が一面に広がっていた。 窓際のカウンター席に並んで座る。 芽衣がジントニックを、俺がハイボールを頼んだ。
「ね、見て。あそこ、東京タワー」
「ほんとだ。綺麗だな」 「私、ここの照明計画、すごく頑張ったんですよ? 夜景が邪魔にならないように、店内の明かりを抑えめにして」 「へえ。芽衣の仕事、ちゃんと形になってるんだな」 「……うん。颯太さんに、見てほしかったのかも」
ぽつりと、芽衣がそう言った。 グラスの中の氷が、からんと鳴る。
しばらく、夜景を眺めながら、ぽつぽつと話した。 別れてから、お互いがどう過ごしてきたか。 かなの結婚が決まった時、二人とも「もしかして会うかも」と思っていたこと。
そして、俺は、ずっと聞けなかったことを聞いた。
「なあ、芽衣」
「はい」 「あの時……俺の転勤が決まった時、なんで別れようって言ったんだ?」
芽衣の手が、グラスの上で止まった。
「遠距離でも、続けられたと思うんだ。俺は、続けたかった。でも芽衣が、『颯太さんの新しい生活の邪魔になりたくない』って」
「……覚えてたんですね」 「忘れるわけないだろ。あの言葉、ずっと引っかかってた」
芽衣は、しばらく黙っていた。 そして、ジントニックを一口飲んで、小さく息を吐いた。
「……本当はね、ついて行きたかったんですよ?」
「え……」 「名古屋に。颯太さんに、ついて行きたかった。仕事辞めて、一緒に行こうって、何度も言いかけました」
芽衣の声が、少しずつ震え始める。
「でも、言えなかったんです。颯太さんは大事な時期で、銀行で一番頑張らなきゃいけない時で。私がついて行ったら、絶対に颯太さんの足を引っ張る。私のせいで、颯太さんのキャリアが止まったら——そんなの、私が一生後悔するって」
「芽衣……」 「だから、自分から身を引いたんです。颯太さんに『重い女だ』って思われたくなくて、笑って別れたフリをして。……本当は、別れたあの日、家に帰ってから、朝まで泣いてました」
ぽろっと、芽衣の目から涙がこぼれた。 慌てて指で拭おうとする芽衣の手を、俺は思わず握った。
「……バカだな、芽衣は」
「……はい。バカです」 「足なんか、引っ張られたって良かったんだよ。俺は、芽衣と一緒にいたかった。一人の名古屋なんて、ずっと寒かった」
芽衣の手が、俺の手の中で、ぎゅっと握り返してきた。 小さくて、柔らかくて、少し冷たい手。 昔と、何も変わらない手だった。
「……今、言っても、いいですか」
「ん?」 「私、まだ颯太さんのこと——」
その先を、芽衣は言いかけて、口を閉じた。 頬を赤くして、うつむいてしまう。 語尾が、消えるように小さくなった。 俺は、芽衣の頬に手を添えて、そっと顔を上げさせた。 潤んだ瞳が、まっすぐ俺を見上げてくる。 夜景の光が、その瞳の中で揺れていた。
「……続き、俺の部屋で聞かせてくれないか」
「え……」 「実は俺、今日、親族枠でこのホテルに一部屋取ってもらってるんだ。帰る予定だったけど……まだ、帰りたくない」
芽衣は、しばらく俺の目を見つめていた。 そして、こくりと、小さく頷いた。
「……はい。連れて行ってください」
バーを出て、エレベーターで部屋のある階へ降りる。 廊下を歩く間、二人とも一言も喋らなかった。 でも、繋いだ手だけは、ずっと離さなかった。
カードキーをかざして、部屋に入る。 広いツインルームで、窓の外には、さっきよりも近くに夜景が広がっていた。 照明を落とすと、街の明かりが部屋の中に淡く差し込んでくる。
「……綺麗な夜景」
「ああ」 「ねえ、颯太さん」 「ん?」 「さっきの続き、言ってもいいですか」
芽衣が、窓辺で振り返った。 ローズピンクのワンピースが、夜景を背に、淡く光って見えた。
「私、まだ颯太さんのこと、好きです。2年間、ずっと。一度も、忘れられませんでした」
その言葉を聞いた瞬間、俺は芽衣を抱き寄せていた。 腕の中の芽衣の体が、びくっと震える。
「俺もだよ。芽衣のこと、ずっと——ずっと好きだった」
「……颯太さん」
顔を見合わせる。 芽衣の唇が、少し開いて、吐息が漏れた。 夜景の光に照らされたその顔が、たまらなく愛おしかった。
「キス、していいか」
「……はい♡」
ゆっくりと、顔を近づける。 ちゅっ。 2年ぶりに重ねた唇は、記憶よりもずっと柔らかくて、甘かった。
「んっ……♡」
芽衣の体から、力が抜けていくのがわかる。 もう一度、今度は少し深く。 ちゅ……ちゅぷ……
「ん……っ、ふ……♡」
唇の隙間から、そっと舌を差し入れる。 芽衣も、おずおずと舌を絡めてきた。 ちゅる……れろ……ちゅぷ……
「は……っ、ん……♡ 颯太さんの、キス……♡」
抱きしめる腕に力を込めると、ワンピース越しに、芽衣の体の柔らかさが伝わってくる。 胸の膨らみが、俺の体に押し当てられて、ぷにっと潰れた。
「芽衣……髪、ほどいていいか」
「え……?」 「ずっと、ほどきたかったんだ。受付に立ってた時から」
芽衣が、こくりと頷いた。 俺は、ハーフアップにまとめられた芽衣の髪に手を伸ばす。 パールのピンを、一つ、また一つ、丁寧に外していく。 するり—— 長い黒髪が、肩から背中へと、さらりと流れ落ちた。 夜景の光に照らされた芽衣の髪が、絹のように艶めいている。
「……綺麗だ」
「もう……♡ 恥ずかしいです」 「昔から、この髪が好きだったんだ」
ほどいた髪に指を通しながら、もう一度キスをする。 ちゅっ♡ ちゅぷ……♡ 芽衣の手が、俺のモーニングの胸元を、きゅっと掴んだ。 ベッドの縁に、芽衣をそっと座らせる。 俺も隣に腰を下ろして、ワンピースの背中のファスナーに手をかけた。
「下ろすよ」
「……はい♡」
ジーーーッ。 ファスナーを下ろすと、ワンピースが肩からするりと滑り落ちた。 現れたのは、淡いピンクのレースに包まれた、たっぷりとした胸。 くびれた腰。透き通るような白い肌。
「あんまり、見ないでください……♡」
「無理だよ。こんな綺麗なのに」 「もう……♡」
芽衣が、恥ずかしそうに胸を腕で隠そうとする。 その手を、そっと外させた。 ブラのホックに手を回して、外す。 パチンッ。 ぷるんっ♡ 布の拘束から解放された胸が、柔らかく揺れた。
「……っ。やばいな、芽衣」
「言わないで……♡」
桜色の乳首が、夜景の光の中で、すでに少し色づいている。 形のいい、たわわな胸。 昔より、少し大人びて見えた。
「触るぞ」
「……うん♡」
両手で、下から包み込むように胸を持ち上げる。 むにゅっ♡
「ひゃっ……♡」
吸い付くような柔らかさ。 指が沈み込んで、離すとぷるんと戻ってくる。 ゆっくりと、揉みしだく。
「あっ……♡ 颯太さんの手……あったかい……♡」
「気持ちいい?」 「……はい♡ すごく……♡」
胸を揉みながら、片方の乳首を指の腹で、そっと撫でる。 くりっ♡
「あんっ♡」
芽衣の体が、ぴくんと跳ねた。 おっとりした普段の口調が、甘い吐息に変わっていく。
「ここ、敏感だな」
「だ、だって……颯太さんに触られると……♡」
乳首を指で転がしながら、もう片方の胸に顔を埋める。 ちゅっ♡
「ひゃあっ♡♡ 吸っちゃ……だめぇ……♡」
乳首を口に含んで、舌先で転がす。 れろっ♡ ちゅるっ♡ ちゅーーっ♡
「あっあっ♡ やぁ……♡ 颯太さんっ……♡」
片方を口で、もう片方を手で。 交互に責めていると、芽衣の声がどんどん甘くなっていく。 太ももを、もじもじと擦り合わせているのがわかった。
「芽衣、もう脚すり合わせてる」
「言わないでください……♡ 恥ずかしい……♡」
俺は、芽衣のショーツに手をかけた。 ピンクのレースの中心が、すでにしっとりと濡れている。
「キスしてた時から、こんなに?」
「……っ♡ 颯太さんが、エッチに触るから……♡」
ショーツを、ゆっくりと脱がせていく。 脚から抜き取ると、太ももの内側まで、透明な蜜が糸を引いていた。
「すごいな。とろとろだ」
「もう……見ないでくださいって……♡」
芽衣をベッドに横たえて、脚の間に体を入れる。 指を一本、そっと割れ目に沿わせた。 くちゅっ♡
「ひぁっ♡♡」
ぬるぬるだ。 小さな突起を見つけて、指の腹でくるくると撫でる。 くちゅくちゅ……くりくり……♡
「あっ♡ あっ♡♡ そこ……♡ 弱いの……♡」
クリを刺激しながら、中指をゆっくりと入り口へ滑り込ませる。 ずぷっ♡
「あぁんっ♡♡」
熱い。 きゅうっと、指を締め付けてくる。 内壁のざらついた場所を見つけて、こりこりと擦り上げる。
「あっ♡♡ そこっ……♡ 颯太さん、そこやばいっ……♡♡」
指を出し入れすると、くちゅくちゅと卑猥な音がする。 二本目の指を追加して、親指でクリを同時に責める。 ぐちゅっ♡ ぐちゅっ♡ くりくりっ♡
「あっ♡あっ♡あっ♡♡ だめっ……♡ そんな、いっぱい……っ♡♡」
芽衣の腰が、びくびくと跳ね始める。 シーツを握りしめて、背中を反らせて。
「颯太さんっ♡♡ 私、もう……っ♡♡ イっちゃう……っ♡♡♡」
「いいよ。イって」
指の動きを速める。 ぐちゅぐちゅぐちゅっ♡♡♡
「あっ♡あっ♡あっ♡♡——っっ♡♡♡♡」
びくびくびくっ♡♡♡ 芽衣の体が、弓なりに反り返った。 じゅわっと、温かいものが俺の手を濡らす。 指だけで、達してしまった。
「はぁっ……♡ はぁっ……♡ すごい……♡ 指だけで、イっちゃった……♡」
息を整えながら、芽衣がとろんとした目で俺を見上げる。 その色っぽさに、俺はもう限界だった。
「颯太さん……♡ 今度は、私が……♡」
芽衣が体を起こして、俺のモーニングのボタンを外し始めた。 シャツを脱がせると、俺の胸板に、そっと手を当てる。
「颯太さん……前より、ちょっと逞しくなりました?♡」
「名古屋で、ジム通ってたからな。やることなかったし」 「ふふ……♡」
芽衣の手が、俺のベルトに伸びる。 カチャ……ジー…… スラックスを下ろすと、ボクサーパンツの中で、すでにはち切れんばかりに膨らんでいた。
「わ……♡ もう、こんなに……♡」
芽衣が、上目遣いで俺を見上げる。 その目が、たまらなく色っぽい。
「私、ずっと……これ、忘れられなかったんですよ?♡」
そう言って、芽衣はパンツのゴムに指をかけて、ゆっくりと下ろした。 ぼろんっ♡
「……♡ やっぱり、おっきい……♡」
芽衣が、ベッドの上で俺の前にしゃがみ込む。 両手で、そっと俺のモノを包み込んだ。 にぎっ……しゅっ……しゅっ……
「ん……♡ 熱い……♡ 颯太さんの……♡」
「芽衣の手、気持ちいい……」 「ほんと?♡ じゃあ……お口でも、していいですか……♡」
芽衣が、ちゅっと先端にキスをした。 ちゅっ♡ ちゅぷっ♡ 小さなキスを繰り返してから、ぱくっと咥え込む。 ずぶ……ちゅぷ……♡
「っ……芽衣……」
温かくて、濡れていて、舌が絡みついてくる。 芽衣が、ゆっくりと頭を上下に動かし始めた。 じゅぶっ♡ ちゅぷっ♡ じゅるるっ♡
「んぷっ……ちゅるっ……♡ れろれろ……♡」
おっとりした芽衣が、潤んだ瞳でこっちを見上げながら、俺のモノを頬張っている。 その光景だけで、頭がおかしくなりそうだった。
「んっ♡ おいしい……♡ 颯太さんの、味……♡」
芽衣が、頬を窄めて吸い上げる。 ちゅぱっ♡ じゅるるるっ♡ 先端から咥え直して、舌先で裏筋をなぞってくる。
「くっ……芽衣、それやばい……」
「ふふ♡ もっと、してあげます……♡」
ずぶっ♡ ずぶっ♡ じゅぷぷぷっ♡ 奥まで咥え込んで、喉の奥に当たる。
「っ……芽衣、一回止めて。このままだと出ちゃう」
「んっ……ぷはっ♡」
芽衣が、ちゅぽんと口を離した。 唾液の糸が、つぅっと光って伸びる。
「……ダメですよ?♡ まだイったら。私、颯太さんの……欲しいの♡」
芽衣が、自分からベッドに横になった。 脚を、少しだけ開いて。
「ねえ、颯太さん……♡ 来て?♡」
「……ああ」
俺は、芽衣の脚の間に体を進めた。 コンドームをつけようと手を伸ばすと、芽衣が、そっと俺の手を止めた。
「……あの、颯太さん♡」
「ん?」 「私……ピル、飲んでるんです♡ 仕事のリズム整えるために……♡ だから、もし颯太さんがよかったら……そのまま♡」 「……いいのか?」 「うん♡ 颯太さんのを、直接……感じたいの♡」
その言葉に、理性が吹き飛びそうになった。 先端を、とろとろの入り口に当てる。
「いくぞ、芽衣」
「はい♡ 優しく、してくださいね♡」
ずぷっ……♡
「んあぁっ♡♡♡」
先端が入った瞬間、芽衣が甲高い声を上げた。 きつい。 なのに、とろとろに濡れているから、吸い込まれるように奥へ入っていく。 ずず……ずぷぷっ……♡
「あぁっ……♡ おっきい……♡ 奥まで、来てる……♡」
「くっ……芽衣の中、すごい締め付けてくる……」 「だって……♡ 2年ぶりだもん……♡」
奥まで入りきった。 芽衣の中が、ぎゅうぎゅうと俺を包み込んでくる。 2年分の感覚が、一気に蘇ってきた。
「動くぞ」
「うん♡」
ずちゅっ♡ ぱんっ♡
「ひぁっ♡」
ずちゅっ♡ ずちゅっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ 颯太さんっ♡」
正常位で、ゆっくりと腰を動かす。 引くときにきゅっと締まって、入れるときにとろっと受け入れてくれる。 2年ぶりとは思えないほど、体が芽衣の形を覚えていた。 ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡
「あぁっ♡ やっ♡ そこっ♡ そこ気持ちいいっ♡♡」
「ここか?」 ぐちゅっ♡♡
「ひあぁっ♡♡♡ そこぉっ♡♡」
奥の方を突くと、芽衣が大きく体を跳ねさせた。 昔、芽衣が一番感じていた場所。 覚えていた。
「ここ、好きだったよな」
「覚えてて……くれたの……♡♡ うれしいっ……♡♡」
ぱんっ♡ ぱんっ♡ ずちゅっ♡ ぱんっ♡
「あっ♡あっ♡あっ♡♡ だめっ♡ そこばっかりっ♡♡ おかしくなっちゃうっ♡♡」
芽衣の胸が、突くたびにぷるんぷるんと揺れる。 ほどいた長い黒髪が、シーツの上に乱れて広がっていく。 その光景がエロすぎて、腰の動きがどんどん速くなる。 ぱんぱんぱんっ♡♡♡
「あああっ♡♡ 颯太さんっ♡ きもちいいっ♡♡ すごいのっ♡♡」
「俺も……芽衣の中、気持ちよすぎる……っ」
俺は体を倒して、芽衣を抱きしめた。 胸と胸が密着して、芽衣の柔らかさが押し付けられる。 キスをしながら、腰を動かす。 ちゅっ♡ ぱんっ♡ ちゅぷ♡
「ん♡♡ 颯太さんっ♡ 好きっ♡ 大好きっ♡♡」
「俺も好きだ、芽衣」
繋がったまま、何度もキスをする。 芽衣の脚が、俺の腰に絡みついてきた。
「颯太さんっ♡♡ 私、もうっ♡♡ イっちゃいそうっ♡♡」
「いいよ。一緒にイこう」 「中にっ♡♡ 颯太さんの、全部中にちょうだいっ♡♡♡」
ぱんぱんぱんっ♡♡♡ 腰を密着させて、一番奥を突き上げる。
「あぁぁっ♡♡♡ イクっ♡ イクイクイクっ♡♡♡」
「っ……芽衣っ……!」
ぱんぱんぱんっ♡♡♡ ずぷぷぷっ——♡♡♡
「きたっ♡♡♡ あぁぁっ♡♡♡ 中に出てるっ♡♡♡ あったかいのっ♡♡♡」
「くっ……はぁ……っ」
奥深くで、全部出した。 芽衣の中が、びくびくと収縮して、最後の一滴まで搾り取るように締め付けてくる。
「はぁっ……♡ はぁっ……♡ すごい……♡ 颯太さんの、いっぱい……♡」
「芽衣、大丈夫か」 「うん……♡ 幸せです……♡」
繋がったまま、しばらく抱き合っていた。 芽衣の心臓の音が、俺の胸に直接伝わってくる。 やがて、芽衣がとろんとした目で、俺を見上げた。
「……颯太さん♡」
「ん?」 「まだ、元気そうですね?♡」
視線の先を見ると、確かに、まだ全然萎えていなかった。 芽衣が、いたずらっぽく笑う。
「私……もう一回、したいです♡ 2年分、取り返したいの♡」
「……芽衣って、こんな大胆だったか?」 「颯太さん限定です♡」
芽衣が、ゆっくりと体を起こす。 そして、四つん這いになって、こちらにお尻を突き出した。 白くて丸いお尻が、夜景の光に照らされて、たまらなくエロい。
「今度は……後ろから、して?♡」
「……っ。煽るなよ」 「ふふ……♡ 早く、来てください♡」
さっき出したばかりの、とろとろの中に、後ろから挿入する。 ずぷっ♡♡
「あぁんっ♡♡ バックは、深いっ……♡♡」
この体勢だと、さっきよりも深く入る。 芽衣の中が、きゅうっと締まって、最奥に密着してくる。 ぱんっ♡ ぱんっ♡
「あっ♡ あっ♡ んんっ♡ 奥っ……♡ 当たってるぅっ♡♡」
腰を掴んで、リズミカルに突く。 芽衣のお尻が、ぶつかるたびにぱちんっと弾力のある音を立てる。 長い黒髪が、揺れる背中の上で乱れている。 ぱんぱんぱんっ♡♡
「あぁっ♡ バック好きっ♡ 颯太さんのが、奥に当たるのっ♡♡ きもちいいっ♡♡」
「芽衣……中、どんどんきつくなってる」 「だってっ♡ 気持ちよくてっ♡ 締まっちゃうのっ♡♡」
前から手を回して、揺れる胸を鷲掴みにする。 むにゅんっ♡♡
「ひゃあっ♡♡♡ 胸もっ♡♡ 一緒にされたらっ♡♡ だめぇっ♡♡」
胸を揉みながら、腰を叩きつける。 ぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡
「あああっ♡♡ また、イっちゃうっ♡♡ 颯太さんと一緒にっ♡♡」
「俺もっ……もう……っ!」
ぱんぱんぱんっ♡♡♡ ずぷぷぷっ——♡♡♡
「あぁぁぁっ♡♡♡♡ きてるっ♡♡ また中にっ♡♡ いっぱい出てるぅっ♡♡♡」
「くぅっ……! はぁ……はぁ……」
二回目。 奥の奥に、全部注ぎ込んだ。 芽衣の中が、ぎゅうっぎゅうっと痙攣するように締め付けてくる。
「はぁっ……♡ はぁっ……♡ すごかった……♡」
芽衣が、そのまま前にぺたんと崩れ落ちた。 俺も隣に倒れ込んで、芽衣を後ろから抱きしめる。 引き抜くと、とろりと白いものが溢れ出した。
「……颯太さん♡」
「ん?」 「2年間、ずっとこうしたかった……♡」 「……俺もだよ」
汗ばんだ芽衣の首筋に、そっとキスをする。 芽衣が、くすぐったそうに身をよじって、それから振り返って俺にキスを返してきた。 ちゅっ♡ 今度は、性急じゃない、優しいキスだった。
しばらく、二人で裸のまま、夜景を眺めていた。 心拍が落ち着いて、汗が引いてきた頃。 芽衣が、ふっと笑った。
「ねえ、颯太さん」
「ん?」 「私たち……これからどうなるんですかね♡」 「……それは、これからゆっくり決めよう」 「ふふ♡ はい♡」
芽衣が、俺の胸に頬を寄せて、目を閉じた。 そのまま、二人で眠りについた。
翌朝。 カーテンの隙間から、朝の光が差し込んでいた。 隣を見ると、芽衣がすやすやと寝息を立てている。 ほどいたままの長い黒髪が、枕の上に広がっていた。
(……夢じゃない、よな)
俺は、芽衣を起こさないようにベッドを抜け出して、ルームサービスに朝食を頼んだ。 しばらくして、芽衣が目を覚ます。
「……ん……颯太さん?」
「おはよう。朝飯、頼んだぞ」 「え……♡ うそ、嬉しい……♡」
ワゴンで運ばれてきたのは、トーストにスクランブルエッグ、サラダにコーヒー。 それと、二人分のフルーツ。 ベッドの上で、それを分け合いながら食べた。
「ふふ。なんか、新婚さんみたいですね♡」
「……っ」
芽衣がさらっと言ったその言葉に、俺はトーストを齧る手を止めた。 そして、コーヒーを一口飲んで、覚悟を決めた。
「なあ、芽衣」
「はい?」 「……次は、俺たちの番って言ったら——重いか?」
芽衣の手が、止まった。 ぱちぱちと、目を瞬かせる。
「昨日、ブロッコリーキャッチしただろ、俺。次はあなたの番ですって、司会に言われて。……正直、芽衣の顔が浮かんだ」
芽衣の目が、みるみる潤んでいく。
「もう二度と、間違えたくない。遠距離だろうが、何だろうが、今度は絶対に離さない。だから——付き合ってくれ。プロポーズするつもりで、本気で」
「……っ」
芽衣の目から、ぽろっと涙がこぼれた。 慌てて、両手で顔を覆う。
「ずるい……♡ 朝から、そんなの……ずるいですよ……♡」
「……返事は?」 「はい……♡ はいっ……♡ 付き合います……♡ 今度こそ、絶対に離れません……♡」
俺は、泣いている芽衣を抱きしめた。 腕の中で、芽衣がしゃくり上げながら、何度も頷いている。
「2年間……っ♡ ずっと、後悔してました……♡ あの時、ついて行けばよかったって……♡」
「もう後悔はなしだ。これからは、ずっと一緒だ」 「……はいっ♡」
芽衣の涙を、指で拭う。 そして、塩っぱい唇に、そっとキスをした。 ちゅっ♡
それから一週間後。 俺たちは、妹のかな夫婦と、ダブルデートをすることになった。 場所は、芽衣が選んだ、おしゃれなカフェレストラン。 新婚旅行から帰ってきたばかりのかなと、その旦那。 そして、俺と芽衣。
「で? 二人は、付き合うことになったわけ?」
席に着くなり、かなが、にやにやしながら聞いてきた。 俺と芽衣は、顔を見合わせて、それから頷いた。
「ああ。付き合うことになった。……いや、プロポーズ前提でな」
「えっ!? プロポーズ前提!?」 「うん♡」
芽衣が、頬を赤くして、嬉しそうに頷く。 その瞬間、かなが「やったぁ!」と叫んで、ガッツポーズをした。
「ほらー! やっぱり! 私の席配置、完璧だったでしょ!」
「お前、やっぱり確信犯だったのかよ」 「当たり前じゃん! 二次会の席も、ブロッコリートスも、ぜーんぶ私の仕込みだから!」
「……は? ブロッコリーも?」
「お兄ちゃんの方に飛ぶように、旦那に頼んでおいたの♡」
俺は、思わず隣の旦那を見た。 旦那が、申し訳なさそうに、でも楽しそうに笑っている。
「いやー、かなさんの指示は絶対なんで」
「お前ら……」
呆れる俺の横で、芽衣がくすくすと笑っている。
「ふふ。かなちゃんには、感謝しないとですね♡」
「……まあ、それは認める」
かなが、得意げに胸を張った。 そして、勝ち誇った顔で、ドヤ顔を決めてくる。
「ふっふっふ。お兄ちゃん、感謝しなさいよね! 私がいなかったら、二人は一生すれ違ったままだったんだから!」
「はいはい。ありがとうございます、かな様」 「よろしい♡」
テーブルが、笑いに包まれる。 芽衣が、テーブルの下で、そっと俺の手を握ってきた。 俺も、その手を握り返す。
「颯太さん」
「ん?」 「私、世界で一番、幸せです♡」
その笑顔が眩しくて、俺は人前だってことも忘れて、芽衣の頬にキスをしてしまった。
「うわー! お兄ちゃんやるじゃん!」
「うるさいぞ、かな」
照れる俺と、真っ赤になる芽衣と、ドヤ顔の妹と、笑う旦那。 妹の結婚式の受付で、まさか元カノと再会するなんて。 そして、まさか——そのまま、人生で一番大切な人を、もう一度取り戻すなんて。 人生、何が起こるか分からないもんだ。 次は、俺たちの番だ。 ― 終 ―