マンション内見で出会った美人不動産営業と付き合った話

2026.04.12

16分で読了

社会人4年目、26歳。

会社の異動で本社のある渋谷エリアに通うことになった。 今まで千葉の幕張から通勤してたけど、片道1時間半はさすがにキツい。 上司に「近くに引っ越せ」と言われて、ようやく重い腰を上げた。

土曜の朝、SUUMOで見つけた不動産屋に予約を入れた。 渋谷駅から徒歩5分の大手チェーン。11時からの予約だ。

店に入る。明るい店内。受付の女性に案内されて奥のブースに座った。

「担当の者がすぐ参りますので少々お待ちください」

待つこと1分。カツ、カツ、カツ。ヒールの音。

「お待たせいたしました。本日担当させていただきます、瀬川と申します」

名刺を差し出されて——目の前に立った女性を見て、思考が止まった。

(……は?)

ストレートの黒髪をひとつにまとめたポニーテール。 きりっとした切れ長の目。すっと通った鼻筋。薄く引かれたリップ。 紺のジャケットに白のブラウス。タイトスカート。ヒール。 いわゆる「デキる女」の空気を纏っているのに、顔が完全にアイドル級だ。 ブラウスの胸元がさりげなく——いや、かなりはっきり膨らんでいる。

「瀬川彩音と申します。本日はよろしくお願いいたします」

にこっ、と営業スマイル。完璧すぎる。

「あ、は、はい。佐藤拓真です。よろしくお願いします」

(落ち着け俺。不動産屋に来たんだぞ。出会いを求めに来たんじゃない)

名刺を受け取る。指先が触れた。それだけで心拍数が上がった。

「では佐藤様、まずはご希望の条件をお伺いしますね」

瀬川さんがタブレットを操作しながらテキパキと質問してくる。 エリア、予算、間取り、駅距離、ペット、同居人。矢継ぎ早。

(彼女もいないです、とは聞かれてない)

「条件に合うものをいくつかピックアップしました。今日はこの3件を内見していただこうと思います」

画面には3つの物件。……が、正直どれも同じに見えた。 俺が見てるのは画面じゃなくて、画面を指さす瀬川さんの横顔だった。

説明の仕方が流暢で淀みない。プロだ。 でも時々ふっと柔らかい笑顔が混じる。そのギャップがやばい。

「佐藤様? この物件、気になりますか?」

「あ、はい。気になります」

(お前が気になる)

「では早速、車でご案内しますね」

瀬川さんが立ち上がる。タイトスカートのラインに沿った腰からお尻のシルエットが——

(見るな。見るな俺。)

見た。

社用車の助手席。車内に甘い香水の匂いがふわっと広がった。

(近い。距離が近い。車内って密室じゃん)

「佐藤様は今どちらにお住まいなんですか?」

「幕張です。通勤1時間半で」

「それは大変ですね。渋谷近辺はいい選択だと思います」

「瀬川さんはこの仕事長いんですか?」

「3年目です。25歳です」

「26です。1個上ですね」

ちょっと嬉しそうに微笑んだ気がした。営業スマイルかもしれない。

最初の物件に到着。代々木上原のマンション、5階の502号室。 1K、25平米。南向きで日当たりがいい。

瀬川さんが窓を開けて風を入れる。ポニーテールが風に揺れた。

(物件を見ろ。物件を。)

「キッチンはこちら。二口コンロで作業スペースも広めです」

「お料理はされますか?」

「まあ、一応。カレーとか」

「ふふ、カレーは大事ですよね」

笑った。営業スマイルじゃない、自然な笑顔。

クローゼットを見せてくれるとき、身を乗り出した瀬川さんのブラウスの胸元が少し——

(見てない。見てない。)

見た。谷間がちらっと見えた。

「佐藤様、いかがですか?」

「いいと思います!」

声が裏返った。

2件目は笹塚の1DK。3件目は代々木公園近くの1K。 正直、どの物件がどうだったか全然覚えていない。

覚えているのは——瀬川さんがデメリットもちゃんと言ってくれたこと。 3件目で「壁薄いかもですね。お隣の生活音が聞こえる可能性があります」と自社物件をdisるスタイル。誠実だ。好感度が爆上がりした。

店に戻って最終確認。1件目に決めた。

(正直どれでもよかった。瀬川さんが勧めるならそれでいい)

「では契約手続きに進みますね。来週、必要書類をお持ちください」

来週また会える。でも契約が終わったらもう会う理由がない。

翌週の土曜、契約手続きで再来店。 重要事項説明書を読み上げる瀬川さんのプロの滑舌。ハンコを押す箇所を丁寧に教えてくれる。

「これで契約完了です。おめでとうございます」

瀬川さんが両手で握手を求めてきた。柔らかくて温かい手。ちょっと長く握ってしまった。

(もう会えないのか)

帰り際、店のドアを開けたとき——

「佐藤様」

瀬川さんが小走りで追いかけてきた。ヒールがカツカツ鳴る。

「あの、これは完全に私個人の——お仕事とは関係のないお話なんですが」

頬がほんのり赤い。

「もしご迷惑でなければ……入居祝いに、お食事でもいかがですか?」

え。

「行きます」

即答。ゼロ秒。

「え?」

「行きたいです。ぜひ」

瀬川さんがぱっと花が咲くように笑った。

「よかった……! 実は断られたらどうしようってずっと緊張してて」

LINE交換。「瀬川彩音🏠」のアカウント名。

「家の絵文字がついてる」

「不動産屋なので笑」

「じゃあ、拓真さん。連絡しますね」

名前を呼ばれた。それだけで心臓が暴れた。

土曜、19時。駅近の和食居酒屋の個室。

彩音が来た。いつもの仕事スタイルとは全然違う。 ゆるく巻いた黒髪を下ろして、白いニットワンピースにベージュのコート。 ニットワンピースから主張する胸のラインが——目のやり場に困る。

「すごい綺麗だね」

「えっ、ありがとう。拓真さんもかっこいいです」

照れたように髪を耳にかけた。ダメだ可愛すぎる。

掘りごたつの個室。日本酒が進む。

「拓真さんのこと、最初の接客のときからちょっと気になってて」

「え、マジで?」

「物件の説明してるのに、全然物件見てなかったでしょ」

ぎくっ。

「……バレてた?」

「ずっと私のこと見てましたよね」

「い、いや、説明が上手だなと思って」

「ふふ、嘘が下手ですね」

「でも嬉しかったです。ドキドキしてました」

「仕事中だから余計に。プロでいなきゃいけないのに心臓バクバクで」

耳まで赤くなってる。

「彩音さん、俺も——最初から全然物件なんか見てなかった」

「知ってます」

「全部あなたのこと見てた」

「……知ってます♡」

その♡は声に出てた。ちょっとだけ甘い声。

二軒目はバー。カウンターで隣に座る。 肩が触れる距離。彩音の髪がふわっと俺の肩にかかった。

「新しいマンション、もう入居したんですか?」

「先週引っ越した。まだ段ボールだらけだけど」

「じゃあ……確認しに行ってもいいですか?」

「確認?」

「アフターフォローです♡ 担当として、住み心地のチェックを」

にっこり微笑む彩音。これは営業スマイルじゃない。

「……部屋、散らかってるけど」

「構いません」

「じゃあ、行こうか」

「はい♡」

代々木上原の502号室。

「わあ、結構ちゃんとしてますね。家具のレイアウトもいい」

本当にプロ目線でチェックしてる彩音が可愛い。

二人でソファに座る。一人用だから肩がぴったりくっつく。 テレビもつけてない。窓の外の街灯がぼんやり部屋を照らしている。

「彩音さん」

「はい」

「俺——彩音さんのことが好きだ」

彩音が俺を見た。目が潤んでいる。

「……私も。拓真さんのこと、好きです」

涙が一筋、頬を伝った。

「あ、やだ、泣いちゃった」

「なんで泣くの」

「嬉しくて……ずっとこうなりたいって思ってたから」

頬に手を伸ばして涙を拭う。

「付き合ってほしい」

「……はい♡」

泣き笑いの顔。どんな営業スマイルよりも綺麗だった。

額にキス。鼻先にキス。そして唇に——触れた。

柔らかい。甘い。カクテルの余韻が残ってる。

「ん……♡」

触れるだけのキスから少しずつ深く。舌先がそっと触れ合った。

「ちゅ……んっ……♡♡」

吸って、舐めて、絡めて。彩音がシャツの胸元を掴む。

「はぁ……♡ もっと♡」

腰を引き寄せる。ニットワンピース越しの胸の柔らかさが腕に押し当てられる。

「彩音……」

「拓真さん……♡ その先も……していいですか……♡」

上目遣い。とろけた表情。プロの不動産営業のどこにもない、恋する女の子の顔。

「いいの?」

「……いいです♡ 拓真さんとなら♡」

ニットワンピースの背中のファスナー。じーーーっ。

白い背中が現れた。薄いピンクのブラとショーツのセット。

ワンピースが肩から滑り落ちる。くびれたウエスト。そして——

「……すっげ」

ブラから溢れそうな胸。直接見るとインパクトが違う。形がいい。谷間が深い。

「そんなに見ないで……♡ 恥ずかしい……♡」

「ごめん。綺麗すぎて」

ブラの上から胸を包む。

「んっ……♡」

柔らかい。ふわっとした弾力の中にしっかりとした芯がある。

ブラのホックを外す。パチン。ふわっと零れた。薄いピンクの乳首がつんと上を向いている。

「や……♡ 直接は……♡」

親指で乳首を転がす。くりくり。

「あっ……♡ やっ……♡ そこ感じる……♡」

舌を伸ばして乳首を舐める。ぺろ、ちゅっ。

「ひあっ♡♡ 舐めないで♡♡」

吸い付きながら舌で転がす。もう片方は手で揉む。

「あっ♡ あっ♡ 両方同時は……♡ だめ……♡♡ 気持ちいい……♡♡」

嫌がってるのに俺の頭を抱え込んで離さない。

彩音を仰向けにソファに横たえる。 ショーツの中央がしっとり濡れていた。

「やだ……♡ 見ないで……♡ 濡れてるの見ないで……♡♡」

「こんなに?」

「拓真さんのせいでしょ……♡♡」

ショーツを脱がす。細い糸を引いた。 きれいに整えられた花びらが蜜で光ってる。

膝をそっと開かせて、内ももにキスを落とす。少しずつ上に。 舌が花びらに触れた。

「ひあぁっ♡♡」

甘い味。下から上へ舌を這わせる。くちゅ、ちゅ。

「あっ……♡ 舌……♡ そこ気持ちいい……♡♡」

一番敏感な場所を舌先で集中的に刺激する。

「そこっ♡♡ だめ♡♡ 気持ちよすぎて♡♡♡」

舐めながら指を一本入れる。ぬる……と抵抗なく滑り込んだ。

「あぁっ♡♡ 同時はだめ……♡♡ おかしくなっちゃ……♡♡」

くちゅくちゅくちゅ。彩音の腰が浮く。太ももが震える。

「イっちゃう♡♡ 拓真さん♡♡ イっちゃうぅ——♡♡♡」

びくんっ! 体全体が痙攣した。

「あ——ッ♡♡♡♡」

びくん、びくん。余韻で震える彩音。蕩けた瞳。半開きの唇。 テキパキした不動産営業は完全にどこかへ行ってしまった。

彩音が体を起こして、俺のベルトに手をかけた。

「拓真さん……♡ 私にもさせて……♡」

ズボンを下ろされて、限界まで硬くなったそれが現れた。

「わっ……♡ 大きい……♡♡」

細い指が根元からゆっくり撫で上げる。先端にちゅ、とキス。

「っ……!」

舌がぺろっと先端を舐める。裏側を丁寧になぞって、くるくると円を描く。

ぱくっと咥え込まれた。

「っっ……!」

温かくて柔らかくて、ぬるっとした口の中。舌が絡みつく。

「んちゅ……♡ ちゅぱ……♡♡ じゅるっ……♡」

上目遣いで見上げながらしゃぶる彩音。切れ長の目が潤んで、口元はそれを咥え込んでいる。

「彩音……すっげ気持ちいい……」

「ん♡ ほんと♡? もっとしてあげる……♡♡」

ちゅぱちゅぱちゅぱ。リズミカルに前後する頭。黒髪がさらさら揺れる。

「マジでやばい……出ちゃう」

口を離した彩音が、唾液の糸を引きながら見上げた。

「拓真さん……♡ 中に欲しい♡」

理性が飛んだ。

彩音を仰向けにして覆いかぶさる。正常位。 両腕が首に回る。足が腰に絡む。

「キスしながらがいい……♡」

唇を重ねて舌を絡め合いながら——先端を入り口に当てた。

ぬる……と蜜が絡みつく。

「入れるよ……」

「うん……♡ きて……♡」

ゆっくり腰を進める。ずぶ……ずぶぶ……

「あっ……♡♡ 入ってくる……♡♡ 大きい……♡♡♡」

根元まで入りきった。中が熱くて、きゅうきゅうと吸い付いてくる。

「はぁ……♡ 全部入った……♡ お腹の奥まで……♡♡」

「動くよ」

「うん……♡ お願い……♡」

ゆっくり引いて、奥まで突き入れる。ずぷっ。

「あっ♡♡」

くちゅ、くちゅ。テンポを上げていく。ぱん、ぱん、ぱん。

「やっ♡♡ 気持ちいい……♡♡ 奥に当たってる……♡♡」

腰の角度を変えて上を擦るように突く。

「ひあっ♡♡♡ そこ♡♡ そこいい♡♡♡」

彩音の爪が背中に食い込む。足がぎゅっと腰を挟む。

ぱんぱんぱんぱん。

「あっあっあっ♡♡♡ すごい♡♡ 気持ちいい♡♡♡」

中がぎゅうっと締まる。波のように吸い付いてくる。

「拓真さんっ♡♡ 好き♡♡ 好き好き♡♡♡」

「俺も好き……彩音……」

「あああっ♡♡♡ だめっ♡ それ言われたらイっちゃう♡♡♡」

最奥まで打ち付ける。ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ。

「イくっ♡♡ イっちゃう——♡♡♡♡」

「俺も——出る!」

「中に♡♡ 中に出して♡♡♡ いっぱい出して♡♡♡♡」

どくっ、どくっ、どくっ、どくっ。

「っっっ♡♡♡♡ きてるっ♡♡ 熱い♡♡ 中にいっぱい♡♡♡♡♡」

びくんびくんびくん。彩音が全身で痙攣する。中が搾り取るように脈打つ。

「あぁ……♡♡♡ すごい……♡ いっぱい……♡♡♡」

汗ばんだ体を重ねたまま、荒い呼吸が部屋に響く。

「すごかった……♡♡ こんなの初めて……♡」

繋がったまま唇にキスを落とす。 しばらくキスを交わしていたら——まだ中にいるそれが、またむくりと。

「え……♡ また大きくなってる……♡♡」

「ごめん……彩音が可愛すぎて」

「謝らないでいいの♡♡ ……今度は私がする♡」

彩音が俺を押し倒した。跨る。騎乗位。

間接照明に照らされた彩音のシルエット。形のいいDカップの胸。くびれたウエスト。しなやかな太もも。

さっき出したばかりで、繋ぎ目からとろりと白いものが溢れている。 そのまま腰を沈めていく。ずぶ……ずぶぶ……

「あっ♡♡ さっきのが中に残ってて……♡ ぬるぬる……♡♡」

根元まで。彩音が腰を揺らし始める。くちゅ、くちゅ。

「あっ♡ この体勢すごい♡♡ 自分で動けるの気持ちいい♡♡」

上下に動く。胸がたゆん、たゆんと揺れる。

「揺れてる……」

「見ないで♡♡ 恥ずかしい♡♡」

手を伸ばして揺れる胸を下から支える。ぐにっ。

「ひゃっ♡♡ 揉みながらはだめ♡♡♡」

ぱん、ぱん、ぱん。テンポが上がる。

「やばい♡♡ 奥に当たる♡♡ この角度すごい♡♡♡」

「下から突いていい?」

「えっ♡ それは——ひあっ♡♡♡♡」

腰を突き上げた。ずぶっ。

「だめっ♡♡ 下からも来たらおかしくなっちゃう♡♡♡♡」

ぱんぱんぱんぱんぱん。彩音の動きに合わせて下から突き上げる。

「あああっ♡♡♡ すごいすごい♡♡♡ 一番奥♡♡♡♡」

胸を揉みながら腰を打ち付ける。彩音が仰け反る。黒髪が背中に流れる。

「イくっ♡♡ 一緒にイって♡♡♡」

「イく——!」

「中にちょうだいっ♡♡♡♡」

どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ!

「あっ——♡♡♡♡♡ きてるきてる♡♡♡ また中にいっぱい♡♡♡♡♡♡」

びくんびくんびくん。中が絞るように脈打って、最後の一滴まで搾り取られる。

力が抜けた彩音が俺の胸に倒れ込んできた。

「すごかった……♡♡♡ 最高……♡♡♡♡」

二人とも汗だくで、心臓がバクバクいってる。 彩音が俺の胸に頬を寄せたまま、くすくす笑い始めた。

「ふふ……♡ 不動産営業がアフターフォローでお客様の部屋に来て、こんなことしてたらクビですね♡」

「俺はもう客じゃなくて彼氏だから」

「……♡♡ そうでした♡♡」

繋がっていたところからとろりと白いものが溢れる。

「ねえ、拓真さん」

「ん?」

「このマンション、気に入ってくれましたか?」

不動産営業の顔——でも目はまだとろけたまま。

「最高の物件だよ。担当の営業さんが特に」

「ふふっ♡ アンケートに『瀬川さんの対応が大変良かった』って書いてください♡」

「『担当の瀬川さんと付き合うことになりました』って書いていい?」

「だめです♡♡ 怒られます♡♡」

くすくす笑い合って——彩音がぎゅっと抱きついてきた。

「拓真さん」

「ん」

「このマンション選んでよかったですね」

「うん。最高の選択だった」

「私も……あの日、勇気出して声かけてよかった……♡」

額にキスを落とす。黒髪に顔を埋める。いい匂いがする。

「これからもよろしくね、彩音」

「はい♡ ……あ、そうだ」

彩音がにかっと笑った。テキパキ系美人の本来の笑顔。無邪気で、ちょっといたずらっぽい。

「改めてお聞きします——」

営業口調で、でも声は甘々で。

「住み心地はいかが?♡」

「——最高です。ここに住みます。一生」

彩音の目がじわっと潤んだ。

「契約更新、永久でお願いしますね♡♡」

そう言って、もう一度キスしてきた。 甘くて、柔らかくて、幸せな味がした。

翌朝。日曜。窓からの朝日で目が覚めた。

隣に彩音がいる。俺のTシャツを借りて寝てる。すやすやと寝息を立てて、少し口が開いている。

(……反則だろ)

「ん……♡ おはよう♡」

「おはよう」

「……ここ、どこだっけ」

「お前が見つけてくれたマンションの502号室だよ」

「あ、そうだった♡ 私の選んだ物件で私が寝てる♡」

「自分で選んで自分で住んでどうする」

「居心地がいいんだもん♡」

むにゅ、と俺の胸に顔を埋める彩音。

「朝ごはん作りますね♡ 卵あります?」

「卵とベーコンが」

「オムレツにします♡」

キッチンに立つ彩音の背中。俺のTシャツから伸びる素足。フライパンの音。バターの香り。鼻歌。

ふわふわのオムレツ。テーブル越しに笑う彩音を朝の光が照らしている。

「次の休み、一緒に家具見に行きませんか? もうちょっと収納があったほうがいい」

「不動産屋の目線だ」

「違います♡ 彼女の目線です♡♡」

——この物件、当たりだ。

いや、この物件を見つけてくれた営業さんが、人生で最高の当たりだった。

「彩音」

「なに?」

「ありがとう。ここに引っ越してきて、本当によかった」

「……♡ 私こそ。あの日担当になれて、本当によかった♡」

向かい合って、笑い合って。週末の朝の、なんでもない幸せ。

この部屋の住み心地は——間違いなく、最高だ。

おわり


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