社会人になって1年。
俺、桐谷悠真(きりたに ゆうま)、25歳。
都内のIT企業で働くごく普通のサラリーマンだ。
大学時代はサッカーをやっていたから、それなりに身体には自信があった。
——が。
デスクワークの毎日。コンビニ弁当。深夜のカップ麺。
入社1年で体重は6キロ増えた。
「……やばいな」
鏡に映る自分を見て呟く。
腹に乗った脂肪。ぼやけたフェイスライン。かつてのサッカー部のキレは、跡形もない。
(このままじゃまずい。ジムでも行くか)
スマホで近所のジムを検索する。
駅から徒歩5分。新しくオープンしたフィットネスジム『FIT LABO』。
パーソナル対応、サウナ完備、初月半額キャンペーン中。
写真を見ると、黒を基調にしたスタイリッシュな内装。最新のマシンが並んでいる。
(サウナもあるのか。いいな)
早速、体験入会の予約を入れた。
土曜日の午前10時。
初めてのジム。
自動ドアをくぐると、新しい機材の匂いとかすかなゴムの香り。
受付で手続きを済ませると、スタッフの男性が言った。
「桐谷さん、本日はパーソナルトレーニングの体験もございますが、いかがですか?」
「あ、ぜひお願いします」
「では、担当の七瀬を呼びますね」
奥に声をかけると、足音が近づいてきて——
「初めまして♡ インストラクターの七瀬彩音(ななせ あやね)です。よろしくお願いしますね♡」
——思考が停止した。
黒いタンクトップにグレーのレギンス。サラサラのポニーテール。健康的な小麦色の肌。
切れ長の瞳に、すっと通った鼻筋。
そして——タンクトップの胸元が、ぱんっと張っている。鍛え上げられた身体なのに、胸だけは豊満に膨らんでいる。Fカップはある。
腹筋にうっすら線が入って、くびれがくっきり。レギンスの下にきゅっとしたお尻のライン。
(……何この人。モデルか?)
「大丈夫ですか?」
「あ、はい! 桐谷悠真です、よろしくお願いします」
彩音さんがくすっと笑った。その笑顔が眩しすぎる。
トレーニングが始まった。
まずはベンチプレス。仰向けになってバーベルを握る。
「フォーム直しますね」
彩音さんが身を乗り出して、俺の腕の位置を調整する。
その時——彩音さんの胸が、俺の顔のすぐ上にあった。
タンクトップの隙間から、黒いスポーツブラがちらっと見える。その奥の、圧倒的なボリューム。
(近い。近い近い近い)
「肩甲骨もっと寄せて……そうそう、いい感じ♡」
彩音さんの手が、俺の肩に触れる。柔らかくて温かい手のひら。
なんとか10回持ち上げて、バーベルを戻した。
(トレーニングより彩音さんの存在のほうがキツい)
次はスクワット。彩音さんが後ろに立って、腰に手を添えた。
「もっと深く。お尻引いて」
手が腰から太ももに滑る。内ももをぽんぽんと叩かれた。
「ここの筋肉を意識して♡」
(集中できるわけないだろ……)
「大丈夫ですか? 顔赤いですよ」
「暑くて」
「水分しっかり摂ってくださいね♡」
彩音さんは何も気にしていない様子で、にこにこしている。
1時間の体験が終わる頃には、俺は正式入会とパーソナルの月額プランに申し込んでいた。
それから、週3回ジムに通うようになった。
火曜と木曜の仕事終わり、そして土曜の午前。パーソナルは週2回、彩音さんが担当してくれる。
1ヶ月が経った。身体は見違えるように変わった。
腹筋が浮かび、胸板は厚くなり、肩幅も広がった。
「すごい♡♡ 桐谷さん、めっちゃ変わりましたね♡」
彩音さんが目をキラキラさせている。
「七瀬さんの指導のおかげですよ」
「ふふ♡ 嬉しいこと言ってくれますね♡」
身体以上に変わったのは、彩音さんとの距離だった。
LINEを交換して、トレーニング以外の話もするようになった。映画の趣味、休日の過ごし方、食べ物の好み。
彩音さんは24歳。体育大学を出てこのジムに入ったこと。大学ではチアリーディングをやっていたこと。
「だから胸だけは鍛えても鍛えてもなくならないんですよ♡」
「それは……いいことなのでは」
「男の人はそう言いますよね♡」
ある夜、LINEで「かわいいなって思って」と送ってしまった。
『ありがとうございます♡♡ 悠真さんにそう言ってもらえると嬉しいです♡♡♡』
——ハートマーク、多くないか。
(深読みするな。女の子はみんなこうだ)
……そう自分に言い聞かせた。
2ヶ月目のある土曜日。
パーソナルを終えて、俺は個室サウナに入っていた。
ドライサウナの熱気が身体を包む。木のベンチに座って、目を閉じた。
トレーニング後のサウナは最高だ。汗と一緒に疲れが抜けていく。
——コンコン。
「すみません、予約が被ってたみたいで……」
ドアを開けると——
「桐谷さん!?」
白いバスタオルを胸の前で巻いただけの彩音さん。上気した肌が薄くピンクに染まっている。
バスタオルの上からFカップの膨らみがはっきり主張していて、裾は太ももの付け根ギリギリ。濡れた脚が光っている。
「一緒に入りません?♡ 二人くらい余裕ですよ♡」
断れるわけがなかった。
二人で個室サウナに並んで座る。肩が触れそうな距離。
サウナの熱気で、肌がじわじわと温まっていく。
汗が彩音さんの鎖骨を伝い、胸の谷間に落ちていく。
(……見るな。見るな俺)
「……正直に言うと」
彩音さんが、小さな声で言った。
「悠真さんが来る日、楽しみにしてたんです♡ トレーナーとしてだけじゃなくて……一人の女として♡」
心臓がどくんと跳ねた。サウナの熱のせいじゃない。
「俺も……彩音さんに会えるから、続けられたってのはあります」
口が滑った。サウナの熱でぼーっとしてたのかもしれない。
「……このサウナの予約も、わざと被せたの♡ 普通に誘う勇気がなかったから♡」
(……かわいすぎるだろ)
「この後、ご飯行きませんか?♡」
「ぜひ。行きましょう」
「ほんとですか♡♡ やった♡♡」
汗に濡れた笑顔が、サウナのオレンジの照明に照らされて眩しかった。
ジムの後、近くのイタリアンに入った。
彩音さんの私服姿は初めて見た。白いニットにベージュのスカート。
ジムでのスポーティな姿とは違う、女の子らしい雰囲気。
——ニットの胸元は、やっぱりぱんぱんに張っている。
「あんまり見ないでくださいよ♡」
「見てないですよ」
「嘘♡ さっきからめっちゃ見てますよ♡」
ワインが進むにつれ、互いの距離が縮まっていく。テーブルの下で膝が触れて——離れない。
「悠真でいいですよ」
「……悠真さん♡」
「じゃあ私のことも、彩音って♡」
「……彩音」
「うん♡♡」
名前を呼び合うだけで、こんなにドキドキするものなのか。
「ねえ、悠真さん」
彩音が頬を染めて、上目遣いで俺を見た。
「もうちょっと一緒にいたいんですけど……うち、すぐ近くなんです♡」
「行っていい?」
「来てほしい♡」
彩音のマンション。1LDKの綺麗な部屋。
ソファに並んで座って、ハイボールを飲んで——
「悠真さん」
「ん?」
「もう我慢できない」
俺の方から唇を重ねた。
ちゅっ♡
「ん……♡」
柔らかくて温かい。ほんのりワインの味。
すぐに舌が絡み合った。
ちゅる、ちゅっ、ちゅるるっ♡
「はぁ……♡ キス、上手い……♡」
キスをしながら、手が自然と彩音の胸に触れた。
むにゅうっ♡
「あっ♡」
手のひらから溢れる柔らかさ。ニット越しでもはっきりわかる弾力。
「触って……いいよ♡」
むにゅ、むにゅ、むにゅっ♡
「んあっ♡ 悠真さん……気持ちいい……♡」
ニットを脱がせ、スポーツブラを引き上げると——
ぶるんっ♡♡
解放された双丘がぷるんと揺れた。ハリのある肌、綺麗な丸い形。薄いピンクの乳首がツンと上を向いている。
「綺麗だよ、彩音」
「……ばか♡」
両手で包み込んで揉む。
むにゅうぅっ♡♡
「ひゃっ♡♡」
親指で乳首をくりっと撫でると——
「ひゃあんっ♡♡♡ そこ敏感なのっ♡♡」
乳首を口に含んで吸い付く。
ちゅうっ♡
「ああっ♡♡♡ 吸わないでっ♡♡ でも気持ちいいっ♡♡♡」
交互に吸いながら、もう片方を手で揉む。
「あっ♡あっ♡ 胸だけでおかしくなっちゃうっ♡♡♡」
スカートとショーツを脱がせると、秘所はとろとろに濡れていた。
「舐めていい?」
「恥ずかしい……♡♡ でも……お願いします♡」
彩音が脚を開いて、俺は顔を埋めた。
ちろっ、ちろちろっ♡
「あっ♡♡ んんっ♡♡ 悠真さんっ♡♡」
花びらの間を丁寧に舐め上げて、一番敏感な場所を見つけた。
「っ♡♡♡ そこっ♡♡♡」
ちゅるっ、れろれろっ、ちゅぷっ♡♡
「やっ♡♡ そこ舐めちゃダメっ♡♡♡」
ダメと言いながら、彩音の手が俺の頭を押さえつけてくる。鍛えられた太ももが俺の頭を挟む。
「あっ♡♡♡あっ♡♡♡ やばいやばいっ♡♡♡」
一番敏感な場所を強く吸った。
ちゅうぅぅっ♡♡♡
「————っっ♡♡♡♡♡ イってるっ♡♡♡ イってるのっ♡♡♡♡」
びくんびくんびくんっ♡♡♡
鍛え上げられた身体が快感で弛緩していく姿は——たまらなくエロかった。
「私にも……させて♡」
彩音が俺のズボンを下ろすと——
ばいんっ。
「すごい……♡♡ こんなに大きいの……♡♡」
ちろっ♡ 舌先が先端をなぞる。
ぱくっ♡
「んんっ♡♡」
温かくて濡れた口の中で、舌が絡みつく。
じゅるっ、じゅるるっ、ちゅぷっ♡♡
ポニーテールが揺れて、じゅぷじゅぷと水音が鳴る。
「彩音……上手い……めちゃくちゃ気持ちいい……」
「んふふ♡♡ もっとしてあげる♡♡」
じゅぷっ、じゅるるるっ♡♡♡
「彩音……限界……」
口を離した彩音が、とろんとした目で見上げた。
「入れたい」
「……♡♡♡ うん♡ 入れて、悠真さん♡♡」
彩音が四つん這いでソファに手をついた。
引き締まった背中。くびれたウエスト。きゅっと上向いたお尻。
「後ろから、して♡」
「スクワットのフォーム指導の体勢だな」
「もうっ♡♡ 明日から意識しちゃうでしょっ♡♡」
先端を入口にあてがう。
「入れるよ」
「お願い……♡♡」
ずぷっ♡♡
「あっ♡♡♡ あつい……♡♡ 悠真さんの、あつい……♡♡♡」
ずぶ、ずぶ、ずぶっ♡♡
「んんっ♡♡♡ おっきい……♡♡ 奥まで来てるっ……♡♡♡」
鍛えた身体だからか、中の締め付けがすごい。きゅうぅっと壁が絡みつく。
腰を掴んで、動き出した。
ぱんっ♡ ぱんっぱんっ♡♡
「あっ♡あっ♡あんっ♡♡ 悠真さんっ♡♡ 気持ちいいっ♡♡♡」
引き締まったお尻が突くたびにぷるんと波打つ。
「もっと強くっ♡♡」
ぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡♡
「あっ♡♡♡あっ♡♡♡ すごいっ♡♡♡♡」
ずぱんっ♡♡♡
「ひゃあっ♡♡♡♡ そこっ♡♡♡ そこ当たってるっ♡♡♡♡」
奥の一番いい場所を繰り返し突く。
「やっ♡♡♡♡ またイっちゃうっ♡♡♡♡♡」
「中に出していい?」
「中にっ♡♡♡♡ 中に出してっ♡♡♡♡♡」
ずぱんっっ♡♡♡♡♡
どくっ、どくっ、どくどくどくっ♡♡♡♡♡
「あっ♡♡♡♡♡♡」
びくんびくんびくんびくんっ♡♡♡♡♡
中がきゅうぅぅっと締め上げてきて、搾り取るように脈動する。
「あったかい……♡♡♡ いっぱい出てるっ♡♡♡♡」
繋がったまま、しばらく動けなかった。
「……まだ足りない」
「え……♡♡ 悠真さん体力おばけ?♡♡」
「ジムで鍛えたから」
「誰のおかげだと思ってるのっ♡♡」
笑いながらも、彩音は仰向けになってくれた。
正面から脚を開いて——
ずぷっ♡♡♡
「ああっ♡♡♡♡ さっきのが中にあるから……すごい音……♡♡♡」
ぐちゅ、ぬぷ、ぬぷっ♡♡
「あっ♡♡ さっきより奥まで来てるっ♡♡♡」
彩音の脚が俺の腰に巻きついた。鍛えた太ももでぎゅっと引き寄せられる。
「逃がさない♡♡」
「逃げないよ」
キスしながら、腰を動かす。
「んっ♡ あっ♡♡ 悠真さん……好きっ♡♡♡」
「俺も好きだよ、彩音」
「♡♡♡♡♡♡」
彩音の目から涙がこぼれた。
「嬉しい……♡♡♡ 嬉しすぎて……♡♡♡」
涙を拭いながら、ペースを上げる。
ぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡♡
「あっ♡♡♡あっ♡♡♡ またイきそうっ♡♡♡♡」
「俺も——」
「一緒にイこう♡♡♡♡ 一緒に出して♡♡♡♡♡」
彩音が俺の背中に爪を立てた。脚の締め付けが強くなる。
ずぱんっっっ♡♡♡♡♡♡
「イクっ♡♡♡♡♡♡」
「彩音っ——!」
どくっ、どくっ、どくどくどくどくっ♡♡♡♡♡♡
「ああっ♡♡♡♡♡♡♡♡ また出てるっ♡♡♡♡ あったかいのいっぱいっ♡♡♡♡♡」
びくんびくんびくんっ♡♡♡♡♡♡
二人同時の絶頂。腹筋がきゅっと収縮して、中が激しく締め上げてくる。
奥の奥まで全部注ぎ込んだ。
「……大好き♡♡♡♡」
彩音が俺の胸に顔を埋めた。
「俺もだよ。大好きだ、彩音」
「ねえ悠真さん♡ これって二人とも、いい追い込みできたね♡♡」
「……トレーナー目線やめろよ」
「あはは♡♡♡♡」
あの夜から、俺たちは恋人になった。
相変わらず週3回ジムに通っている。ジムでは「インストラクターとクライアント」。二人きりなら「彩音と悠真」。
「悠真さん、フォーム崩れてますよ♡」
「お前が近いからだろ」
「トレーナーだから近いのは当然です♡♡」
スクワットで後ろに立たれるたびに、あの夜を思い出す。
「変なこと考えてるでしょ♡♡」
「……考えてない」
「嘘♡♡ 顔に出てますよ♡♡」
ある日のサウナで、彩音が言った。
「カップルで出られるフィットネスの大会があるんだけど——一緒に出ない?♡」
「いいよ。出よう」
「やったあ♡♡♡♡」
ぎゅっと抱きつかれた。バスタオル一枚でそれをやるから——
「……彩音、サウナでそれはまずい」
「え♡♡ なんで♡♡」
「……わかるだろ」
「あ♡♡♡♡ 悠真さんのえっち♡♡♡♡」
「お前のせいだよ」
——結局その日も、彩音の家で追加トレーニングをすることになった。
「筋トレ仲間から恋人って、新鮮だよね♡」
ベッドの中で彩音が言った。
「プロテインの味について1時間語れるカップルなんて、俺たちくらいだろ」
「たしかに♡♡ それはちょっと異常かも♡♡」
「ずっと一緒にトレーニングしようね♡♡」
「もちろん。ジムでも、ベッドの上でも」
「もうっ♡♡♡♡ ばか♡♡♡♡」
ぽかっ、と胸を叩かれた。全然痛くない。
ジムの入会金、月額会費、パーソナル代。全部ひっくるめて——人生最高の投資だった。
——Fin.