これ書いていいのかずっと迷ってたんだけど、もう時効だと思うから書きます。
俺は都内のIT企業で働いてる28歳。顔面偏差値は中の下、身長172cm、体重68kg。服はユニクロとGUのローテーションで、髪型は美容院じゃなくて1000円カットという、まあどこにでもいるタイプの男です。
話は去年の秋に遡る。
親父が再婚した。俺が高3のときに母親が病気で亡くなって、それから10年以上ずっと一人だった親父が、職場の後輩だった女性と再婚することになった。正直、嬉しかった。親父にはもう一度幸せになってほしいとずっと思ってたから。
問題は、その再婚相手に娘がいたことだ。
名前は伏せるけど、当時22歳。都内の私大を出たばかりで、春から新宿の出版社に就職が決まっていた。初めて会ったのは顔合わせの食事会で、場所は恵比寿のイタリアン。
その子は橋本環奈をもう少しシャープにしたような顔立ちで、身長は158cmくらい。髪はダークブラウンのセミロングで、鎖骨のあたりで揺れてた。服装は白いブラウスにネイビーのタイトスカートで、出版社の面接帰りだったらしい。華奢なのに胸のあたりだけしっかり主張していて、(失礼だけど)Dカップはあるなと思った。
で、第一印象は最悪だった。
「はじめまして、よろしくな」
「……どうも」
目も合わせない。スマホいじりながらの返事。親父と彼女のお母さんが楽しそうに話してる横で、俺たちの間だけ氷河期だった。
(いや、別にいいけどさ。22歳の女の子が突然「お兄ちゃん」とか呼んでくれるわけないし)
そう思って気にしないようにしてたんだけど、問題はその後だった。
親父たちの新居は埼玉の大宮で、俺は中野のワンルームに住んでいた。で、義妹のほうは新宿勤務だから都内に住みたいと。親父が「お兄ちゃんの近くのマンションに部屋を借りてやるから、なにかあったら頼りなさい」と言ったらしい。
義妹は露骨に嫌そうな顔をしたけど、家賃を出してもらう立場なので断れなかったんだろう。結局、俺のマンションの二つ隣の部屋に入居することになった。
引っ越しの日、俺は有給を取って手伝いに行った。
「重いもの持つから言ってくれ」
「別に一人でできるし」
「いや、親父に頼まれてるから」
「……勝手にすれば」
こんな調子。段ボールを運んでも「そこじゃない」、家具の配置を提案しても「聞いてない」。何を言っても塩対応。
(反抗期かよ……22歳だろ……)
正直、ちょっとイラッときてた。
でも、ひとつだけ気になることがあった。俺が他の男——たとえば引っ越し業者の兄ちゃんとか、挨拶に来た隣の部屋の男——と話してるときだけ、義妹がチラチラこっちを見てくるのだ。
気のせいかと思った。いや、気のせいだろう。
引っ越し作業が終わって、近くのコンビニで弁当を買って二人で食べた。義妹はカルボナーラのパスタを選んでいて、「それ美味いよな」と言ったら無言で頷いた。
「なんかあったらLINE送ってくれ。既読早いほうだから」
「……別に、困ることないと思うけど」
「まあ一応な」
LINE交換だけはしてくれた。アイコンは白い猫の写真だった。
それから数週間、義妹との接点はほぼなかった。たまにマンションの廊下ですれ違うと会釈だけ。会話はゼロ。
ところが、妙なことが起き始めた。
ある月曜の朝、玄関の前に紙袋が置いてあった。中身はコンビニのおにぎり2個と、ペットボトルのお茶。メモも何もない。
最初は誰かの置き忘れかと思って放置したけど、翌週も同じことがあった。今度はサンドイッチとカフェオレ。その次の週はパンとヨーグルト。
毎週月曜日だけ。必ず朝。
(……まさか)
月曜は俺が朝イチのミーティングで、いつもより30分早く家を出る日だった。朝飯を食う時間がなくて、毎回コンビニに寄ってから出社してた。
でも、そんなこと義妹に話した覚えはない。
ある日、たまたま5時半に目が覚めてしまい、何気なく玄関のドアスコープを覗いた。
薄暗い廊下に、パジャマ姿の義妹が紙袋を置いて、小走りで自分の部屋に戻っていくのが見えた。
(おまえかよ……)
なんで俺にだけ塩対応なのに、こんなことするんだ。意味がわからない。
翌日、会社の同期に相談した。
「それツンデレじゃん。好きなんだよ、お前のこと」
「いやいやいや。義理とはいえ妹だぞ?ありえないだろ」
「血つながってないんだろ?全然ありえるわ」
「ねーよ」
そう言い切ったけど、心臓がうるさかった。
それから義妹のことが気になり始めた。いや、気になってたのは最初からだったのかもしれない。ただ、「妹」というラベルを貼って、見ないようにしてただけで。
11月のある金曜の夜、事件が起きた。
仕事を終えてマンションに帰ると、義妹の部屋のドアの前に彼女が座り込んでいた。顔が真っ赤で、明らかに酔っている。
「おい、大丈夫か」
「……鍵、なくした」
「は?」
「会社の飲み会で……どっかで落とした」
「管理会社に電話しろよ」
「もう営業時間外……」
金曜の夜11時。確かに管理会社はとっくに閉まっている。
「……俺の部屋来るか?」
「……は?なんで」
「廊下で寝るよりマシだろ。ソファ貸すから」
「…………」
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
俺の部屋に入った義妹は、予想に反しておとなしかった。酔ってるせいか、いつもの刺々しさが消えていて、ソファに座ったまま黙って水を飲んでいた。
「シャワー浴びるか?タオル出すけど」
「……ありがと」
初めて素直にお礼を言われた気がした。
義妹がシャワーを浴びている間、俺は着替えを探した。Tシャツとスウェットを出して、脱衣所のドアの前に置いた。
「着替え、ドアの前に置いとくぞ」
「……うん」
シャワーから出てきた義妹は、俺のTシャツを着ていた。サイズが全然合ってなくて、袖が肘の下まである。でも太もものあたりまでしか丈がなくて、白い脚が丸見えだった。
(やめろ。見るな。妹だ)
自分に言い聞かせたけど、無理があった。髪を拭きながら首をかしげてる姿が、信じられないくらい色っぽかった。
「……なに見てんの」
「いや、なんでもない。もう寝ろ、ソファにブランケット敷いとくから」
「……お兄さんは?」
「俺はベッドで寝る。心配すんな」
義妹がソファに横になって、俺は電気を消してベッドに入った。
しばらく天井を見つめていたら、小さな声が聞こえた。
「……ねえ」
「ん?」
「朝ごはん……気づいてた?」
「……ああ」
「…………」
「ありがとな、毎週」
「別に……余っただけだし」
沈黙。
「お兄さん、朝ごはん食べないで出てくでしょ。体に悪い」
「よく知ってるな、俺の生活パターン」
「……知らない。たまたま」
(たまたまで毎週月曜だけピンポイントで置けるか、普通)
「おやすみ」
「……おやすみ」
その夜はそれで終わった。
でも、翌朝が問題だった。
土曜の朝、俺が先に起きてコーヒーを淹れていると、義妹がソファの上でまだ寝ていた。ブランケットがずり落ちて、俺のTシャツがめくれ上がっていた。薄いピンクの下着が見えていて、形の良い腰のラインがはっきりわかった。
慌てて目を逸らしたけど、焼きついた。完全に。
(俺は最低だ)
コーヒーの匂いで目を覚ました義妹が、寝ぼけた顔で起き上がった。
「……今何時」
「8時。コーヒー飲むか」
「……飲む」
二人でコーヒーを飲みながら、テレビの天気予報を見た。不思議と気まずくなかった。
管理会社が開く時間になって、義妹は鍵を再発行してもらいに行った。部屋を出る前に、一瞬だけ振り返って、
「……昨日はありがと。これで貸し借りなしね」
「朝飯の分、まだ全然返してもらってないけど」
「……うるさい」
ぱたん、とドアが閉まった。
それから2週間くらい経った12月の初め、義妹から初めてLINEが来た。
「棚の上のもの取れない。背高いんだから来て」
行ってみたら、キッチンの上の棚に食器が入った段ボールがあって、確かに158cmじゃ届かない。脚立もなかったらしい。
「これか。はい」
「……ありがと」
そのとき、段ボールの底から一冊のノートが落ちた。
大学の講義ノートかと思って拾い上げたら、表紙に小さく「日記」と書いてあった。
「あっ……!返して!」
すごい勢いで奪い取られた。でも、落ちたときに開いたページが一瞬だけ見えてしまった。
そこには、こう書いてあった。
「お兄さんの笑った顔がずるい。あんなの好きになるに決まってる」
日付は、顔合わせの食事会の翌日だった。
「見た……?」
「……いや」
「嘘。顔に出てる」
義妹の顔が真っ赤になった。見たことないくらい動揺していた。
「最低。人の日記を……」
「落ちたのを拾っただけだろ」
「出てって!」
背中を押されて、追い出された。
それから三日間、既読もつかなくなった。廊下でも会わない。月曜の朝ごはんも、ドアの前にはなかった。
(やっちまった)
でも同時に、胸の奥が妙にざわついていた。あの日記の一行が、頭から離れない。
あいつが俺に冷たかったのは、好意の裏返しだったのか。
顔合わせの日、目を合わせなかったのも。会話を避けてたのも。全部、好きだからバレたくなくて距離を取ってただけなのか。
(いや、でも……妹だぞ)
血はつながってない。わかってる。でも、戸籍上は兄妹だ。親父にも、義妹の母親にも、顔向けできない。
木曜の夜、どうしても気になって義妹の部屋のインターホンを押した。
返事がない。
もう一度押す。
ドアが少しだけ開いた。チェーンがかかったまま。
「……なに」
「飯食ったか」
「……食べた」
「嘘つけ、顔色悪いぞ」
「…………」
「鍋作ったから持ってきた。食え」
ドアの隙間から鍋の容器を差し出した。しばらく沈黙があって、小さな手が受け取った。
「……容器、あとで返す」
「急がなくていい」
ドアが閉まった。
翌日の朝、玄関の前に洗われた容器と、小さな付箋が置いてあった。
「おいしかった。ごちそうさま」
その文字を見て、なぜか笑ってしまった。素直に言えばいいのに、こういうところが本当に不器用だなと思った。
12月の第3週、義妹から電話がかかってきた。日曜の昼過ぎだった。
「……体調悪い」
声がかすれていた。
急いで部屋に行くと、ベッドの上で義妹が丸まっていた。額を触ると明らかに熱い。38度7分。
「病院行くぞ」
「日曜だから……休日診療しかない……」
「じゃあ薬局でとりあえず薬買ってくる。動くな」
近くのドラッグストアで解熱剤とポカリと冷えピタを買ってきた。薬を飲ませて、額に冷えピタを貼って、ポカリをストローで飲ませた。
「……なんでそんな優しいの」
「兄だからだろ」
「……兄じゃない」
「は?」
「お兄さんは私の兄じゃない。血もつながってないし、一緒に育ったわけでもない」
「…………」
「だから……兄だからとか言わないで。余計つらいから」
熱で弱ってるせいか、いつもの壁がなかった。目が潤んでいて、今にも泣きそうだった。
「ごめん……忘れて、今の」
「忘れられるわけないだろ」
「……え」
「日記のことも。朝ごはんのことも。おまえが俺にだけ冷たい理由も。全部わかってた」
嘘だ。わかったのはつい最近だ。でも、今この瞬間、全部がつながった。
義妹が布団を頭まで引き上げて隠れた。
「……最悪。熱あるときに言わないでよ。ズルい」
「じゃあ熱が下がったらもう一回言う」
「言わなくていい!」
布団の中から手が伸びてきて、俺の服の裾を掴んだ。
「……帰らないで」
「帰らねえよ」
その日は義妹のベッドの横の床に座って、寝顔を見ながら朝まで過ごした。たまに額の冷えピタを替えて、ポカリを飲ませて。
明け方に熱が下がって、義妹が目を開けた。
「……まだいたの」
「いるって言っただろ」
「……バカ」
次の週末だった。
義妹が俺の部屋に来た。いつもの塩対応の顔で。
「あの日のこと。ちゃんと話したい」
「ああ」
テーブルを挟んで向かい合って座った。義妹はしばらく黙って、コーヒーのカップに視線を落としていた。
「最初に言っとくけど、あの日記は高校のときから書いてたやつの続き」
「高校?」
「お母さんが再婚の話を持ってきたとき、相手の息子の写真を見せられたの。お母さんのスマホに入ってた、家族写真のやつ」
「…………」
「正直、かっこいいと思った。でも義理の兄になる人だから、そういう目で見ちゃダメだって思って。だからわざと冷たくした」
「……あの態度、全部演技だったのかよ」
「演技っていうか……自衛。好きって気づかれたら終わりだと思ってたから」
義妹がようやく顔を上げた。目が赤い。
「でも、近くに住むようになって、毎日すれ違って、しんどくなった。好きなのに冷たくするの、すごく疲れる」
「朝飯は?」
「……せめて何かしたかった。顔見て優しくできないから、せめて」
ああ、こいつはずっと一人で苦しんでたのか。
俺は立ち上がって、テーブルを回って義妹の隣に座った。
「俺も正直に言う」
「……やめて」
「おまえのこと、妹として見れなくなってる」
「やめてって言ってるのに……」
声が震えていた。
「ダメか?」
「ダメに決まってるでしょ……お父さんたちに知られたら、どうなるの」
「そうだな」
「私のお母さん、やっと幸せになれたのに。壊したくない」
「……わかってる」
沈黙が重かった。正しいことを言ってるのは義妹のほうだ。わかってる。
でも、すぐ隣に座ってる義妹の横顔を見てたら、理性がどんどん磨り減っていく感覚があった。
「……ねえ」
「ん」
「もし……もしだよ。親がいなくて、義理の兄妹じゃなかったら、私のこと、好きになってた?」
「そんなの……」
「正直に言って」
「間違いなく」
義妹が、泣いた。声を殺して、肩を震わせて。俺は何も考えられなくなって、義妹を抱き寄せた。
「ずるい……そんなの言われたら、もう我慢できないじゃん……」
「ごめん」
「謝んないでよバカ……」
顔を上げた義妹と目が合った。涙で滲んだ瞳が、あまりにもきれいだった。
(これは超えちゃいけない線だ)
頭ではわかっていた。でも体が勝手に動いた。
唇が触れた。ほんの一瞬、触れただけ。
義妹が固まった。
「…………」
「……ごめん、今のは」
義妹が俺の首に腕を回して、引き寄せてきた。
今度は義妹のほうからだった。さっきより深くて、長くて、震えてた。
「ごめん……もう止まれない……」
「俺もだ」
いつの間にかソファに倒れ込んでいた。義妹の体が軽くて、でも柔らかくて、俺のTシャツの中にある体温が直に伝わってきた。
キスしながら、義妹が小さな声で言った。
「怖い……けど、お兄さんがいい」
「兄って呼ぶな、今は」
「……じゃあ、なんて呼べばいいの」
「名前でいい」
「……律」
下の名前を呼ばれたのは初めてだった。それだけで頭の中が真っ白になった。
ニットの裾に手を入れると、義妹が小さく息を飲んだ。肌がすべすべで、触れた瞬間にぞくっと鳥肌が立った。
「……冷たい、手」
「ごめん」
「いい……もっと触って」
ブラの上から胸に触れた。手のひらに収まりきらない大きさで、柔らかいのに弾力がある。
(やっぱDカップじゃないなこれ……)
「……おまえ、Eくらいない?」
「……なんでそういうこと聞くの、今」
「気になった」
「……E65」
「華奢なのにすごいな」
「うるさい……恥ずかしいからやめて」
恥ずかしいと言いながら、自分からブラのホックを外してくれた。
現れた胸は白くて、薄いピンクの先端が少し上を向いていた。形がきれいすぎて見とれた。
「……そんなに見ないで」
「見るだろ、これは」
乳首に触れると、義妹が声を漏らした。
「んっ……」
口に含むと、背中を反らせて俺の髪を掴んできた。
「あっ……だめ、そんな、吸わないで……」
言葉と裏腹に、頭を押さえつけてくる手に力が入っている。
(こいつ、本当にツンデレだな……)
太ももの内側に手を滑らせると、もう下着が湿っていた。
「……触らないで、そこ」
「こんなに濡れてるのに?」
「っ……最低」
指で下着の上からなぞると、腰がびくっと跳ねた。直接触れると、ぬるっとした感触が指に絡みついた。
「あっ……んん……っ」
声を我慢しようとして、自分の手で口を押さえている。でも指が中に入ると、押さえきれない声が漏れた。
「やっ……そこ、だめ……気持ちいい……」
クリトリスを親指で刺激しながら中を指でかき回すと、義妹の脚が俺の腰に絡みついてきた。
「律……待って、まだ……あっ、あっ、だめっ」
体が大きく震えて、内壁がきゅうっと指を締めつけた。
「…………イッちゃった」
「早くない?」
「うるさいバカ……だって、ずっと我慢してたんだから……」
その言葉を聞いた瞬間、理性が完全に飛んだ。
ベッドに移動した。義妹が仰向けになって、でも恥ずかしそうに顔を背けている。
「……入れていい?」
「……聞かなくてもわかるでしょ」
「ちゃんと言って」
「…………して」
先端を当てて、ゆっくり入れた。義妹が息を止めた。
「……っ、大きい……」
「痛い?」
「……平気。続けて」
奥まで入れると、中が熱くて、きつくて、頭がおかしくなりそうだった。
「動くぞ」
「……うん」
ゆっくり腰を動かし始めると、義妹が俺の背中にしがみついた。耳元で漏れる吐息が甘くて、腰の動きが自然に速くなっていく。
「あっ……あっ……ん、気持ちいい……」
「おまえの中、すごいな……」
「そういうこと言わないで……ばか……」
ばかと言いながら、腰を合わせてくる。口ではいつも否定するくせに、体は正直すぎた。
「ねえ……キスして」
見上げてくる顔があまりに素直で、胸がぎゅっとなった。唇を重ねながら腰を突くと、義妹の声が口の中に溶けた。
「んっ……んんっ……好き……ずっと好きだった……」
「……俺もだ」
体位を変えて、義妹の背中から抱きしめるように後ろから入った。Eカップの胸を両手で包みながら腰を打ちつけると、義妹が枕に顔を押しつけて声を殺そうとしている。
「だめっ……奥に当たって……すごい……」
「声、出していいぞ。隣の部屋、空室だし」
「むり……恥ずかしい……あっ、あぁっ」
結局我慢できなくて、甘い声が部屋中に響いた。いつも冷たい態度を取ってるあいつが、こんな声を出す。そのギャップだけで頭がおかしくなりそうだった。
(これが本当のこいつなんだ)
「そろそろ限界……」
「外に……出して」
「わかってる」
引き抜いて、義妹の腰のあたりに出した。びゅるっと背中に白い線が走って、義妹が小さく震えた。
「……いっぱい出たね」
「すまん」
「……謝んないでって言ったじゃん」
二人で横になって、天井を見上げた。しばらく無言だった。
「……これから、どうするの」
「……わかんない。でも、もう他人のフリは無理だ」
「お父さんたちには?」
「……今はまだ言えない」
「……うん。私もまだ無理」
「でも、いつかちゃんと言う。それまで、二人だけの秘密でいいか」
義妹が俺の胸に顔を埋めた。
「……ずるい。そうやって、都合いいこと言って」
「ずるいのはお前だろ。冷たくしといて朝飯置いたり、日記に好きって書いたり」
「……あれは事故」
「事故で半年以上毎週朝飯届けるやつがいるか」
「…………」
「……もう一回、して」
「え?」
「聞こえたでしょ。もう一回」
2回目は義妹が上に乗った。さっきまでの恥じらいはどこに行ったんだと思うくらい、積極的だった。
「これも……ずっとしたかった」
「おまえ、結構エロいよな」
「うるさい。律のせいでしょ」
腰をゆっくり動かしながら、義妹が上から俺を見下ろしている。さっきまで泣いてた顔が、今は蕩けるような表情になっていた。
「あっ……ここ、すごい……」
自分で角度を調整しながら、いいところを探してる。その姿がたまらなくエロかった。
「腰、もっと使っていいぞ」
「っ……ん、あっ、待って、やば……」
ぱんっ、ぱんっ、と義妹が自分から腰を打ちつけてくる。胸が目の前で弾むように揺れていて、思わず口に含んだ。
「やっ……そこ吸われると……だめ、イっちゃう……!」
義妹の中がぎゅうっと締まって、全身がびくびくと痙攣した。その締めつけに耐えきれなくて、慌てて抜こうとしたけど、義妹が腰を押さえつけてきた。
「おい、出ちゃうって……」
「……いい。中に出して」
「は?ダメだろ」
「大丈夫……低用量ピル飲んでるから」
「いつから……」
「……お兄さんの隣に引っ越してきたときから」
(こいつ……最初からこうなること想定してたのか……?)
「想定じゃない……願望」
顔を読まれた。
もう無理だった。義妹の中に、全部出した。
「あっ……熱い……いっぱい出てる……」
密着したまま、しばらく動けなかった。
義妹が俺の胸の上に頬をつけて、小さく笑った。
「ねえ」
「ん」
「明日の朝ごはん、一緒に食べない?」
「……ドアの前に置くのはもうやめるのか」
「当たり前でしょ。もう隠れる理由ないし」
「じゃあ俺が作る。卵焼きくらいしかできないけど」
「……それでいい」
窓の外はもう真っ暗で、中野の街の灯りが遠くに見えた。時計を見たら23時を過ぎていた。
「……帰らないよ」
「帰れとも言ってない」
義妹が布団に潜り込んで、俺の腕を引っ張った。
「おやすみ……律」
その呼び方に慣れるまで、たぶんもう少しかかる。でも、悪くないなと思った。
翌朝、約束どおり卵焼きを焼いた。出来栄えは中の中。義妹は文句を言いながら全部食べた。
「……まずくはない」
「素直に美味いって言えよ」
「言わない」
でも皿を洗ってるとき、後ろから抱きついてきて、背中に額を押しつけてきた。
「……ごちそうさま」
たぶん、こういうのがこいつの精一杯の素直さなんだろう。
親にいつ言えるのか、この先どうなるのか、正直なにもわかってない。でも、あの冷たい態度の裏にあったものを知ってしまった今、もう後戻りはできない。
月曜の朝、玄関のドアを開けたら、ドアの前にはもう何も置かれていなかった。
代わりに、隣の隣の部屋のドアが開いて、義妹が出てきた。
「……一緒に行くけど、電車では他人のフリするから」
「了解」
二人で中野駅まで歩いた。12月の朝は寒くて、義妹がマフラーに顔を埋めていた。
改札の前で、義妹が小さく手を振った。
「……じゃあね」
「ああ、また夜」
義妹がぎこちなく笑って、人混みに消えていった。
あいつの笑った顔を見たのは、たぶんあれが2回目だった。