異動先の経理課で毎朝コーヒーを淹れてくれる七つ上の先輩と、出張先の金沢で相部屋になった夜のこと

はじめまして。都内の中堅メーカーで働いてる27歳の男です。

いまから書く話は去年の秋のことで、正直、誰にも言えてないんですよね。会社にバレたら普通にまずいし。でも、どこかに吐き出さないとおかしくなりそうだったので、ここに書かせてもらいます。

俺のスペックから言うと、身長172cm、体重は65kg。顔面偏差値は「友達の紹介で会った女の子に"思ってたのと違う"って言われる程度」です。つまりフツメンの下ぐらい。大学は日東駒専、新卒で入った会社にそのまま5年目。彼女なし歴2年半。うん、書いてて悲しくなってきた。

で、去年の9月に人事異動があって、俺は営業企画から経理課に飛ばされたんですよ。経理なんてやったことないし、正直「左遷か?」って思いました。朝イチで新しいフロアに行ったら、知ってる顔がほぼゼロ。課長に紹介されて「よろしくお願いします」って頭下げたんだけど、誰もそんなに興味なさそうで。(まあ、そりゃそうだよな…)

そんな中で、唯一まともに話しかけてくれたのが、経理課の先輩――ここでは「サキさん」と呼びます。34歳、俺の7つ上。

第一印象は、松本まりかに似てるなって思いました。あの、ちょっと色っぽいのに本人はそれに無頓着みたいな感じ。背は162cmぐらいで、細すぎず太すぎず。胸はたぶんD、ブラウスの第二ボタンの辺りがいつも微妙に張ってて、(見ちゃいけない見ちゃいけない)って毎日自分と戦ってました。髪はダークブラウンのセミロングで、仕事中は一つに結んでる。で、声がすごくいいんですよ。低すぎず高すぎず、聞いてると落ち着くやつ。

異動2日目の朝、俺が自分の席で途方に暮れてたら、デスクにマグカップがことっと置かれたんです。

「ブラックで大丈夫? 砂糖とかいる?」

振り向いたらサキさんが立ってて。

「え、あ、ありがとうございます。ブラックで全然大丈夫です」

「経理って最初ほんと意味わかんないでしょ。私も異動組だったから気持ちわかるよ」

「マジですか。……正直、仕訳帳見ても暗号にしか見えなくて」

「あはは、私も最初そうだった。3ヶ月もすれば慣れるから。わかんないことあったら聞いて」

それから毎朝、サキさんは俺のデスクにコーヒーを置いてくれるようになりました。給湯室にあるドリップマシンで淹れてくるだけなんだけど、忙しい朝に他人のぶんまで淹れてくれるのって、なかなかできることじゃない。

(ていうか、他の人にはやってないよな……?)

気になって観察してたんだけど、どうやら俺だけっぽかった。で、それを同期のタカシに言ったら、

「いや、それ完全に好かれてるだろ」

って即答されたんだけど、いやいやいや。34歳の綺麗な先輩が、俺みたいな平凡なやつを? ないない。単に面倒見がいい人なんだよ。後輩の世話焼きたいタイプの人っているじゃん。そういうやつだよ。

……と、当時の俺は本気で思ってました。今思うと馬鹿すぎる。

仕事を教わる機会が増えるにつれて、サキさんとの距離は自然と縮まっていきました。昼飯を一緒に食べることも増えたし、残業で二人きりになることもよくあった。

ある夜、22時過ぎまで月次決算の資料を作ってたとき。フロアにはもう俺とサキさんしかいなくて。

「ねえ、ちょっと休憩しない? 目がしぱしぱする」

「あ、俺もです。もう数字がゲシュタルト崩壊してきた」

「あはは、何それ」

給湯室で缶コーヒーを飲みながら、なんとなく仕事以外の話になった。

「彼女とかいないの?」

「いないっすよ。もう2年半ぐらい」

「うそ、もったいない。けっこう顔いいのに」

「いや、それ絶対お世辞ですよね」

「お世辞じゃないよ。……ていうか、経理のおばさんたちの間でもう噂になってるよ、"営業から来たイケメン"って」

「イケメン……? 俺が……?」

「うん。まあ私が言い出したわけじゃないけど」

最後の一言だけ、ちょっと早口だった気がする。でもそのときの俺は「経理課の人たちが社交辞令で言ってくれてるんだろうな」ぐらいにしか思ってなかった。(鈍感にもほどがある)

10月の下旬、金沢にある取引先の工場で棚卸しの立ち会いがあって、俺とサキさんが出張に行くことになりました。日帰りは無理なので一泊二日。新幹線で片道2時間半ぐらい。

行きの新幹線で、サキさんは窓際の席で駅弁を食べながら、やたら楽しそうだった。

「私、金沢って初めてなんだよね。仕事だけど、ちょっとテンション上がる」

「俺も初めてっす。21世紀美術館とか行ってみたいけど、時間ないっすよね」

「んー、明日の午前中、ちょっとだけ寄れるかも。チェックアウト遅めにしたし」

「マジっすか。じゃあ行きましょうよ」

サキさんが嬉しそうに笑った。普段オフィスで見る顔とはちょっと違って、なんかこう、年相応というか、かわいらしかった。(いや何考えてんだ俺)

取引先での仕事は17時に終わって、ホテルにチェックインしようとしたら、事件が起きた。

フロントの人が申し訳なさそうな顔で言うんですよ。

「大変申し訳ございません、ご予約がシングル2部屋のところ、システムエラーでツイン1部屋のみのご用意となっておりまして……」

「え?」

「えっ……」

しかもその日は金沢で何かのイベントがあったらしく、近隣のホテルは全滅。フロントの人がめちゃくちゃ謝ってくれて、部屋のグレードアップと夕食のサービスを提案してくれたんだけど、問題はそこじゃない。

サキさんと、同じ部屋。

「あの、俺、漫喫とかで……」

「いいよ別に。ツインなんでしょ? ベッド離れてるなら大丈夫だよ。大人なんだし」

サキさんはあっけらかんとしてて、むしろ俺のほうがテンパってた。(いやいやいや、七つ上の女性の先輩と相部屋って、どういう状況だよ)

部屋に入ると、けっこう広かった。ベッドは2台、ちゃんと距離がある。大きな窓からは金沢の夜景が見えて、なかなかいい部屋だった。

「わあ、いい部屋じゃん。グレードアップの恩恵すごいね」

「っすね……」

「そんな緊張しないでよ。取って食ったりしないから」

(そっちじゃなくて、俺の理性のほうが心配なんだよ……)

ホテルのレストランで夕食を済ませました。サービスで出された地酒がうまくて、二人とも少し飲みすぎた。サキさんの頬がうっすら赤くて、いつもよりよく喋る。

「ねえ、正直に言っていい?」

「はい?」

「私さ、最近ちょっと寂しかったんだよね。34歳で独身で、会社と家の往復で。友達はみんな結婚して子供いるし」

「……サキさんぐらい綺麗な人なら、いくらでも相手いそうですけど」

「そうでもないよ。最後に付き合ってたのもう3年前だし。……ていうか、綺麗って思ってくれてたんだ」

「いや、それは……普通に、思いますよ。俺じゃなくても」

「ふふ、ありがと」

酔ってるのか素面なのか、よくわからない笑顔だった。

部屋に戻って、サキさんが先にシャワーを浴びた。俺はその間、窓際の椅子に座って金沢の夜景を見てたんだけど、全然頭に入ってこない。同じ部屋にサキさんがいるっていう事実だけで心臓がうるさい。

バスルームのドアが開いて、サキさんが出てきた。ホテルの白いバスローブを着てて、髪が濡れたまま肩にかかってる。化粧を落とした顔は、オフィスで見るよりずっと柔らかくて。

「シャワー空いたよ。……ていうか、そんな窓ばっかり見て何考えてんの」

「いや、なんでもないっす」

シャワーを浴びて出てきたら、サキさんはベッドの上に座って、スマホをいじってた。バスローブの裾から白い脚が見えてて、(見るな見るな見るな)と念仏みたいに唱えた。

自分のベッドに座って、テレビをつけようとリモコンを探してたら。

「ねえ」

「はい」

「……さっきの話の続きなんだけど」

「さっきの?」

「寂しいって話。……ごめんね、酔ってるから言うけど」

サキさんがスマホを置いて、こっちを見た。

「私、ずっと気になってた。あなたのこと」

「…………え?」

「毎朝コーヒー淹れてたの、気づいてたでしょ。他の人にはやってない」

「……いや、気づいてましたけど。でもそれは、先輩として面倒見てくれてるのかなって」

「……ばか」

小さく笑ったサキさんの目が、少し潤んでた。

「34のおばさんに言われても困るだけだってわかってる。でも、こういう機会じゃないと一生言えないと思って」

心臓がめちゃくちゃうるさかった。頭の中がぐちゃぐちゃで、何を言えばいいのかわからない。

でも、ひとつだけはっきりしてたのは、嬉しかったってこと。すごく。

「……困ってないです」

「え?」

「困ってないです。全然。むしろ……俺のほうが、ずっとサキさんのこと見てました。毎朝コーヒー持ってきてくれるの、めちゃくちゃ嬉しかったし、残業で二人きりになると帰りたくなかったし」

「……」

「ただ、7つも上の先輩に対してそういう気持ち持つのって失礼かなって思って、言えなかっただけで」

「……ばか。それ、先に言ってよ」

サキさんの目から涙がぽろっとこぼれて、慌てて自分で拭いてた。

「やだ、泣くつもりなかったのに」

「サキさん……」

気づいたら、サキさんのベッドに移動してた。隣に座って、ぎこちなく肩を抱いた。サキさんは抵抗しなかった。むしろ、こっちに体を預けてきて。

「……ね、キスしてもいい?」

俺が頷く前に、サキさんの唇が触れてきた。柔らかくて、少しだけお酒の味がした。最初は触れるだけの軽いキスだったのに、だんだん深くなっていって、気づいたら舌を絡ませてた。

「ん……」

息を継ぐためにいったん唇を離すと、サキさんが上目遣いでこっちを見てきた。化粧を落とした素顔に、濡れた唇。松本まりか似の顔がすぐ近くにあって、もう理性とか無理だった。

「……サキさん、俺」

「うん。……いいよ」

バスローブの紐に手をかけたとき、指が震えてた。(落ち着け、落ち着け)って思うんだけど、無理なもんは無理で。サキさんが自分で紐をほどいてくれて、白い肩が露わになった。

鎖骨が綺麗だった。それしか考えられなかった。

バスローブが落ちて、下着姿のサキさんが目の前にいる。淡いベージュのブラとショーツで、派手じゃないのに色っぽかった。やっぱりDカップはあった。形がすごく綺麗で、ブラの上からでもわかる。

「そんなに見ないでよ……恥ずかしい」

「ごめん。綺麗すぎて」

「もう……お世辞ばっかり」

「お世辞じゃないです」

後ろに手を回してブラのホックを外した。正直ホック外すの下手で、ちょっと手間取った。サキさんが小さく笑って「慣れてないね」って言われたのが地味に恥ずかしかった。

ブラが外れて、胸が揺れた。形が本当に綺麗で、上向きで、薄いピンクの先端がもう硬くなってた。

触れると、サキさんが小さく息を吸った。

「ん……」

柔らかい。指が沈み込む感触に頭がぼうっとする。乳首を親指で擦ると、サキさんの息が乱れた。

「そこ……弱いの……」

「ここ?」

「んっ……うん……」

舌で舐めると、サキさんが俺の頭をそっと抱え込んできた。髪から柔軟剤のいい匂いがした。

(これ、本当に現実か? 夢じゃないのか? サキさんの胸を、俺が触ってるのか?)

信じられない気持ちと、もう止まれない衝動が同時にあって、頭の中がめちゃくちゃだった。

サキさんの手が俺のTシャツの裾に触れた。

「……脱いで」

言われるがまま、Tシャツを脱いだ。サキさんの手が俺の腹筋に触れて、「意外と鍛えてるんだ」って小さく言った。(営業時代に一瞬だけジム行ってただけだけど)

サキさんをベッドに寝かせて、ショーツに手をかけた。サキさんが少し腰を浮かせてくれて、するっと脱げた。

目の前の光景に、一瞬呼吸を忘れた。

もう濡れてた。それがわかった瞬間、(あ、サキさんも同じ気持ちだったんだ)って思えて、少しだけ安心した。

指で触れると、サキさんが脚をぎゅっと閉じようとした。

「あっ……ごめん、ちょっと恥ずかしくて……」

「……無理しないでいいですよ」

「ううん、大丈夫。続けて」

脚の力が抜けて、俺を受け入れてくれた。指をゆっくり動かすと、くちゅ、と小さな音がした。サキさんが腕で顔を隠してた。

「顔、見せてほしい」

「……やだ、変な顔してるから」

「変じゃないから」

腕をどかすと、真っ赤な顔のサキさんがいた。普段のクールな先輩の面影はゼロで、ただの女の人だった。それがたまらなく愛おしかった。

舌で直接触れると、サキさんの腰がびくっと跳ねた。

「あっ……だめ、そこ……敏感すぎて……」

「気持ちいい?」

「気持ちいい……けど、恥ずかしい……」

クリトリスを舌で刺激しながら指を入れていくと、サキさんの声がだんだん我慢できなくなってきた。シーツを掴む手に力が入ってる。

「やば……もう無理……来て……入れてほしい……」

その声を聞いた瞬間、俺ももう限界だった。

ズボンとボクサーブリーフを脱いで、サキさんの脚の間に入った。もうカチカチになってたのが丸わかりで恥ずかしかったけど、そんなこと言ってる場合じゃなかった。

「……ゴム、持ってないんですけど」

「……私、ピル飲んでるから。大丈夫」

「え、いいんですか」

「うん。……生で感じたい。あなたのこと、全部」

その言葉で理性の最後の糸が切れた。

先端を当てて、ゆっくり入れていった。サキさんの中はびっくりするぐらい熱くて、奥のほうがきゅっと締まった。

「あ……っ……」

「大丈夫ですか」

「うん……ゆっくり、動いて……」

腰を動かし始めると、サキさんが俺の背中に腕を回してきた。爪が軽く食い込んで、それが刺激になった。

「あ……気持ちいい……もっと奥……」

いつもの落ち着いた声とは全然違う、甘くてかすれた声。あの声を聞いたら誰だって我慢できないと思う。

ペースを少しずつ上げていくと、結合部から濡れた音が響いた。サキさんの胸が揺れるのが見えて、反射的に手を伸ばして掴んだ。

「んっ……胸、揉みながら……好き……」

「サキさん……中、すごい……」

「あなたのも……太くて……奥に当たって……あっ、あっ……」

サキさんが俺の首に腕を回して引き寄せてきた。唇が重なって、舌を絡ませながら腰を動かし続けた。キスしてるとサキさんの喘ぎ声が口の中に伝わってきて、振動みたいに感じた。

「ん……やば……私、もう……」

「俺も……やばい……」

「一緒にイこ……中に、出して……」

「本当に……いいんですか……」

「いいから……全部、ちょうだい……」

サキさんの脚が俺の腰に絡みついて、逃げられなくなった。奥まで突き入れた瞬間、サキさんの中が痙攣するみたいにきゅうっと締まって、同時に俺も限界を超えた。

「っ……出る……」

どくどく、と中に出してるのが自分でもわかった。サキさんが俺にしがみついて、身体を震わせてた。

「はぁ……はぁ……」

しばらく二人とも動けなかった。汗だくで、サキさんの胸が俺に密着してて、心臓の音が聞こえた。

「……すごかった」

「……うん」

「ねえ。これ、一晩だけの話にする?」

繋がったまま、サキさんが聞いてきた。声は穏やかだったけど、わずかに緊張してるのがわかった。

「……したくないです。一晩だけなんて」

「……ほんと?」

「俺、サキさんのこと好きです。出張だからとか、酔ってたからとか、そういうんじゃなくて」

サキさんがまた泣きそうな顔になって、でも今度は笑ってた。

「……私も。ずっと好きだった」

「じゃあ、付き合ってください」

「うん」

抱きしめ直したら、サキさんの身体がまだ小さく震えてて。嬉しいのか泣いてるのかわかんなかったけど、たぶん両方だったんだと思う。

しばらくそうしてたら、サキさんがもぞもぞ動いて。

「ねえ……もう一回、したい」

まだ繋がったままだったので、俺のやつがまた反応してたのはバレてた。

「……バレてます?」

「うん。中でおっきくなってるの、わかるよ」

2回目は、サキさんが上になった。俺の上に跨がって、ゆっくり腰を動かし始めた。さっき出したのがまだ中に残ってて、ぬるぬるの感触がすごかった。

窓の外の金沢の夜景がサキさんの背中を照らしてて、なんかすごく綺麗だった。胸が揺れるたびに見惚れてしまう。

「ん……こうやって自分で動くの……好き……」

1回目より余裕があるぶん、サキさんの表情がよく見えた。目が潤んで、口が半開きになって、頬が紅潮してて。こんな顔、オフィスでは絶対に見れない。俺だけが知ってる顔だって思ったら、独占欲みたいなものが湧いてきた。

「サキさん……好きです」

「んっ……私も……好き……もっと強く言って……」

「好きです。めちゃくちゃ好き」

「あっ……嬉しい……もう、イきそう……」

サキさんの腰の動きが速くなって、中がぎゅうっと締まった。俺も下から突き上げると、サキさんが声を上げて身体を仰け反らせた。

「あっ、だめ……イく……っ」

サキさんが痙攣しながら俺の胸に倒れ込んできた。中がリズミカルに締まったり緩んだりして、俺もそのまま2回目を出した。サキさんの中に。

「はぁ……はぁ……」

二人とも汗だくで、ベッドのシーツがぐちゃぐちゃだった。

「ちょっと……シャワー浴びよう……べたべた……」

「一緒に?」

「……うん」

バスルームでシャワーを浴びながら、サキさんの背中を流してあげた。肩甲骨のあたりにほくろがひとつあって、それがなんか妙にかわいかった。

「ねえ、会社ではどうする?」

「うーん……バレないようにするしかないっすよね」

「だよね。まず上司と部下じゃないけど、同じ課だし」

「コーヒーは……今まで通り淹れてくれます?」

「あはは。それ、逆にバレるやつだって」

「じゃあ俺が淹れます。サキさんのぶんも」

「……それ、めちゃくちゃ嬉しい」

シャワーを浴びて、新しいバスローブを着て、ベッドに戻った。時計を見たら2時を過ぎてた。

窓の外はもう真っ暗で、金沢の街の明かりがぽつぽつ見える。

サキさんが俺の腕にくっついて、目を閉じた。

「ねえ。明日、21世紀美術館、絶対行こうね」

「はい。デートっすね」

「デート……えへへ」

34歳の先輩が「えへへ」って笑うのを、俺は初めて見た。

その寝顔を見ながら、(ああ、俺、この人のこと本当に好きだったんだな)って、やっと認められた気がしました。

東京に戻ってから、俺たちは会社では何事もなかったように振る舞ってます。でも、サキさんがデスクの前を通るとき、ほんの一瞬だけ指先が俺の肩に触れる。それだけで心臓がうるさくなる。

毎朝のコーヒーは、今は俺が淹れてます。サキさんのぶんは砂糖をスプーン半分だけ。それが好みだって知ったのは、金沢から帰ってきてからのことです。

会社にバレたら面倒なことになるのはわかってる。でも、やめるつもりは全然ないです。

あの金沢の夜が夢じゃなかったって、毎朝サキさんの笑顔を見て確認してる。そんな日々です。

長文読んでくれてありがとうございました。


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