バイト先の年上店長が閉店後にだけ見せる顔がどうしても忘れられなくなった話

大学3年のときの話です。よかったら読んでください。

俺は当時、池袋の東口から5分くらい歩いたところにある居酒屋でバイトしてました。個人経営のこぢんまりした店で、カウンター8席と小上がりの座敷が2つ。常連客が多くて、金曜の夜以外はわりとまったりしてるタイプの店。

で、そこの店長が、今回の話の主役なんですけど。

名前は出せないので「店長」って書きます。当時28歳。年上の女の人。身長は160あるかないかくらいで、髪は鎖骨くらいの長さの黒髪。顔は――これ俺の主観なんですけど、石原さとみをちょっとだけキツくした感じ。目がすごいはっきりしてて、睨まれるとマジで怖い。でも笑うとめちゃくちゃ柔らかくなるタイプの顔。

俺のスペックは、身長172のフツメン。痩せ型。サークルにも入ってない地味な文学部生で、まあ大学の友達にも「お前いつもいるけど存在感ないよな」って言われるくらいの男です。

この店でバイト始めたのは2年の秋で、話が起きたときにはもう1年くらい経ってました。

店長は営業中、めちゃくちゃ厳しかった。

「グラス持つとき指紋つけないで。お客さんに出すものでしょ」

「オーダー復唱してって何回言った?」

こんなのは日常茶飯事で、最初の3ヶ月くらいは正直バイト辞めたいと思ってました。でもまかないが美味いのと、時給が周りより200円高かったので歯を食いしばって続けてた。(金の力ってすごい)

で、変化が起きたのは、ある金曜の深夜。

その日は予約が3組入ってて、営業中はバタバタだったんですよ。ラストオーダー過ぎても帰らない常連さんがいて、閉店作業が始められたのが23時半くらい。もう一人のバイトの先輩は用事があるとかで先に上がってて、残ったのは俺と店長だけ。

黙々とテーブル拭いて、床掃除して、グラス磨いて。

店長がカウンターの中で伝票の整理してるのを横目で見ながら作業してたら、突然声かけられた。

「ねえ、今日さ、4番テーブルの対応よかったよ」

は?と思った。マジで。

だって店長が褒めるとか、1年やっててほぼ初めてだったから。

「え、あ、ありがとうございます…」

「あの酔っ払いのおじさん、ちょっと絡み始めてたの気づいてたでしょ。さりげなくお冷や出して話題変えたの、あれプロだよ」

店長がカウンター越しに笑ったんですよ。営業中には絶対見せない、ふわっとした笑い方。

(えっ、この人こんな顔するの…?)

心臓が一瞬止まった気がした。大袈裟じゃなく。

それから、閉店後の空気が変わった。

営業中は相変わらず厳しいんだけど、他のバイトが帰ったあと、俺と二人で閉店作業してるときだけ、店長が妙に柔らかくなる。

「今日のお通し、ちょっと味濃かったかな。どう思う?」

「いや、俺は好きでしたけど。つまみにちょうどいいっていうか」

「ふーん。じゃあ来週もあの味でいこうかな」

こういう何気ない会話が増えて、たまに店長が余ったつまみを小皿に盛って出してくれるようになった。二人でカウンターに座って、営業後の静かな店内でつまみ食いしながら喋る。

ある夜、店長がビール開けて、俺にも一本くれた。

「大学生でしょ、飲めるでしょ」

「まあ、一応…」

「店長権限。ここだけの話ね」

(いいのかそれ)

そのとき店長が、ぽつりと言った。

「私ね、この店始めるとき、3年は彼氏作らないって決めたんだよね」

「へえ…なんでですか」

「中途半端になるの嫌だから。前に付き合ってた人にも、仕事ばっかりって振られたし」

ビールの缶をくるくる回しながら、店長は天井を見てた。横顔がきれいだった。

「でもさ、3年ってなげーのよ。あと半年あるんだけど」

「…あはは」

笑ったけど、なんて返していいかわからなかった。(これって何の話?俺に言う意味ある?)

当時の俺は本気で鈍かった。今思えばアホすぎる。

転機は、7月のある土曜日。東京がクソ暑い日だった。気温36度とかで、池袋の地面からもう蒸気が出てるみたいな。あの日のことはよく覚えてる。巨人が阪神に9-2で勝った日だったから。(店のテレビで流してた)

営業が終わって、いつもの閉店作業。その日は店長の顔色があんまりよくなかった。

「店長、大丈夫ですか?顔赤いですけど」

「うん…ちょっと、冷房効きすぎてたところから外出たらくらっときて」

「座っててください、残りやっときますから」

「…ごめんね。ありがと」

一人で作業を全部終わらせて、店長のところに戻った。カウンターに突っ伏してた。

「店長、終わりました。大丈夫ですか、帰れます?」

店長が顔を上げた。目がちょっと潤んでて、いつもの厳しさが全部抜けた顔してた。

「…上、行っていい?」

店の2階に店長の住居スペースがあるのは知ってた。でも上がったことは一度もない。

「え、あ、はい。肩貸しますよ」

「ん…」

店長の腕を自分の肩に回して、狭い階段を上がった。ワンルームっていうか、8畳くらいのスペースにベッドとミニキッチンがある感じ。意外と片付いてた。

ベッドに座らせて、冷蔵庫からペットボトルの水を取って渡した。

「ありがと…。ねえ、もうちょっとだけいてくれない?」

「はい、もちろん」

俺はベッドの端に座った。店長は水をちびちび飲みながら、壁にもたれてた。

エアコンの音だけがしてた。

「…ねえ」

「はい」

「君さ、彼女いるの?」

「いないですよ。いたこともないです」

(なんで正直に言っちゃうんだ俺は)

「…嘘でしょ」

「嘘じゃないですよ。モテないんで」

「モテないわけないじゃん。鈍いだけでしょ、あんた」

店長が俺の顔をじっと見てた。いつもと違う目。営業中の鋭さでもなく、閉店後の柔らかさでもなく、なんていうか――必死な目。

「…私のこと、女として見たことある?」

心臓がうるさかった。

正直に言うと、意識してなかったわけがない。閉店後の店長が柔らかくなるたびに、ドキッとしてた。でもそれは「店長」だから。5歳上で、雇い主で、立場が全然違うから、意識しちゃいけないと思ってた。

「…あります。でも、俺なんかが――」

言い終わる前に、店長がこっちに倒れ込んできた。

「3年我慢するって決めたのに。あと半年なのに。なんでこんなタイミングで」

肩口に顔を押し付けて、店長が小さく言った。

「好きになっちゃったんだけど、どうしてくれんの」

脳みそがフリーズした。

バグったパソコンみたいに、何秒か真っ白になった。池袋の居酒屋の2階で、5歳年上の店長に告白されてる。この状況を処理できる回路が俺の脳にはなかった。

「…俺でいいんですか」

「いいんですかじゃないよ。君がいいの」

店長が顔を上げて、至近距離で目が合った。

気づいたら、キスしてた。

どっちからしたのか正直覚えてない。でもたぶん俺からだったと思う。そのとき初めて、俺は自分がこの人をずっと好きだったんだって理解した。(遅い。遅すぎる)

キスはぎこちなかった。唇が触れて、離れて、また触れて。店長の唇が震えてるのがわかった。

「…下手くそ」

「すいません、初めてなんで…」

「知ってる」

店長が俺の下唇を軽く噛んで、舌を入れてきた。甘いっていうか、ビールの味が少し残ってて、でもその奥に柔らかい感触があって、頭がぐらぐらした。

「ん…っ」

「力抜いて。口、もうちょっと開けて」

言われるがままにしてたら、だんだんキスが深くなってきて、気づいたら店長の手が俺のTシャツの裾を掴んでた。

「…脱がしていい?」

「は、はい」

Tシャツを脱がされて、次に店長が自分のシャツのボタンを外し始めた。営業中と同じ白いシャツ。ひとつずつボタンが外れていくのを、俺はただ見てた。

ブラは薄いベージュだった。地味だけど、なんかそれが店長っぽくて、逆にドキドキした。

「…じろじろ見ないで」

「すいません…きれいだなって」

「っ…。そういうの言い慣れてないでしょ。だから余計くるんだけど」

ブラを外したとき、想像してたより大きかった。たぶんCかDくらい。服着てるとわからないタイプ。白い肌に薄いピンクの先端がついてて、もうこの時点で俺は限界だった。

店長が俺の手を取って、自分の胸に当てた。

「…触って」

柔らかかった。当たり前だけど。でもその「当たり前」を実感として味わうのが初めてだったから、手が震えた。

「やわらかい…」

「当たり前でしょ…ばか」

店長の声がかすれてた。胸を揉むと、ぴくって体が跳ねる。乳首を指で触ると、息が漏れた。

「ん…っ、そこ…感じる…」

もっと触りたい、もっと声聞きたい、って思ったら体が勝手に動いてた。店長をベッドに押し倒して、胸に顔を埋めた。

「ちょっ…急に大胆になるじゃん…」

「すいません、止まんなくて…」

乳首を舌で転がすと、店長が背中を反らした。片方を舐めながらもう片方を指で挟むと、甘い声が大きくなった。

「あ…っ、上手いじゃん…初めてなのに…」

(上手いかどうかわかんない。ただ夢中なだけ)

そのまま下に手を伸ばしたら、店長がふいに俺の手を掴んだ。

「待って」

「あ、すいません、嫌でしたか…?」

「違う。…その、口で、してほしいんだけど」

「口…?」

「…舐めて。下」

顔が真っ赤だった。いつも堂々としてる店長が、こんなに恥ずかしそうにしてるの初めて見た。

正直、経験ゼロの俺にできるのか不安だった。でも店長がこんな顔してお願いしてきてるのに断れるわけがない。

スカートをずらして、下着を脱がせた。手が震えた。

店長が脚を開いて、腕で顔を隠した。

「…見ないで」

「いや、見ないと出来ないですよ…」

「うるさい…早くして…」

そっと顔を近づけた。何していいかわからなくて、とりあえず舌で触れてみた。

「ひっ…」

ぴくんと腰が跳ねた。もう一回。今度はゆっくり、上の方を舐めた。

「あっ…そこ…」

「ここ…?」

「うん…もうちょい上…そう、そこ…っ」

手探りだった。でも店長の反応が全部教えてくれた。声が大きくなるところ、腰が動くところ、太ももがぎゅっと閉まるところ。

「あっ…んっ…上手い…なんで初めてでそんな…っ」

「店長の反応見て…やってるだけです…」

「それが…っ、上手いって言ってんの…ばか…っ」

店長の手が俺の髪を掴んだ。痛いくらいの力で引き寄せられる。

「もっと…吸って…」

言われたとおりにした。唇で包んで、舌を動かしながら吸うと、店長の声が変わった。

「あ、だめ…っ、それやばい…」

腰が小刻みに震えてた。太ももで頭を挟まれて、でも離す気なんてなかった。この人の声をもっと聞きたいって、それだけ考えてた。

「あっ、あっ、いく…っ、いっちゃ…っ」

ぐっと腰が持ち上がって、全身がびくびく震えた。太ももの力がすごくて、しばらく動けなかった。

「はぁ…はぁ…っ」

力が抜けた店長の脚の間から顔を上げたら、店長が腕で顔を覆ったまま、小さく笑ってた。

「…やばい。5歳も年下の子に、こんな…」

「…よかったですか?」

「よかったに決まってんでしょ…こんなイったの久しぶり…」

腕をどけたら、目が潤んでた。きれいだった。(この顔を俺だけが見てるんだ)って思ったら、胸の奥がぎゅってなった。

店長が体を起こして、俺のベルトに手をかけた。

「…こっちも、すごいことになってるじゃん」

正直、もう限界だった。ずっと我慢してたから。

「すいません…」

「謝んないで。…ねえ、入れて」

「え、でも、ゴム…」

「引き出し。左の」

ナイトテーブルの引き出しを開けたら、コンドームがあった。(用意してあったってこと…?)

その疑問が顔に出てたらしい。

「…いつか使うかもって思って買っといたの。あんたが来る前から。変なこと想像しないで」

「してないです」

(してた)

手が震えてうまく開けられなくて、店長が「貸して」って奪い取って、慣れた手つきでつけてくれた。

「…来て」

店長が仰向けになって、脚を開いた。

ゆっくり入れた。初めてだったから加減がわからなくて、でも店長が「大丈夫」って小さく言ってくれた。

「ん…っ」

中があったかくて、きつくて、頭が真っ白になった。

「やばい…すぐ出ちゃいそう…」

「いいよ…最初はそんなもん。気にしないで」

「でも…店長にも気持ちよくなってほしい…」

「…っ。だからそういうこと言うなって…」

腰を動かした。ぎこちない動きだったと思う。でも店長が「ん…」って小さく声出してくれるたびに、もっとちゃんとしたいって思った。

「もうちょっと…ゆっくりでいいから…深く…」

言われたとおりにしたら、店長の声が変わった。

「あ…っ、そこ…いい…」

「ここですか…?」

「うん…そこ当たってる…動いて…」

腰を掴んで、同じ角度で動くようにした。店長が俺の背中に腕を回してきて、爪が食い込んだ。

「あっ…あっ…んっ…」

(信じられない。この人と今こうしてるのが夢みたいだ)

でも爪の痛みがリアルで、これが現実なんだって叩きつけられる。

「店長…俺、もう…っ」

「いいよ…出して…」

限界だった。腰が止まらなくなって、最後は店長にしがみつくみたいにしていった。

「っ…!」

全身の力が抜けて、店長の上に倒れ込んだ。

「…重い」

「あ、すいません…」

慌てて体をずらしたら、店長が腕を離さなかった。

「もうちょっとこのまま」

しばらく二人で天井を見てた。エアコンの音と、外から微かに聞こえる池袋の喧騒。

「…ねえ」

「はい」

「さっきの、もう一回してくれない?」

「さっきのって…」

「…口。下の」

顔を赤くしながらそう言う店長を見て、俺は初めて「この人を喜ばせたい」って純粋に思った。

二回目は余裕があった。どこを触れば声が出るかわかってきてたから、最初からそこを重点的に攻めた。

「あ…っ、覚えてる…もう覚えてるの…」

指も使った。舌で上を刺激しながら、中に指を入れて、さっき腰を動かしてたときに反応が大きかったあたりを探った。

「あっ…だめ…それ両方同時にされたら…っ」

店長のお腹がぴくぴく震えてた。片手で自分の胸を掴んでた。

「やば…いく…またいく…っ」

今度はさっきより長くイってた。波が何回も来てるみたいに、ぎゅっ、ぎゅっ、って指を締め付けてきて。

「はぁ…はぁ…もう、だめ…」

全身から力が抜けた店長を見下ろしてたら、急に引っ張られて、キスされた。長い、ゆっくりしたキス。

「…天才かよ」

「そんなわけないですよ」

「いや天才。舌の天才。スカウトしたい」

「どこにスカウトするんですか…」

「私の専属」

そう言って笑った顔が、営業中の厳しい店長からは想像できないくらい無防備で。

もう一回した。今度はもう少し長く動けた。店長が腰に脚を絡めてきて、「ゆっくりでいいから」って耳元で囁かれて、頭おかしくなりそうだった。

終わったあと、二人でシャワーを浴びて(店長の部屋にはユニットバスがついてた)、ベッドに戻った。時計を見たら3時過ぎてた。

「…ねえ、ひとつだけ約束して」

「なんですか」

「営業中は今まで通り。タメ口も禁止。バイトの子とそういう関係になってるとか、他のスタッフに絶対バレないようにして」

「わかりました」

「あと…閉店後は、もう敬語使わなくていいから」

「え…」

「"店長"もやめて。…名前で呼んで」

これが、俺と店長の関係の始まりだった。

それから半年くらい、俺たちは閉店後の店で二人きりの時間を過ごした。営業中は「グラスの持ち方!」って怒られて、閉店後は名前を呼んで抱き合って。そのギャップが好きだった。

特に、店長が――もう名前で呼んでたけど、ここでは店長って書きます――とにかく俺に舐められるのが好きで、「また下手くそになってないか確認する」って半分冗談みたいに言いながら毎回求めてくるのが、なんかたまらなく愛しかった。

大学を卒業するタイミングで、俺はバイトを辞めた。でも関係は続いてて、今は普通に付き合ってます。

先月、店長が「3年の縛り、とっくに超えたね」って笑ってた。

あのとき金曜の夜にバイトのシフト入れてなかったら、こうはなってなかったと思う。

読んでくれてありがとうございました。


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