起業家シェアハウスで出会った美人エンジニアと徹夜の障害対応のあとに結ばれた話

2026.06.12NEW

23分で読了

俺、火村啓太、26歳。一人でSaaSを作って運営している、いわゆる一人会社の社長だ。

去年から渋谷の外れにある起業家向けシェアハウスに住んでいる。 1階がコワーキングスペース、2階と3階が個室。住人は全員、何かしらの事業をやっている連中だった。

技術力は中の上。でも行動力だけは天井知らずだ。コードの綺麗さで負けても、出荷スピードでは誰にも負けない。それが俺の流儀だった。

そのコワーキングの、いちばん奥の隅。そこにいつも、同じ席に陣取る女がいた。

九条芹奈、25歳。フリーランスのフルスタックエンジニア。 肩までの黒髪を無造作に結んで、大きめのパーカーで、デュアルモニターに向かっている。 机の端にはエナジードリンクの缶が、いつも2本か3本。

無口だった。挨拶以外でまともに喋ったことがない。 でも、コードを書くスピードがおかしかった。チラ見しただけで、こいつ次元が違う、とわかる。

(綺麗な人だよな……でも、話しかけたら睨まれそう)

それが、芹奈さんに対する俺のすべての印象だった。……あの夜までは。

10月の、火曜の深夜。 俺は2階の自室ではなく、コワーキングの真ん中の席で機能追加の作業をしていた。 住人はもうほとんど寝ていて、起きているのは隅の芹奈さんと、俺だけ。

午前2時を回った頃、スマホとPCが同時に、けたたましく鳴り出した。

ピロピロピロッ——ピロピロピロッ——

監視サービスからのアラート。それも一通じゃない。画面の通知が、ぶわっと津波みたいに積み上がっていく。

(え……嘘だろ)

ダッシュボードを開く。エラーレートが真っ赤。APIの応答が全部500。ユーザーが誰一人ログインできていない。

(大規模障害だ。全断。最悪のやつ)

血の気が引いた。 心臓がばくばくいって、指が震える。一人会社の弱点が全部出る。隣に頼れる人間が、いない。

アラート音が鳴り止まないまま、ログを開いては閉じを繰り返す。 焦りで頭が回らない。原因がどこにあるのかすら、見当がつかない。

そのときだった。 奥の席で、がたっと椅子が引かれる音がした。 イヤホンを片方外した芹奈さんが、こっちをじっと見ている。

「……うるさい」

「あ、ごめん、アラート切ります、今すぐ……」 「そうじゃなくて」

芹奈さんが立ち上がって、ノートPCを抱えたまま、俺の隣の席にすとんと座った。 ふわっと、エナジードリンクの甘い匂いと、シャンプーの匂い。

「……顔。死にそうな顔してる」

「いや、実際死にそうで」 「……見せて」

(え)

「ログ。見せて」

俺は反射的に画面を芹奈さんの方に向けた。 芹奈さんの目が、ぐっと細くなる。スクロールするスピードが速い。

「アクセス急増してる?」

「いや、トラフィックはいつも通り……」 「じゃあ内部。DBは?」 「DBは……あ、コネクション数が張り付いてる」

「それ、N+1だね」

「え」 「どっかのエンドポイントでループの中からクエリ投げてる。 さっきデプロイした?」 「……した。23時に、一件」

芹奈さんが、ふっと鼻で笑った。

「犯人それ」

(……かっこよ)

不覚にもそう思ってしまった。障害対応の真っ最中に。

そこからの芹奈さんは、まるで別人だった。無口なんかじゃない。指示が的確で、無駄がなくて、容赦がない。

「直近のデプロイのdiff、出して」

「これです」 「……ここ。一覧APIに項目追加したでしょ。 で、その項目を取るために、ループの中で個別にユーザー情報を引いてる」 「うわ、ほんとだ……」 「1リクエストで数百クエリ飛んでる。それがアクセス全部で乗算されて、コネクション枯渇。 全断の正体これ」

俺は唖然とした。一時間かけても見つけられなかったものを、芹奈さんは三分で射抜いた。

「ホットフィックス書ける? まずN+1殺す」

「あ、はい、JOINで一発で取る形に……」 「うん。あとコネクションプール、一時的に上げて時間稼ぎ。 私、ロールバックの準備しとくから、ダメだったらすぐ戻す」 「ロールバックも……」 「二段構え。本番直すときは、保険かけてからやる」

(この人、修羅場慣れしてる)

俺がコードを書く横で、芹奈さんは別のターミナルを開いて、淡々と退路を整えていく。二人で、一つの障害に向き合っている。 さっきまであんなに心細かったのに、隣に芹奈さんがいるだけで、嘘みたいに手が動いた。

3時。修正コードが書けた。 芹奈さんがレビューする。「ここ、nullのとき落ちる」と一箇所だけ指摘されて、直す。

「……OK。デプロイして」

「いきます」

ステージングで確認。エラーが出ない。 息を止めて、本番にデプロイのボタンを押す。

……アラートの数が、減り始めた。

「……減ってる」

「うん」 「エラーレート、下がってきた……戻ってる……戻ってきてる……!」

4時過ぎ、グラフがついに底を打った。真っ赤だったダッシュボードが、一つ、また一つと緑に変わっていく。

5時。全リージョン、応答正常。500エラー、ゼロ。

「……復旧、しました」

俺は椅子の背もたれに、どさっと身体を預けた。 全身から力が抜ける。汗で背中がびっしょりだった。

芹奈さんが、ふうっと長く息を吐いて、エナジードリンクを一気に飲み干した。 そして——無言で、こっちに手のひらを上げた。

ハイタッチ。

「……え」

「……早く」

ぱちん、と乾いた音が、夜明け前のコワーキングに響いた。

手のひらが触れた、その一瞬。 窓の外がうっすら白み始めていて、芹奈さんの横顔が朝の光に縁取られていた。 疲れ切った顔で、でも少しだけ口角が上がっていて。

(……あ)

そのとき、たぶん、何かが始まったんだと思う。

俺たちは近所の、朝5時からやっている町中華に入った。 「お礼に奢らせてください」と言ったら、芹奈さんは少し迷って、こくんと頷いた。

朝ラーメンを二つ。湯気の向こうで、芹奈さんがずるずると麺をすすっている。 徹夜明けのラーメンが、こんなに沁みるとは思わなかった。

「ほんと、助かりました。芹奈さんいなかったら、たぶん朝までに直せてなかった」

「……まあ。あれくらいなら」 「あれくらいって。神業でしたよ」 「……N+1は、現場で何回も殺してきたから。身体が覚えてるだけ」

芹奈さんがレンゲでスープをすくいながら、ぽつりと言った。

「障害対応、ちょっと楽しかった」

「え」 「……一人でやってると、こういうの、ぜんぶ一人で抱えるでしょ。 久しぶりだった。誰かと一緒に火を消すの」

そう言って、芹奈さんが、ふっと笑った。 無口でクールな美人エンジニアが、初めて見せた、やわらかい笑顔だった。

(……やば。心臓が)

ラーメンを噴き出しそうになって、慌てて水を飲んだ。

その日から、俺たちの距離は少しずつ変わった。 深夜のコワーキングで、芹奈さんが俺の隣の席に座るようになった。最初は「技術相談」という口実で。

「芹奈さん、このアーキテクチャ、どう思います?」

「……それ、マイクロサービスにする規模じゃない。モノリスで十分」 「やっぱそうですよね」 「分割は、痛くなってからでいい。最初から分けると、ぜんぶが遅くなる」

最初はそれだけだった。技術用語直球の、短いやり取り。 でも夜が深くなるにつれて、芹奈さんは少しずつ饒舌になっていった。

「火村くんのサービス、コードは荒いけど、出すのが速い」

「うっ。荒いは余計です」 「褒めてる。半分は」 「半分かよ」 「……でも、速いのは才能。私、考えすぎて出せないタイプだから」

エナジードリンクを並べて二人で長話をする。気づけば、それが毎晩の習慣になっていた。

ある夜、芹奈さんが珍しく、自分のことを話した。 モニターの光に照らされた横顔が、いつもより少しだけ無防備だった。

「私、前にスタートアップにいたんだ」

「へえ。エンジニアで?」 「最初のエンジニア。CTOみたいなことしてた。……二年で潰れたけど」

芹奈さんの指が、キーボードの上で止まった。

「資金が尽きて、メンバーが一人ずつ抜けてって。最後、私が一人でサーバー止めた。

代表とは、その後、連絡取ってない」 「……それは、きついな」 「うん。だから、フリーランスやってる。 業務委託なら、いつでも切れるし、切られる前提だし。 ……人と組むの、怖いんだよね」

ぽつりと落ちた、その本音。 いつもの直球な口調が、そのときだけ、少し震えていた。

「怖い、か」

「……笑う?」 「笑わないですよ。むしろ、めちゃくちゃわかる」

俺は正直に言った。 「俺が一人でやってんのも、半分はそれです。誰かと組んで、揉めて、壊れるのが怖い。だから全部一人で抱えてる。 ……この前の障害も、本当は誰かに頼りたかったのに、頼り方を忘れてた」

芹奈さんが、ちらっとこっちを見た。

「……あの夜、頼ってくれたじゃん」

「あれは芹奈さんが勝手に隣に来たから」 「……うるさい」

そう言って、芹奈さんは黙って、タイピングの速度を上げた。かたかたかたっ、と音が急に速くなる。

(……あ、これ。照れてるときのやつだ)

最近わかってきた。芹奈さんは、照れると黙る。そして、タイピングが異様に速くなる。 無口の鎧の下に、ちゃんと体温がある人だった。

12月。俺のサービスにとって、一年でいちばん大事な日が来た。 大型アップデートのリリース日。新機能を全部入れて、料金プランも刷新する。ここで失敗したら、一年が水の泡になる。

その日、俺は朝からコワーキングに籠もって、緊張で何度も同じ手順書を読み返していた。 夜、芹奈さんが、エナジードリンクを二本持って、俺の隣にすとんと座った。

「今日、リリースでしょ」

「……なんで知ってるんですか」 「ずっと、その手順書ばっか見てたから」

そう言って、芹奈さんは自分のノートPCを開いた。

「今日だけ、手伝う」

「え、いいんですか、業務委託の契約も結んでないのに」 「……今日だけ。お金もいらない。 あの障害の、リベンジ。最後まで見届けたいだけ」

(……この人)

俺たちは、二人で徹夜することにした。 リリース前のチェックリストを、芹奈さんと一項目ずつ潰していく。

「マイグレーション、ロールバック手順は?」

「ここに」 「決済まわりのテスト、本番モードで一回通した?」 「……あ、ステージングだけです」 「通して。お金が絡むところで事故ったら、信用がゼロになる」 「はい!」

芹奈さんがいるだけで、抜け落ちが全部埋まっていく。 俺の「速さ」と、芹奈さんの「堅さ」が噛み合って、チェックリストがどんどん緑になっていく。

午前0時。リリースの時間。新バージョンを、本番にデプロイする。

「……いきます」

「うん。いけ」

ぽちっ。

デプロイが走る。ビルド、ヘルスチェック、切り替え。 心臓がうるさい。芹奈さんも、隣で身を乗り出してダッシュボードを睨んでいる。

新バージョン、起動。エラーレート、上がらない。新機能、正常稼働。 そして——アップグレードプランへの課金が、ぽつ、ぽつ、と入り始めた。

「……決済、通った」

「うん」 「課金、来てる……一件、二件……増えてる……」

リアルタイムの売上グラフが、右肩上がりに伸びていく。 ずっと平らだった線が、今夜、初めて、はっきりと上を向いた。

「芹奈さん、見て、これ……上がってる……!」

「……すごい。火村くんのサービス、ちゃんと、お金になってる」

数字がぐんと跳ねた瞬間だった。 俺は思わず隣を向いた。芹奈さんも、こっちを向いた。 どっちが先だったか、わからない。気づいたら、俺たちは抱き合っていた。

「やった……やりましたよ……!」

「……うん、やったね」

芹奈さんの細い腕が、俺の背中に回っている。パーカー越しの体温と、心臓の鼓動が、伝わってくる。

——そこで、ふっと、音が止んだ。 歓声みたいだった空気が、急に、静かになる。 腕の中の芹奈さんが、顔を上げて俺を見た。徹夜で疲れた目が潤んで、唇が、少しだけ開いている。

(……あ、これは)

頭で考えるより先に、身体が動いていた。 芹奈さんの後頭部に手を添えて、ゆっくり、唇を重ねる。

ちゅ……

触れただけの、やわらかいキスだった。

芹奈さんは、逃げなかった。むしろ、俺のパーカーの裾を、きゅっと掴んできた。

少しだけ顔を離すと、芹奈さんが上目遣いで俺を見て、小さく言った。

「……打ち上げ、しよ」

「え」 「二人で。私の部屋で」

(……心臓が、もたない)

夜明け前のコワーキングを抜けて、俺たちは3階の芹奈さんの部屋に上がった。 俺がこのシェアハウスに住んで一年、初めて入る、彼女の領域だった。

ドアを開けて、目を疑った。

机の上に、自作キーボードが二つ。その横に、家庭用とは思えないサイズのサーバーラックが鎮座している。 ファンの低い唸りと、青いLEDの光。エナジードリンクの空き缶が、几帳面に整列していた。

「……すごい部屋ですね。サーバー、家にあるんだ」

「……自宅で検証回したいから。火村くんのサービスより、たぶんうちのほうが堅い」 「張り合わないでくださいよ」

芹奈さんが、ふっと笑って、ベッドに腰を下ろす。青いLEDが、彼女の白い肌を淡く照らしている。

「……火村くん」

「はい」 「来て」

俺はベッドに上がって、芹奈さんの隣に座った。向き合うと、また俺のパーカーの裾を掴んでくる。

「芹奈さん」

「……名前。芹奈でいい」 「……芹奈」 「……うん♡」

名前を呼んだだけで、芹奈の頬がふわっと赤くなった。 俺は、その頬に手を添えて、もう一度キスをした。

ちゅ……んっ……

さっきより深い。舌で唇をなぞると、芹奈の口がそっと開いた。

れろ……ちゅぷ……ちゅるっ…… 「ん……♡ んむっ……♡」

芹奈の舌が、おずおずと俺の舌に絡んでくる。無口な彼女が、キスの中で初めて出した甘い声。

ちゅぷ……ちゅるるっ…… 「はぁ……♡ 火村くん……♡」

俺は芹奈をベッドに、そっと押し倒した。 青いLEDの中で、潤んだ瞳、上気した頬、濡れた唇が、色っぽく光る。

「……可愛い」

「……言わないで♡ そういうの、慣れてない♡」 「俺も、こんな綺麗な人、初めてだから」 「……ばか♡」

照れた芹奈が、ぱしっと俺の胸を叩いた。でも、その手はすぐに、また俺のパーカーを掴み直す。

ジッパーに手をかけると、芹奈が、こくんと頷いた。 脱がせると、下は黒いキャミソール。鎖骨のラインが、青い光に浮かび上がる。

キャミの肩紐を、指でそっとずらす。

「ひゃっ……♡ 冷たい……♡」

「ごめん」 「……ううん。もっと♡」

キャミ越しに、胸をやわく包む。ふにっ。 「あっ……♡」 手のひらに収まる、形のいい胸。先端が、もう小さく尖っている。

キャミをめくり上げると、ブラはしていなかった。白い肌に、薄いピンクの乳首。

「ノーブラだったんだ」

「……だって、部屋着だし♡ こうなると思ってなかったし……♡」

乳首を、指の腹でくりくりと転がす。 こりっ……こりこりっ…… 「んっ……♡♡ そこ、だめ……♡」びくっ、と芹奈の身体が跳ねる。

左を指で弄りながら、右の乳首に唇を近づける。 ちゅっ……れろ……ちゅぱっ…… 「ひあっ……♡♡ 吸っちゃ……♡♡」

芹奈が、手の甲で口を押さえた。(この声、ずるいな……)

左右交互に吸いながら、空いた手でもう片方を揉みしだく。 「あっ♡ んっ♡ はぁっ♡♡ 火村くんっ……♡♡」

芹奈の息が、どんどん荒くなる。俺の手が、彼女のショートパンツの腰に触れた。

「下も、いい?」

こくん、と頷く。

ショートパンツを下ろすと、黒いシンプルなショーツ。中心が、もう、じわっと湿っている。

「濡れてる」

「言わないで……♡」

ショーツの上から、すじに沿って、指を上下に滑らせる。 くちゅ……くちゅ…… 「んっ♡ あっ♡ んぅっ……♡♡」

ショーツを脱がすと、薄い茂みの下に、ぷっくりと熱を持った花弁。蜜が、青い光にてらてら光る。

花弁を、指でそっと開く。ぷちゅ…… 「ひぁっ……♡♡」

中は、火傷しそうに熱くて、ぬるぬるだった。 上の方の小さな突起を探り当てて——くりっ。 「んんっ♡♡♡」腰が、びくんと跳ねた。

クリをくりくりと刺激しながら、中指をゆっくり沈める。 ずぷっ…… 「んああっ♡♡♡」

きゅうっと、指を締め付けてくる。 ぐちゅ……ぐちゅぐちゅ…… 「あっ♡ 指っ♡ 入ってる……♡♡」

指を曲げて、上の壁の、少しざらついた場所をこする。ぐりぐりっ。 「ひぃっ♡♡♡ そこっ♡♡ やばいっ……♡♡♡」

そこを重点的に刺激しながら、親指でクリも同時に転がす。 「あっ♡♡ 両方は、だめっ♡♡♡」

芹奈の身体が、ぶるぶると震え出す。お腹が、ぴくぴくと痙攣する。 「いくっ♡♡♡ もう、いくっ……♡♡♡♡」

びくんっ♡♡♡♡ きゅうぅぅっと指を締め付けて、じゅわっと愛液が溢れ、俺の手を濡らした。

「はぁ……♡ はぁ……♡♡」

力が抜けた芹奈が、ベッドにくたっと沈む。指を、ゆっくり抜く。ぬぷっ……

「……すごかった♡」

「火村くんも……気持ちよくなって♡」

芹奈が身体を起こして、俺のベルトに手をかけた。 タイピングで鍛えた指が、思いのほか器用に、ボタンとジッパーを外していく。

ボクサーの上から触れて、芹奈が、くすっと笑った。 「……大きい♡」

ボクサーを下ろすと、ぶるんっと飛び出した。 「わっ……♡♡ すごい……♡」

細くて長い指が、根元からゆっくり握る。きゅっ。 「気持ちいい?」 「……めちゃくちゃ」

ゆっくりと、上下に擦り上げる。しゅっ……しゅっ…… 芹奈が顔を近づけて、先端にちゅっとキスをした。 「びくって動いた♡」

舌を出して、ぺろぺろと舐め始める。 れろ……ちゅる…… カリの段差を、舌先で重点的に。裏筋を、下から上へ。 「……やべ」

芹奈が、口を大きく開けて咥え込んだ。ずぷっ…… ちゅぱっ……じゅるっ……ちゅぷちゅぷ…… 「んっ♡ んむっ♡」

無口な彼女が、夢中で頭を上下に動かしている。そのギャップに、頭がくらくらした。

「待って。芹奈も、もっと気持ちよくしたい」

「……ん♡」

俺は芹奈をベッドに横たえて、脚の間に身体を入れた。 さっきイったばかりのそこは、とろとろに濡れている。

「芹奈、入れていい?」

「……うん♡ 来て♡」

先端を、入り口にあてがう。ぬるっ。たっぷりの蜜で、ぬるぬるだ。

「いくよ」

「……ゆっくり♡」

ずぷっ…… 「ぁああっ♡♡♡♡」

熱い。きゅうぅっと、奥まで締め付けてくる。 「芹奈っ……中、すごい……」 「おっきい……♡♡ 入ってくる……♡♡♡」

奥まで、ゆっくり押し込む。 ずず……ずずずっ…… 「んんっ♡♡♡ 奥っ♡♡ 当たってる……♡♡♡♡」

最奥まで届いた。隙間なく、包み込まれている。

「動くよ」

ずちゅっ♡ ずちゅっ♡♡ 「あっ♡♡ あっ♡♡ んっ♡♡♡」

ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんぱんっ♡♡ リズムを作って、腰を打ち付ける。

「火村くんっ♡♡ 気持ちいいっ♡♡♡」

「芹奈の中も、やばい……」

ぱんぱんぱんっ♡♡♡ 動きが、だんだん速くなっていく。 ぐちゅっ♡ ぬちゅっ♡ ぱんっ♡♡ 「あんっ♡♡ 奥っ♡♡ 奥に当たるっ♡♡♡」

芹奈の脚が、俺の腰に巻きついてきた。もっと奥へ、と求めるように。 「もっとっ♡♡ 強くしてっ♡♡♡」

ぱんっぱんっぱんっぱんっ♡♡♡♡ サーバーの低い唸りと、肌のぶつかる音と、芹奈の甘い声が、部屋に重なる。

「声、廊下に響いちゃう……♡♡♡」

「いいよ。聞かせて」 「やだっ♡♡♡ でも、止まらないっ♡♡♡♡」

ぱんぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡♡♡ 「イくっ♡♡♡♡ もう、イっちゃうっ♡♡♡♡♡」 「俺も……芹奈、中に出すぞ……!」 「出してっ♡♡♡♡ 中にっ♡♡♡♡ ぜんぶっ♡♡♡♡♡」

ずんっずんっずんっ♡♡♡ 「イクっ♡♡♡♡♡」 「出るっ……!」

びゅるっ♡♡ びゅるるっ♡♡♡ どくどくっ♡♡♡♡ 「んんんっ♡♡♡♡♡♡」

芹奈の奥に、熱が、どくどくと注ぎ込まれる。 身体をびくびく痙攣させながら、きゅうぅっと締め付けてくる。

「はぁ……♡♡ あったかい……♡♡♡♡」

虚ろな目で、芹奈が、幸せそうに微笑んだ。

ちゅっ♡ 「芹奈……最高だった……」 「私も……♡♡ すごい、気持ちよかった……♡♡♡」

繋がったまま、しばらくキスを交わした。 でも、芹奈の中で、俺の熱はまだ収まっていない。むしろ、彼女の中で、再び硬くなっていく。

「……まだ、元気なの♡」

「芹奈が可愛すぎるから」 「……っ♡♡♡」

照れた芹奈が、黙って俺の胸を押し返す。そして、繋がったまま、ゆっくりと上に乗ってくる。

「……今度は、私が、上♡」

ずるっ……ずぷっ♡♡ 「んっ♡♡♡ この体勢……奥まで、来る……♡♡♡♡」

芹奈が背筋を伸ばして、俺を見下ろした。青いLEDが、彼女のシルエットを淡く縁取っている。 結んでいた髪が、いつのまにか解けて、肩に流れていた。

(……エンジニアの顔と、ぜんぜん違う)

芹奈が、腰をゆっくりと上下に動かし始める。 ずちゅっ♡♡ ずちゅっ♡♡ 「あっ♡♡ 自分で動くの、すごい♡♡♡♡」

胸が、動きに合わせて、たゆんたゆんと揺れる。 俺は手を伸ばして、揺れる胸を下から掴んだ。もにゅっ♡♡ 「ひゃっ♡♡♡ 揉みながらっ♡♡♡ ずるいっ♡♡♡♡」

芹奈の腰が、だんだん大胆になっていく。気持ちいいポイントを探すように、ぐりぐりと腰を回す。 ぱんっ♡♡ ぱんぱんぱんっ♡♡♡

「あっ♡♡♡♡ ここっ♡♡♡♡ ここ、当たるっ♡♡♡♡♡」

見つけたらしい。そこを擦り付けるように、前後に激しく動き出す。 ずちゅっずちゅっずちゅっ♡♡♡♡ 「気持ちいいっ♡♡♡♡ 火村くんのっ♡♡♡♡ 最高っ♡♡♡♡♡」

俺の胸に両手をついて、芹奈が腰を打ち付ける。 ぱんっぱんっぱんっぱんっ♡♡♡♡♡ 「また来るっ♡♡♡♡ イっちゃうっ♡♡♡♡♡」 「俺も、もう……!」 「一緒にっ♡♡♡♡♡ 一緒に、イこっ♡♡♡♡♡♡」

ぱんぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡♡♡♡ 「イくっ♡♡♡♡♡♡ イくイくイクっ♡♡♡♡♡♡♡」 「芹奈っ……!中に、出すっ……!」

俺は芹奈の腰をがっしり掴んで、下から深く突き上げた。 ずんっ♡♡♡♡

びゅるるっ♡♡♡♡ どくどくどくっ♡♡♡♡♡♡ 「んんんんっ♡♡♡♡♡♡♡♡」

二回目を、さっきよりさらに奥に、どくどくと注ぎ込む。 芹奈が、ぶるぶると震えて、がくんと俺の上に倒れ込んできた。

「はぁ……♡♡♡ すごかった……♡♡♡♡♡」

汗ばんだ肌を、俺の胸に押し付けてくる。心臓の鼓動が、二つ、重なって聞こえる。

「火村くん……♡」

「ん?」 「……一人で火、消さなくていいんだ♡」 「……うん」 「私が、隣にいるから♡」

芹奈が、ぎゅっと抱きついてきた。 俺も、その背中を抱きしめ返す。 サーバーの低い唸りだけが、二人の部屋に響いていた。

気がつくと、カーテンの隙間から白い光が差し込んでいた。 青かったLEDに、朝の光が混じっている。俺たちは、いつのまにか芹奈のベッドで眠っていたらしい。

腕の中で、芹奈がすやすやと眠っている。 無防備な寝顔が、無口でクールな普段とは、まるで別人だった。 (昨日のあれ、夢じゃないよな……)腕の中の温もりが、夢じゃないことを証明している。

芹奈のまつげが、ぴくっと動いた。ゆっくりと目が開いて、とろんとした目が俺と合う。

「……おはよう」

「……おはよ♡」 照れくさそうに、芹奈が微笑む。昨夜の大胆さは、どこへやら。耳が、真っ赤だった。

そして芹奈は、もぞもぞと身体を起こして、枕元からノートPCを引き寄せた。

「え、朝からコード書くの?」

「……違う」

芹奈が、かたかたかたっ、と何かをタイプし始める。照れたときの、あの速いタイピングだ。 しばらくして、芹奈が画面をくるっと、俺の方に向けた。

そこには、契約書のテンプレートが開かれていた。 タイトルは「業務委託契約書」。……だったものに、二重線が引かれて、上から書き換えられている。

「……契約、改定して」

「え」 「業務委託じゃなくて——共同創業者で」

(……は?)

芹奈が、画面を指でさす。 「持ち分はあとで話し合う。私、CTOやる。 火村くんが出して、私が堅くする。あの障害の夜と、リリースの夜みたいに」

「いや、待って、芹奈さん、人と組むの怖いって……」

「怖い」 「じゃあ……」 「怖いけど。火村くんとなら、火を消せるってわかったから」

芹奈の頬が、また赤くなる。 そして、タイピングの手を止めて、こっちをまっすぐ見た。

「……あと」

「あと?」 「彼女でも♡」

(……っ)

芹奈が、画面の隅を指さす。 そこには、契約書の備考欄に、小さく一行、こう書き足されていた。

——「乙は甲の彼女とする。両者の熱意ある合意に基づく。」

「契約書に書くことかよ、それ」

「……だって。口で言うの、慣れてない♡ コードと契約書のほうが、私、正直になれる」

俺は思わず吹き出して、笑いながら芹奈の頬に手を当てた。

「了解です。契約、改定で。

共同創業者で、CTOで、彼女で。全部、まとめてサインします」 「……うん♡」 「ただし、一個だけ条件があって。業務委託より、ずっと長い契約にしてほしい」 「……ばか♡♡」

芹奈が、ぽろっと目から涙をこぼした。でも、とびきりの笑顔だった。

「無期限でいいよ♡♡ 火村くんの会社と、火村くんの、両方♡♡♡」

俺は芹奈を抱き寄せて、朝の光の中で、もう一度キスをした。穏やかで、あたたかい、契約成立のキス。

「他の住人にバレたら、やばくない?」

「……あー♡ 昨日、けっこう声、出てたかも♡」 「3階まで聞こえてたら終わりだな」 「それは火村くんが、私をイかせすぎるのが悪い♡♡」 「契約書には書かないでくれよ、それ」 「……備考欄に書いとく♡♡♡」

(この人で、よかった)

二人でベッドから出て、芹奈の部屋のサーバーの電源を確認する。 青いLEDが、安定して光っている。俺たちの会社の、最初の資産だ。

「朝ごはん、あの町中華、また行く?」

「……行く。打ち上げの、二次会♡」 「障害の夜のとこか」 「うん。あそこ、私たちの始まりの店だから♡」

笑い合いながら、二人で身支度をする。共同創業者で、CTOで、彼女。 肩書きが三つに増えた芹奈が、俺の隣で、エナジードリンクを一本、鞄に詰めた。

「それ、朝から飲むの?」

「……創業初日だし♡ 景気づけ♡」 「俺の会社、ブラックにならない?」 「ならないようにするのが、CTOの仕事♡」

「……いい会社になりそうだ」

俺がそう呟くと、芹奈が、ふっと笑って、こっちの手のひらに、自分の手のひらを上げた。

あの夜と、同じ。 ぱちん、と乾いた音が、朝の部屋に響いた。

「創業、おめでとう」

「……うん♡ これから、よろしく♡♡♡」

無口で、超優秀で、人と組むのを怖がっていた美人エンジニアは、 共同創業者で、CTOで——世界で一番、頼れる彼女になった。

徹夜の障害対応に、感謝。 あの朝5時のハイタッチから、俺たちの会社と、俺たちの関係は、始まったんだ。

― 終 ―


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