俺、浅倉智也、25歳。ゲーム会社のプランナーをやってる。 仕事は好きだけど、給料はそこそこ。都内の家賃なんて殺しにかかってくる金額だ。
だから物件サイトで「家賃5万」の文字を見たとき、俺は迷わずクリックした。 築古の一軒家を改装したシェアハウス。住人は5人。男2人、女3人。 個室はそれぞれ確保されていて、リビングとキッチンと風呂が共用。 都内でこの値段はバグだ。即日内見、即日申し込みした。
入居初日。段ボールを運び終えて、リビングに顔を出す。
「はじめまして、今日から入居した浅倉です」
「おー、新人さんだ。よろしくね」
管理人代わりの古株、田所さんが軽く手を上げる。 あと二人いた住人もぺこっと頭を下げた。 和やかな空気。シェアハウス、思ったより悪くないかもしれない。 そして——その奥のソファに、もう一人いた。
黒髪を後ろで適当に一つに結んだ女の子。 大きめのパーカーに、太い黒縁の眼鏡。すっぴんっぽい。膝を抱えてスマホをいじっている。 地味、というのが第一印象だった。 でも、よく見ると——顔の作りがやけに整っている。鼻筋、唇、伏せたまつげ。 眼鏡とパーカーで隠してるけど、隠しきれてない種類の美人だ。
「あ、えっと、よろしくお願いします」
その子は顔を上げて、俺をちらっと見た。
「……雨宮です。よろしく」
それだけ。ぼそっと、最小限。すぐにまたスマホに視線を戻した。
(無口だな……)
田所さんが小声で教えてくれた。 「雨宮柚希ちゃん、24歳。事務やってるらしいよ。あんまり喋らないけど、悪い子じゃない」 ふうん、と俺は頷いた。 このときはまだ、彼女がとんでもない秘密を抱えているなんて、知る由もなかった。
シェアハウス生活は、わりとすぐ慣れた。 朝は誰かしらキッチンにいて、夜は気が向いたらリビングで喋る。 ベタベタしすぎず、孤独すぎず、ちょうどいい距離感。 柚希とは、あいかわらずほとんど喋らなかった。 すれ違えば会釈。「おはよう」「……おはよ」。それで終わり。
ただ、一つ気になることがあった。 柚希宛ての荷物が、異様に多いのだ。 週に二回、三回。玄関に大量の段ボールが積み上がる。 それも結構でかい。Amazonとか、聞いたことない海外の通販サイトとか。
ある日の夜、ちょうど宅配が来たとき、玄関に俺と柚希が居合わせた。 彼女は段ボールの山を前に、ちょっと困った顔をしている。
「運ぶの手伝うよ。これ全部部屋まで?」
「……え。あ、いいの?」
「いいよ。重いでしょ、これ」
一つ持ち上げてみる。軽い。やたら軽い。別のはやたら重い。中で何かがぎっしり詰まってる感じ。
「中身、何これ。軽いのと重いのの差がすごい」
「……布、とか。あと、その重いのは……資材」
「布?」
「……趣味。手芸的な」
ふうん、と俺は深く考えなかった。段ボールを抱えて、彼女の部屋の前まで運ぶ。
「ここでいい。ありがと」
部屋のドアは、きっちり10センチだけ開いた。中は見えない。徹底してる。
(手芸の趣味、ねえ……)
このときは本当に、そう思ってた。 柚希は無口で、地味で、休日は部屋で手芸をしてる、おとなしい子。 その思い込みが崩れたのは、それから数日後の深夜だった。
午前1時すぎ。 仕事が立て込んで、企画書を一本仕上げて、ようやく一息ついたところ。 喉が渇いて、水を飲みにリビングへ降りた。 そのとき——音が聞こえた。 ダダダダ……ダダダダ…… ミシンの音だった。
リビングの隅、いつもは消えてる照明がついている。 そこに、柚希がいた。 でも——いつもの柚希じゃなかった。 机に大きな布を広げて、真剣な顔でミシンを動かしている。 床には色とりどりの布。ラメ。リボン。何本ものウィッグスタンド。 派手な色の長髪ウィッグが、いくつも並んでいる。 そして、トルソーに着せかけられた、作りかけの衣装。 フリルとレース、金色の装飾。青と白を基調にした、明らかに「何かのキャラクター」の衣装。 俺はその衣装に、見覚えがあった。
(……いや、待て)
俺は趣味でコスプレイヤーをフォローしている。 ゲーム会社勤めだし、好きなゲームのキャラをやってるレイヤーをチェックするのが日課だ。 特に、推しがいた。 『ユズ』。フォロワー30万。再現度が神がかっていて、布から手作りで衣装を作ることで有名な、トップレイヤー。 その『ユズ』が、最近上げると予告していた新作衣装。 それが——目の前の、作りかけの衣装と、完全に一致していた。
俺は思わず、声を漏らした。
「……それ、ユズの新作衣装?」
ミシンの音が、ぴたっと止まった。 柚希が、ゆっくり振り返る。眼鏡の奥の目が、これ以上ないくらい見開かれていた。
「……っ、なん、で」
「あ、ごめん、水飲みに来ただけで……てか、ユズの新作、知ってるの? 俺、フォローしてて——」
言いかけて、止まった。 柚希の顔。固まった指。目の前の衣装。並んだウィッグ。床の布の山。 週に何度も届く段ボール。「布」。「手芸」。 点が、線になった。
「……柚希さんが、ユズ?」
柚希は、何も言わなかった。 ただ、ぎゅっと唇を噛んで、目を伏せた。それが、答えだった。 リビングに、しばらく沈黙が落ちた。
「……マジか」
俺の口から漏れたのは、それだけだった。 毎晩スマホで見てた、フォロワー30万の神レイヤー『ユズ』。 完璧なメイク、完璧なスタイル、画面の向こうのキラキラした存在。 それが、目の前のこの子。 すっぴんで、眼鏡で、パーカーで、いつもぼそぼそ喋る、無口な同居人。 ギャップがすごすぎて、脳が追いつかない。
「……お願い」
柚希が、絞り出すように言った。
「誰にも、言わないで」
声が震えている。さっきまでの無表情が嘘みたいに、必死な顔をしていた。
「言わないけど……なんでそんな、隠して」
「会社に……バレたら、終わるの」
柚希が、ぽつぽつと話し始めた。 事務職として勤めている会社は、SNSにかなり厳しいらしい。副業も基本NG。 コスプレでそれなりに収入も得ている彼女にとって、身バレは即・解雇に直結する。
「だから、家でも……できるだけ、隠してて。荷物も深夜に運んだり、衣装も夜中に作ったり……今日は、油断した」
なるほど、と腑に落ちた。あの大量の段ボール。深夜のミシン。地味な格好。全部、防御だったのか。
「事情はわかった。安心して。俺、絶対誰にも言わないから」
「……ほんとに?」
「ほんとに。てか、むしろ——」
俺は、ちょっと迷ってから、正直に言った。
「俺、ユズの大ファンなんだ。新作衣装の予告ツイート、毎回いいねしてる」
柚希の目が、また見開かれた。今度は、さっきとは違う種類の驚きだった。
「……ファン?」
「うん。再現度やばいし、布から手作りなのもすごいし……あの〇〇の衣装、神だった」
ぼそっと作品名を挙げると、柚希の頬が、ふわっと赤くなった。
「……あれ、めっちゃ縫うの大変だったやつ」
「だろうね。あのスカートの構造、どうなってんのって思った」
「てか、あれね、内側に三層入ってて——」
そこから、柚希の様子が、がらりと変わった。 ぼそぼそしていた口調が、急に早口になる。 布の構造、ウィッグのセット方法、撮影のライティング。SNS用語も飛び出してくる。 さっきまでの無口な子は、どこにもいなかった。
「——って、ごめん。喋りすぎた」
ふと我に返って、柚希が口を押さえる。耳まで真っ赤だった。
「いや、もっと聞きたい。てか、いつもこんな喋れるんじゃん」
「……コスプレの話だけ。普段は、無理」
ふい、と顔を背ける柚希。 その横顔が、画面で見るユズより、ずっと人間味があって——ずっと可愛く見えた。 その日から、俺と柚希の距離は、少しずつ縮まった。 秘密を共有した、ということが、たぶん大きかった。 他の住人がいないときは、コスプレの話をするようになった。 俺はファンとして感想を言い、柚希はオタクモードでマニアックな裏話をする。 深夜のリビングが、二人だけの秘密基地みたいになっていった。
そんなある夜。 作りかけの衣装をトルソーに着せながら、柚希が言った。
「……智也くん、お願いがあるんだけど」
「ん?」
「今度の新作……撮影、手伝ってくれない?」
手が止まった。
「いつも頼んでたカメラマンさんが、急に来れなくなって。スタジオはもう予約しちゃってて」
「カメラ……俺、そんな上手くないよ」
「いいの。智也くん、ゲーム会社だし、構図とか分かるでしょ。それに……」
柚希が、ちょっと言いにくそうに、続けた。
「他の人だと、緊張するから。智也くんなら、いいかなって」
その「いいかな」が、なんだか妙に嬉しくて。俺は二つ返事で頷いていた。
「やる。やらせて」
「……ありがと」
ぼそっと言って、でも口元は、ちょっと笑っていた。
撮影当日。 借りたのは、都内のレンタル撮影スタジオ。 白を基調にした洋風の内装に、大きな窓から自然光が入る、いい感じの部屋。 柚希は別室で着替えとメイクをしていた。 俺は借りたカメラの設定を確認しながら、待つ。 そして、ドアが開いた。
「……っ」
息が、止まった。そこに立っていたのは——完成形の『ユズ』だった。 青と白の衣装。腰まである銀のウィッグ。くっきりと、でも繊細に施されたメイク。長いまつげ。きらめく瞳。 すっぴん眼鏡のあの子と、同じ人間とは思えなかった。 画面の中の、フォロワー30万の神レイヤーが、目の前にいる。
「……どう、かな」
声だけが、いつもの柚希だった。ちょっと不安そうに、俺の反応をうかがっている。
「……やばい。マジでユズだ」
「ユズだもん」
ふっ、と笑う。その笑い方も、画面では見たことのないやつだった。
「いや、ほんとにすごい。写真撮らせてもらえるの、緊張する」
「ファンとしては、役得?」
「役得すぎる」
軽口を叩きながら、撮影を始めた。 ファインダー越しの柚希は、別格だった。 ポーズを取るたびに、表情が、空気が、キャラクターそのものになる。 俺がシャッターを切るたびに、画面の中に「作品」が生まれていく。
「次、窓際で。光が綺麗だから」
「こう?」
「うん、いい。顎もうちょっと引いて——そう、最高」
カシャッ。カシャッ。 集中していくうちに、俺と柚希の呼吸が合っていくのがわかった。 彼女が動く。俺が撮る。彼女が次のポーズを探す。俺が角度を変える。 言葉にしなくても、伝わる。
(楽しい……)
そして、ふと気づく。 ファインダー越しに柚希を追ううちに、心臓がずっと、うるさく鳴っていることに。 完成形のユズに、見惚れている。でもそれ以上に——「柚希」が、可愛くて仕方ない。
「智也くん、手、止まってるよ」
「あ、ごめん。見惚れてた」
「……っ、なに言って」
ウィッグの下で、耳が赤くなったのが見えた。完成形のユズでも、照れるところは、いつもの柚希だった。
撮影は、夕方まで続いた。データを確認した柚希は、画面を見ながら、ちょっと驚いた顔をした。
「……これ、すごくいい。智也くん、初めてなのに」
「ほんと? よかった」
「光の使い方とか、キャラの解釈とか……分かってる人の撮り方。ファンだからかな」
「ファンだからだと思う。柚希の良さ、一番わかってる自信ある」
言ってから、ちょっと恥ずかしくなった。柚希は、何も言わずに、画面を見つめたまま、こくっと頷いた。
スタジオを出る頃には、外は暗くなっていた。着替えを済ませた柚希は、また眼鏡とパーカーの、いつもの姿に戻っている。 重い機材を二人で分けて持って、駅までの夜道を並んで歩いた。街灯の下、柚希が、ぽつりと言った。
「今日、ありがとね」
「こっちこそ。すごい貴重な体験だった」
「……あのね」
柚希が、立ち止まった。眼鏡の奥の目が、まっすぐ俺を見ていた。
「智也くんの前だと……素顔のままで、いられるんだよね」
夜風が、彼女の前髪を揺らした。
「会社では、地味で無口な雨宮さんでいなきゃいけなくて。撮影のときは、完璧なユズでいなきゃいけなくて。……どっちも、ちょっと、しんどくて」
俺は、黙って聞いていた。
「でも智也くんは、ユズも知ってて、すっぴんの私も知ってて……どっちの私の前でも、普通でいさせてくれる。それが、すごく……楽、で」
言葉が、途中で止まった。柚希が、ぎゅっと、機材のバッグの持ち手を握った。
「……変なこと言ってる、よね」
「変じゃない」
俺は、即答した。
「俺、ユズも好きだけど。すっぴんで眼鏡の柚希も、めちゃくちゃ可愛いと思ってる。両方、本物の柚希だろ」
柚希の目が、潤んだ。眼鏡の奥で、ゆっくりと、まばたきをする。
「……ずるい。そういうこと、言う」
その夜、シェアハウスに帰ってから。 他の住人はみんな出払っていて、家には俺と柚希だけだった。 機材を片付けて、柚希の部屋の前まで運んだとき、彼女が、ドアを大きく開けて、振り返った。
「……入る?」
いつもは10センチしか開かないドア。今夜は、全開だった。
「……いいの?」
「うん。見せたいものもあるし。それに……今日くらいは」
部屋の中は、まさに「城」だった。 壁一面のウィッグスタンド。ハンガーラックにずらりと並んだ衣装。作業机にミシン、布、無数の小道具。 柚希が作り上げてきた、ユズの世界が、ぎゅっと詰まっていた。
「すげえ……これ全部、手作り?」
「ほとんど。布から」
俺が衣装を眺めている間、柚希はベッドの端に座って、こっちを見ていた。眼鏡を外すと、机に置く。 すっぴんの、素顔。完成形のユズより、ずっと無防備で、ずっと可愛かった。
「……柚希」
近づいて、ベッドの隣に座る。柚希は逃げなかった。むしろ、少し、体を寄せてきた。
「今日のユズ、最高だった。でも今の柚希のほうが、もっと可愛い」
「……っ、また、そういう」
「ほんとだって。メイクもウィッグもない、今の柚希が、一番可愛い」
柚希が、顔を上げた。 潤んだ目。少し開いた唇。すっぴんの頬が、ほんのり染まっている。 俺は、彼女の頬に手を添えた。柚希は、目を閉じた。それが、合図だった。
唇を、そっと重ねる。 ちゅ…… 柔らかかった。触れるだけの、優しいキス。 柚希の手が、俺のシャツを、きゅっと掴んだ。
一度離れて、見つめ合う。柚希が、こくんと、小さく頷く。 もう一度、今度は少し深く。 ちゅっ……んっ…… 唇を舌でなぞると、柚希の口が、薄く開いた。 ちゅる……れろ……ちゅぷ……
「んっ……♡」
おずおずと、柚希の舌が絡んでくる。 ディープキスをしながら、腰に手を回すと、びくっと震えた。 でも拒まない。むしろ身体を寄せて、俺の首に腕を回してくる。 ちゅぷ……ちゅるるっ……
「はぁ……♡ んっ……♡」
俺は、柚希をそっとベッドに押し倒した。無防備な素顔。紅潮した頬。濡れた唇。
「柚希」
「……智也くん♡」
名前を呼ばれただけで、全身に電気が走った。もう一度キスをして、手がパーカーの裾に触れる。
「ひゃっ……♡ 手、ちょっと冷たい……♡」
「ごめん」
「ううん……もっと、触って……♡」
パーカーをめくり上げる。素肌は白くて、すべすべしていた。 手のひらで、お腹から胸へと、ゆっくり這わせていく。 ブラの縁に触れて、その上から包む。ふにっ。
「あっ……♡」
柔らかい。手のひらにちょうど収まる、形のいい胸。 ブラ越しに揉むと、柚希の息が、少しずつ乱れていく。
「脱がしていい?」
「……うん♡」
パーカーを脱がせ、背中に手を回してホックを外す。パチン。 形のいい胸が、ふるんと零れた。薄いピンクの先端が、もうほんの少し尖っている。
「……あんまり、見ないで♡」
「無理。綺麗すぎる」
「……ばか♡」
指先で、乳首をくりくりと転がす。こりっ……こりこりっ……
「ひっ……♡♡」
柚希の身体が、びくんと跳ねた。 左を指で弄りながら、右の先端に口を寄せる。 ちゅっ……れろ……ちゅぱっ……じゅるっ……
「んあっ♡♡ だめっ……♡ 声、出ちゃう……♡♡」
柚希が、手で口を押さえた。無口な普段からは想像できない、甘い声だった。
(この声、やばい)
左右交互に吸いながら、空いた手でもう片方を揉む。
「あっ♡ んっ♡ はぁっ♡♡ 智也くんっ……♡♡」
息が荒くなっていく。俺の手が、スウェットの腰のあたりに触れた。
「下も、いい?」
こくん、と頷く。スウェットを下ろすと、淡い色のショーツが現れた。
「下着、可愛いの穿いてんだ」
「……今日は、ちゃんとしてただけ♡」
ショーツの上から、指を這わせる。じわっと、布が湿っていた。
「もう濡れてる」
「言わないで……♡」
すじに沿って、上下になぞる。くちゅ……くちゅ……
「んっ♡ あっ♡ んぅっ……♡♡」
ショーツをゆっくり引き下ろすと、糸を引いた。 薄い茂みの下、ぷっくりと膨らんだ花弁が、蜜でてらてらと光っている。 そっと、花弁を開く。ぷちゅ……
「ひあっ♡♡」
中は熱くて、ぬるぬるだった。 上のほうの小さな突起を探り当てて——くりっ。
「んんっ♡♡♡」
腰が、びくんと跳ねた。 クリを優しく刺激しながら、中指をゆっくり沈めていく。ずぷっ……
「んああっ♡♡♡」
きゅうっと、締め付けてくる。ぐちゅ……ぐちゅぐちゅ……
「あっ♡ 指っ♡ 入ってる……♡♡」
指を曲げて、上の壁を擦る。ざらついた場所を見つけて——ぐりぐりっ。
「ひぃっ♡♡♡ そこっ♡♡ すごいっ♡♡♡」
Gスポットを擦りながら、親指でクリも同時に。
「あっ♡♡ 両方っ♡♡♡ だめっ♡♡♡」
柚希の身体が、ぶるぶると震え始める。お腹が、ぴくぴくと痙攣する。
「いくっ♡♡♡ 智也くんっ♡♡♡ いっちゃうっ♡♡♡♡」
びくんっ♡♡♡♡ きゅうぅぅっと指を締め付けて、じゅわぁと愛液が溢れ、俺の手を濡らした。
「はぁ……♡ はぁ……♡♡」
力が抜けたように、柚希がシーツに沈む。指をゆっくり抜くと、ぬぷっ、と音がした。
「……すごかった♡ 智也くんも……気持ちよく、なってほしい♡」
身体を起こして、俺のベルトに手をかけてくる。ボトムを下ろし、下着の上から、そっと触れた。
「……硬い♡」
下着を下ろすと、ぶるんっと飛び出した。
「わっ……♡♡ 大きい♡♡」
細い指が、根元から握る。きゅっ。
「気持ちいい?」
「……めちゃくちゃ」
ゆっくり上下に動かす。しゅっ……しゅっ…… 柚希が顔を近づけて、先端にちゅっ♡
「ぴくって、動いた♡」
舌を出して、ぺろぺろと舐め始める。 れろ……ちゅる……カリの部分を、丁寧に。裏筋を、下から上へ。
「やべ……柚希、上手い」
「ん……♡ ほんと?♡」
褒めると、柚希は嬉しそうに、口を大きく開けて咥えた。ずぷっ…… ちゅぱっ……じゅるっ……ちゅぷちゅぷ……
「んっ♡ んむっ♡」
黒髪が、さらさら揺れながら、頭が上下する。 すっぴんの柚希が、夢中で咥える姿は、どんな撮影データより破壊力があった。
「待って。出そう。それに——柚希も、もっと気持ちよくしたい。一緒に、しよう。69」
「ろ、69……♡♡」
口を離した柚希が、上目遣いで見上げる。唇に、唾液の糸が光った。顔が、ぼっと赤くなった。
俺が仰向けになって、柚希が逆向きに上に乗る。 俺の顔の前に、さっきイったばかりの、とろとろの秘所。甘い匂いが立ち上る。
「恥ずかしい……♡ そんな近くで、見ないで……♡♡」
「無理。めちゃくちゃエロい」
柚希の腰を引き寄せて、舌を伸ばす。ちゅるっ♡
「ひゃあぁっ♡♡♡」
花弁を舌で割って、中を舐める。クリを舌先で、つんつん。
「ひいっ♡♡♡ だめっ♡♡♡」
同時に、柚希も咥え直す。ちゅぱっ♡♡ じゅるるっ♡♡ 互いに、舐め合う。 ちゅるっ♡♡ れろれろっ♡♡ ちゅぱっ♡♡ ちゅぷちゅぷっ♡♡
柚希の愛液が、俺の顔に、とろとろ垂れてくる。
「またっ♡♡♡ きちゃうっ♡♡♡」
柚希の太ももが、震える。
「いいよ、イって」
「んぁっ♡♡♡ イくっ♡♡♡♡」
びくびくびくっ♡♡♡♡ じゅわぁっと愛液が溢れて、柚希が俺の上に崩れ落ちた。
俺は、柚希の耳元で囁いた。
「柚希、入れたい」
「……うん♡ 来て♡」
正面から向かい合って、柚希を仰向けに横たえる。黒髪が、シーツに広がる。 眼鏡のない素顔が、間接照明に色っぽく光る。
「ゴム、持ってきてる」
「……うん。つけて♡」
パッケージを破って、装着する。柚希の脚を、そっと開かせて、間に入った。 先端が、入り口に触れる。ぬるっ。たっぷりの蜜で、ぬるぬるだ。
「入れるよ」
「ゆっくり……♡♡」
ずぷっ……
「ぁああっ♡♡♡♡」
熱い。きゅうぅっと、締め付けてくる。
「柚希っ……中、すごい……」
「おっきい……♡♡ 入ってくる……♡♡♡」
奥まで、ゆっくり押し込んでいく。ずず……ずずずっ……
「んんっ♡♡♡ 奥まで……♡♡♡ 当たってるっ……♡♡♡♡」
最奥まで、入った。隙間なく、包み込まれている。
「動くよ」
ずちゅっ♡ ずちゅっ♡♡
「あっ♡♡ あっ♡♡ んっ♡♡♡」
ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんぱんっ♡♡ リズムを作って、腰を動かしていく。
「智也くんっ♡♡ 気持ちいいっ♡♡♡」
「柚希の中も、やばい……」
ぱんぱんぱんっ♡♡♡ だんだん速くなる。 ぐちゅっ♡ ぬちゅっ♡ ぱんっ♡♡
「あんっ♡♡ 奥っ♡♡ 奥、当たるっ♡♡♡」
柚希の脚が、俺の腰に巻きつく。もっと奥へと、求めるように。
「もっとっ♡♡ もっと、強くっ♡♡♡」
ぱんっぱんっぱんっぱんっ♡♡♡♡ ベッドが、ぎしぎし軋む。無口だったあの子が、俺の下で、甘い声を上げ続けている。
「声っ♡♡♡ 出ちゃうっ……♡♡♡♡」
「いいよ。今日は二人だけだから」
「やだっ♡♡♡ でも、止まらないっ♡♡♡♡」
ぱんぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡♡♡
「イくっ♡♡♡♡ イっちゃうっ♡♡♡♡♡」
「俺も……っ、一緒にイこう……!」
「うんっ♡♡♡♡ 一緒にっ♡♡♡♡♡」
ずんっずんっずんっ♡♡♡
「イクっ♡♡♡♡♡」
「出る……!」
びくっ♡♡♡♡ 柚希の中で、薄い膜越しに、どくどくと脈打つ。
「んんんっ♡♡♡♡♡♡」
柚希の身体が、びくびくと痙攣しながら、きゅうぅぅっと締め付ける。
「はぁ……♡♡」
「すごかった……♡♡♡」
虚ろな目で、柚希が幸せそうに微笑む。 すっぴんの、とろけた笑顔。これは、ファンの誰も知らない、俺だけの『ユズ』だ。 ちゅっ♡
「柚希……最高だった」
「私も……♡♡ すっごい、気持ちよかった……♡♡♡」
繋がったまま、しばらくキスを交わす。まだ、俺の熱は収まっていなかった。 柚希の中で、また硬くなっていく。
「……あれ?♡ まだ、元気♡」
「柚希が可愛すぎるから」
「……っ♡♡♡」
ゴムを替えて、柚希が、身体を起こした。
「今度は……私が、動きたい♡」
俺を押し返して、馬乗りになる。 ずるっ……ずぷっ♡♡
「んっ♡♡♡ この体勢……奥まで、入る……♡♡♡♡」
柚希が、背筋を伸ばして、俺を見下ろす。黒い髪が、背中に流れる。 間接照明が、すっぴんのシルエットを、際立たせる。
(神レイヤーが、俺の上で……)
腰を、ゆっくり上下に動かし始める。 ずちゅっ♡♡ ずちゅっ♡♡
「あっ♡♡ 自分で動くの……すごいっ♡♡♡♡」
胸が、動きに合わせて、たゆんたゆん♡♡ 俺は手を伸ばして、揺れる胸を、下から掴む。もにゅっ♡♡
「ひゃっ♡♡♡ 胸、揉みながらっ♡♡♡ ずるいっ♡♡♡♡」
柚希の腰が、激しくなっていく。 ぱんっ♡♡ ぱんぱんぱんっ♡♡♡ 自分の気持ちいいところを探すように、腰をぐりぐり回す。
「あっ♡♡♡♡ ここっ♡♡♡♡ ここ、当たるっ♡♡♡♡♡」
見つけたらしい。そこを重点的に擦り付けるように、前後に動く。 ずちゅっずちゅっずちゅっ♡♡♡♡
「気持ちいいっ♡♡♡♡ 智也くんのっ♡♡♡♡ 最高っ♡♡♡♡♡」
俺の胸に両手をついて、激しく腰を打ち付ける。 ぱんっぱんっぱんっぱんっ♡♡♡♡♡
「また、来るっ♡♡♡♡♡ イっちゃうっ♡♡♡♡♡」
「俺も、もう……!」
「一緒にっ♡♡♡♡♡ 一緒に、イこっ♡♡♡♡♡♡」
俺は柚希の腰をがっしり掴んで、下から深く突き上げた。 ずんっ♡♡♡♡ びくっ♡♡♡♡
「んんんんっ♡♡♡♡♡♡♡♡」
二回目。さっきより、もっと奥で、どくどくと脈打つ。柚希が、ぶるぶる震えて、がくんと俺の上に倒れ込んだ。
「はぁ……♡♡♡ すごかった……♡♡♡♡♡」
柚希が、俺の胸に顔を埋める。汗ばんだ肌。伝わってくる、心臓の鼓動。
「智也くん……♡」
「ん?」
「……幸せ♡♡」
ぎゅっと、抱きついてくる。俺も、抱きしめ返した。 しばらく、二人とも、動けなかった。
気がつくと、カーテンの隙間から、薄い光が差し込んでいた。 柚希のベッドの中で、二人でくるまって眠っていたらしい。 柚希が、俺の腕の中で、すやすや眠っている。すっぴんの寝顔は、無防備で、とびきり可愛かった。
(昨日のあれ、夢じゃないよな……)
腕の中の温もりが、夢じゃないことを証明している。 柚希のまつげが、ぴくっと動いた。ゆっくり目が開いて、俺と目が合う。
「……おはよう」
「……おはよ♡」
照れくさそうに微笑む。昨夜の大胆さは、どこへやら。すっぴんの頬が、また、赤くなっていく。 布団の中で、柚希が、もぞもぞと俺のほうを向いた。
「……あのね、智也くん。変なこと、聞いていい?」
「いいよ」
柚希が、ちょっと迷ってから、ぽつりと言った。
「智也くんって……ユズのファン、だったでしょ」
「うん。今もファンだよ」
「……でも、私の彼氏にも、なってほしいって思っちゃってる」
布団を、口元まで引き上げて。
「ファンと、彼氏。どっちも欲しいって……欲張り、かな♡」
俺は、思わず笑った。それから、柚希の前髪を、そっと撫でた。
「欲張りじゃない。俺、両方やる」
「……両方?」
「ファンとして、ずっと柚希のこと応援する。彼氏として、ずっと柚希のこと大事にする。どっちもやれる。むしろ、俺以上の適任いないだろ」
柚希の目が、じわっと潤んだ。
「……ずるい。朝から、そういうこと言う」
「事実だし」
「……っ♡」
柚希が、布団の中で、俺にぎゅっと抱きついてきた。
それから一ヶ月後。柚希が出展する、コスプレイベントの日。 俺は、首から一眼レフをぶら下げて、会場の搬入口に立っていた。 完成形のユズが、衣装を着て、隣に立っている。
「智也くん、今日のメインカット、窓際で撮りたいんだけど」
「了解。光、いい時間に押さえとくよ」
打ち合わせをしていると、知り合いらしいレイヤーが、声をかけてきた。
「ユズちゃん、その人、新しいカメラマンさん?」
柚希が、ちらっと俺を見て、ふっと笑った。それから、はっきりと、言った。
「専属カメラマン。あと——彼氏」
「えっ、彼氏!?」
「うん♡」
完成形のユズの顔で、でも、いつもの柚希の声で。柚希が、俺の腕に、そっと自分の腕を絡めた。
「智也くん」
「ん?」
「これからは、ファンとしてじゃなくて——彼氏として、隣にいてね♡」
その言葉を聞いて、俺は、心臓を撃ち抜かれた気がした。
「言われなくても」
「ふふ♡」
会場のざわめきの中、柚希が、とびきりの笑顔を見せた。 それは、フォロワー30万の誰も撮ったことのない、最高の一枚だった。 家賃5万に釣られて入った、シェアハウス。 そこで出会った無口な同居人は、俺の推しで、そして——世界で一番可愛い彼女になった。
「さ、撮ろうか。専属カメラマン、本気出すよ」
「うん♡ 最高の一枚、撮ってね♡」
ファインダー越しの柚希に、ピントを合わせる。画面の中で、推しが、彼女が、笑っている。
カシャッ。
シャッターを切る、その一瞬。俺は、世界で一番幸せなカメラマンだった。
― 終 ―