社会人3年目、25歳。
都内のIT企業で働きながら、唯一の趣味は読書。
仕事帰りに本屋に寄るのが日課だった。
駅前のチェーン店じゃなくて、二駅先の独立系書店「栞堂(しおりどう)」。棚の選書センスがよくて、店内にカフェスペースもある。
金曜の夜、19時過ぎ。木の扉を開けると、コーヒーとインクの混ざった匂い。
(この匂い、好きだな)
文芸の新刊コーナーに直行する。期待の新刊——滝本真央の『夜明け前の栞』。
棚の最後の一冊に手を伸ばす。
と——
ぱさっ。
誰かの手と、ぶつかった。
「あ」
「あ……」
同時に声が出た。柔らかくて、細い指先。ほんのりあったかい。
視線を横に向けると——
(……え)
めちゃくちゃ美人がいた。
肩にかかる黒髪にゆるウェーブ。細いフレームの眼鏡の奥に、澄んだ黒い瞳。白い肌に薄い桜色の唇。
白いタートルネックの胸元が——かなり、ふっくらしている。柔らかい生地が膨らみのラインをはっきり拾っていて、どう見ても大きい。
文学系美人。知的で落ち着いていて、でもどこか色っぽい。
「あ、す、すみません!」
先に手を引いたのは俺だった。
「いえ、こちらこそ……」
彼女も頬をほんのり赤く染めた。
「……滝本真央の新刊、ですよね?」
「あ、はい。今日発売で——」
「私も、ずっと楽しみにしてて……前作の『水底の手紙』がすごく好きで」
「えっ、『水底の手紙』!? 俺もめちゃくちゃ好きです!」
「本当ですか!?」
彼女の目がぱっと輝いた。
「三章の手紙のシーン……読み終わったあと動けなくて……」
「わかります! 文体で感情を表現するのがこの人の真骨頂で!」
本棚の前で二人してテンション上がっていた。
「あ……すみません、つい熱くなっちゃって♡」
(♡って聞こえた気がした)
「この本、最後の一冊みたいで。どうぞ、俺は別の店でも探せるんで」
「え、でも……」
「同時でしたし。どうぞ」
「……ありがとうございます♡」
ぺこりと頭を下げた拍子に、タートルネックの胸元がふわっと揺れた。
「あの——よかったら」彼女が本を胸に抱きながら言った。「二人で読み終わったら、感想を話しませんか? 読書会みたいな♡」
心臓がどくどく鳴っている。
「ぜひ!」
LINE交換。画面に表示された名前——『水瀬 詩織(みなせ しおり)』。24歳。
「桐谷悠介(きりたに ゆうすけ)です」
「桐谷さん♡ よろしくお願いします♡♡」
その週末、新刊を一気読みして感想LINEを送ったら——2時間のやり取りに発展した。
翌週の土曜、栞堂のカフェで初の読書会。
クリーム色のニットワンピースにロングブーツの詩織が現れた。胸のラインがしっかり主張している。
(やっぱり美人だ。記憶補正じゃなかった)
お互いの本は付箋だらけ。同じページに貼ってあったときは二人で「えー♡♡♡」って声を上げた。
2時間があっという間。
「また、やりません?」
「ぜひ♡♡ 次はお互いに好きな本を薦め合おう♡♡♡」
毎週土曜の読書会が定番になった。
3回目で近くの喫茶店に場所を変え、4回目の帰り道——
「名前で呼んでもいいですか?♡ 私のことも詩織って♡」
「……じゃあ、詩織さん」
「♡♡♡ じゃあ、悠介さん♡」
5回目は映画デート。6回目は代官山の本屋巡り。
もう完全にデートだった。
12月、恵比寿ガーデンプレイスのイルミネーション。
(今しかない)
「俺、詩織さんのことが好きです。書店で手が触れたあの日から、ずっと」
詩織の目に涙が浮かんだ。
「私も♡♡ 悠介さんのことが好きです♡♡♡」
手を握った。細くて柔らかくてあったかい手。
「付き合ってください」
「はい♡♡♡♡」
付き合ってからは毎週末会った。
キスは2週間目。映画の帰り、夜の公園で。
「キス、してほしい♡」
ちゅ♡
「心臓止まるかと思った♡♡♡」
それからキスが増えた。別れ際、待ち合わせ、人気のないところでこっそり。
ちゅ♡ ちゅっ♡
何度しても飽きない。
付き合って1ヶ月。1月の終わり。
『今度の土曜、うちに来ない?♡ 一緒に読みたい本があるの♡♡ ご飯も作るね♡♡♡』
——そういうことだよな。
土曜、15時。詩織の家。
「いらっしゃい♡♡♡」
薄いグレーのニットにデニムのショートパンツ。鎖骨が見えて、胸元がゆるくて、ニットの表面にうっすら突起の影。
(ノーブラ……?)
壁一面の本棚。ソファに並んで座って、黙々と短編集を読む。
隣に詩織がいる。ページをめくる音。時々、吐息の音。
1時間後、読み終わって感想トーク。
「最後の一行で全部ひっくり返すの、ずるいだろ……」
「ずるいよね♡♡ 私、声出た♡♡」
二人でテンション上がって、気づいたら距離が近くなっていた。膝が触れている。
自然に、キスをした。
ちゅ♡
今日は——離れなかった。
ちゅっ♡ ちゅるっ♡ 舌が触れて、絡み合う。
ちゅるっ♡ ちゅぷっ♡ んっ♡♡
「はぁ……♡♡ 悠介さん……♡♡」
キスをしながら腰に手を回した。ニット越しの柔らかい体。
詩織が俺の手を取って——自分の胸の上に導いた。
むにゅ♡
「——っ!」
信じられないくらい柔らかい。ニット一枚越しにダイレクトに伝わる弾力と質量。手のひらからはみ出る。
「触って♡ 今日は……そのつもりで呼んだの♡♡」
「ノーブラ、バレてた?」
「ちらちら見てたでしょ♡♡ 嬉しかったの♡♡♡」
むにゅうっ♡♡
「あっ♡♡ 気持ちいい……♡♡」
「脱がせていい?」
「……うん♡♡」
ニットを持ち上げる。白い肌、細いウエスト、そして——
ふるんっ♡
生の胸が現れた。白くて丸くてぷるんとした弾力。Dカップ。大きいのに垂れていない。ピンク色の乳首がぷっくり立っている。
「綺麗だよ、めちゃくちゃ」
「……ほんとに♡?」
両手で包み込んだ。
むにゅむにゅ♡ むにゅむにゅ♡
「ひゃっ♡♡ んっ♡♡ 悠介さんの手おっきいから全部包まれちゃう♡♡♡」
乳首をつまんで転がす。くりくりっ♡
「あぁっ♡♡♡ そこ弱いのっ♡♡♡」
片方を指でいじりながら、もう片方に口をつけた。
ちゅっ♡ れろっ♡ ちゅうっ♡♡
「ひいぃっ♡♡♡ 吸ったらだめぇっ♡♡♡」
背中がのけぞる。でも俺の頭を押さえつけて離さない。
「あっ♡♡ おっぱいだけで変になっちゃう♡♡♡」
詩織の太ももがもじもじ動いている。
「ベッドに移動しよう」
「……うん♡♡♡」
ベッドに横たわった詩織。ショートパンツを脱がすと、白いレースのショーツ。
「今日のために選んだの♡♡」
確信犯だった。薄い布地の中央が——濡れている。
ショーツの上から触れた。くちゅ♡
「ひゃっ♡♡♡」
ぐっしょり。割れ目をなぞって、上のぷくっとした突起をくるくる。
くりくりっ♡
「ひぁっ♡♡♡ 敏感すぎるのっ♡♡♡」
ショーツを脱がせる。薄いピンクの花びら。蜜がてらてら光っている。
指先を入口にあてがって——ゆっくり中に入れた。
ずぷっ♡
「あぁっ♡♡♡ 指……入ってきた……♡♡♡」
くちゅくちゅくちゅ。奥のざらっとしたところを見つけて、くいくいっと刺激する。
「ひぃぁっ♡♡♡♡ そこすごいっ♡♡♡ なにこれっ♡♡♡♡」
親指でクリを撫でながら、中のGスポットを攻める。
ぐちゅぐちゅぐちゅ♡♡
「あっ♡ あっ♡ イっちゃうっ♡♡ 指だけでイっちゃうっ♡♡♡♡」
「イっていいよ」
「悠介さんっ♡♡♡ 悠介さぁんっ♡♡♡♡——」
ぎゅうぅっ!! びくんびくんっ!!
中が激しく痙攣して指を締め付ける。詩織の体が震える。
「はぁっ……♡♡ すごかった……♡♡♡」
とろんとした目で見上げてくる。
「私も……悠介さんのこと気持ちよくしたい♡♡」
俺が脱ぐと、詩織が目を丸くした。
「おっきい……♡♡」
先端にちゅっとキスして、舌でくるくる舐め回す。
れろっ♡ ちゅっ♡
ぱくっと咥え込まれた。
「っ——!」
温かくて柔らかい口の中。舌が裏側を丹念に舐め上げる。
「ちゅぱ……♡ んむっ……♡♡ じゅるっ♡♡」
ちゅぱちゅぱちゅぱ。リズミカルに頭を上下させる。眼鏡をかけたまま咥えてる文学系美人。
このビジュアルはやばい。
「んっ♡♡ 気持ちいい?♡♡ もっとしてあげる♡♡♡」
頬を窪ませてきゅうっと吸い上げる。
ちゅうぅっ♡♡
「やば……そろそろ……」
ちゅぽんっ、と口を離す。唾液の糸がきらり。
「悠介さん……♡♡ して♡♡♡ こんなにしたいって思ったの初めて♡♡♡♡」
詩織が仰向けになった。
「……来て♡♡」
覆いかぶさる。黒い髪がシーツに広がって、眼鏡の奥の瞳が潤んでいる。
「キスして♡♡」
深くキスしながら、脚の間に体を収めた。先端が花びらに触れる。ぬるっ、と蜜が絡む。
「入れるよ」
「うん……♡♡ ゆっくり……♡♡」
ずぷっ♡
「あっ——♡♡♡ 入ってくる……♡♡♡ おっきい……♡♡♡♡」
ゆっくり奥へ。根元まで入りきった。
「はぁ……♡♡ いっぱい……♡♡ 奥まで……♡♡♡♡」
両腕が首に回る。脚が腰に絡む。胸の柔らかさが胸板にむにゅっと潰れている。
「動くよ」
ずちゅっ♡ ずちゅっ♡ ずちゅっ♡♡
「あっ♡ あっ♡ 気持ちいい……♡♡ 悠介さん……♡♡♡」
スピードを上げる。ぱん、ぱん、ぱん。
胸がたゆんたゆん揺れる。揺れる胸を片手で掴んだ。
むにゅっ♡
「ひゃっ♡♡ 突きながら揉まないでっ♡♡ 感じすぎちゃうっ♡♡♡♡」
ぱんぱんぱん♡ くりくりっ♡
「あぁっ♡♡♡ おかしくなっちゃうっ♡♡♡♡」
深く突き入れる。ずぷっ——
「ひあっ♡♡♡♡ そこぉっ♡♡♡ 奥すごいっ♡♡♡♡♡」
ぱんぱんぱんっ!
「悠介さんっ♡♡♡ 好きっ♡♡♡ 好き好きっ♡♡♡♡」
「俺も好きだ……詩織……」
「あっ♡♡ イきそう……♡♡ 一緒にイきたいっ♡♡♡♡」
「俺ももう——」
「中に出してっ♡♡♡ 全部中にっ♡♡♡♡」
ぱんぱんぱんぱんっ!!
「あっあっあっ——イくっ♡♡♡ イっちゃうっ♡♡——ッッ♡♡♡♡♡」
びくんっ!! 中が激しく痙攣して、めちゃくちゃに締め付けてくる。
「出る——っ!」
どくっ、どくっ、どくっ。奥の奥に全部注ぎ込んだ。
「あああっ♡♡♡♡ 熱いっ♡♡♡ 中にいっぱい出てるっ♡♡♡♡♡」
びくびくびくっ。体が震え続ける。中が搾り取るようにぎゅうぎゅう締まる。
「はぁ……♡♡ すごかった……♡♡♡ 中あったかい……♡♡♡♡」
ぎゅっと抱きしめられた。汗ばんだ肌。心臓の音。
繋がったまま抱き合っていると——また硬くなっていく。
「あ……♡♡ また大きくなってる♡♡♡」
「詩織がエロすぎて」
「エロくないもん♡♡♡」
と言いながらきゅうっと中を締めてきた。
「……もう一回、いい?」
「してほしい♡♡♡」
体をそっと返した。四つん這い。バックの体勢。
「恥ずかしい……♡♡♡♡」
白い背中、くびれたウエスト、丸いお尻。さっき出した白い液がとろりと垂れている。
「見ないでっ♡♡ 出てきちゃってる♡♡♡」
先端をあてがって——一気に奥まで。
ずぷぷっ♡
「あぁっ♡♡♡♡ 一気にっ♡♡♡ さっきより深いっ♡♡♡♡♡」
さっきの分がローション代わり。信じられないくらい滑らか。
ずちゅっ♡ ずちゅっ♡ ぱん♡ ぱん♡
「あっ♡ あっ♡ バックやばいっ♡♡ 奥ぐちゃぐちゃにされてるっ♡♡♡♡」
ぱちんっ♡ 軽くお尻を叩いた。
「ひぁっ♡♡♡♡ 叩いたぁっ♡♡♡」
「ごめん、つい」
「だめっ♡♡ でもちょっと気持ちいいかも♡♡♡♡」
スピードを上げる。手を伸ばして前から胸を掴む。
ぱんぱんぱん♡ むにゅむにゅ♡♡ ぐちゅぐちゅ♡♡♡
「あぁああっ♡♡♡♡ 全部同時にされたらっ♡♡♡ もうだめっ♡♡♡♡ またイっちゃうっ♡♡♡♡♡」
腰を引き寄せて最奥を突く。
ずぷんっ♡♡
「ひぁぁっ♡♡♡♡♡ 一番奥っ♡♡♡♡♡♡」
「イけ、詩織」
「イくっ♡♡♡ イくイくっ♡♡♡♡——ッッ♡♡♡♡♡♡」
びくんびくんっ!!! 中が嵐みたいにうねる。
「俺も——っ!」
ずぷんっ!! 最奥に押し付けて——
どくっ、どくっ、どくっ、どくっ。
二度目。さっきより激しく、奥に叩きつけるように注ぎ込んだ。
「あぁああっ♡♡♡♡♡ また中にっ♡♡♡ 熱いの来てるっ♡♡♡♡♡♡」
びくびくっ。詩織が腕から崩れ落ちた。ぴくぴく震え続けている。
「はぁっ……♡♡ もう動けない……♡♡♡♡」
覆いかぶさる。汗ばんだ背中に唇を落とした。
「すごかった♡♡♡♡」
「……ああ」
「大好き♡♡♡♡♡」
「俺も。大好きだよ」
シャワーを一緒に浴びて(狭くて密着しまくって、また元気になりかけたけど我慢した)、詩織が夕飯を作ってくれた。
俺のパーカーを借りた詩織。袖ぶかぶかで太ももむき出し。
「悠介さんの匂いする♡♡♡」
破壊力がすごい。
ペペロンチーノを食べながら、さっきの短編集の話の続き。
「今日はさ」
「うん♡」
「本を読んで、感想語り合って、そのまま結ばれたわけだけど」
「……♡♡♡」
「最高の読書会だったな」
「バカっ♡♡♡♡」
ぽかぽか肩を叩いてくるけど、顔は真っ赤で嬉しそう。
「私たちの出会いって本でしょ♡ あのとき最後の一冊を譲ってくれたのが嬉しかった♡♡」
「実際めちゃくちゃ読みたかったけどな」
「それなのに譲ってくれた♡ あの勇気を出した私を褒めてあげたい♡♡♡」
「褒める。めちゃくちゃ褒める」
詩織が肩にもたれかかった。シャンプーのいい匂い。
「これからも一緒に本を読もうね♡♡」
「当然。読書会は続行だ」
「次は何読む♡?」
「三島由紀夫の『潮騒』」
「純愛の話♡♡♡ 私たちに合ってる♡♡♡♡」
本棚に囲まれた部屋で、俺たちは寄り添って夜を過ごした。
本がきっかけで出会って、本を通じて惹かれ合って、本を読んだ後に結ばれた。
俺の人生で最高の一冊は、あの日書店で手が触れた、あの新刊だった。
END