大学院一年の秋。
僕、瀬川湊(せがわ みなと)は、市立図書館に通い詰めていた。
修士論文のテーマが近代日本文学における「語り」の構造変化。
……まあ、わかりやすく言うと、とにかく本を読みまくらないといけない研究だった。
大学の図書館じゃ資料が足りなくて、市立図書館の郷土資料コーナーに通うようになったのが八月の終わり。
それから二ヶ月、週に四回は通っている。
もはや常連どころか、準スタッフくらいの頻度だ。
で——ここに通い続けている理由が、もう一つある。
いや、正直に言えば、こっちが本命かもしれない。
「瀬川さん、今日もいらっしゃったんですね♡」
カウンターの向こうで、ふわっと微笑むその人。
篠宮彩葉(しのみや いろは)さん、二十七歳。
この市立図書館の司書さんだ。
艶のある黒髪のロング。やわらかそうなウェーブが肩のあたりでゆるく揺れている。
すっと通った鼻筋に、薄い桜色の唇。
そして——知的な印象を際立たせる、細いフレームの眼鏡。
その眼鏡の奥の瞳は、深いダークブラウンで、いつも穏やかに微笑んでいる。
おっとりした話し方。落ち着いたトーン。でも時々、ぽわんとした天然っぽい発言が混じる。
そのギャップがたまらない。
そして何より——
白いブラウスの胸元を、ぱつんと押し上げている、豊満すぎる膨らみ。
カウンターで本のバーコードを読み取るとき、前かがみになるたびに、ブラウスの隙間からふわりと見える谷間。
(……見るな。見るな僕)
毎回そう思うのに、どうしても視線が吸い寄せられる。
「瀬川さん? どうかしました?」
「あっ、いえ! なんでもないです!」
「ふふ、今日も熱心ですね♡ いつもの閲覧席、空いてますよ」
「あ、ありがとうございます」
にこっと微笑む篠宮さんに、心臓がどくんと跳ねる。
(やばい。この人のためにここに通ってるまである……)
通い始めた頃は、ただの利用者と司書の関係だった。
「この本、二階の書庫にあると思いますので、お持ちしますね」
「あ、ありがとうございます」
最初はそれだけ。
でも、何度も顔を合わせるうちに、少しずつ会話が増えていった。
「瀬川さん、大学院で文学の研究をされてるんですか?」
「はい。近代日本文学で——って、興味ないですよね、すみません」
「そんなことないです♡ 私、文学部出身なんですよ」
「え、本当ですか?」
「はい。卒論は泉鏡花でした」
「泉鏡花! 僕も大好きです!」
「わあ♡ 嬉しい。鏡花好きの方、なかなかいらっしゃらないので」
そこから、文学の話で盛り上がることが増えた。
カウンターが空いているとき。返却作業の合間。閲覧室で僕の席の近くを通りかかったとき。
篠宮さんはいつも、ぽわんとした笑顔で話しかけてくれた。
「瀬川さんの研究テーマ、すごく面白そうです♡」
「い、いやいや。まだ全然形になってなくて」
「でも、こんなに一生懸命通ってくださるなんて。きっと素敵な論文になりますね」
「……ありがとうございます」
篠宮さんに褒められると、不思議と頑張れる気がした。
十月に入ると、もう完全に「いつもの二人」みたいな空気ができていた。
「瀬川さん、今日はこれ、おすすめです」
篠宮さんがカウンターの上にそっと一冊の本を置いた。
「瀬川さんの研究に関係ありそうだなと思って、取り寄せておいたんです♡」
「え……わざわざ?」
「はい♡ 他の図書館から取り寄せるの、司書の特権ですから」
にこっと微笑む篠宮さん。眼鏡の奥の瞳がきらきらしている。
「ありがとうございます。めちゃくちゃ助かります……」
「ふふ、お役に立てたなら嬉しいです♡」
そう言って、篠宮さんはぽわんとした笑顔で立ち去った。
取り寄せてくれた本を開くと、付箋が何枚か貼ってあった。
「ここ、参考になるかもです♡ ——篠宮」
丸い字で書かれたメモ。語尾に小さなハートマーク。
(……これは、好意的にしてくれてる……よな?)
いや、司書さんだから親切なだけかもしれない。
でも、他の利用者にもこんなことするのか?
(考えすぎだ。冷静になれ、僕)
それから数日後のことだった。
閲覧室で資料を読んでいると、ふわっと甘い香りがした。
顔を上げると、篠宮さんが僕の隣の椅子にちょこんと座っていた。
「あ、篠宮さん」
「瀬川さん、ちょっと休憩しません?」
「え?」
「もう三時間ぶっ通しですよ♡ 目が疲れちゃいます」
そう言って、篠宮さんが差し出したのは紙コップに入った温かいお茶だった。
「スタッフルームで淹れてきました。内緒ですよ♡」
「あ、ありがとうございます……」
こんなの、ずるいだろ。
「瀬川さんって、お昼もまともに食べないで読んでますよね。ちゃんとご飯食べてます?」
「……コンビニのおにぎりを」
「だめですよぉ♡ ちゃんと食べないと」
篠宮さんが眉をきゅっと寄せて、少し怒ったような顔をする。
でもその表情すら可愛い。
「若いから大丈夫って思ってるかもしれませんけど、体は大事にしてくださいね?」
「はい……すみません」
「もう♡」
そう言って、篠宮さんはふわっと笑った。
白いブラウスの胸元が、笑うたびにふるんと揺れる。
(近い。近い近い。胸が近い)
座った状態だと、篠宮さんの胸がちょうど僕の目線の高さにある。
ブラウスのボタンの隙間から、白い肌と、下着のレースの縁がちらっと見える。
(見るな……!)
「瀬川さん?」
「はいっ」
「顔、赤いですよ? 大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です。ちょっと暖房が効きすぎてて」
「あら、そうですか? 空調、見てきますね♡」
ぱたぱたと去っていく篠宮さんの後ろ姿。
タイトスカートに包まれたお尻が、歩くたびにぷりんと揺れている。
(僕は何を見ているんだ……図書館で……)
でも、見てしまう。篠宮さんのことになると、僕の理性はどうにも脆い。
十一月の上旬。
いつものように図書館に向かうと、入口にお知らせが貼ってあった。
『蔵書点検のため、11月8日(金)は17時閉館とさせていただきます』
「あ、今日は早じまいか……」
少しがっかりしながらカウンターに向かうと、篠宮さんがいた。
「瀬川さん♡ 今日は早く閉まっちゃうんですけど、大丈夫ですか?」
「はい。五時までに切り上げます」
「すみません♡ でもあの——」
篠宮さんが、少しだけ声を潜めた。
「閉館後、少しお時間ありますか?」
「え?」
「実は、書庫に瀬川さんの研究に関係しそうな古い資料が見つかったんです。一般の閲覧者はご覧になれないんですけど……特別に、お見せしたいなと思って」
「本当ですか!?」
「はい♡ 閉館後なら、ゆっくり見ていただけるので」
「ぜひお願いします!」
「よかった♡ じゃあ、閉館後にカウンターで待っていてくださいね」
篠宮さんはぽわんと微笑んで、カウンターの奥に戻った。
(書庫に入れてもらえるのか……すごい)
市立図書館の地下書庫は、一般利用者は原則立入禁止だ。研究目的で特別許可が出ることはあるらしいけど、司書が直々に案内してくれるなんてそうそうない。
テンションが上がりながら閲覧室で過ごし、五時の閉館アナウンスが流れた。
『本日の閲覧時間は終了しました。お忘れ物のないよう——』
他の利用者が帰っていく中、僕はカウンターの前で待った。
スタッフたちも一人、二人と帰っていく。
やがて、館内は静寂に包まれた。
「お待たせしました♡」
篠宮さんが、カウンターの奥から出てきた。
いつもの白いブラウスに紺のタイトスカート。胸元が相変わらずぱつんとしている。
「他のスタッフは帰ったので、今は二人きりです」
「あ、はい」
(二人きり、か……)
なぜかドキドキした。
「じゃあ、こちらへどうぞ♡」
篠宮さんが先に立って歩く。
カウンターの裏を通り、「関係者以外立入禁止」のドアを開けて、階段を降りる。
地下への階段は薄暗くて、非常灯のオレンジ色の光だけが足元を照らしていた。
篠宮さんのヒールの音が、こつ、こつ、と静かに響く。
「こっちです♡」
地下一階の書庫に入ると、天井まで届く書架がずらりと並んでいた。
古い紙とインクの匂い。ひんやりとした空気。
蛍光灯は消えていて、篠宮さんが手元の一区画だけ灯りをつけた。
薄暗い書庫の中に、小さな光の島ができる。
「ここです。この棚の上の段に——」
篠宮さんが書架の一角に案内してくれた。
「戦前の文芸同人誌の原本があるんです。デジタル化されていない号がいくつかあって、瀬川さんの研究テーマに近い評論が載っているんですよ」
「すごい……こんな資料があったんですね」
「ふふ♡ 司書ですから、こういうものを発掘するのが仕事なんです」
篠宮さんが背伸びして上の段に手を伸ばす。
指先がかろうじて冊子の背に触れるくらい。
「んっ……もうちょっと……」
つま先立ちになった篠宮さんの体が、ぐっと伸びる。
ブラウスの裾がスカートから少し出て、白い腰がちらっと見える。
そして——伸びた姿勢のせいで、ブラウスの胸元がさらにぱつんと張って、ボタンの隙間が大きく開いた。
上から覗き込む角度で、白いレースのブラと、そこに収まりきらない柔らかい肉が——
(見えてる。めちゃくちゃ見えてる)
「瀬川さん、すみません。届かなくて……取ってもらえますか?」
「あ、はい!」
慌てて篠宮さんの隣に立ち、手を伸ばす。
僕は身長177センチだから、なんとか届いた。
古ぼけた冊子を取り出して——
「ありがとうございます♡」
振り向いた篠宮さんと、至近距離で目が合った。
書架に挟まれた狭い通路。二人の距離が、三十センチもない。
篠宮さんの眼鏡の奥の瞳が、間近で僕を見ている。
ふわっと甘い香りがする。
「…………」
「…………」
沈黙。
蛍光灯の微かなジーという音だけが、静かな書庫に響いている。
「あ、あの、これ——」
冊子を渡そうとしたとき、篠宮さんの手が僕の手に重なった。
冊子越しに、指が触れ合う。
篠宮さんの指は、細くて、柔らかくて、少しだけ冷たかった。
「瀬川さん」
「は、はい」
「……少し、お話しても、いいですか?」
篠宮さんの声が、いつもより少しだけ低くて、震えていた。
「もちろんです」
「実はね——資料のこと、本当なんですけど」
篠宮さんが、僕の手の上にある冊子をそっと取って、棚に戻した。
「それだけが理由じゃなくて」
「え……?」
「瀬川さんと、二人きりになりたかったんです」
心臓が、止まった。
いや、止まったんじゃない。爆発するくらい激しく跳ねた。
「し、篠宮さん……?」
「私ね……ずっと、気になってたんです。瀬川さんのこと」
篠宮さんの頬が、ほんのり赤く染まっている。
眼鏡の奥の瞳が潤んでいて、蛍光灯の光を受けてうるうると揺れている。
「毎日毎日、一生懸命本を読んでいる姿を見ていて……最初は『熱心な利用者さんだな』って思ってたんですけど」
「……」
「文学の話をするようになって、鏡花が好きだって聞いて、研究の話を嬉しそうにしてくれて……」
篠宮さんが、きゅっとブラウスの裾を握った。
「気づいたら、瀬川さんが来る日がすごく楽しみになってて。来ない日はそわそわして。帰りの電車で、今日はどんなお話をしたかなって思い返して……」
「篠宮さん……」
「ごめんなさい。こんなこと、突然言って——迷惑ですよね。私、四つも年上だし、ただの司書なのに——」
「迷惑なんかじゃないです」
僕は篠宮さんの言葉を遮った。
声が、自分でも驚くくらいはっきり出た。
「僕も——ずっと気になってました。篠宮さんのこと」
「……え?」
「正直に言うと、研究のためだけじゃなくて。篠宮さんに会いたくて、ここに通ってました」
「……っ」
篠宮さんの目が、大きく見開かれた。
「最初は自分でもわからなかったんですけど。篠宮さんと話すたびに、もっと話したいって思って。笑顔を見るたびに、もっと見たいって思って。気づいたら、篠宮さんのことばっかり考えてました」
「瀬川さん……♡」
篠宮さんの瞳から、涙がぽろっとこぼれた。
眼鏡のレンズに、涙の跡がすーっと線を引く。
「よかった……♡ 嬉しい……♡」
その涙を見た瞬間——もう、我慢できなかった。
僕は篠宮さんの頬にそっと手を添えて、唇を重ねた。
ちゅっ。
「んっ……♡」
最初は、触れるだけの軽いキス。
篠宮さんの唇は、ぷるぷると柔らかくて、ほんのり温かかった。
少しだけ離れて、お互いの顔を見る。
篠宮さんの頬は真っ赤で、眼鏡の奥の瞳が潤んでいて、唇が微かに震えていた。
「……もう一回、いいですか?」
「……はい♡」
今度は、もっと深く。
ちゅっ……ちゅる……♡
篠宮さんの唇が開いて、僕の舌先がそっと触れた。
応えるように、篠宮さんの舌がちろっと出てきて、僕の舌に絡みつく。
ちゅるっ、ちゅっ、ちゅるるっ♡
薄暗い書庫に、湿ったキスの音が響く。
「んっ……♡ はぁ……♡ 瀬川さん……♡」
「篠宮さん……」
「いろはって……呼んで♡」
「……いろはさん」
「さん、はいらない♡」
「……いろは」
「うん♡♡」
嬉しそうに微笑んで、篠宮さん——いろはがまた唇を寄せてきた。
ちゅっ♡ ちゅるっ♡ んっ♡
キスをしながら、僕はいろはの腰に手を回した。
タイトスカート越しに触れる腰は、きゅっとくびれていて、手のひらに吸い付くように馴染む。
ぎゅっと引き寄せると——
むにゅっ。
いろはの胸が、僕の胸板に押し付けられた。
ブラウス越しでも、その圧倒的な柔らかさがはっきりとわかる。
ふにゅうっと形が変わって、密着した場所から温かさが伝わってくる。
「んっ……♡♡」
いろはが小さく声を漏らした。
キスが深くなる。舌と舌が絡み合って、甘い唾液が混ざる。
ちゅるっ♡ ちゅぷっ♡ んんっ♡♡
「はぁっ……♡ 瀬川さんっ……じゃなくて……♡」
「……湊、でいいよ」
「湊くん……♡♡」
その呼び方が、甘くて、くすぐったくて、たまらなかった。
薄暗い書庫の奥。
書架に囲まれた小さな空間で、僕たちは唇を重ね続けた。
ちゅっ♡ ちゅるっ♡ ちゅぷっ♡ んっ♡♡
キスをするたびに、いろはの体が少しずつ熱くなっていくのがわかる。
僕の手は無意識に、いろはの背中を撫でていた。
ブラウスの上から、肩甲骨のあたりをそっと。
「ん……♡ 湊くんの手、あったかい……♡」
「いろはの方が、あったかいよ」
「もう……♡」
ふわっと笑ういろは。
その笑顔に見とれていると、いろはが僕の手を取った。
そして——自分の胸の上に、そっと導いた。
むにゅっ♡
「っ!」
手のひらに広がる、信じられないほどの柔らかさ。
ブラウス越しでも、その弾力と質量がダイレクトに伝わってくる。
大きい。手のひらに収まりきらない。指が沈み込んでいく。
「触って……いいよ♡」
いろはが、眼鏡の奥の潤んだ瞳で見上げてくる。
「……いいの?」
「うん♡ ずっと、湊くんに見られてたの……知ってたよ♡」
「えっ」
「ふふ♡ カウンターで前かがみになるたびに、視線、感じてました♡」
「そ、それは——」
「嫌じゃなかったの♡ むしろ……嬉しかった♡」
いろはが僕の手をぎゅっと押し付ける。
むにゅうっ♡♡
「あっ♡ ん……♡」
僕はブラウスのボタンに手をかけた。
一つ目。白い鎖骨が現れる。
二つ目。胸元の谷間が広がっていく。
三つ目。白いレースのブラジャーが見えた。
四つ目。ブラウスが完全に開いて——
「——っ」
息を飲んだ。
白いレースのブラに包まれた、圧倒的な双丘。
Fカップ。
ブラの縁からむにゅっとはみ出るほどの、豊かすぎる膨らみ。
白い肌にレースの模様が透けて、その奥に薄いピンク色がうっすら見える。
「そんなに見つめないで……恥ずかしい♡」
いろはが片手で顔を隠す。でも指の隙間からこちらを見ている。
「外すよ」
「……うん♡」
背中に手を回して、ブラのホックを外す。
かちり。
ストラップが肩から滑り落ちて——
ふるんっ♡
解放された双丘が、ぷるんと揺れた。
「おぉ……」
思わず声が出た。
形が、綺麗すぎる。
大きいのに垂れていない。ハリのある白い肌。上向きの、完璧な釣鐘型。
頂点には薄いピンク色の乳首がぷっくりと立ち上がっていて、少しだけ硬くなっている。
「二十七歳のおっぱいなんて……嬉しくないでしょ♡」
「何言ってるんですか。最高です」
「……ばか♡」
僕は両手でその胸を包み込んだ。
むにゅうっ♡♡
「あっ♡♡」
指が沈み込む。
とんでもない柔らかさ。もちもちとした弾力が手のひらに吸い付いて、指の間から白い肉がむにゅっとこぼれる。
むにゅ♡ むにゅ♡ むにゅむにゅっ♡
「んっ♡ あっ♡ 湊くん……♡ 気持ちいい……♡」
揉むたびに、いろはの口から甘い声が漏れる。
両手で交互にリズムよく揉みしだく。
むにゅっ♡ むにゅっ♡ むにゅっ♡♡
「ひゃっ♡ やぁっ♡ そんなに揉んだら……♡」
「柔らかすぎるよ、いろはのおっぱい……」
「もうっ……♡ えっちな子♡」
普段のおっとりした司書さんが、こんな声を出している。
そのギャップが、たまらない。
「ここは?」
親指で乳首をくりっと撫でた。
「ひゃんっ♡♡」
いろはの体がびくんと跳ねた。
「そこっ……♡ 敏感なのぉ……♡」
ツンと立った乳首を、指先でくりくりと転がす。
「やぁっ♡♡ んんっ♡♡ 湊くんっ♡♡ そこぉっ♡♡」
可愛い。めちゃくちゃ可愛い。
普段はおっとり穏やかな司書さんが、乳首を弄られて甘い声をあげている。
我慢できなくなって、左の乳首に唇をかぶせた。
ちゅうっ♡
「ひあっ♡♡♡」
いろはの手が僕の頭を抱え込んだ。
柔らかい胸に、頭が埋もれる。甘い匂いが鼻をくすぐる。
ちゅるっ♡ れろっ♡ ちゅっ♡
舌先で乳首を弾きながら、もう片方の胸を手で揉み続ける。
「あっ♡♡ んんっ♡♡ 湊くん上手い……♡♡」
交互に吸って、舐めて、揉んで。
「はぁっ♡ はぁっ♡ 気持ちいいっ♡♡ 図書館で……こんなことしちゃってる……♡♡」
いろはの体がどんどん熱くなっていく。
ちゅう♡ ちゅるっ♡ むにゅっ♡♡
「んあっ♡♡ もう……♡ 湊くんのせいで、とろとろになっちゃう……♡♡」
いろはの手が、僕のズボンに伸びてきた。
もっこりと膨らんだそこを、ブラウスの上から——いや、ブラウスはもう開いている。いろはの細い指が、ズボンの上から僕の硬くなったものをそっと撫でた。
「あ……湊くん、ここ……おっきくなってる♡」
「当たり前だよ……こんな綺麗な人が目の前にいたら」
「嬉しい……♡」
いろはの指がジッパーに触れる。
するすると下ろして、ボクサーパンツの上から形をなぞった。
「おっきい……♡♡ こんなの、入るかな……♡」
パンツの中に手を入れられて、直接握られた。
「っ——」
いろはの手は、思ったよりしっかりとした力で、僕のモノを包み込んだ。
「あつい……♡ すごく硬い……♡」
にぎにぎっと握りながら、ゆっくり上下に動かしてくれる。
「いろは……っ」
「ねぇ、湊くん♡」
いろはが、僕の前にしゃがみ込んだ。
眼鏡越しの潤んだ瞳が、下から見上げてくる。
「お口で……してあげる♡」
そう言って、いろはは僕のモノに唇を寄せた。
ちゅっ♡
先端に、柔らかいキスが落とされる。
「んっ♡ 湊くんの匂い……♡」
ちろっと舌先が出て、先端を舐めた。
れろっ♡ ちろっ♡
「っ……」
「気持ちいい?♡」
「やばい……」
いろはが嬉しそうに微笑んで——ぱくっと口に含んだ。
「んんっ♡♡」
温かくて、湿った口の中に包まれる。
じゅるっ♡ ちゅぷっ♡
いろはの舌が、僕のモノに絡みつきながら、上下に動く。
「じゅるるっ♡ んっ♡♡ んんっ♡♡」
眼鏡が少しずれて、その奥の蕩けたような目が僕を見上げている。
「いろは……上手すぎる……っ」
「んふふ♡ じゅるっ♡ ちゅるるっ♡♡」
嬉しそうに目を細めながら、さらに深くくわえ込んでくる。
じゅぽっ♡ じゅるっ♡ ちゅぷっ♡♡
「ぷはっ♡ 湊くんの……美味しい……♡」
一度口を離して、先端をれろれろと舐め回す。
そして——
「ねぇ、湊くん♡ これも、してあげたかったの……♡」
いろはが、あの豊満な胸を両手で持ち上げた。
僕のモノの左右に、ふわっと押し当てる。
むにゅんっ♡♡
「——っ!!」
全方位から、信じられない柔らかさに包まれた。
Fカップのパイズリ。
僕の硬くなったモノが、いろはの谷間に完全に沈み込んだ。
「わぁ♡ 全部入っちゃった♡ 湊くんのおっきいのに♡」
いろはが両手で胸を寄せながら、ゆっくり上下に動かし始めた。
むにゅっ♡ むにゅっ♡ むにゅっ♡
「あ……やば……」
柔らかい肉に包まれて、上下に動かされる感触がやばい。
「気持ちいい?♡」
「すごい……気持ちいい……」
「えへへ♡ よかった♡ ずっと、これしてあげたいなって思ってたの♡」
「え、ずっと?」
「うん♡ 湊くんがいつも胸を見てるの、知ってたから……♡ このおっぱいで、気持ちよくしてあげたいなって……♡」
(この人、天使すぎる……)
にゅるっ♡ むにゅっ♡ ぬちゅっ♡
先走りで滑りが良くなった谷間を使って、いろはがリズミカルに動く。
「んっ♡ 湊くんの、あつい……♡♡ おっぱいの中でびくびくしてるのわかる……♡」
上目遣いで見つめながらパイズリを続けるいろは。
眼鏡がずり落ちそうになりながらも、懸命に動いてくれる。
「ねぇ♡ 先っぽ出てくるの……可愛い♡」
谷間から顔を出すたびに、いろはがちゅっと先端にキスをする。
ちゅっ♡ むにゅっ♡ ちゅるっ♡
パイズリしながら、先端を舌で舐めてくる。
「くっ……いろは……っ」
「もっと気持ちよくしてあげる♡♡」
いろはが胸を動かしながら、先端を口に含んだ。
ぱくっ♡
「っ!!!」
パイズリフェラ。
Fカップの柔らかい胸と、温かくて濡れた口の中。二重の快感が同時に襲ってくる。
じゅるっ♡ むにゅっ♡ じゅぽっ♡♡
「んっ♡♡ じゅるるっ♡♡ んんっ♡♡♡」
いろはの舌が先端をくるくると舐め回しながら、胸が根本から竿全体を包んで上下する。
「いろは……気持ちよすぎる……」
「んふふ♡♡ じゅるっ♡♡ ちゅるるっ♡♡」
嬉しそうに笑いながら、さらに激しく動く。
むにゅっ♡ じゅぽっ♡ ぬちゅっ♡♡
「いろは……そろそろ限界……っ」
ぷはっ、と口を離したいろはが、胸をぎゅっと寄せて激しく上下に動かした。
むにゅっむにゅっむにゅっ♡♡♡
「出して♡♡ 湊くんのいっぱい出して♡♡」
「っ——出る!」
びゅるるっ♡♡
どぴゅっ♡ びゅるっ♡♡
白い液体が、いろはの胸と谷間に飛び散った。
「んっ♡♡♡ あったかい♡♡ いっぱい出たね♡♡」
いろはが胸の間に溜まったそれを指ですくって、ぺろっと舐めた。
「んっ♡ 湊くんの味……♡♡」
眼鏡越しの蕩けた瞳。
胸元を白く汚された、おっとり司書さん。
(こんな光景、現実でいいのか……?)
「ごめん、いっぱいかけちゃって……」
「ううん♡ 嬉しいの♡」
いろはがにこっと笑って——
「でもね、湊くん♡」
「うん?」
「まだ……終わりじゃないよ♡」
いろはは立ち上がって、タイトスカートの横のファスナーに手をかけた。
するすると下ろすと、スカートが足元に落ちた。
白いレースのショーツ。ブラとお揃いだった。
そのショーツの真ん中が——じっとりと濡れて、布地が肌に張り付いている。
「わたし……さっきからずっと、こんなになっちゃってるの♡」
恥ずかしそうに俯きながら、いろはがショーツの濡れた部分を指でなぞった。
くちゅっ♡
「あっ♡ んっ♡」
「いろは……」
「湊くんの……挿れて、ほしいな♡」
潤んだ瞳が、眼鏡越しにまっすぐ僕を見つめる。
その視線だけで、さっき出したばかりなのに、もう硬くなっていた。
「——うん」
僕はいろはを、書庫の奥にあった閲覧用の古い机に腰掛けさせた。
いろはのショーツに指をかけて、ゆっくり引き下ろす。
「ん……♡」
白いレースが太ももを伝って落ちる。
露わになった秘所は、もうとろとろに濡れていた。
蛍光灯の薄い光に照らされて、蜜が糸を引いているのがわかる。
「すごい濡れてる……」
「だって……♡ さっきから湊くんに触られて……おっぱい吸われて……♡ ずっと感じてたんだもん♡♡」
僕はいろはの太ももをそっと開いた。
その間に体を入れて、先端を入口にあてがう。
ぬるっとした感触。
「……入れるよ」
「うん……♡ お願い♡」
ずぷっ♡
「あっ♡♡♡」
中に入った瞬間、いろはの体がびくんと震えた。
「あついっ……♡♡ 湊くんの……あつい……♡♡」
ゆっくりと奥まで入れていく。
ずぶ♡ ずぶ♡ ずぶっ♡♡
「んんっ♡♡♡ おっきい……♡♡ 奥まで……来てるっ♡♡」
いろはの中は、信じられないほど熱くて、きつくて、とろとろだった。
壁が僕のモノに絡みついて、吸い付くように締め付けてくる。
「いろは……めちゃくちゃ気持ちいい……」
「わたしもっ♡♡ 湊くんので、いっぱいになってるっ♡♡」
正常位。
いろはの顔が目の前にある。
少しずれた眼鏡。上気した頬。潤んだ瞳。半開きの唇。
その全部が、色っぽくて、可愛くて、たまらない。
僕はいろはの唇にキスをしながら、ゆっくり腰を動かし始めた。
ちゅっ♡ ぱんっ♡
「んむっ♡♡」
ぱんっ♡ ぱんっ♡
「んっ♡ あっ♡ あんっ♡♡」
奥まで突くたびに、いろはが甘い声をあげる。
ぱんぱんぱんっ♡♡
「あっ♡ あっ♡ あっ♡♡ 湊くんっ♡♡ 気持ちいいっ♡♡」
いろはの胸が、突くたびにたゆんたゆんと揺れる。
その揺れを見ながら腰を動かす。最高の光景だ。
「いろはの中……やばい……最高……」
「んっ♡♡ そんなこと言われたら……もっと気持ちよくなっちゃうっ♡♡」
いろはの腕が僕の首に回された。
足も腰に絡みついてくる。
「もっと……奥に来て……♡♡」
ずぱんっ♡♡
「ひゃあっ♡♡♡ そこっ♡♡ そこ当たってるっ♡♡♡」
奥の一番気持ちいいところに当たったみたいだ。
いろはの中がきゅうっと締まった。
「ここ?」
ずぱんっ♡♡
「そこぉっ♡♡♡ やっ♡♡ すごいっ♡♡♡」
同じ場所を、何度も突く。
ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡♡
「あっあっあっ♡♡ 湊くんっ♡♡ もっとっ♡♡ もっと激しくっ♡♡♡」
言われるままに、腰の動きを速めた。
ぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡
「んあぁっ♡♡♡ やばっ♡♡ 気持ちよすぎるっ♡♡♡」
いろはの中がどんどんきつくなっていく。
机がぎしぎし軋む。書庫に、肉がぶつかる音と水音が反響する。
「いろはっ……中、やばい……っ」
「湊くんっ♡♡ わたしもっ♡♡ もうっ♡♡」
ぱんっ♡♡ ぐちゅっ♡♡ ぱんっ♡♡ ぬちゅっ♡♡
「あっ♡♡ イクっ♡♡ イっちゃうっ♡♡♡」
「僕も——っ」
「中にっ♡♡♡ 中に出してっ♡♡♡ 湊くんのっ♡♡ いっぱい欲しいのっ♡♡♡」
ぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡♡
「っ——出る、いろはっ!!」
「きてっ♡♡♡♡ イクッ♡♡♡♡」
びゅるるるっ♡♡♡♡
どくっ♡ どくっ♡ どくっ♡♡♡
いろはの一番奥に、熱いものが注ぎ込まれる。
「あああっ♡♡♡♡ なかっ♡♡ あついっ♡♡♡ いっぱい出てるっ♡♡♡♡」
いろはの中がきゅうきゅうと痙攣しながら、僕のモノを搾り取るように締め付ける。
びゅるっ♡ どくっ♡♡
最後の一滴まで搾り出されて——
「はぁっ……はぁっ……♡♡」
「はぁ……はぁ……すごかった……」
まだ繋がったまま、お互いの額をくっつける。
いろはの眼鏡が曇っていて、その奥の蕩けた瞳がうるうると揺れていた。
「湊くん……♡♡」
「いろは……♡」
しばらくそのまま、呼吸を整える。
薄暗い書庫に、二人の荒い息だけが響いていた。
「……湊くん」
「ん?」
まだ繋がったまま、いろはが僕の胸に頬を寄せた。
「もう一回……♡ したい……♡」
「え?」
「今度は……後ろから、して♡」
その言葉だけで——中でまた硬くなっていくのがわかった。
「……わかった」
僕は一度抜いて、いろはを机の上でうつ伏せにさせた。
さっき注いだものが、秘所からとろっと溢れて、太ももを伝う。
「んっ……♡ 出てきちゃう……♡」
いろはが恥ずかしそうに足を閉じようとする。
「見ないでぇ……♡」
「無理。綺麗すぎて」
「もうっ……♡♡」
僕はいろはの腰を持ち上げて、後ろから覗き込んだ。
お尻を突き出すような体勢のいろは。
白くて形のいいお尻。その間から覗く秘所は、精液と愛液でとろとろに濡れている。
先端を入口にあてがった。
「入れるよ」
「うん……♡ 来て♡」
ずぷぷっ♡♡
「んあっ♡♡♡ またきたっ♡♡」
さっきよりさらに濡れているからか、一気に奥まで入った。
「はぁっ♡♡ この体勢……♡♡ 奥まで当たるっ♡♡」
バック。
いろはの丸いお尻が目の前にある。
腰を掴んで、ゆっくり動かし始めた。
ぱんっ♡
「あっ♡♡」
ぱんっ♡ ぱんっ♡
「んっ♡♡ あっ♡♡ やっ♡♡ この角度っ♡♡ すごいっ♡♡」
バックの体勢だと、さっきとは違う場所に当たるみたいだ。
いろはの声が一段高くなる。
ぱんぱんぱんっ♡♡
「あっ♡あっ♡あっ♡♡ 湊くんっ♡♡ 奥っ♡♡ 奥が気持ちいいっ♡♡♡」
僕はいろはの腰をしっかり掴んで、もっと激しく腰を打ち付けた。
ぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡
「んあぁっ♡♡♡ やっ♡♡ そこぉっ♡♡♡ だめっ♡♡♡ イっちゃうっ♡♡♡」
突くたびに、いろはの豊満な胸が前後に揺れる。
机に押し付けられて、むにゅうっと形を変えているのが横から見える。
「いろはっ……中、きつい……っ」
「だってっ♡♡ 湊くんのが大きすぎるんだもんっ♡♡♡」
ぐちゅっ♡♡ ぱんっ♡♡ ぬちゅっ♡♡ ぱんっ♡♡
淫らな水音と肉がぶつかる音が、書庫中に反響する。
本棚に囲まれた静かな空間で、僕たちだけの音が響き渡る。
「湊くんっ♡♡♡ もう、ダメっ♡♡♡ また、イっちゃうっ♡♡♡」
「僕も……っ! もう限界……っ!」
「中にっ♡♡♡♡ またっ♡♡♡ 中に出してっ♡♡♡♡」
ぱんぱんぱんぱんぱんっ♡♡♡♡♡
最後の力を振り絞って、一番奥まで突き入れた。
ずぷんっ♡♡♡
「っ——出るっ、いろはっ!!!」
「きてっ♡♡♡♡♡ イクっ♡♡♡♡♡」
びゅるるるるっ♡♡♡♡♡
どくっ♡ どくっ♡ どくっ♡ どくっ♡♡♡♡
さっきよりもさらに奥で、熱いものが注ぎ込まれる。
「あああああっ♡♡♡♡♡♡ なかっ♡♡♡ いっぱいっ♡♡♡ あついのいっぱい出てるっ♡♡♡♡♡」
いろはの中が、きゅうきゅうきゅうっと痙攣しながら、僕のモノを離さないように締め付ける。
びゅるっ♡ どくっ♡ どくっ♡♡
全部——全部出し尽くすまで、いろはの中から動けなかった。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……♡♡♡」
「はぁ……はぁ……」
いろはの背中に覆いかぶさるようにして、二人とも荒い息を吐いた。
いろはの背中は汗で濡れていて、蛍光灯の光に照らされてきらきら光っている。
「……すごかった♡♡」
「うん……すごかった」
ゆっくりと抜くと——とろっと、白い液体がいろはの秘所から溢れて机の上に垂れた。
「んっ♡ また、出てきちゃう……♡」
いろはが恥ずかしそうに太ももを閉じる。
僕はいろはの横に回って、その顔を見た。
頬を紅潮させて、眼鏡が曇っていて、髪が乱れていて——
それでも、幸せそうに微笑んでいるいろはは、世界で一番綺麗だった。
しばらくして。
僕たちは書庫の奥で並んで座っていた。
古い本の匂いに包まれながら、いろはが僕の肩に頭を預けている。
「湊くん」
「ん?」
「好き♡♡」
「……僕も、好きだよ。いろは」
「えへへ♡♡」
いろはがぎゅっと僕の腕に抱きついてきた。
柔らかい胸が——いや、今はそれどころじゃない。
「あのさ、いろは」
「なぁに?♡」
「僕たち……これから、どうする?」
「どうするって?」
「その……図書館の利用者と司書って関係的に、まずいんじゃないかなと思って」
「あー……♡」
いろはが、ぽわんとした顔で考え込んだ。
「確かに、公にはちょっとまずいかも♡」
「だよね……」
「じゃあ——」
いろはがくるっと僕の方を向いて、いたずらっぽく微笑んだ。
「秘密、にしちゃう?♡」
「秘密?」
「うん♡ 図書館にいるときは、いつも通りの司書と利用者♡ でも閉館後は——」
いろはが僕の唇にちゅっとキスをした。
「——恋人♡♡」
その提案は、反則だと思った。
「……いいの?」
「いいの♡ むしろ——」
いろはが僕の耳元にそっと唇を寄せて、囁いた。
「秘密の関係って……ちょっと、ドキドキしない?♡♡」
鳥肌が立った。
「……そういうところ、ずるい」
「ふふ♡ 司書だからね♡ 秘密を守るのは得意なの♡」
「なんだそれ」
二人で笑った。
それから、僕たちはゆっくりと身支度を整えた。
いろはがブラウスのボタンを一つずつ留めていく。
あの豊満な胸が、白い布地の中に収まっていく。
ちょっともったいない、と思ってしまった自分を恥じる。
「見てる♡」
「見てない」
「嘘♡」
「……ちょっとだけ」
「もう♡♡ えっち♡♡」
タイトスカートのファスナーを上げて、眼鏡の位置を直して。
いろはは、いつもの——あのおっとりした美人司書の姿に戻った。
「どう? いつも通りに見える?♡」
「……完璧です」
「じゃあ、出ましょ♡」
書庫の灯りを消して、階段を上って、カウンターの裏を通る。
いろはが正面玄関の鍵を開けた。
外に出ると、十一月の夜風が冷たかった。
でも、隣にいろはがいるから、寒くなかった。
「湊くん」
「ん?」
「また明日——図書館に来てくれる?♡」
「もちろん。毎日行くよ」
「ふふ♡ じゃあ明日は、特別にいい席を確保しておきますね♡ ——いつもの常連さん♡」
そう言って、いろはがぽわんと笑った。
昼間と同じ、おっとりした笑顔。
でも、その目の奥に、さっきまでとは違う色が混じっている。
僕だけが知っている、秘密の色。
「——じゃあ、おやすみなさい♡ 湊くん♡♡」
「おやすみ、いろは」
いろはが僕の頬にそっとキスをして、くるりと背を向けた。
歩き出したいろはの後ろ姿を見送る。
タイトスカートに包まれたお尻。ゆるく揺れる黒髪。
その姿が街灯の下で小さくなっていくのを見ながら——
僕は思った。
(修士論文、頑張ろう)
いや、頑張る理由が完全に変わっている気がするけど。
まあ、いいか。
市立図書館に通う理由が、また一つ増えた。
——いや、これが本命に昇格したかもしれない。
秋の夜風に吹かれながら、僕は駅に向かって歩き出した。
明日もまた、あの図書館に行こう。
あのおっとりした笑顔に、会いに。
——Fin.