これ書こうかどうかずっと迷ってたんだけど、もう時効だと思うので書きます。大学2年の夏、免許合宿で起きた話です。
俺のスペックから言うと、当時20歳。身長172で体重は60あるかないか。顔面偏差値はまあ48ぐらい。よく言えば「雰囲気はいい」、悪く言えば「顔だけ見たら何も印象に残らない」タイプ。千葉の大学に通ってて、サークルは入ってたけど幽霊部員みたいなもんだった。
彼女いない歴イコール年齢、ではないけど、当時は1年以上フリーだった。つまりまあ、モテない側の人間です。
免許合宿に行ったのは山形の米沢。8月の頭で、2週間のプランだった。大学の友達3人で申し込んだんだけど、そのうちの1人、翔太がちゃっかり彼女も連れてきやがった。
「いや聞いてねえよ。男3人でワイワイやる予定だったろ」
「まあまあ、美咲も免許欲しかったらしくてさ。ちょうどいいじゃん」
翔太のやつ、俺の台詞みたいに平然と言いやがる。もう1人の拓海は「俺は別にいいけど」ってスタンスで、結局4人での合宿になった。
で、そこの教習所に着いてみたら、同じ時期に入校してた女がいた。
名前は、ここでは「奈緒」としておく。
奈緒は都内の女子大に通ってる子で、友達と2人で来てたらしい。初日のオリエンテーションで隣の席だったのがきっかけで話すようになった。
第一印象は、橋本環奈をもうちょっと大人っぽくした感じ。身長は158ぐらいで、髪は鎖骨ぐらいのミディアム。肌が白くて、笑うと目がなくなるタイプ。あと胸は――いや初日からそんなとこ見てないけど、後で分かったことも含めて言うとEカップだった。制服みたいな教習所のジャケット着てても分かるぐらいだったから、多分みんな気づいてた。
「あ、あの、ここ座っていいですか」
「あ、どうぞどうぞ」
「ありがとうございます。私、奈緒って言います。東京から来て」
「俺も千葉。近いっすね」
(なんだこの子めちゃくちゃかわいいな…)
でもまあ、こういう子には大体彼氏がいるもんだし、合宿の2週間だけの話だし、変に意識しないようにしようと思ってた。この時は。
合宿3日目ぐらいから、食堂で飯食うときに自然とグループが固まるようになった。俺と拓海と翔太と美咲、それに奈緒と、奈緒の友達の麻衣って子。6人でだいたい一緒にいた。
問題は拓海だった。
拓海はいわゆるイケメン枠で、坂口健太郎に似てるってよく言われてた。身長180あって、性格もいい。合宿3日目にして麻衣ちゃんとめちゃくちゃ距離が縮まってた。
(おいおい、拓海まで彼女作る気かよ…)
俺だけ完全に余り物じゃねえか。
5日目の夜、拓海と麻衣が付き合い始めた。食堂で拓海が「実は俺ら付き合うことになりました」って報告してきて、翔太が「おおー!」って盛り上がって、美咲が「やったじゃん!」って拍手して。
俺はというと、ニコニコしながらおめでとうって言ったけど、内心は(マジかよ…俺だけ独り身確定じゃん…)って感じだった。
奈緒はどうしてたかっていうと、なんか微妙な顔してた。嬉しそうなんだけど、ちょっと困ったような。
「おめでとう、麻衣」
「…でもこれ、部屋どうするの」
そう。ここが問題だった。
合宿所の部屋割りは、男2人部屋と女2人部屋。俺と拓海が同室で、奈緒と麻衣が同室だった。翔太と美咲はカップルプランで別の棟。
拓海が付き合い始めた瞬間から、夜の大部屋事情が怪しくなった。
7日目の夜。消灯後、拓海がベッドから起き上がった。
「どこ行くんだよ」
「ちょっと麻衣のとこ。1時間ぐらいで戻る」
「おい…」
もう止める気力もなかった。で、拓海は結局朝まで戻ってこなかった。
翌朝、寝不足の目をこすりながら食堂に行くと、奈緒も同じような顔してた。
「…麻衣、昨日帰ってこなかったんだけど」
「拓海もだ」
「だよね…」
二人で味噌汁をすすりながら、遠くのテーブルでイチャイチャしてる拓海と麻衣を眺めた。朝からキラキラしやがって。
「あいつら、これ毎晩やるつもりかな」
「…やるだろうね」
「つらい」
「つらいね」
(なんだこの妙な連帯感…)
8日目、9日目と、案の定、拓海は毎晩いなくなった。で、10日目に事態が変わった。
その日は台風が接近してて、午後の教習が全部キャンセルになった。やることがなくなった6人は翔太の提案で「部屋飲みしよう」ということになった。
米沢駅前のコンビニで酒を買い込んで、男子部屋に集合した。ちなみに俺と拓海の部屋は和室で、畳の上に布団を敷くタイプ。6畳ぐらいの部屋に6人はきつかったけど、まあ合宿のノリってそんなもんだ。
缶ビールとか缶チューハイとか適当に飲んで、UNOとか大富豪とかやって盛り上がった。奈緒は酒が弱いらしくて、ほろよい1缶で顔が真っ赤だった。
「わたし、もう顔やばいよね…」
「真っ赤だな。大丈夫か」
「うん、全然平気。酔ってないよ」
いや完全に酔ってたと思う。普段はどっちかっていうとおとなしい子なのに、やたら近い距離で話しかけてくるし、俺の腕をぺしぺし叩いてくるし。
(酔うとこうなるタイプか…)
日付が変わる頃、翔太と美咲が「じゃあお先に」って自分たちの部屋に帰って行った。まあ予想通り。
で、しばらくして拓海が立ち上がった。
「…拓海」
「ごめん、今日は麻衣の部屋行くわ」
麻衣ちゃんも赤い顔しながら「えへへ」って笑ってた。
「お前ら…」
拓海が麻衣の手を引いて部屋を出ていった。
残されたのは、俺と奈緒。
しかも奈緒の部屋の鍵は麻衣が持ってる。
「…」
「…」
「えっと、奈緒の部屋の鍵は」
「麻衣が持ってってる…」
「フロントに言えばスペアもらえるんじゃ」
「…この時間、フロント誰もいないよ」
田舎の教習所の合宿所だ。夜中にフロントなんか開いてるわけがない。
「つまり…」
「…ここに泊まるしかないよね」
(まずいまずいまずい)
いや、まずいって言っても別に俺が何かするわけじゃないし。ただ、女の子と同じ部屋で寝るっていう状況自体がまずい。心臓に悪い。
「俺、廊下で寝ようか」
「え、そんなの申し訳ないよ。布団2つあるんだし」
「いやでも」
「私は全然気にしないから。…信用してるし」
(信用してる、か…。嬉しいけど、お前が思ってるほど俺は紳士じゃないんだよなぁ…)
しょうがなく、布団を部屋の端と端に離して敷いた。奈緒には拓海の布団を使ってもらうことにして、俺は自分の布団に入った。
電気を消した。
台風のせいで外は風がすごくて、窓がガタガタ言ってた。
「…ねえ」
「ん」
「風、すごいね」
「な。明日教習できんのかな」
「どうだろ…。ねえ、私ちょっと怖いんだけど」
「台風が?」
「うん…雷とか鳴ったらやだな」
暗闇の中で、ガサガサと布団が動く音がした。
「…もうちょっとそっち行っていい?」
「あ、うん」
奈緒が布団ごとズルズルと近づいてきた。1メートルぐらいの距離。暗闇の中で目が慣れてくると、こっちを向いて横になってる奈緒の輪郭が見えた。
「ねえ」
「うん」
「彼女いるの」
「いない。1年以上」
「…そうなんだ」
「奈緒は?彼氏」
「いない。…ていうか、別れたばっかり」
「え、最近?」
「合宿来る2週間前。3年付き合ってた人に振られた」
「…それでこのタイミングで合宿に」
「うん。気分転換も兼ねて。…でも正直、まだちょっとつらい」
声が少し震えてるような気がした。
「そっか…。それは、つらいよな」
「3年だよ。3年付き合って、『他に好きな人ができた』だって。笑っちゃうよね」
「笑えねえよ、それは」
「…ありがとう」
沈黙が続いた。台風の風だけがゴウゴウ鳴ってる。
「…ねえ」
「うん」
「手、繋いでいい?」
(え)
暗闇の中で、奈緒の手がそっと伸びてきた。指先が俺の手に触れた。冷たかった。
握り返した。
「…あったかい」
「奈緒の手、冷たいな」
「緊張してるから、かも」
(緊張…?)
心臓がうるさかった。台風の音より、自分の心臓の音のほうが大きい気がした。
そのとき。
隣の部屋から、声が聞こえた。
壁が薄い合宿所だ。隣の部屋は――拓海と麻衣がいる奈緒たちの部屋。
最初はくぐもった笑い声ぐらいだった。でもだんだん、それが別の種類の声に変わっていった。
「…」
「…」
ベッドのきしむ音。甘い声。もう完全にそういう音だった。
俺と奈緒は手を繋いだまま、黙ってた。
「…聞こえちゃうね」
「…な」
「麻衣、声大きいんだよね普段から…」
「普段からって何の普段だよ」
「あ、違う、普通に話すときの声の話」
暗闇の中で二人して小さく笑った。でも笑ったあとの沈黙が、さっきまでとは質が違った。
隣の声は続いてた。手を繋いだまま、その音を聞いてるっていう状況が、ものすごく気まずくて、でも同時に、なんか変な空気になってた。
奈緒の手に力が入った。
「…ねえ」
「うん」
「こっち来て」
(え?)
繋いだ手が引っ張られた。体が奈緒のほうに転がった。
気づいたら至近距離に奈緒の顔があった。
暗闇でもわかるくらい、目がうるんでた。
「…キス、してほしい」
「奈緒、酔って」
「酔ってない。もう醒めてる。…わかってるよね」
わかってた。ほろよい1缶で3時間も経てば、そりゃ醒めてる。
「私、この10日間ずっと考えてた。…最初はただの気分転換のつもりだったの。でも」
「でも?」
「君がいつも、余り物同士だなって笑ってくれたでしょ。あれ、すごく楽だった。気を遣わなくていいっていうか。…君といると、振られたことちょっと忘れられた」
(それは…俺もだよ。独り身が寂しくなかったのは、奈緒がいたからだ)
でもそれを口に出す勇気がなかった。だって、振られたばっかの子に手を出すみたいで。寂しさの穴埋めに使われるみたいで。
「…奈緒、俺は別に」
「代わりとかじゃないよ」
見透かされた。
「元カレと全然違うもん。あの人は自分の話ばっかりで、私の好きなものに興味持ってくれなかった。でも君は、私が教習で落ち込んでたら気づいてくれたし、好きなアイス覚えてくれてたし」
コンビニで「これ好きって言ってたよな」ってガリガリ君の梨味を買っただけだ。そんなことで。
「…だから、今の気持ちは本当だよ」
隣から、ひときわ大きい声が聞こえた。
奈緒がぎゅっと手を握ってきた。
もう限界だった。
俺から唇を寄せた。
暗闇の中、唇が触れた。最初はそっと。お互い探るみたいに。
「ん…」
柔らかかった。グロスかなんかの、甘い味がした。
一回離れて、でもすぐにまた重ねた。今度は深く。奈緒のほうから舌が入ってきて、俺の頭の中が一気にぐちゃぐちゃになった。
(やばい、これ止められない)
腕が勝手に奈緒の背中に回ってた。引き寄せると、胸が押し付けられて、服越しでもやわらかいのが分かった。
「んっ…」
キスしたまま、奈緒が俺の布団に入ってきた。体温が一気に上がった。
「…奈緒、いいのか」
「…うん」
「後悔しない?」
「しない。…てか、させないでよ」
(させないでよ、って。それ俺に言うか?)
でもその一言で覚悟が決まった。
Tシャツ越しに胸に手を置いた。想像以上にやわらかくて、手のひらに収まりきらなかった。
「あ…っ」
Tシャツをたくし上げると、暗闇でもわかる白い肌があった。ブラの上から揉むと、奈緒が小さく声を漏らした。
「…外していい?」
「…うん」
背中に手を回してホックを外した。ちょっと手間取ったのは許してほしい。
ブラを外した瞬間、その大きさに息を呑んだ。Eカップっていうのは、やっぱり実物で見ると全然違う。
「すげえ…」
「そんなまじまじ見ないでよ…暗くてよかった…」
直接触ると、吸い付くような感触がした。乳首を親指でなぞると、奈緒の体がぴくっと跳ねた。
「んっ…そこ、敏感…」
「ここ?」
「ん…っ、あ…」
口に含むと、甘い声がこぼれた。隣の部屋の声に負けないぐらいの。
「やば…声出ちゃう…」
「隣に聞こえるぞ」
「だって…あっちだって聞こえてるし…お互い様でしょ…」
確かに。もうお互い様だ。
奈緒の手が俺のズボンの上に触れた。もう完全に硬くなってるのが、バレバレだった。
「…すごい硬い」
「…すんません」
「謝らなくていいよ。…嬉しい」
ズボンの中に手を入れられて、直接握られた。奈緒の細い指が、ゆっくり動く。
「っ…」
「気持ちいい?」
「うん…やばい」
奈緒のショートパンツに手を伸ばした。太ももの内側に触れると、もう濡れてるのが指先でわかった。
「あっ…そこ…」
「もう濡れてんじゃん」
「…だって、さっきからずっと…聞こえてたし…」
(隣の声で感じてたのか…。それ、正直めちゃくちゃ興奮する)
下着をずらして直接触ると、ぬるっとした感触があった。クリに触れると、奈緒が俺の肩に顔を埋めた。
「んんっ…そこ…いい…」
指を入れると、きゅっと締まった。奈緒の息が荒くなって、耳元で漏れる声が直接脳に響くみたいだった。
しばらくお互いに触り合ってたけど、もう我慢の限界だった。
「奈緒…したい」
「…うん。私も」
「ゴム、ないんだけど」
一瞬、沈黙。
「…外に出してくれれば、いいよ」
(いいのかよ…)
奈緒が自分でショートパンツと下着を脱いだ。俺もズボンを降ろした。
覆いかぶさると、奈緒が俺の首に腕を回してきた。
先端を当てると、ぬるっと入り口に触れた。
「入れるよ…」
「うん…ゆっくりね…」
ゆっくり入れていった。中があったかくて、絡みつくような感触がして、頭がぼうっとした。
「あっ…ぁ…」
「痛くない?」
「ううん…大丈夫…。全部入れて」
奥まで入れると、奈緒が小さく「あっ」って声を上げた。
動き始めると、畳の上の布団がずれて、ギシギシ音がした。隣の部屋からも同じような音がしてて、なんかもう笑えるような状況だった。でも笑う余裕なんかなかった。
「んっ…あっ…気持ちいい…」
奈緒が俺の背中に爪を立てた。痛いんだけど、それが興奮を煽った。
「奈緒…中やばい…」
「もっと…もっと奥…」
腰を深く押し込むと、奈緒の声が大きくなった。
「あっ…だめ、声出ちゃ…んんっ…」
俺は奈緒の唇を塞いだ。キスしながら腰を動かすと、奈緒がきゅっとしがみついてきた。
(この子が好きだ。10日間で好きになった。寂しさとか関係ない。この子のことが好きだ)
そう思ったら、もう止まれなかった。
「奈緒…俺、そろそろ…」
「外に出して…約束…」
「わかった…」
ぎりぎりまで中で動いて、限界の瞬間に引き抜いた。奈緒のお腹の上に出した。
「っ…」
「あ…あったかい…いっぱい出たね」
「ごめん…ティッシュ…」
枕元のティッシュで拭いてる間、奈緒が俺の髪を撫でてきた。
「ねえ」
「ん」
「…よかった」
「…俺も」
しばらく横になって天井を見てた。台風の風はまだ強かったけど、さっきより遠い音に聞こえた。隣の部屋はもう静かになってた。
「…ねえ」
「うん」
「もう一回…していい?」
(え?)
奈緒が体を起こして、俺の上にまたがってきた。暗闇の中で、揺れる胸の輪郭が見えた。
「奈緒…」
「さっき、ちゃんとイけなかったから…」
そう言って、奈緒が自分で位置を合わせた。すっと入った瞬間、さっきとは違う角度で、奈緒が甘い声を上げた。
「あっ…これ…すごい…」
奈緒が自分のペースで腰を動かし始めた。俺は奈緒の腰に手を添えて、上からの重みを感じてた。
2回目は、さっきよりゆっくりだった。お互い余裕があるぶん、相手の反応を確かめながら動けた。奈緒がどこで声を上げるか、どの角度が好きか、少しずつ分かってきた。
「あっ…そこ…いいっ…」
「ここ?」
「うんっ…そこ…もっと…」
奈緒の動きが速くなった。俺も下から突き上げた。
「やばっ…いっちゃう…いくっ…」
奈緒の中がぎゅっと締まって、体がびくびくと震えた。腕に力が入って、俺の胸板に爪が食い込んだ。
「奈緒…俺も…」
「外に…っ」
今度も引き抜いて外に出した。奈緒のお腹に白いものが散った。
二人とも息が上がったまま、奈緒が俺の上に倒れ込んできた。汗ばんだ肌が密着して、心臓の音がお互い伝わるぐらいの距離だった。
「…ねえ」
「うん」
「これ、一晩だけの話にしたくないな」
「…俺もだよ」
「ほんと?」
「ほんと。っていうか、奈緒がよければ、帰ってからも会いたい」
「…千葉と東京なら、近いもんね」
「な。総武線で1本だし」
奈緒が笑った。小さい、でも本当に嬉しそうな笑い方だった。
ティッシュで体を拭いて、一つの布団に二人で入った。外はまだ台風が暴れてたけど、奈緒の体温があったかくて、なんかもうどうでもよかった。
「あしたの朝、麻衣に何て言おう」
「拓海にも何か言わないとな」
「…たぶん二人ともニヤニヤするだけだよ」
「間違いない」
奈緒が俺の胸に頭を乗せてきた。
「おやすみ」
「おやすみ」
朝、目が覚めたら台風は過ぎてて、窓から入ってくる光がやたら眩しかった。腕の中で奈緒がまだ寝てて、寝顔がかわいくて、しばらくそのまま見てた。
食堂に行ったら、案の定拓海と麻衣がニヤニヤしてた。
「…何だよその顔」
「いや別に?ただ壁薄いなーって思っただけ」
「お前らもな」
「麻衣、鍵返して」
「えへへ、ごめんね。…でもよかったじゃん?」
奈緒が顔を真っ赤にしてた。
翔太が遠くのテーブルから「おーい!何のろけてんだよー!」って叫んでて、美咲が「やめなって」って翔太の口を塞いでた。
残りの4日間、俺と奈緒はずっと一緒だった。教習の合間に手を繋いで、夜は同じ布団で寝て。拓海は「もう俺の布団完全に奪われたな」って笑ってたけど、ちゃんと麻衣の部屋に通い続けてたから問題なかった。
卒業検定は俺も奈緒も一発で受かった。米沢駅の新幹線ホームで、「また東京で」って約束して別れた。
あれから3年経った。奈緒とはまだ付き合ってる。来月、同棲を始める予定だ。
米沢の教習所のパンフレットは、今でも奈緒の部屋の本棚に挟まってる。