行きつけのケーキ屋の美人パティシエと付き合った話

2026.04.12

14分で読了

社会人三年目。二十五歳。

俺、園田陽介(そのだ ようすけ)には、会社帰りの楽しみがある。

駅から自宅までの道にある、小さなケーキ屋。

『Pâtisserie fleur(パティスリー・フルール)』。

白い壁にパステルピンクの看板。ガラス張りのショーケースに宝石みたいなケーキが並んでいる洋菓子店だ。

俺は甘党だ。昔から筋金入りの。大学のときケーキバイキングに一人で行ってたし、今も会社のデスクにチョコを常備している。

そんな俺が、半年前にこの店を──正確には、この店の「あの人」を見つけてしまった。

「いらっしゃいませ♡」

白いパティシエコートに、ストライプ柄のエプロン。

ショーケースの向こうから、ふわっと微笑むその人。

桐島紗月(きりしま さつき)さん。二十三歳。この店のオーナーパティシエ。

製菓専門学校を出てフランスで二年修業し、去年この店をオープンしたらしい。

ふわふわのミルクティー色のボブ。くりっとした大きなヘーゼルブラウンの瞳。ぽてっとした桜色の唇。小さな顔にちょこんと可愛い鼻。

──で、何がやばいって。

パティシエコートの胸元を、ぱんっと押し上げている豊満な膨らみ。エプロンの紐が上下で布を引き締めて、余計に強調されている。

かがんでケーキを取り出すたびに、ふるんっと揺れる。

(見るな見るな見るな……)

毎回自分に言い聞かせてるのに、目が勝手に吸い寄せられる。

通い始めたきっかけは半年前の十月。残業帰りにふらっと入った閉店間際。

「今日のおすすめは、このモンブランです♡ 熊本産の利平栗を使って、ラム酒を少しきかせてるんですよ」

──一目で心臓を撃ち抜かれた。

帰って食べたモンブランは、人生で一番うまかった。味に感動して翌週も行った。その翌週も。気づけば週二、三回通う常連になっていた。

何度も顔を合わせるうちに会話が増えた。

「園田さん、今日の新作はピスタチオとフランボワーズのタルトです♡ 感想聞かせてくれると嬉しいです」

「もちろん!」

翌日。

「紗月さん、昨日のタルト最高でした。ピスタチオの風味がしっかりあるのに甘すぎなくて、フランボワーズの酸味とのバランスが絶妙で」

「ほんとですか!?♡ 配合を三回やり直したんです!」

「三回も!?」

「嬉しい……♡ 園田さんの感想、すっごく的確で♡ 味の違いをわかってくれる人ってなかなかいなくて」

紗月さんが胸の前で手をきゅっと合わせて、ふにゃっと笑った。

──この日から、俺は毎回感想を伝えるようになった。

「紗月さん、あのバスクチーズケーキの表面の苦みと中のとろとろのコントラスト最高でした。あと、ほんのりオレンジの香りしました?」

「えっ、わかりました!?♡♡ オレンジの皮を少しだけ入れたんです。気づいてくれたの園田さんが初めて♡♡」

紗月さんがカウンター越しに身を乗り出す。ふわん、と甘い匂い。

──シャンプーか、仕事中に染みついた香りか。どっちにしても、たまらなくいい。

(近い近い近い。顔が近い。あと胸が──カウンターの上で潰れて──)

「園田さん? 顔赤いですよ?」

「いっ、なんでもないです!」

「ふふ♡」

(この人、自分の破壊力わかってないだろ……)

通い始めて四ヶ月。バレンタイン前の二月。

閉店間際、客は俺だけだった。

「あの、園田さん」

紗月さんがもじもじとエプロンの端を握った。

「来週の日曜、お店休みにして新作の試食会しようと思ってるんです。春メニューの試作の感想がほしくて……」

「お客さん何人くらい呼ぶんですか?」

「えっと……園田さんだけ、なんですけど……」

「……え?」

「だ、だめですか……? 園田さんの感想がいちばん信頼できるから……」

俺だけ。日曜に。二人きりで。

心臓がどくん、と跳ねた。

「行きます。絶対行きます」

「ほんとですか!?♡ 断られたらどうしようって、ずっとドキドキしてたんです」

「断るわけないですよ」

「えへへ♡ じゃあ日曜、午後一時に来てくださいね♡」

帰り道、冬の冷たい空気の中、俺の顔はたぶん真っ赤だった。

日曜日。午後一時。

裏口から入ると、厨房から紗月さんが出てきた。

──息が止まった。

いつものコートじゃなく、淡いピンクのニットにデニムスカート。その上にベージュのリネンエプロン。ゆるふわのヘアはちょっと巻かれていて、耳の後ろに小さな花のピン。薄いピンクのリップ。明らかにおしゃれしている。

そして──ピンクのニットが胸元をぱつんと押し上げて、エプロンの紐がその膨らみの上を通って、とんでもないラインを作っている。

(反則だろこれ……)

「あの、変ですか……?」

「全然! めちゃくちゃ似合ってます」

「えへへ♡ 普段コート姿ばっかりだから、たまにはちゃんとした格好しなきゃって♡」

厨房の作業台に、六種類のプチガトーが並んでいた。

「春のメニュー候補です♡ 桜のムース、苺のミルフィーユ、抹茶のテリーヌ、レモンとラベンダーのタルト、ピーチメルバ、マンゴーのヴェリーヌ」

一つ目の桜のムース。口に入れた瞬間、ふわっと桜の香り。舌の上でとろけて消えて、フランボワーズのジュレがきゅっと酸味を加える。

「桜の余韻がすごくいい。食べ終わっても口の中にふわって残る」

「わぁ♡♡」

苺のミルフィーユのカスタードに隠されたタヒチ産バニラビーンズも当てた。残りの四つも次々と食べた。どれもレベルが違う。

「レモンとラベンダーのタルト、口に入れた瞬間はレモンで後味がラベンダーっていう二段構え、最高です」

「きゃっ♡♡ まさにそれを狙ったんです!」

六つ目。マンゴーとパッションフルーツのヴェリーヌ。

「マンゴーの濃厚さとパッションフルーツの酸味が混ざって、南国の風みたいです。最後にミントの爽やかさが来る。この季節感の演出、天才だと思います」

ふと横を見ると、紗月さんが目をうるうるさせていた。

「ごめんなさい……嬉しくて……♡」

エプロンの端で目元を拭う。

「お店を始めてから、ずっと一人で全部やってきて。『美味しい』って言ってくれるお客さんはいるけど、何がどう美味しいのか具体的に言ってくれる人はいなくて」

「……」

「園田さんはいつもちゃんと味を見てくれて。素材のこと、香りのこと、バランスのこと。園田さんの感想が──私にとって一番のご褒美なんです……♡」

胸の奥がじわっと熱くなった。

「紗月さん」

俺は紗月さんの方に体を向けた。潤んだ瞳。睫毛に涙の雫。ほんのりピンクの頬。

「俺、紗月さんのケーキ大好きです。でも──それだけじゃなくて」

心臓がばくばくいってる。でも、ここで言わなかったら一生後悔する。

「紗月さんのことが、好きです」

しん、と静まった厨房。冷蔵庫のぶーんという音だけ。

「好きです♡」

紗月さんが、真っ赤な顔でまっすぐ俺を見ていた。

「私も、園田さんのことが好きです♡」

「……マジで?」

「マジです♡」

涙をぽろぽろ流しながら笑った。

「初めてお店に来てくれた日から気になってて。園田さんが来る日は朝からそわそわして、ケーキをいつもより丁寧に仕上げちゃって。今日の試食会も──ほんとは二人きりになりたかっただけで……♡」

──もう我慢できなかった。

紗月さんの頬にそっと手を添えた。こくん、と小さく頷く紗月さん。

唇を重ねた。

ちゅっ。

「んっ……♡」

ぷるぷると柔らかくて、ほんのり甘い唇。

少しだけ離れる。数センチの距離。甘い吐息が唇にかかる。

「もう一回……いいですか♡」

「何回でも」

今度は深く。舌先で紗月の唇をなぞると、おずおずと唇が開いて、舌と舌が触れ合った。

ちゅ……ちゅるっ……

「んんっ……♡ れろ……♡」

深いキスをしながら、自然と背中を撫でていた。

「陽介って呼んでいい?」

「はい♡ ……陽介さん♡」

「紗月」

「……♡♡」

ふにゃっと笑って、俺の胸に顔をうずめた。

抱きしめているうちに、理性がどんどんやばくなってきた。

紗月の胸が俺の胸板に押しつけられて、ふにゅっと形を変えている。

「んっ……♡」

「ごめん、苦しかった?」

「ううん……♡ ちょっと、どきどきして……♡」

とろんとした瞳。紅潮した頬。半開きの唇。

(この顔はずるいだろ)

「触って、いいですか♡」

──こっちのセリフだった。最後のブレーキが外れた。

エプロン越しに、紗月の胸に手を触れた。

ふにゅ。

「ひゃっ……♡」

手のひらに収まりきらない大きさ。じんわり伝わる体温。両手で包み込むように揉んだ。

ふにゅ……むにゅ……

「はぁ……♡ あっ、陽介さん……♡」

「エプロン、そのままでいい?」

「……えっちです♡」

「否定はしない」

「ふふ♡ じゃあそのままで♡」

エプロンの下に手を滑り込ませ、ニットの上から直接揉む。

ふにゅるんっ。

「あぁっ♡♡」

親指で先端を探って、くりっ。

「ひぁっ♡♡ こ、ここ弱いです……♡」

くりくりっ。

「やぁっ♡♡ あっ、だめっ♡♡」

ニットの裾をめくり上げると、淡いラベンダー色のレースブラ。谷間に薄っすら汗が光り、カップから溢れそうな双丘。

ブラをずらすと、ぷるんっと飛び出す白い果実。桜色の先端がつんと硬くなっている。

先端を指でつまんで、くにっ。

「ひぁっ♡♡♡」

もう片方に舌を這わせた。ちゅるっ。

「ひゃあっ♡♡♡ 舌はだめぇ……♡♡」

れろ……ちゅっ、ちゅる……

先端を唇で咥えて吸いながら舌先で転がす。

「あっ♡ あっ♡ きもちいっ♡♡♡」

紗月が俺の頭を抱きしめた。

「もっと、触りたい」

「……♡♡」

小さく頷く紗月。

デニムスカートの裾から太ももに手を滑り込ませた。すべすべで、むちっとした弾力。内側に向かって進むと、紗月の息が荒くなっていく。

指先がショーツに触れた。──びしょびしょに濡れていた。

「こんなに?」

「だって……♡ 陽介さんがおっぱい気持ちよくしてくれるから……♡♡」

ショーツの端をずらして、直接触れた。ぬるっ。

「ひゃぁっ♡♡♡」

とろとろに蕩けた花びらの間を、指先がすべる。上の小さな突起に触れると──

「ひぁっ♡♡♡♡ そこっ♡♡ 気持ちいいっ♡♡」

くりくり刺激しながら、入口にそっと指を滑り込ませた。ずぶっ。

「んんっ♡♡♡」

熱くて、きゅうきゅうで、とろとろ。もう一本追加。

くちゅくちゅくちゅ。

「あっ♡ あっ♡ だめっ♡♡ きもちいいっ♡♡♡」

二本の指で中をかき回しながら、親指で上を同時に刺激する。

「いっちゃうっ♡♡ 陽介さんっ♡♡ いっちゃ──♡♡♡」

びくんっ♡♡♡

紗月の体が大きく跳ねて、指をぎゅうっと締めつけた。

「あああっ♡♡♡♡」

ぷるぷると震えながら絶頂を迎える紗月。指の周りに、とろとろの蜜が溢れてくる。

「はぁ……♡ はぁ……♡ 指だけでこんなの初めて……♡♡」

紗月がとろんとした目で、俺のベルトのあたりに視線を落とした。

「……陽介さんも、こんなに♡」

「いや、これは──」

「私にもさせてください♡」

紗月がゆっくりしゃがんだ。エプロン姿のまま、俺の前にひざまずく。

(この絵面、やばすぎる……)

ベルトを外して、取り出す。ぶるんっと解放されたそれが紗月の目の前でびくびく脈打つ。

「……おっきい♡♡」

紗月が舌を伸ばした。ぺろっ。先端をちろちろと舐める。

「ん♡ ちゅっ……れろ……♡」

ぱくっと咥えた。ずぶっ。

温かくて湿った口の中。舌がうねうねと絡みつく。

ちゅぱっ、ちゅぱっ、じゅるるっ。

「はぁ♡ 美味しい……♡♡」

紗月が口を離して笑った。唇の端から唾液が糸を引く。

「もっと奥まで……♡」

再び咥えて、ぐっと深く──ずぶぶぶっ。

「んぐっ♡♡」

喉の奥まで飲み込まれる。きゅうっと締めつけてくる感触。

ずぶっ……ちゅるっ……ずぶぶっ……

「紗月、やばい……もう──」

紗月が口を離した。ぬらぬらと光るそれを見つめて。

「陽介さん♡ 入れてほしいです♡」

真っ赤な顔で、まっすぐ俺を見て。

紗月を作業台の上に座らせた。

スカートをたくし上げ、びしょびしょのショーツをゆっくり脱がせる。蜜で糸を引きながら太ももを伝っていく。

エプロンはそのまま。ニットは胸までめくれて白い胸が露わで、下はスカートがたくし上がって──

(エプロンつけたままこの状態、エロすぎる……)

紗月の両脚の間に立って、先端を入口にあてがった。たっぷりの蜜がぬるっと濡らす。

「入れるよ」

「はい……♡ お願いします……♡♡」

ゆっくり腰を進めた。

ずぶ……ずぶぶ……ずぶんっ。

「はぁっ♡♡♡♡ 入ってくるぅ……♡♡♡」

奥まで全部。紗月が大きく仰け反った。

「紗月の中、めちゃくちゃ気持ちいい……」

「陽介さんのも……♡♡ 奥まで届いてるぅ……♡♡」

ゆっくり引いて、また突き入れる。ずちゅっ、ずちゅっ。

きゅうきゅうと締めつける内壁が、ねっとりと包み込んで絡みつく。

ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ。

「あっ♡ あっ♡ きもちいいっ♡♡♡ 奥っ♡♡ 奥に当たってぇっ♡♡♡」

紗月が俺の首に両腕を回してしがみつく。揺れる胸が俺の胸板にぷにぷに潰れる。

ぱんぱんぱんぱんっ。ペースを上げた。

「やぁっ♡♡♡ はげしっ♡♡♡ またイっちゃうっ♡♡♡♡」

「イっていいよ」

「あっ♡ あっ♡♡♡──イクッ♡♡♡♡♡」

びくんびくんっ♡♡♡

中がぎゅうぅっと締めつけてきた。

「俺ももう──」

「中にっ♡♡♡ 中に出してっ♡♡♡♡」

どくっ、どくっ、どくどくどくっ。

紗月の一番奥に、全部注ぎ込んだ。

「あぁっ♡♡♡♡♡ あついっ♡♡♡ あついのが入ってくるぅっ♡♡♡♡♡」

びくんびくんと痙攣しながら、紗月がぎゅうっと抱きしめてくる。

「はぁ……♡♡ はぁ……♡♡ すごかった……♡♡♡」

余韻は数分だった。

繋がったまま、中で再び硬くなっていく。

「あっ♡♡ 陽介さん、まだ元気……♡♡」

「紗月が可愛すぎて……」

「もっと、してほしいです♡」

紗月を作業台から降ろして、くるっと向きを変えた。

「えっ♡♡ 後ろから?♡」

「このエプロンの後ろ姿が──ずっと気になってたから」

「えっち♡♡♡」

紗月が作業台に両手をついて、お尻をこっちに向けた。

エプロンの紐が背中で蝶々結びになっていて、その下にむちっとした白いお尻。太ももの間から、さっき出したものがとろりと垂れている。

先端をあてがって、一気に──ずぶんっ♡♡♡

「んんんっ♡♡♡♡」

後ろからだと角度が違う。奥の別の場所に当たる。

「あぁっ♡♡♡ さっきと違うところに当たるっ♡♡♡♡」

ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ。

作業台がガタガタ鳴る。製菓道具がかちゃかちゃ揺れる。

エプロンの紐を片手で掴んで、ぐいっと引く。紗月の体が反り返る。

「ひぁっ♡♡♡♡♡」

「紗月がエプロン姿で誘うから──」

「ちょっと誘いましたっ♡♡♡♡」

ぱんぱんぱんぱんっ。さらに激しく、深く。

「あっ♡♡♡ イクっ♡♡♡♡ またイっちゃうっ♡♡♡♡♡」

「俺も──」

「中にっ♡♡♡♡ また中に出してぇっ♡♡♡♡♡」

「──紗月っ!!」

どくっ、どくっ、どくどくどくどくっ。

二回目を、一番奥に全部出した。

「あぁぁっ♡♡♡♡♡♡♡ いっぱい出てるぅっ♡♡♡♡♡♡」

びくんっ、びくんっ。紗月の中がぎゅうぅっと搾り取るように締めつける。

紗月がぐったり作業台に突っ伏して、俺も覆いかぶさるように倒れた。

エプロン越しに、紗月の背中の温もりが伝わる。

「紗月」

「はい……♡♡」

「好きだ。めちゃくちゃ好きだ」

「私も……♡♡♡ 大好きです……♡♡♡♡」

気づいたら、二人で厨房の床に座り込んでいた。紗月が俺の肩にもたれかかって、くったりと体を預けている。

「陽介さん♡」

「ん?」

「ケーキ、食べる?♡」

紗月がよろよろと立ち上がって、冷蔵庫を開けた。取り出したのは、小さなハート型のケーキ。真っ白な生クリームに赤い苺。チョコのプレートに繊細な文字。

『大好きです♡ ──さつき』

「実はね、最初からこれを渡して告白するつもりだったんです♡♡ でも陽介さんが先に言ってくれたから……」

「マジか……」

「はい、あーん♡」

フォークでひと口。甘い。とろとろの生クリーム、ふわふわのスポンジ、ジューシーな苺。

でも、いちばん甘かったのは──紗月の笑顔だった。

「どうですか?♡♡」

「最高。世界一美味い」

「えへへ♡♡♡」

紗月が俺の唇にちゅっとキスして、いたずらっぽく笑った。

「これからも、甘いもの──いっぱいあげるね♡♡♡」

「ケーキ?」

「ケーキも♡ ……それ以外も♡♡♡」

──ああ、もう。

この子は。この子のケーキは。この子の全部は。

俺の人生で、いちばん甘い。

<了>


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