単調な週末に飽きて一人で申し込んだ四国・吉野川の激流ラフティングで、ボートを操る同い年の美人ガイドに翻弄され、川辺のロッジの焚き火の夜に結ばれた話

六月のよく晴れた土曜日、俺は四国の山あいを走るレンタカーのハンドルを握って、エメラルド色の川を横目に見ながら走っていた。

俺、田所亮(たどころ りょう)、二十八歳。都内のIT企業でシステム保守の仕事をしている。平日は社内のサーバーとにらめっこ、土日は寝て、たまにコンビニ。気づけばもう何ヶ月も、同じ週末を繰り返していた。

きっかけは、夜中にスマホで見た一本の動画だった。エメラルドの激流を、人を乗せたゴムボートが跳ねるように下っていく。水しぶきの中で、ガイドらしき人が叫んでいる。「前っ、前っ、漕いでっ!」。それを見た瞬間、なぜか胸の奥がざわついた。

田所亮(……俺、最後にあんな声出したの、いつだっけ)

気づけば、予約サイトで「吉野川 ラフティング 半日コース」をぽちっと押していた。一人参加可、と書いてあった。後泊で川辺のロッジに一泊するプランも、勢いでつけた。

そうして俺は今、大歩危(おおぼけ)の谷を縫う県道を走っている。窓を開けると、川の匂いと、夏の手前の青い匂いがした。

ラフティングのベースは、川を見下ろす河岸段丘の上にあった。古い民家を改装したらしいログ調の建物。「RIVER BASE 渓(けい)」と手書きの看板が出ている。駐車場に車を入れると、ウェットスーツ姿の人たちが、何艇分かのゴムボートを軽トラに積み込んでいた。

田所亮「えっと……半日コース予約した、田所です」

受付に声をかけると、奥から日に焼けた大柄な男が出てきた。年は五十くらいか。白髪交じりの坊主頭に、よく笑う目。

熊野さん「おう、田所さんね! 一人参加の。ようこそ吉野川へ。俺、ここのオーナーで熊野。みんな熊さんって呼ぶよ」

田所亮「よ、よろしくお願いします」

熊野さん「初ラフティング?」

田所亮「はい、まったくの初心者で……」

熊野さん「大丈夫大丈夫。うちの一番腕のいいガイドつけるから。おーい、澪ー! お客さん来たぞー!」

熊さんが、建物の裏に向かって大声で呼んだ。すると。

朝比奈澪「はーい、今行くー!」

よく通る、少し高めの声がした。裏のテラスから、ウェットスーツの上だけを腰で結んだ女性が、ひょいと顔を出した。

思わず、目を奪われた。

ショートカットの黒髪を、無造作にタオルで拭いている。日に焼けた肌に、引き締まった肩。インナーの黒いラッシュガードから覗く鎖骨に、まだ乾ききっていない水滴が光っていた。切れ長の目に、強い光がある。化粧っ気はまるでないのに、いや、ないからこそ、生命力みたいなものがまっすぐ伝わってくる。

田所亮(……うわ、綺麗な人だ)

朝比奈澪「あ、田所さん? はじめまして、今日ガイドする朝比奈澪です。澪でいいよ」

田所亮「た、田所亮です。よろしくお願いします」

朝比奈澪「ガッチガチじゃん。緊張してる?」

田所亮「いや、まあ……川、けっこう激しいって聞いて」

朝比奈澪「ふふ。今日の水量なら、ちょうどいいスリルだよ。落としたりしないから、安心して」

そう言って、澪さんはにっと白い歯を見せた。

朝比奈澪「……まあ、自分から落ちる分には、止めないけど」

田所亮「えっ」

朝比奈澪「冗談。さ、着替えよっか。ウェットスーツ、サイズ合わせるね」

更衣室でウェットスーツに着替えて、ヘルメットとライフジャケットを装着する。鏡に映った自分が、思いのほか様になっていて、ちょっと笑った。

ベースの前に、ボートを積んだ軽トラと、参加者を乗せるワゴンが停まっていた。今日の同じ便は、大学生らしき四人組と、カップル一組、そして一人参加の俺。澪さんが、よく通る声でブリーフィングを始めた。

朝比奈澪「はい、注目ー。今日下るのは、吉野川の小歩危(こぼけ)区間。日本でも有数の激流です。怖い? 大丈夫、ちゃんと漕げば、川はちゃんと応えてくれるから」

パドルの握り方、漕ぎ方、落ちたときの体勢。澪さんの説明は、無駄がなくて、的確だった。声に迷いがない。

朝比奈澪「一番大事なのは、私の声をよく聞くこと。『前漕いで』って言ったら全力で前。『止まれ』で止まる。それだけ守ってくれたら、最高の一日にする。約束」

その横顔を見ていて、俺はもう半分、川じゃなくて澪さんに気を取られていた。

スタート地点で、ボートに乗り込む。一艇は六人乗り。俺は澪さんの真ん前、最前列の右側に座らされた。

朝比奈澪「田所さんは私の目の前ね。初心者はガイドの近くが安心だから」

田所亮「あ、はい」

朝比奈澪「……ていうか、漕ぎっぷり見たいし。期待してるよ、新人くん」

新人くん。なんでだろう、その響きに、妙にドキッとした。

ボートが、流れに押し出される。最初の瀬は、ゆるやかだった。ぱしゃぱしゃと水を切って、谷の間を進んでいく。両岸は切り立った岩壁。新緑の木々が川面に影を落として、水はぞっとするほど澄んだエメラルド色だった。

田所亮「……すげえ。水、こんなに綺麗なんだ」

朝比奈澪「でしょ。吉野川は四国一の暴れ川だけど、その分、水が綺麗なの。さ、ウォーミングアップ終わり。次から本番だよ」

谷の奥から、低い地鳴りみたいな音が聞こえてきた。瀬の音だ。前方の川面が、白く泡立ちながら岩の間を落ちていくのが見えた。

朝比奈澪「来たよ、最初の大物! みんな、ポジション! ……前っ、前漕いでーっ!」

澪さんの号令で、全員が必死にパドルを水に突き刺す。ボートが、ぐんと加速した。次の瞬間、視界が真っ白になった。

ばしゃあああっ!

田所亮「うわっ、わっ、わっ!」

冷たい水が、全身に叩きつけられる。ボートが波に乗り上げ、ふわっと宙に浮いて、また落ちる。胃が浮くような感覚。叫び声と、水しぶきと、澪さんの号令が、ぜんぶ一緒くたになって、頭の中が真っ白になった。

朝比奈澪「右っ、右ぃっ! 岩よけるよっ!」

俺は無我夢中でパドルを動かした。気づけば、腹の底から声が出ていた。

田所亮「うおおおおっ!」

瀬を抜けると、ボートは穏やかな淵に滑り込んだ。全身ずぶ濡れ。心臓がばくばくいっている。なのに、口元が勝手に笑っていた。

朝比奈澪「ふふっ、新人くん、いい声出たじゃん」

田所亮「……なんすか、今の。やばい、めちゃくちゃ楽しい」

朝比奈澪「でしょ? これがラフティング。さっきまでの死んだ目、どっか行ったね」

田所亮「死んだ目て」

朝比奈澪「受付来たとき、すっごい疲れた顔してたよ、田所さん」

図星だった。澪さんは、櫂で水をひとかきして、俺の方を振り返った。

朝比奈澪「川はね、嘘つけないの。怖がってると、ほんとに落ちる。でも、思いっきり楽しんでる人は、川のほうが乗せてくれるんだよ」

その言葉が、なぜか胸に残った。

いくつもの瀬を越えていった。途中、岩の上から深い淵に飛び込むポイントがあった。希望者だけ、と澪さんが言うので、俺は迷わず手を挙げた。さっきまでの自分なら、絶対やらなかった。

朝比奈澪「お、新人くん、攻めるね。じゃ、私と一緒に飛ぶ?」

田所亮「い、一緒に?」

朝比奈澪「こわい?」

田所亮「……いや、飛びます」

岩の上に、澪さんと並んで立った。彼女のウェットスーツが、太陽の下できらきら光っている。

朝比奈澪「せーので行くよ。手、繋ぐ?」

田所亮「えっ」

朝比奈澪「初心者は、誰かと飛んだほうが怖くないの。ほら」

差し出された手を、思わず握った。濡れていて、ひんやりして、でも、確かに温かかった。

朝比奈澪「せーのっ!」

二人で、エメラルドの淵に飛び込んだ。ぐわっと水に包まれて、ライフジャケットの浮力でふわっと浮き上がる。水面に顔を出すと、すぐ隣で澪さんが笑っていた。濡れた前髪が額に張り付いて、その顔が、子供みたいに無邪気だった。

朝比奈澪「ぷはっ……どう、最高でしょ!」

田所亮「……最高っす。冷たい、けど、最高」

朝比奈澪「ふふ、いい顔するようになったじゃん、新人くん」

繋いだままの手を、彼女はすぐには離さなかった。

中盤、流れの緩い区間で、ボートにぷかぷか浮かびながら休憩した。澪さんと、ぽつぽつ話した。

田所亮「澪さんって、ずっとこの仕事を?」

朝比奈澪「んー、五年くらいかな。前は、大阪でアパレルの販売員してたの」

田所亮「えっ、意外」

朝比奈澪「売り上げノルマに追われて、毎日ぴりぴりしてさ。ある日、有給で来た吉野川のラフティングで、こう……ぜんぶ流された感じがして」

田所亮「流された」

朝比奈澪「うん。悩んでたこと、ぜんぶ。で、気づいたら熊さんに『ここで働かせてください』って頼んでた。我ながら、勢いだよね」

くすっと笑って、澪さんは空を見上げた。日に焼けた喉が、きれいな線を描いていた。

朝比奈澪「田所さんは? なんで一人で、こんなとこまで来たの」

田所亮「……俺も、たぶん、流されたかったんですよ。同じことの繰り返しで、なんか、息が詰まってて」

朝比奈澪「ふうん」

田所亮「夜中に、ラフティングの動画見て。ガイドの人が『前漕いで』って叫んでて。なんか、それが、やけに眩しくて」

朝比奈澪「……それ、もしかして、うちの動画じゃない?」

田所亮「えっ」

朝比奈澪「去年、撮影入ったやつ。『前漕いで』って叫んでるの、たぶん私だわ」

俺は、あっけにとられて澪さんを見た。あの動画の声。胸をざわつかせた、あの声。

田所亮「……えっ、じゃあ、俺、澪さんの声に呼ばれて、ここ来たってこと?」

朝比奈澪「ふふっ、なにそれ。運命じゃん」

軽口のつもりだったんだろう。でも、その「運命」って言葉が、俺の中で、思いのほか深く響いた。

ゴール地点に着いたのは、昼過ぎだった。ボートから降りると、足腰がぱんぱんで、でも全身に、清々しい疲労感があった。ずっと忘れていた感覚だった。

朝比奈澪「お疲れさま、新人くん。初ラフティング、完走だね」

田所亮「……いやー、ほんと、来てよかった。マジで」

朝比奈澪「でしょ。あ、田所さん、今日ベースに後泊だっけ?」

田所亮「あ、はい。一泊の予約で」

朝比奈澪「じゃあ、夜の打ち上げBBQ、出れるね。スタッフとお客さん混ざって、川原で焚き火するの。今日は田所さんだけ泊まりだから、ほぼ貸切だよ」

ベースに戻って、シャワーを浴びて、私服に着替えた。日が傾く頃、川原に降りると、もう焚き火の準備が始まっていた。

熊さんが、炭をおこしながら、缶ビールを放ってよこした。

熊野さん「ほい、田所さん。今日はよく漕いだらしいな。澪が褒めてたぞ、『あの新人、筋がいい』って」

田所亮「えっ、ほんとですか」

熊野さん「あいつが客を褒めるの、珍しいんだわ。ガイドには厳しいくせにな。がはは」

その熊さんも、ひとしきりBBQを楽しむと、「俺は明日早いから」と母屋に引き上げていった。気づけば、広い川原に、俺と澪さんの二人だけが残されていた。

焚き火が、ぱちぱちと爆ぜる。空には、信じられないくらいの数の星が出ていた。川の音だけが、ずっと低く響いている。

朝比奈澪「……都会じゃ、こんな星、見れないでしょ」

田所亮「見れないっす。ていうか、空、こんなに星あったんだって、今びっくりしてる」

朝比奈澪「ふふ。私が初めてここ来た夜も、おんなじこと言ったよ」

澪さんが、炎のすぐ横に座って、膝を抱えた。火に照らされた横顔が、昼間の元気な彼女とは少し違って見えた。

朝比奈澪「ねえ、田所さん」

田所亮「亮で、いいです」

朝比奈澪「……亮。今日、楽しかった?」

田所亮「めちゃくちゃ楽しかった。たぶん、何年ぶりかってくらい」

朝比奈澪「そっか。……あのね、私、お客さんのこと、こんなふうに思うの、初めてなんだけど」

澪さんが、火を見つめたまま、ぽつりと言った。

朝比奈澪「亮の、瀬を抜けたあとの顔。すっごい、いい顔してた。あの顔見たとき、なんか……ずっと一緒に川下りたいなって、思っちゃった」

焚き火の音が、やけに大きく聞こえた。俺は、缶ビールを置いて、澪さんの方を見た。

田所亮「……それ、ガイドとして? それとも」

朝比奈澪「……ばか。そんなの、自分で聞く?」

澪さんが、顔を上げた。火明かりに、潤んだ瞳が揺れている。俺は、もう自分を止められなかった。

膝でにじり寄って、彼女の頬に手を添えた。日に焼けた肌は、まだ少し川の冷たさを残していて、でも、確かに熱を持っていた。

田所亮「……澪さん」

朝比奈澪「ん……」

ゆっくり、唇を重ねた。

ちゅ……。

焚き火の匂いと、かすかなビールの味。澪さんの唇は、柔らかくて、少し震えていた。

朝比奈澪「ん……♡」

一度離して、もう一度。今度は少し深く。澪さんが、俺のシャツを、きゅっと握った。

朝比奈澪「……亮、心臓、すごい音」

田所亮「澪さんもでしょ」

朝比奈澪「……うん。ばれてる♡」

くすっと笑って、澪さんが俺の首に腕を回してきた。舌先で唇をなぞると、彼女の口がそっと開いた。

ちゅ……れろ……ちゅるっ……♡

朝比奈澪「んむ……♡」

火のそばで、しばらく抱き合っていた。やがて、澪さんが、潤んだ目で俺を見上げた。

朝比奈澪「……ねえ。私の部屋、行く? ベースの離れ、私の住み込み部屋なの」

田所亮「……いいの?」

朝比奈澪「……今日、亮を一人で泊まらせる気、もう、ないから♡」

焚き火に水をかけて、二人で手を繋いで、暗い川原を上がった。ベースの裏手、川を見下ろす小さな離れ。澪さんの部屋は、木の匂いがして、窓の外に星空が広がっていた。

ドアを閉めると、もう一度、どちらからともなく唇を重ねた。さっきよりずっと深く。舌を絡めながら、お互いの服に手をかけていく。

ちゅぷ……れろ……ちゅるっ……♡♡

朝比奈澪「ん……んぅ……♡」

ぷはっ、と離れると、唾液が細く糸を引いた。

朝比奈澪「はぁ……♡ ……亮、灯り、消して? ……恥ずかしい」

田所亮「星明かりだけで、十分見えるよ」

朝比奈澪「……もう。意地悪♡」

カットソーを脱がせると、引き締まった上半身に、くっきりとした日焼けの跡があった。ラッシュガードの形に、肩と腕だけが焼けて、その内側が、驚くほど白い。

田所亮「……日焼け、すごいな」

朝比奈澪「やっ♡ 言わないで、恥ずかしいから♡」

背中に手を回して、ホックを外す。カチッ。ブラが緩んで、形のいい胸がこぼれ出た。日に焼けていない、真っ白な乳房。先端は、淡い桜色だった。

田所亮「……綺麗だ。澪さん」

朝比奈澪「……そういうの、慣れてないから、ほんと、心臓もたない♡」

腕で隠そうとする手を、そっとどけて、ベッドに横たえた。右手で、左の胸を包むように触れる。

ふにっ。

朝比奈澪「あっ……♡」

手のひらに吸い付くような柔らかさ。指を沈めると、むにっと形を変える。もう片方も、手のひらで包んだ。

朝比奈澪「ん……っ♡ 両方、いっぺんに……♡♡」

親指で、先端をくりっと転がした。

朝比奈澪「ひゃっ♡♡」

びくんと、澪さんの肩が跳ねた。小さく硬くなった先端が、指先にコリコリと伝わってくる。

くりくり……くりくり……♡

朝比奈澪「あっ♡ あんっ♡♡ 亮っ……♡♡」

唇を、先端に落とした。ちゅっ。

朝比奈澪「ひぅっ♡♡♡」

舌先で転がしながら、反対の胸を揉みしだく。

ちゅるっ……れろ……ちゅう……♡♡

朝比奈澪「あっあっ♡♡ 吸っちゃ、だめっ……声、出ちゃう♡♡」

交互に舌を這わせて、たっぷりと味わう。澪さんの肌が、うっすら汗ばんで、川の名残みたいな匂いと混ざった。

田所亮「澪さん、下も脱がすよ」

朝比奈澪「……うん♡」

ショートパンツのボタンを外して、下着ごとゆっくり引き下ろす。膝を立てて閉じようとする太ももを、そっと開かせた。

田所亮「……すごい。もう、濡れてる」

朝比奈澪「やっ♡ 言わないでってば……♡ キスの時から、ずっとなんだもん♡♡」

桜色の花弁が、透明な蜜でとろりと濡れていた。指先で、そっとなぞる。

くちゅ……。

朝比奈澪「ひゃあっ♡♡ あっ♡♡」

びくん、と腰が跳ねた。小さな突起を見つけて、指の腹でくるくると円を描く。

くり……くり……♡

朝比奈澪「あぁっ♡♡♡ そこっ……だめぇっ♡♡♡」

田所亮「だめじゃないだろ。気持ちいいんだろ?」

朝比奈澪「だってっ♡ 亮の指、上手すぎっ♡♡」

蜜をかき回しながら、中指を入り口にあてがった。

田所亮「指、入れるよ」

朝比奈澪「……うんっ♡♡ 来て……♡♡」

ずぷ……♡

朝比奈澪「あああっ♡♡♡」

ゆっくり、指が沈んでいく。熱い。きゅうきゅうと締め付けてくる。中をかき回しながら、もう一本。

ずぷっ♡

朝比奈澪「ひぃっ♡♡♡ 二本、おっきい♡♡」

二本の指で出し入れしながら、親指で突起を同時に刺激する。

ぐちゅっ……ぐちゅっ……ぐちゅっ……♡♡♡

朝比奈澪「あっあっあっ♡♡♡ すごいっ♡ 気持ちいいっ♡♡♡」

指を曲げて、上側の壁をぐっと押す。

朝比奈澪「ひぅっ♡♡♡♡ そこ、やばいっ♡♡♡」

澪さんの体が、びくびくと跳ね始める。

朝比奈澪「やっ♡ 来るっ……来ちゃうっ♡♡♡」

指の動きを速める。

ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ♡♡♡♡

朝比奈澪「あああっ♡♡♡ イっ……イくぅっ♡♡♡♡」

びくんっ、びくんっ、びくんっ♡♡♡

澪さんの背中が、弓なりに反った。中が、ぎゅうっと指を締め付けて、蜜が溢れ出す。やがて、力が抜けたようにベッドに沈み込んだ。

朝比奈澪「はぁっ……♡♡ はぁっ……♡♡ ……指だけで、こんなの……♡♡」

潤んだ瞳で、澪さんがゆっくり身を起こした。まだ余韻に震えながら、真っ赤な顔で、いたずらっぽく笑う。

朝比奈澪「……今度は、私の番♡ ガイドとして、ちゃんとお客さんを満足させないとね♡」

田所亮「それ、サービスに含まれてないでしょ」

朝比奈澪「ふふっ♡ 特別コースだよ♡」

俺のズボンに手を伸ばす澪さん。ベルトを外して、下着ごと引き下ろすと――ばちんっ、と限界まで張り詰めたものが跳ね上がった。澪さんが、息を呑む。

朝比奈澪「……おっきい♡♡ こんなの、入るのかな♡♡」

うつ伏せになって、顔を近づけてくる。

ぺろ……。

先端を、舌先でちろっと舐めた。

朝比奈澪「ん……♡ 亮の味♡♡」

ちゅっ、と先端にキスをして、それから、ぱくりと口に含んだ。

ずぷ……。温かく濡れた口の中。舌が、裏筋をなぞる。

朝比奈澪「ん……じゅるっ♡♡ れろれろ……♡♡」

ゆっくり頭を上下させる澪さん。ショートカットの髪が揺れて、上目遣いの瞳が、潤んでこっちを見ている。

田所亮「澪さん……やば、気持ちよすぎ」

朝比奈澪「んふ♡ もっと、してあげる♡♡」

ちゅぱっ……じゅるるっ……♡♡

頬をすぼめて、吸い上げる。深く咥えるたびに、全身に電流が走った。

ずぷっ……ずぷっ……♡♡

田所亮「待って、それ以上は……イっちゃう」

ぷはっ、と口を離す澪さん。唇が、唾液でてらてらと光っていた。

朝比奈澪「だーめ♡ まだイっちゃ、だめだよ♡」

いたずらっぽく笑う澪さんを、ベッドに引き上げた。財布から、コンドームを取り出す。

朝比奈澪「……ちゃんと、持ってきてたんだ?」

田所亮「いや、これは、その……一応」

朝比奈澪「ふふ♡ 責めてないよ♡ えらい♡ ……つけて♡」

手早く装着して、澪さんを仰向けにした。星明かりに、白い肌と、日焼けの跡が、青白く浮かんで見える。脚の間に体を滑り込ませて、先端を入り口にあてがった。

ぬちゅ……♡

田所亮「入れるよ、澪さん」

朝比奈澪「うん♡ 来て……亮の、ほしい♡♡」

ゆっくり、腰を進める。

ずぷ……ずぷぷ……♡♡

朝比奈澪「あぁっ♡♡♡ 入って、くるぅ♡♡♡」

きゅうきゅうと締め付けながら、奥へ引き込んでくる。

朝比奈澪「おっきい♡♡ おなかの中、いっぱいになってく♡♡♡」

ずぷん♡♡

根元まで、収まった。下腹部が、ぴたりと密着する。

朝比奈澪「はぁっ♡♡ 全部、入った♡♡ 奥まで、来てる……♡♡♡」

田所亮「動くよ」

ゆっくり腰を引いて、また押し込む。

ずるっ……ずぷんっ♡♡

パンっ♡

朝比奈澪「ああっ♡♡♡」

パンッ……パンッ……♡♡

リズミカルに、打ちつけ始める。

朝比奈澪「あっあっあっ♡♡♡ 亮っ♡♡ 気持ちいいっ♡♡♡」

澪さんが、俺の背中にしがみついてくる。爪が食い込んだ。少し痛い。でも、それがまた、たまらなく興奮した。肌と肌がぶつかる音が、静かな部屋に響く。

パンパンパンッ♡♡♡

朝比奈澪「奥っ♡♡♡ 奥に、当たってるっ♡♡♡♡」

澪さんの脚が、俺の腰に絡みついてくる。もっと奥を求めて。

田所亮「澪さん、川では俺のこと引っ張ってたのに、今は逆だな」

朝比奈澪「ふふっ♡ ……ベッドの上は、亮がガイドして♡♡」

笑い合いながら、また腰を打ちつける。角度を変えて、突き上げる。

朝比奈澪「そこぉっ♡♡♡♡」

澪さんの腰が浮く。さらに奥を突くと、結合部から、卑猥な水音が溢れた。

パンパンパンパンパンッ♡♡♡♡♡

ぐちゅぐちゅぐちゅ♡♡♡

朝比奈澪「やばっ♡♡ また、来るっ♡♡ イっちゃうっ♡♡♡♡」

田所亮「俺も、もう……っ」

朝比奈澪「一緒に……♡♡♡ 一緒にイこっ……♡♡♡♡」

澪さんが、背中に両腕を回してしがみつく。脚も、がっちり腰に絡む。奥に押し付けるように――最後の一突き。

朝比奈澪「あぁぁっ♡♡♡♡♡!!」

田所亮「イく……っ!」

どくんっ、どくっ、どくっ……!

朝比奈澪「イっ……イくぅっ♡♡♡♡♡♡」

澪さんの全身が震えて、中が、痙攣するように搾り取っていく。

びくんっ、びくんっ、びくんっ♡♡♡

朝比奈澪「はぁっ♡♡ はぁっ♡♡ ……すごかった……♡♡♡」

抱き合ったまま、荒い呼吸を繰り返した。ちゅ、と軽くキスをする。

朝比奈澪「……まだ、抜かないで♡」

繋がったまま、お互いの心臓の音を聞いていた。やがて、澪さんがくすっと笑う。

朝比奈澪「……ねえ、亮」

田所亮「ん?」

朝比奈澪「……まだ、元気だよね♡♡」

繋がった場所で、また硬くなり始めているのが、彼女にも伝わったらしい。

田所亮「澪さんが、気持ちよすぎて」

朝比奈澪「もう♡ ……今度は、私が動くから♡」

新しいゴムに替えて、澪さんが俺の上にまたがった。騎乗位。星明かりに、引き締まった体が浮かび上がる。角度を調整して――

ずぷん♡♡

朝比奈澪「あっ♡♡♡ この体勢、奥まで……入るっ♡♡♡」

ゆっくり、腰を上下させ始める。

ずぷ……ずちゅ……ずぷっ♡♡

朝比奈澪「ん♡♡ 自分で動くの、すごっ♡♡♡」

目の前で、白い胸が揺れる。両手を伸ばして、掴んだ。

むにゅっ♡♡

朝比奈澪「ひゃんっ♡♡♡ 揉んだら、動けなくなるっ♡♡♡」

田所亮「いいから。動いて、澪さん」

ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡♡

朝比奈澪「あっあっあっ♡♡♡ 奥っ……いい場所に、当たってるっ♡♡♡♡」

澪さんが、腰を回すように動き始めた。ぐりんぐりんと、中をかき回される。

朝比奈澪「これ……川で鍛えた、腰だから♡♡♡」

田所亮「反則だろ、それ……っ」

ぐちゅるっ♡♡ ぐちゅるっ♡♡♡

下から、突き上げる。

ずぷんっ♡♡♡

朝比奈澪「ひぁっ♡♡♡♡ 下から、だめっ♡♡♡」

澪さんの動きと、俺の突き上げが、一番奥でぶつかる。

パンパンパンパンパンッ♡♡♡♡♡

ぐちゅぐちゅぐちゅ♡♡♡♡

朝比奈澪「だめっ♡♡♡ イくイくイくっ♡♡♡♡♡」

田所亮「俺も、もう出る……っ!」

朝比奈澪「一緒にっ♡♡♡♡ また一緒にっ♡♡♡♡♡」

ずぷんっ♡♡♡♡

最後の一突きを、奥に叩き込む。

朝比奈澪「イくぅぅっ♡♡♡♡♡♡」

どくんっ、どくっ、どくっ、どくっ……!

朝比奈澪「あぁぁぁっ♡♡♡♡♡ すごっ……♡♡♡ いっぱい……♡♡♡♡」

びくんっ、びくんっ、びくんっ♡♡♡♡

澪さんが、力を失って、俺の上に倒れ込んできた。汗ばんだ体を、ぎゅっと抱きとめる。

朝比奈澪「はぁっ♡♡ はぁっ♡♡ ……最高、だった……♡♡♡♡」

田所亮「俺も。澪さん」

ちゅ、と汗ばんだ額にキスをした。窓の外には、降ってくるような星空が広がっていた。川の音が、ずっと低く響いている。

朝比奈澪「……ねえ、亮」

田所亮「ん?」

朝比奈澪「今日、川で飛び込むとき、手、繋いだでしょ」

田所亮「ああ」

朝比奈澪「……あのとき、もう、ちょっと好きになってたかも、私」

胸の上で、澪さんが、ふにゃっと笑った。

田所亮「奇遇だな。俺も、あの飛び込みのとき、川より澪さんの顔ばっか見てた」

朝比奈澪「……なにそれ♡ ずるい」

くすくす笑いながら、澪さんが俺の胸に頬を寄せて、目を閉じた。栗色に日焼けした肩が、寝息に合わせて、ゆっくり上下する。

田所亮(……すごい一日だったな)

俺も、澪さんを抱きしめたまま、目を閉じた。

――朝。

窓から差し込む光で、目が覚めた。澪さんは、まだ俺の腕の中で眠っている。ショートカットの髪が頬にかかって、寝顔がとんでもなく無防備だった。

すぅ……すぅ……。

田所亮(夢じゃ、なかった)

そっと身を起こして、窓の外を見た。朝靄の中、谷を流れる吉野川が、朝日を受けてきらきらと光っていた。昨日、あの流れを、二人で下ったのだ。

朝比奈澪「ん……♡ 亮……?」

澪さんが目を覚ました。寝起きの、少しかすれた声。

田所亮「おはよ。澪さん、見て。川、朝日できらきらしてる」

澪さんが、窓辺に身を寄せて、目を細めた。

朝比奈澪「……朝の吉野川、いちばん好きなんだ。誰もいなくて、川の音だけで」

田所亮「……綺麗だ」

朝比奈澪「川でしょ?」

田所亮「……いや、澪さんが」

澪さんの頬が、ぽっと赤くなった。

朝比奈澪「……朝から、それ、反則♡」

そう言いながら、俺の腕に、そっと自分の腕を絡めてきた。並んで窓辺に立って、朝の川を眺める。しばらくして、澪さんが、ぽつりと言った。

朝比奈澪「ねえ、亮。東京、遠いよね」

田所亮「……まあ、四国だしな」

朝比奈澪「……でも、私、待つの、得意なの。川って、待つ仕事だから。水量が落ち着くのも、お客さんが漕げるようになるのも、ぜんぶ待つの」

澪さんが、こっちを見上げて、にっこり笑った。

朝比奈澪「だから、亮が次に来てくれるのも、待てる。……また、来てくれる?」

俺は、その問いの意味を、ちゃんと理解した。これは、ただの一晩じゃない。続きの始まりだ。だったら、待たせるだけじゃなくて、こっちもちゃんと言葉にしないと。

田所亮「澪さん。待たせるの、なんか、悔しいから言うけど」

朝比奈澪「……うん?」

田所亮「俺、来月もまた来る。その次も。……澪さんに会いに。恋人として、ちゃんと通いたい」

澪さんの目が、まんまるになった。それから、じわっと潤んで、ぽろっと一粒こぼれた。

朝比奈澪「……ずるい。朝から、泣かせる気?」

田所亮「泣くなって。返事は?」

朝比奈澪「……うん。私も、亮のことが好き♡ ……今日から、恋人ね♡」

そう言って、澪さんが背伸びして、俺の唇に、ちゅっと軽くキスをした。

朝比奈澪「ふふ♡ 決まり♡ ……あ、でもね、亮」

田所亮「ん?」

朝比奈澪「恋人になっても、川では容赦しないから。『前漕いで』って言ったら、全力で漕いでよね♡」

田所亮「……はい、ガイドさん」

朝比奈澪「ふふっ、いい返事♡ 新人くん、合格♡」

窓の外、朝靄が晴れていく谷を、吉野川がどこまでもまっすぐに流れていた。

単調な週末に飽きて、夜中に見た一本の動画。「前漕いで」と叫ぶ、あの声に呼ばれるように、俺はこの谷まで来た。

その声の主が――今、俺の隣で、川みたいに澄んだ目をして笑っている。

これは、たまたまの一日なんかじゃない。きっと、何度でも一緒にこの川を下る、その始まりの日だ。

― 終 ―


編集部プロフィール画像

編集部が運営。「あの夜」で読める恋の体験談を厳選して公開しています。