旅行・お出かけ
原価表の数字でしか魚を見られなくなっていた居酒屋チェーンの商品開発の僕が、衝動で逃げ込んだ鳥羽の漁村で、素潜りでアワビを獲る無口な若い海女に海の味を教わるうちに惹かれ、梅雨明けの凪いだ夜の海女小屋で結ばれた話
毎日エクセルの原価表を睨み、魚を一グラム何円でしか見られなくなっていた僕は、衝動で鳥羽の小さな漁村へ逃げた。素泊まりの民宿で出会ったのは、素潜りでアワビを獲る無口な若い海女・汐莉さんだった。冷たい海に潜る背中、炭火で焼く貝の匂い、そして——梅雨が明けた凪いだ夜の海女小屋で、僕たちは。