ご近所・日常
一日じゅう他人の怒鳴り声を浴びて眠れなくなっていたコールセンターの僕が、縁日で死にかけた金魚を抱えて駆け込んだ路地裏の小さな熱帯魚店で、魚の話になると早口になる同い年の女主人に飼い方を一から教わるうちに惹かれ、初雪の舞う夜に水槽の灯りだけの店の奥で結ばれた話
一日じゅう、電話の向こうの怒りばかりを浴びていた。眠れない夜、夏祭りの屋台ですくった金魚が弱って——藁にもすがる思いで駆け込んだ、路地裏の小さな熱帯魚店。水草の水槽を育てる女主人・真鍋澪さんに、魚の飼い方を教わるうちに惹かれていって。初雪の舞う夜、水槽の灯りだけの店の奥で、俺たちは結ばれた。