旅行・お出かけ
貨物船の航路を画面の上で引くだけで本物の海も灯りも一度も見たことがなかった内航海運の運行管理の僕が、衝動で飛び乗った深夜フェリーで降り立った瀬戸内の小さな島で、亡き祖父の灯台をひとりで継いで守る同い年の無口な彼女に、灯りの番と霧笛の読み方を教わるうちに惹かれ、梅雨の霧が晴れた夜に灯台の真下で結ばれた話
毎日モニターの上で貨物船を点に変え、瀬戸内の海も灯台も一度も見たことがなかった僕は、衝動で深夜フェリーに飛び乗った。辿り着いた小さな島で出迎えてくれたのは、亡き祖父の灯台をひとりで守る、同い年の無口な灯台守・凪さんだった。回り続ける灯り、夜霧に響く霧笛、そして——梅雨の霧が晴れた夜、灯台の真下で、僕たちは。