旅行・お出かけ
監視画面のアラートばかり見て夜明けの色を忘れていた僕が、衝動で泊まりに行った峠の上の小さな雲海茶屋で、毎朝の霧の出を風で読む無口な若い女主人に空の読み方を教わるうちに惹かれ、今年いちばんの雲海が割れた夜明けに結ばれた話
サーバー監視の夜勤で、何年も本物の夜明けを見ていなかった僕が、勢いで予約したのは峠の上の小さな雲海茶屋の素泊まり。出迎えてくれたのは、毎朝の霧の出を風と匂いで読むという、無口な若い女主人・千尋さんだった。空振りの朝、降りこめる夜霧、そして——今年いちばんの雲海が割れた夜明けに、僕たちは。